くむーる&ぬむるすカナダラ旅行記



(4日目)
7月22日
雨時々曇り

 8時起床。早朝に一度起きたShibuは「すごい雨だったよ」と言っていた。今は幸いにも止んでいるようだ。朝食は空港で食べることにして、身繕いだけしてホテル前のバス停に並んだ。実に味のあるホテルだった。

 並んで5分ほどでバスがやってきた。KALのリムジンバスではなく路線バスを利用した高速バスらしい。時々普通の通勤客も乗り込んでくる。料金もW5000とKALバスの半額。
 バスの中ではBGMがかかっていた。Gary Mooreの"Still Got The Blues"が流れ出すと、ヴォリュームが大きくなった。運ちゃん、ファンらしい(笑)。朝の9時頃というと、ソウル市内は通勤者による交通渋滞がすごいと聞いていたが、日曜日なので車の流れはとてもスムーズだ。運ちゃんもGary Mooreを聞いて興に乗ってきたのか、スピード出しまくり。そのうち雨が強くなってきたのにスピードは全然落ちない。高速道路にのるとスピードもスコールのような雨も絶好調。あの〜〜〜・・・前殆ど見えてないんですけど(冷汗)

 とてもスリリングなドライブだった。
 途中私は寝てしまったが、行きの道中で見た赤い草原の海岸はまだ健在だったようだ。

 空港に到着して早速チェックイン。早いフライトの人から早くチェックインできるように誘導するようなラインが付いている。並ぶのが苦手な韓国人に良いと思う。
 荷物を預けて身軽になったので、朝食を食べに行く。仁川空港はC型の平面をしており、端から端までの距離は結構長い。JALのカウンターからかなり歩いてようやく韓国料理のレストランを見つけた。Shibuはもう一度石焼きビピンバプを食べたいと言っていたからだ。しかしまだ朝食メニューしかサービスしておらず、石焼きビピンパプは断念せざるを得なかった。替わりにShibuはソルロンタン(牛のスープ)を頼んだ。白濁するまでよくに混んだそのスープはコクがあるのに、意外とさっぱりしていて朝食にぴったりだ。もものは牛肉のそぼろとサラダをボールに入れてグチャグチャと混ぜて食べる料理(名前失念)。コレも朝食向けだが、何しろ量が多い(^_^;)。いつものように腹十二分目になってしまった。ただ、やはり価格は空港価格。ソウル価格になれてると「不当じゃないか」と思ってしまうが、それは言いがかりだろう。
 次は家族や会社の人へのお土産を買うことにした。キムチは重いから遠慮しておく。ウロウロしているとテディベア・ショップを発見。欧州旅行記に登場した「くまじ」がいるかも、と思わず覗いてしまった。ワールドカップの特別コスチュームのクマに混じって、Steiff社・クラシックタイプの「くまじ」も奥でちんまり座っていた。傾けると「う゛めぇぇぇぇぇ」と謎の鳴き声をあげてくれる。秋田で可愛がられてるかなぁ、くまじ・・・。
 と、感慨に耽っていると店員が「いらっしゃいませ、かわいいですよねぇ」と話しかけてきた。買うつもりはないんだけど、タグに値段が付いていなかったのでShibuが「これはいくらなんですか?」と店員に聞いた。店員も「お待ち下さい」といって、在庫を確認していたがなかなか分からないようだ。時間が掛かりそうだったので「もういいです」と言って店を出てきてしまった。
 他の店ではしぶの会社用のお土産に結局高麗人参が入ったクランチチョコを大量に買った。家族のお土産には韓国ノリやらコチュジャン、韓国のお子さま向けレトルトカレー、かっぱえびせんのコピー商品などなど安くてアヤシイものを買い込んだ。それでもまだまだ搭乗まで時間がある。今度はどこを覗こうか。先ほどのテディベア・ショップの前を歩いていたら、店員はまだ在庫を確認していた。よっぽど分からなかったのが悔しかったんだなぁ。
 空港の地下まで下りていくとCD屋、本屋、先ほど食べたところよりくだけた感じのレストランがあった。ももは韓国伝統音楽の楽器が載った本があったら是非欲しいと思っていたので、一応覗いてみた。店員に「音楽の本はどこですか?」と聞いたら、雑誌コーナーを案内されてしまった。もうロックは間に合ってます(^_^;)。

未だ読めてません
 もう一度店内をよく探してみると、韓国の地方を詳しく解説したり、お祭りや食事を紹介するシリーズの本を見つけた。片っ端から探していけば伝統楽器もありそうだ。本のカバーにはシリーズのリストが付いていたのだが全部ハングルで、読解力が追いつかない。再度店員にリストを見せて「この中に伝統音楽についての本はあるか?」と聞くと、店員が探し出してくれた。ブラボー!!正にこの本!やはりハングルで書かれているので読むのは大変そうだが、カラー写真が豊富なので眺めているだけでも楽しそうだ。タイトルは訳すと「我が国楽器」かな。

ISBN 89-369-0014-5-00670
Daewonsa Publishing Co.,Ltd.
http://www.daewonsa.co.kr

 忘れずにウォンを円に換金。そろそろ搭乗口に行こうとすると、どうも空港使用券というのを買わなければ搭乗口に入れないと分かった。あう、失敗。もう円しか持ってないよ。券を売ってくれる窓口に行くと、幸い日本円でも券が買うことができた。大きいホテルならフロントでも購入できるらしい。換金と一緒に忘れずに。W15,000。

 自分用に買った高麗人参チョコを食べ(意外と癖がないホワイトチョコだった)ロビーで搭乗を待った。席の前のTVは音楽番組を流していた。KoreaMusicTV。日本と変わらないダンス音楽。それに混じってCrashのデスメタルサウンドが流れてきたのには驚いた。まだ真新しい空港の雰囲気と合わないんだもの(笑)。
 フライトは順調。機内でまたトランプゲームに興じて、到着も順調。思ったよりソウルは近い。近かったのだ。

 約10年前、専門学校の修学旅行で韓国に行ったことがあった。その時はハングルを覚えようとせず、「どこを見ようか」と計画を練ることもなく、ただプラプラとハングル看板の波を彷徨っただけだった。別に行きたくなかった免税店の店員はヤケに日本語が上手くて商品をお奨めしてくるのに、街中の商店は愛想悪いし、タクシーに乗ったらボラレるしで、私の中の韓国像は決して良いものではなかった。しかし今回の旅行は違う。ハングルを少し読めるようになったら地下鉄を間違えなくなった。最初から「日本のサービス精神を期待するな」と分かれば店員の無愛想も納得だし、当たり前だが目的があれば充実感も違うのだ。こちらから求めなければ反応なんて返ってこない。向こうから美味しいものがやってくることを待っていた前回の修学旅行を反省。

 韓国から帰ってきたら「一般の食堂でも日本人お断りの店が出てきました」なんてニュースを聞いてしまった。教科書問題はますます深みにはまっているようだ。「新しい歴史教科書」を読んでいないので、どんな歴史の歪曲があるのか知らない。何にも知らないのも失礼なので「新しい歴史教科書をつくる会」のHPを読んでみた。

(以下、執筆者 西尾幹二 のインタビューの感想;本題である教科書を読んでいないので、偏ってた意見だと思います)
 なるほど。「日本人が戦後失った日本人としての誇りを取り戻す」試みを、古代史(縄文稲作や日本語の起源)から徹底して書き込んでいるようだ。今までの歴史教科書にはない「日本美術が印象派に及ぼした影響」なんてコラムもある。それはそれで面白そう。しかし日露戦争辺りからの記述にはやっぱり「?」マークで一杯だ。日本では「アジア解放」とうたった戦争が、現地の朝鮮や満州では本当に「解放」として捉えられていたのだろうか?「慰安婦問題についてはもちろん一行たりとも書かれていません。」の「もちろん」ってなんだ?大東亜共同宣言の素晴らしさを主張しているが、本当に日本人はそんな美しい行動をしていたのか?していたなら「バカチョン」なんて言葉は生まれませんよね?
 逆に「アメリカの原爆投下は正義であるし間違っていなかった。日本人は感謝すべきだ。」なんてアメリカの教科書に書いてあったら日本人はどう思う?殆どの日本人は激怒するに決まっている。
 ・・・と書いてから8月6日の原爆記念日に、TVで原爆を落とした人々のインタビューを観ることができた。彼らは「原爆を落としたことは間違えていない」と言った。しかし「二度と落としたくない」という気持ちも持っていた。正直言って「間違いではなかった」とはっきり言いきった彼らに怒りをおぼえた。でも自分だったらどうだろう?彼らはただの兵隊であり、命令に逆らうことなど出来なかった。ボタン一つ押しただけで多くの命が失われた現実と戦うなら「自分は間違えていなかった」と思わなければその後の人生を生き抜けなかっただろう。それはそれで彼らの正義だったと思う。

 いろんな価値観がある。でも絶対的な規律もあると思う。やってはいけないことがある。踏みにじってはいけない尊厳がある。「こういう事実がある」と並べるのはいいが、混乱するだけではないだろうか?そこから正義を中学生は考え出すことが出来るだろうか?自分の中学校の頃を思い出すと、それは無理があると思った。だからこそ「慰安婦問題」はやってはならないことの例として取り上げて欲しかった。

 最後は音楽に関係ないことで重く締めくくってしまいました(^_^;)
でも大変楽しい旅でした。今度は食べ過ぎに注意するよ〜♪

ぼくドラえもん



TOP 7/19 7/19 7/20 7/20 7/21 7/21 7/22
出発 NANTA 国立国楽院 貞洞劇場 市内観光 ライブハウス 帰国