くむーる&ぬむるすカナダラ旅行記



(1日目)
7月19日
晴れ時々曇り

 かなり前から「韓国行くぜー!!」と盛り上がっていた割には旅行会社へ申し込みに行くのが遅く、主要なパックツアーは全部満席。今回初めてH.I.S.を利用した。それでも空席を見つけるのは大変で、予定の日程を変えざるを得なかった。(本当は18日の夜に出発し22日の夕方に帰ってくる予定だった)結局19日の10:00発という早い時間のフライトに決定。ということは5時起きである(^_^;。ワールド杯時にはもっと凄いことになってると思うので、韓国への旅行は早めの予約をお薦めする。

 眠い目をこすりつつに電車に乗り、空港へ到着。チェックインも無事に済んだ。初めてJAL便を利用する。チェックインカウンターに行く前の荷物検査では重量を調べられ、それを表記したシールを貼られた。私の鞄は4.5Kg。Shibuのは、チュルさんへのおみやげであるmarquee10冊近く入っていたため7kg。こんな土産を受け取るチュルさんが可哀想である。
 ところで現在(2001.7月時点)韓国の紙幣ウォンは日本では換金できない。行きはあまり気にしなくて良いが、帰りに韓国国内で換金しておかないとまずいので注意が必要。
 空港で朝食を取ったり買い物をしたりしてるうちに搭乗時間になった。搭乗口はひたすら空港の端っこで、そのうえターミナルバス(というか、モノレールみたいな乗り物)に乗って移動する。歩けない距離ではないと思うけど・・・。

空港の端っこ
空港の端っこ

 初の2階席。私の席は窓側で、窓の下側に荷物収納があるのでサイドテーブル代わりになるし、普通の席より圧迫感が無くいい感じ。CMで見た人も多いと思うが、JALはエコノミー席でもパーソナルTVを付けるようになった。勿論ファーストクラスのものに比べたら番組は少ないだろうしゲームもヘボいのだろうが、約2時間のフライトの時間を潰すには充分だった。アテンダントがやたら乗客にお酒を勧めるのが印象的だった(笑)。
 韓国に入国するのにビザは必要ないが、入国・出国カードの記入の必要がある。搭乗して最初に配られるが、書き方は韓国到着間際に説明ビデオが流れるので、分からない人はそれを参照にすると良いだろう。

 予定より遅れて1時ちょい前にソウル・仁川(インチョン)空港に到着。今年開港したばかりの綺麗ガラス張りの空港で、見た感じ関西国際空港に似ていると思った。入国審査は飛行機内で書いた入国カードとパスポートを見せるだけで、言葉を交わさずに済んだ(でも書類のチェックは丁寧)。韓国語の基本「アンニョハセヨ〜(こんにちは)」と言ってもムッツリした表情。日本人だから愛想が悪いのかと思ったら、ただ役人面でえばっているだけみたい。
 荷物をピックアップして外に出ると、むっとした空気に満ちていた。それでも東京の(今年は特に)気違いじみた暑さに比べれば過ごしやすそうだ。ソウルへの直通の電車はまだ通っていないらしく、バスでの移動となる。いくらハングルを勉強したとはいえ、地名までは把握しておらず、乗るべきバスが分からなかったのでShibuが係員らしきおばちゃんに「ヨボセヨ(もしもし)」と尋ねる。通じたらしい(!)。おばちゃんは片言の日本語でバス停を教えてくれた。KALリムジンバスを利用してソウル市内までW10.000(約1,000円)。

 ソウル市内に行く途中の道で不思議な光景に遭遇。干潮で水が引いた後に広大な砂浜が広がり、その上にはびっしり赤紫色の草が生えていた。ちょっとお目にかかったことがない幻想的な眺めだった。少々荒く高速をかっ飛ばすバスの運転にも睡魔はめげず、だんだん眠くなってきた。

 バスは市内の中心地、明洞(ミョンドン)の有名ホテルの前に順番に止まってくれる。しかし今回私たちが利用するホテルはとても安い宿なのでバスは止まってくれないだろう(笑)。ラディソン・ソウル・プラザで降りて、地下鉄を利用することにした。近くの市庁(シチョン)駅から1号線に乗って隣の鐘閣(チョンガク)に向かった。
 ソウルの地下鉄はとても合理的で駅全てに番号が振られている。1号線なら100番台、2号線なら200番台だ。それに番号の方が日比谷線とか丸の内線などの名称よりも初めて利用する人にはわかりやすい。料金はW600で、ソウル市内ならほぼこの料金で行けてしまう。自動券売機は硬貨でしか買えないものが多いので、窓口で行き先を告げると切符とおつりを無愛想に返してくれる。
 ちょうど3時頃。鐘閣で降車し地上に登ると、ハングル看板の嵐(汗)。嵐の中に今回の我らの宿、YMCAホテルの看板が見つかった。しかし歩いても辿り着かず「?」と思ったら通り過ぎていた。入り口に人が当然のようにダベっていたりして、ホテルだとは思えなかったので見逃してしまったらしい(笑)。ホテルと言っても、東京神田にあるYMCAと同じように半分は学校が入っている。そのため6階にフロントがあるという変則的な作りになっていた。

 フロント階に出ると、昭和40年代にトリップしたような古い調度品に数々に圧倒される。Shibuが必要書類を書き終わると鍵を渡され、部屋に案内された。これも懐かしい大きいプラスチックの棒のキーホルダーが付いたタイプ。そして部屋のレトロさも大爆発。パックツアーの「エコノミータイプのホテル」より安いんだもの、コレくらい我慢しないと。個人的には我慢どころかとても好きな雰囲気だが、長期滞在や快適さを第一に求める人には不向きに思われる。門限12時を過ぎると裏口から帰宅の羽目になる。ちなみにフロントの人間には日本語はちゃんと通じる。
 そうそう。外資系の大きなホテルは知らないが、韓国のホテルはアメニティ・グッズをあまり置かないことにしているらしい。YMCAも石鹸とコップしか置いていなかった。歯ブラシやシャンプーなどフロントで買えるだろうが、日本から持参した方が無難である。

部屋全景→

部屋全景

 取りあえず旅装を解き一休み。Shibuはソウルのメル友チュルさんに電話(!)するために韓国語の辞書や参考書を見つつ文章を考えている。こういう時のShibuはヘンに集中力を発揮する。私は部屋の写真を撮ったり、今夜のメインイベントのミュージカル観劇の会場を調べたり、ウダウダしたりする。TVはCNN以外は全て韓国の番組。時代劇やホームドラマが多いみたいだ。4時半くらい、Shibuの文章作成も終わり、ミュージカルの当日券販売も気になるので会場がある西大門(ソデムン)に行くことにした。

 鐘閣から西大門へ行くには鐘路3街(チョンノ3ガ)で5番線に乗り換えるのだが、この乗り換えの距離が長い。しかも地下に深い。約10年前、私は専門学校の修学旅行でソウルを訪れている。韓国と北朝鮮との関係がもっと険悪だった時で「有事には道路が戦闘機の滑走路になるから広く、真っ直ぐなのだ」とか「地下鉄の駅は核シェルターになる」という話を誰かに聞いたのを思い出した。本当かどうかは知らない。それにしてもお年寄りや足の不自由な人には、乗り換えは大変な苦行である。そんなことを話したり、広告を冷やかしながら30分くらいで西大門に到着。5番出口までまた歩く(^_^;。
 地下鉄の広告で目についたのは「となりのトトロ」のポスターだった。教科書問題で日本の文化開放無期限延期になったはずだが、映画は対象ではないのだろうか?(後日、無事上映されたとのニュースを確認)

 韓国に来てまで観たいミュージカルとは「NANTA」。韓国語でNantaは「乱打」、とにかく物を叩き、野菜を切りまくるミュージカルらしい。歌がないということなので、ネイティヴじゃない私たちでも楽しめそう。2000年1月には来日公演もやっており、ニュースで紹介されたのを観て知っている人も多いかと思う(私もその一人だ)。1997年の初公演以来高い支持を得ており、西大門に専用劇場を構えるまでになった。しかしここで劇団四季や宝塚を予想してはいけない。NANTA劇場は映画館と一緒にビルの中にあるので看板を見逃さないように気をつける。
 ビルの中に入り、映画館のチケット売り場を通り過ぎた奥にNANTAのチケット売り場があった。当日券の有無を聞いてみると19:00に売り出されるからもう一度来てください、とのこと。よかった(^^)。
 とりあえず近くにあった公衆電話でチュルさんに電話連絡することにした。W500入れてどれだけ話せるのか全然分からなかったが兎に角かけてみる。

「・・・・・」(かかったらしい)
Shibu:ヨボセヨ。チョヌン カズヒコ なんたら・・・・
Cheol:Wait a minute....
「プツ」

 ものの5秒で切れてしまった。公衆電話が悪かったのか?ガイドブックで調べても電話についてはあまり載ってなかったので良くわからず。小銭がいることは確かなので、NANTAのグッズ売り場で日本語パンフレットを購入してお金を崩した。別の公衆電話では通話不能。うーんどうしたら・・・。

 Shibuが悪戦苦闘してるとき、ももはロビーをウロウロ。ふと、柱に3台ある、液晶画面がついた何かの機械で女性が電話をかけているのを目撃した。もしかしてTV電話なのか?どうもメールも打てるみたい。会話がダメならメールした方が早いかも、とそっちの機械で再度挑戦。でもやはり慣れない機械の操作は難しい。フリーメールが送れるようなのだが、すばやく本文を打たないと強制的にメニュー画面に替わってしまう。何度やっても送れないので、諦めてしまった。一度話せたのだから、チュルさんも私たちがソウルに到着したことは分かっただろう。毎回こんなトラブルにあってるような気がする・・・(ノ_<。)

 そんなことを1時間程やっていただろうか。冷房ですっかり体が冷えてしまった。どこかでお茶を飲むことにした。NANTA劇場の近くに貞洞(チョッドン)劇場という伝統芸能専門の劇場があり、その敷地内に伝統茶を飲ませてくれる店があるらしい。そこに決めた。
 その前に夕飯の場所も確認しようと思い、ガイドブックには「NANTA劇場の向かいにあるソラボルという店の焼き肉が美味しい」と書かれていたのを思い出し、ソラボルを捜したが・・・・ない、ないよ。真向かいではなく少し斜めかと思って範囲を広げて調べたがなかった。潰れたのか?楽しみにしてたのになぁ。仕方ないので貞洞劇場の方に少し歩いていくと、あっけなくソラボルが見つかった。これは向かいとは言わないだろうよ、るるぶ情報版(怒)。この後るるぶに怒り爆発の事件が起こるが、それはまたあとで。貞洞劇場には無事に辿り着けた。

伝統茶
左からシッケ、草餅、ナツメ茶、ほうじ茶
 石造りの門をくぐるとすぐ左手側にその喫茶店、トダンがあった。煉瓦壁の落ち着いた雰囲気の店だ。
 席に着くと女性が扇子に書かれたメニューを見せてくれたが、全部ハングルでわからない(^_^;。戸惑っていると日本語のメニューを持ってきてくれた。どんな味なのか全く想像がつかないので、Shibuはシッケ、ももはナツメ茶と草餅、と適当に頼んでみた。壁際に漫画が数冊並んでいて、開いてみると日本の漫画ハングル版だった。ムムーー新鮮。中庭を見渡せる広い窓にはポストイットが多数貼られていた。メールアドレスが書いてあったり、ソウル観光に来た外国人観光客のメッセージがあったり「みんなの伝言板」みたいな感じ。

 そんなものを眺めたりガイドブックを読んでいるうちに、お茶が来た。カフェボールのような器に入ったものが伝統茶、普通の湯飲みに入ってるのはほうじ茶みたいなお茶。草餅は日本のものと違いはない。付属のスプーンでナツメ茶を一口。ん〜〜〜〜・・・・なんともいえない(汗)。あんこを水で溶かしたような、結構甘い、どこかクセのある味。Shibuが頼んだシッケは韓国の甘酒であった。甘さに飽きたらほうじ茶を飲む、という感じか。ナツメ茶は貧血に効用があるらしいが、あまり大量には飲めなかった。(でも飲んだ)




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出発 NANTA 国立国楽院 貞洞劇場 市内観光 ライブハウス 帰国