19:00少し前、NANTA劇場に戻ると、当日券売り場に数人たむろしていたが、特に並ぶ気配はなくバラバラとチケットを買って行く。地下鉄の窓口でもそうだったが、韓国の人はあまり整列しない。売り場は強気でいって吉。しぶももの当日券も無事確保し、T-シャツを買って開場までロビーの椅子に座って待った。
開場時間は特に決まっていないが、開演10分前くらいに係員の指示で前売り券客の入場が始まった。当日券客は入り口近くの柱のあたりで並んで待ち、指定席の観客の入場が落ち着いたところで入場した。入るとスポンジで出来た座布団みたいな物が置いてある。当日券客は階段部分にコレを敷いて座れと言うことらしい。立ち見だと思っていたのでホッとした。
会場の大きさは下北沢の本多劇場のより少し狭いくらいだろうか。思ったより舞台と観客席の距離は近い。野菜が飛び散るらしいが大丈夫か?舞台に向かって左側にはトルハルバンのような形をした木の彫り物、右側には時計が置かれている。舞台正面のスクリーンでは韓国語・英語・日本語で客をあおるような文句が流れる。BGMにサムルノリ(韓国の伝統音楽)をアフリカンビート調にアレンジした曲がかかっている。コレがとても心地よかった。まだ指定席に空きが見られるが、9割方入ったところで暗転した。
【簡単なあらすじ】
3人の料理人(チーフ・Sexy Guy(笑)・女料理人)が厨房で楽しく遊んでいると、マネージャーが自分の甥に当たる新人君を連れてくる。マネージャーはSexy Guyを降格し、新人君をいきなりシェフにしてしまう。当然3人の料理人達は面白くなくて、マネージャーが去った後、早速新人いびりを始める。マネージャーがまた戻ってくると「今から一時間以内に結婚披露宴用の料理を作れ」という指示が出た。慌てる4人の料理人はドタバタの披露宴準備を始まった・・・。
会場前にこんな看板が立っています。 |
パンフレットより転載 正にこんな感じ!! |
Head
Chef |
Female |
Sexy
Guy |
Nephew |
Manager |
Sung Min
Lee キレまくりチーフ |
Hyun OK
Chu お色気ねーちゃん |
Ho Yeoul
Sul ある意味一番まとも |
Hyung Jun
Lee タダものではない! |
Min Seo
Kim 要所々々で締める人 |
スクリーンには観客に指示が出される。「NANTAを観た後、おうちに帰って真似しないでください」「女性だけ拍手してください」などなど。観客をスムーズにステージの世界へ引き込むにはとても良いと思った。「マネージャー(役の人)が誕生日なので歌ってください」は、特別の指示だったと思われる。韓国の観客はノリが良くて、ちゃんと「ハッピバースデー♪」と歌ってあげる。「今歌ってくれた人達はいい人達です」だって(笑)。
細いスポットライトが差し込む中、4人の楽士が静かに登場。すでに舞台に並べられた楽器(鍋やタライなど日常生活で使うような物)を演奏しはじめた。サムルノリのスタイルだ。農楽と呼ばれる伝統音楽に使われる楽器の中で4つを選び、演奏するのがサムル(四物)ノリである。日本では金徳珠が率いるバンド名と思われていようだが、韓国では形態を差す名称らしい。沖縄民謡のようなゆったりしたリズムが段々激しさを増していく。そして楽士が衣装を脱ぎ捨てると、4人は激しいダンスを踊り始めるオープニング。男性3人と女性1人。そして一度舞台袖に引き上げる。
【その後のストーリー】
3人の料理人が厨房で楽しく遊んでいると、マネージャーが自分の甥に当たる新人君を連れてくる。今までの素行が悪かったのか、マネージャーはSexy guy(って書いてあるんだもん)をシェフから皿洗いに降格し、新人君をいきなりシェフにしてしまう(帽子の形で判断)。これでは3人の料理人達は面白くなくて、マネージャーが去った後、早速新人いびりを始める。マネージャーがまた戻ってくると「今から一時間以内に結婚披露宴用の料理を作れ」(13,4品目くらいあったような)という指示が出た。慌てる4人の料理人。新人君をいびりつつ、女料理人にモーションをかけつつ、ときどき2組に分かれて対決をしながらドタバタの披露宴準備が始まる。
それで野菜切りまくったり、ゴミ袋を客席に投げたり、包丁でまな板を叩きまくったり、鍋を叩いたり、火を噴いたり、塩をまいたりするのだ。君らおとぼけキャッツか(分かりにくい)。ダンスよりリズムの方がメインだし、ミュージカルというよりはパフォーマンスと言った方がいいかも知れない。ギャグもすごくベタなんだけど、笑える。★マネージャーが生きた鴨(勿論人形)を持って現れる。コレを絞めて料理せよとリクエスト。料理人達はみんな殺すのを嫌がって新人君に押しつけてしまう。新人君は生きたまま鴨をオーブンに突っ込んで取りあえず場を収めるが、マネージャーが鴨料理を取りに来た。出来ていないことを知ると、マネージャーは鴨を殺すために斧を持ってきて、チーフシェフに渡す。勿論その役目はたらい回し。オーブンに閉じこめられていた鴨も大人しく殺されようとはしない。空を飛んだり(装置がドリフ並みにチャチくて笑えた)料理人をつついたり反撃。最後に女料理人が銃を持ち出し、飛ぶ鴨を射殺。ローストチキンになって空から落ちてくる。
★ミニイベント1.
観客席から男女一名ずつを選びステージに挙げる。彼らは結婚式を挙げる新郎新婦に見立てられたらしい。衣装を着せられ、一部出来たごちそうを食べる。そのうち蠅が飛んできた(音のみ)。新婦のスープの中に入ってしまったようなので、料理人は新郎の気を催眠術で逸らし、新郎と新婦のスープ皿を取り替え、蠅が入ったことが分からないようにスープをよ〜く混ぜる。一件落着。(^_^;
★Sexy Guy VS 新人君
出会ったときから印象が悪い二人。新人君が女料理人にモーションをかけたことからSexy guyの怒り爆発。モップの柄を引き抜き、少林寺拳法の様な組み合いを始める。激しいケンカの末、ほうきの柄をSexy Guyのおしりに刺し(あぁぁぁぁぁぁ)新人君勝利。Sexy Guyのその後の歩き方が辛そうでもう(笑)。
★上の二人のけんかを止めようとして、ゴミ箱にハマったまま置いていかれたチーフシェフ。観客にゴミ箱を引っ張って貰い何とか脱出。そのあと、客いじりにはいる。客席を左右二つのチームに分け、(この仕草が妙に可笑しい)拍手による掛け合い合戦をさせたかったようだったが、どうしてもフライングする観客がいてうまくいかない。最後の方はチーフ半泣きであったが、7,8回目くらいにうまくいった。右と左で違うリズムを叩かせていて、上手く重なると面白いリズムになった。これも農楽の一部なんだろうか。
★ミニイベント2.
マネージャーがマンドゥ(点心みたいなもの)を追加注文。チーフシェフ&新人君 VS Sexy Guy&女料理人の2グループに分けて対決の様相。スムーズに作業を進めるSexy Guy&女料理人チームに比べ、チーフ&新人君チームはコンビネーションがうまくいかず、相方を客席に捜し始めた。
ここでなんとももが引っ張り出された!!
いやぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!(大汗)
舞台に上がらされ帽子をかぶり、作業台に連れて行かれると、韓国語で説明されて訳が分からなかったが、どうやらマンドゥを包んで蒸し器に置いたら、金の茶碗をスプーンで叩いて鳴らせ、ということらしい。必死で餡をくるむ私を含み、舞台の上のシロウト4人。まばらに鳴る金茶碗の音。そのうちマネージャーが出てきてビックリした様子。よく見たら料理人がみんな消えてるじゃないの(^_^;)。マネージャーは怒って料理人を連れ戻してくる。マンドゥの数はSexy Guy&女料理人が連れてきたチームが多く、NANTA特製しゃもじ&箸セットを貰っていた。いいなー、もっと真剣に作れば良かった。
舞台袖に引っ込むと、チーフが残念賞としてNANTAキーホルダーをくれた。ラッキー♪そんなドタバタをくぐり抜け、結婚式準備は無事終了。料理人は衣装を変え、披露宴を盛り上げる楽士として、太鼓や樽などを叩き、激しいパフォーマンスを繰り広げる。カラーボールが客席に投げ込まれ、客も投げ返す。劇場全体が一体となりテンションが上がっていった。
出演料。ナイスなイラスト。 |
むふー大満足。面白かった(^_^)。
会場から出ると、いま激しく踊っていた役者達がサイン会を行っていた。タフだなぁ。劇中で被らされた帽子にサインを貰おうかと思ったが、あまりに人が多く、お腹もすいていたので諦めて会場を後にした。と、ドアのところでその帽子も回収されてしまった。しくしく。ということで、私の手元にはNANTAのキーホルダーだけが残った。ソラボルに行ってみると、すでに店の片づけが始まっているようだった。近くに良さそうな店がなかったので、早朝まで人が賑わうという東大門市場(トンデモンシジャン)まで出ることにした。
地下鉄を乗り継ぎ、東大門市場の地上に上ると途端によどんだ空気が流れてきた。高速道路の下を通る陸橋の上では、屋台を開く準備をしているおばさんやアヤシイ小物を売るおじさんなどが数人いた。このすえた臭いは、神戸のモトコータウンの臭いにソックリだが、アヤシサはこっちの方が数倍上である。
ミリオレビルの前の広場(日本で言うと新宿アルタみたいな感じ)では、10時を過ぎたというのに、ヒップホップダンサーのコンテストが行われていた。見物客の山ができ、中には小学生くらいの子供もいた。子供は早く帰って寝なさいよ(-_-;)。そのミリオレビルの裏手にある24時間営業のシンポーウリマンドゥに入った。
店の中は明るく、ファーストフード店的な雰囲気。アルコールは置いてない。お腹がすいていたので、肉マンドゥとと海老マンドゥ、石焼きビピンバプを注文。しかし私は忘れていた。韓国では大量のキムチが必ず付いてくることを・・・。マンドゥがプラスチック製の蒸し容器に入ってやって来た。石焼きビピンパプはさすが本場、本物の石焼きである。熱い辛い熱い辛い・・・・・。英語ならばHot Hotの連発。熱くて辛くても美味しいのでつい手が出てしまう。
Shibuとももははち切れんばかりの腹を抱え、地下鉄の駅へと向かった。先ほど通った歩道橋の階段のすぐ下で、イ・パクサ(李博士)のカセットを発見。まだ元気にハイパー・ポンチャックを唄ってるのか。少し離れた屋台では日本人ミュージシャンのCDが売られていた。ブートかと思ったが、Sex Machinegunsの「Made in JAPAN」が初回盤特別パッケージで売られていたところをみると本物なのか?
どっちにしろ違法である(汗)。お風呂で髪を洗ってから思い出した。いまだエセキンパツの私の髪は、きちんとヘアローションを掛けてドライヤーで乾かさないとゴワゴワになってしまう。自然乾燥を試してみたが、案の定ゴワゴワに広がり始めた。明日はフロントでドライヤーを借りよう・・・。
ビール:Hite 変な甘みがあり、あまり美味しくない・・・。
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