くむーる&ぬむるす欧州旅行記


(5日目)
6月21日


 朝見ていたMTVではマドンナの"Lay of Light"がヘヴィ・ローテーション。マドンナも老けたなぁ、といっても40歳間近にしてあの美貌と活動力は凄い。
 窓から最後のメーラレン湖の眺めを楽しむ。山のような天気で寒かったけど、また来たい。不思議とこれっきりではない気がする。少なくとも市立図書館はもう一度トライだ(^_^;)。

 お昼頃バスターミナルへ出てまずチケットを買う。紙製のテレフォンカードのようなもので磁気テープも付いてる。こんなリッパなチケットを1回使いきりで良いのだろうかと思う。45分ほどバスに揺られていく。来たときは真夜中で風景など全然見れなかったんだよな。どこまでいっても山はなく緩やかな丘。アカシアの白いプワプワした種が空中を舞っている。ナゴミ〜なストックホルム。さようなら。またね。

 空港についたのが早過ぎて、私たちが乗る飛行機はまだタイムテーブルにも載っていなかった。しぶがアイスが食べたいと騒ぎ出す。とりあえず自動販売機でマグナム・アイスのチョコ味を購入。メチャクチャ甘かったらしい。それでも時間が余ってしまったので2Fのカフェでビールを飲む。ANDERSSONSという銘柄で、アルコールも高め。これはコクがあっておいしかった。スウェーデンのビールはあとお馴染みカールスバーグとORIONビール(だったと思う。沖縄のとは別物)を飲んだのだが後者がまずかった。街中で一番良く見かけたビールだったんだけどなぁ。

空港のルーン碑文石

 荷物も預けて身軽になったところで空港のなかを探索。ビルを繋ぐ通路は工事中でガタガタしていたが、免税店が並ぶメインのホールやラウンジは木質系の建材をふんだんに使い、大きい開口部とともに明るく暖かい空間を作っている。さすがインテリアの国。私はTVで刺激されて「ビッケ」のグッズを探し回ったが、全く見つけられなかった。ヌイグルミならトナカイがたくさんあった。でか過ぎて頭が支えられず自重でクテッとしている情けないトナカイもいた(^^;)。

アーランダ空港のルーン碑文石。くまじと。

 しぶは本兼CD屋でミレーヌ・ファルメール(*1)の2枚組の特殊デジパック限定CDを見つけて悶絶する。えらいギラギラしたパッケージであった。そしてメタル/デス系のCD付き雑誌を何冊か購入。SLAYERとSOULFLYがどの雑誌でも大きく取り上げられていた。こっちではMANOWARが日本以上にまじめに人気があるようだ。
 今日のフライトは予定通りに乗れそうだ。ゲートに入る前に職員にチケットとパスポートを見せると「いってらっしゃい」と日本語で言ってくれた(^-^)。

 アーランダ空港からブリュッセル空港まではサベナ航空を使う。この旅行で初めて知った航空会社でアテンダントの制服がビリジアン。なるほど一味違うようだ。乗るときもゲートから直接降りて飛行機まで歩いていくという冷遇ぶり。あまりメジャーな航空会社じゃないのかな?

 初めて土を踏むブリュッセルは・・・暑かったぁ〜。
 スウェーデンから冬のかっこのまま来たので蒸すは暑いで「違うところに来たなぁ」と実感。それもそのはず、緯度が10度も違う。まずは荷物を取ってから両替をする。この時のレートは1BF(ベルギーフラン)=4円強。ガイドブックには’98年4月で3.57円と書いてあったから、ここでも円が落ちてること知る。日本に帰ったらとたんに景気が良くなっちゃったりして、ムリか。
 到着ロビーから地下に降りて、ブリュッセル(Bruxelle・Brussel)直通の列車に乗る。その前にこわごわと切符を買う(^_^;)。英語で通じるだろうなぁとは分かっていても、周りはフランス語やオランダ語が飛びかう環境。不安になってガイドブックを出して「ここに行きたい」と意思表示。飛行機のチケットのような立派なキップをくれた。特に改札というものがなくそのまま通過。大きな荷物を持っているときはこのほうが有り難い。
 

 さて、列車に乗った。地上にでて初めてみるベルギーの印象は「ボロい」(笑)。スウェーデンでは同じ積石造でも石、あるいは煉瓦の上をきれいにモルタルを塗って馴らしてありカッチリした印象が強かったが、こっちは煉瓦の角が欠けようが目地のモルタルがはみ出ようがそのまんま。同じヨーロッパでも国が違うと家も違う。当たり前なのだが妙に感心してしまう。一番目の停車駅Schaerbeek駅(すいません、読めません)では、どこまでがプラットホームで駅の構内なのか境界が不明になっているほどの崩れよう。別にカッチリしてなくたって、人の倫理がしっかりしてればどうにかなるもんね。改札は列車内に職員が回ってきて切符に日時をスタンプすることで確認しているようだ。

 私たちが向かう駅はガレ・セントラル(Gare・Centrale)。さっき通過したのはBruxelle Nordだった。本にはそんな駅書いてないけど、たしかに北駅(Gare de Nord)ってのはあるなぁ。「しぶさん、ブリュッセル・セントラルだって、ここかなぁ、でもガレなんて書いてないよ。」そして次はBruxelle Midizuid駅。「南だって、しぶさん。さっきの駅でよかったのかなぁ、でもガレなんてかいてなかったよねー」

 そして今まで鈍行より遅かった列車が文字通り爆走を始めた(T_T)。

 どうみても窓の外の景色は、都市を通り過ぎて田舎に出てしまったようにしか思えない。牛、馬、羊、山羊、地平線がみえるような牧草地。しぶとももは笑うしかなく、どこかで列車が止まってくれることを祈った。 爆走を始めて20分くらい、やっと停車してくれた。Braine-le-comte?ガイドブックにも載っていないような駅だ。開き直って、二度と来ないだろうこの田舎の駅で記念写真を取る。ゴミ箱のイラストがEL&P(パウエル)のアルバムジャケットに似ていたので思わず撮影してしまう。15分くらいそんなこんなで遊んでいると空港方面に行く急行列車が来たので乗り込んだ。それにしてもあの駅はどこだったんだろうか?

どこよ?
謎の駅・Braine-le-comte。

 Gareというのは「駅」という意味で、中央駅ということでガイドブックには書いてあったのだろう。間違ってはいないけど紛らわしい。今度こそBruxelle Centralで下車する。ベルギーではホテル・アミーゴという最高級(笑)ホテルに宿泊する予定。駅から歩いて5分位で行けるようだがトンだオプションで疲れてしまいタクシーで行く。道が複雑なので初めて行く人間にはタクシーの方がいいかも知れない。
 予定の到着時間は7時くらいだったのに9時を回っていたし、Tシャツのヨレヨレした若者が飛び込んできて、フロントのおじさんがもう「最高級ホテルのプライドが服着て息してる」って感じの人だったから、フランス語で押しきられるイジワルをされたらどうしようかと心配していたが、そんなことはなく(当たり前だ)ポーターの、ディデエ・マレーヴ(*2)に似たかわいいおじさんに部屋へ案内された。ドアはカードをミゾに滑らせてロックを解くタイプのドアだったのだが、いくら滑らせても反応ナシ。部屋番号が違うのとかキズが付いてるのか、いろいろ確認したが落ち度はなく、困ったおじさんはフロントへ飛び帰った。やっぱりイジワルか?
 部屋といったら、もう・・・(@@)。中世の牢獄を改装してホテルにしたという話だったので結構ボロくて暗いんじゃないかと想像していた(それはそれでよい)が、最近また改装したらしく、日本人が貴族サマのお部屋といったら想像するようなゴージャスな(^_^;)部屋であった。しかも部屋ごとに家具やファブリックが違うらしい。さすが最高級っす。新婚向け。
 荷物を解いている間かけていたMTVはまたマドンナの"Lay of Light"が流れている。異国情緒もあったもんじゃない私たち。アウー。

ブラバン公爵の家
屋根に馬まで乗っちゃってます。
 このホテルの近くにはグラン・プラス(Grand Place)広場があり、有名な王の家(Maison du Roi)や市庁舎(Hotel de Ville)が向かいあわせで建っている。夜が明るいのはもう馴れたが、ここはライトアップもあって、また素朴なストックホルムの明るさとは違っていた。豪華絢爛、そしてトゥー・マッチ。中世の、田舎から出てきた旅人がこの華麗な建物に圧倒される図が容易に目に浮かぶ。しぶ&ももは夕飯を食べにグラン・プラスにちかいファルスタッフ(FALSTAFF)に向かった。本には「アール・ヌーヴォの内装がお洒落」と書いてあったからだ。ブリュッセルにきたらアール・ヌーヴォ、そして、地ビールっすよ!!!
 メニューは仏・蘭・独・英の4つの言語でかかれていたがよくわからず、サンドウィッチとかオムレツとか分かりやすいものを頼む。ビールはオルバル(Orvel)ビール。料理は程ほどの量で助かった。ベルギーの地ビールには必ず決まった形のマイ・グラスがあって、オルバルにもゴブレットをさらにでかくゴツくしたようなグラスが付いてきた。〜〜〜〜〜(;_;)おいしくて感涙。インテリアも天窓や窓のステンドグラスが美しく、賑わっているが騒がしくない、とても居心地が良いお店。お勧めです。

明日は街をプラプラする予定。


(*1)ミレーヌ・ファルメール
  仏の女性ポップシンガー、といっては申し訳ない人らしい。「L'antre・・・」は私も聴きましたが、鬼気迫る傑作でした。
(*2)ディディエ・マレーヴ
  色々やってる笛吹きおじさん。一番有名なのはGONGでしょう。SHORT WAVEもいいです。

日本 ストックホルム ブリュッセル
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