くむーる&ぬむるすカナダラ旅行記



(3日目)
7月21日
雨時々曇り

 正露丸が効いたのか、昨日の激痛が嘘のよう。少し下腹がモヤモヤするけど観光には支障がなさそうだ。でも刺激物はあまり食べないようにしよう・・・。天気は、去った腹痛とは正反対のどんより曇り空。早朝は雨も降っていた様子、傘は手放せない。今日の朝食もお粥を食べに行こう。
余談:ニンニクはいきなり食べ過ぎると胃炎になるそうです。昨日の腹痛はニンニクのせいにしておこう(笑)。

 市庁で降り、大通りから細い小道に入り込んで(この辺りはクーロンズ・ゲートの海鮮中心みたいだった)、突き当たり近くにソゴンチュクチプがあった。ガイドブックには大きく広告が載っており、日本人観光客にも結構メジャーなお店らしい。入ると店内はすでに観光客で一杯だった。2階にあがって、冷房ガンガンのお座敷席で待つ。昨日TVのCMを観て分かったのだが、韓国のエアコンは日本のエアコンのような横型・壁がけではなく、幅60-70センチ、高さ150-180センチくらいの縦型が多いようである。最初は店舗仕様の型式だと思っていたが、家庭でも使われているようだ。無愛想なおばちゃんからメニューを貰い、Shibuはゴマ粥、ももは野菜粥を頼んだ。
 キムチと一緒に、もやしのナムルが付いてくることが多い。韓国のもやしは日本の2,3倍の長さで、ちょっと食べにくいがおいしい。ゴマ粥(ケジュク)は黒ごまの色ですごいことになっている(^_^;)。口に入れると香ばしいゴマの香りが広がる。野菜粥は文字通りの味、鶏スープのコクが美味しい。でも昨日行った瑞源の方が美味しかったな。どちらもW6,000位。
(*ここの名物はアワビやウニのお粥だそうです。腹をこわした身にはちょっと怖くて食べられませんでしたが、行く予定がある方はおためしあれ)

 今日はまず徳寿宮(トクスグン)を見学することにした。韓国語を一度でも勉強したことがある人は、かならず一度は名前を聞いたことがあるだろう、世宗大王の巨大像がある。彼は15世紀の李朝の第四代国王で、ハングル文字を制定した事で有名だ。

韓国のクールガイ
表情一つ変えないクールガイ達。
「韓国に来たからには、世宗大王と一緒に写真を撮らなければ!僕と握手!」と大盛り上がり(←そろってバカ)。ここから南大門が見える太平路を挟んですぐ近くだ。
 立派な門の正面に衛兵?二人が昔の制服と思われる衣装を着て、しかめっ面で立っている。時々歩き出したり、二人の位置を交換したりしていたが、どうやって二人がタイミングを合わせていたのか不思議だった。アイコンタアクトしてる様子もなし。
 門脇の売り場でチケットを買ってから入場。W700。

 入門して少し歩くと、右側にすぐ巨像が見えてきた。どっしりとイスに腰掛け、軽く腕を上げる姿は威厳に溢れている。台座には「世宗大王様」と書かれ、その下にはハングル文字のエレメントが彫刻されていた。あれこれ写真を撮っていると再び雨が降ってきた。傘を出して、他の建造物をまわることにする。
 世宗大王像のすぐ右側の咸寧殿から左回りで移動していく。元々王族の私邸として作られた宮殿のため、それほど大きくないようだ。ここの見所は韓国でもっとも古い西洋式の宮殿があることだ。今は博物館として使用されている。こちらには特に興味がなくて、その上中心に立つ中和殿が工事中だった。庭園の端の方に展示されていた現存するもので世界一古い水時計、報漏閣自撃漏の写真を撮って、雨が激しくなってきたので他の場所に移動することにした。

 門前でShibuが日本人観光客にカメラを頼まれた。門前で彼女たちがポーズを撮っていると、門兵が無言で近づいてきた。頼まなくてもカメラに収まってくれるらしい。ついでに私たちも門兵とポーズ。ここでは澄ましている彼らだが、休憩時は門の裏側でだらけていることは内緒だ(笑)。

世宗大王様

巨大な大王様

 次は韓国の骨董街、仁寺洞(インサドン)に行くことにした。ここにある韓紙専門店に行くつもりだ。
 いつもの鐘閣に戻り、いつもと違う出口に出る。昨日と同様、駅の地図に惑わされた。・・・目印の銀行が全然見つからない・・・。んん????・・・なんだあのデカイ銅像は??しかも安国駅方面に行っているはずが光化門駅に出てきてしまった。ううう、地図がわかりにくいんだよぅ(T_T)。

 どうも十字路を90度間違えてしまった模様。一度鐘閣に戻って出直すことにする。無駄に疲れた。今度の道は当たっているようだ。うむ、歩いているウチに仏具の店が建ち並ぶ通りになってきたぞ。地図にある曹渓寺も見つけた。しかし目当ての店が・・・・ない。ないよ。どういうことよ!?
 何度往復しても見つからないので、通りすがりの女性に聞くが、彼女は英語もあまりしゃべれないらしく言っていることがよく分からない。困っていると彼女の隣にいた年輩の男性が「日本人ですか?」と話しかけてくれた。彼にるるぶの地図を見せると「道はあってるねぇ。この店がないの?じゃぁ店の人に電話してみるよ」と携帯で連絡してくれ、道案内までしてくれた。あぁぁぁぁいい人だ(T_T)。アメリカに引き続き、通りすがりの人に助けられた。こんなギリギリのところでツキがあったって、ちっとも嬉しくないぞ。
 今まで来た道を戻りながら、片言の韓国語と日本語を交えて短い会話を交わした後、小さめの道と交差するところで店の人と合流。名前を聞かなかったけど、おじさんありがとう。毎日道に迷ってるけど、今回のはひどいよ。
 店の人に案内されて道を左に曲がる(え?曲がるの?)、二股になる道を左側には行ってさらにまっすぐ。仁寺洞のメインストリートと交差するところに目指していた店、「京一韓紙百貨店(ギョンイルハンジペックァジョム)」に辿り着けた。(イタダケナイ地図はこちら

おい おい おい おい(怒)

全然違うじゃないか−−−−−!!!

 おとといの誤植に続いて、なんだこのミスは!?京一韓紙百貨店だけでなく、ついでに他の店の位置も間違えてるぞ。慣れない土地の少ない手がかりの地図が間違えててどうするのだ。許せんるるぶ情報版。怒り爆発。爆弾仕掛けてやる(by Sex Machineguns)。
るるぶ韓国'01〜'02版の仁寺洞の地図は信じてはいけません!!!!
 
むふ---!

 京一韓紙百貨店にはカラフルな包装紙、和紙のような、しかし和紙より厚みのある韓紙を使った扇子や便せんなど、紙に関する物がいっぱい揃っていて目移りしてしまう。他には凧や毛筆なども売っていた。友人や親へのお土産をあれこれ迷って買う。隣の店舗から鐘の風鈴の音が聞こえてきてなかなかいい雰囲気だった。
 さて、昼も過ぎた。無駄な捜索に足もかなり疲れてきた。しかし今自分がどこにいるのか分からず(だってるるぶの地図も頼りにならないし)、色々歩きながら見当を付けて、ようやくShibuのリクエストである「傅統茶院(チョトンタウォン)」にたどり着いたらclose中(泣)。雨が段々強くなってくる。安国(アングク)駅近くのカフェ、土・陶廊(ト・ドアン)に駆け込んだ。
 土・陶廊は陶器のギャラリーに併設された落ち着いた雰囲気のカフェ。茶碗や花瓶に関わらず、いろんなタイプの陶芸作品が飾られていた。お客さんに出されるカップは一つとして同じ物はないという。とにかく温かい物が欲しくてShibuは抹茶、ももはセンガン(高麗人参)茶を頼んだ。(喫茶のみ・ケーキなどはない)センガン茶はかなり癖のある味で苦みが強い。普段コーヒーなどに砂糖を入れないももでも入れてしまったくらいだ。しばし放心の時・・・。

 お茶を飲みつつガイドブックを読んでいると、国宝・慶会楼を擁する景福宮が一つ隣の駅から行けることに気付き、予定にはなかったが行ってみることにした。お店から出ると雨足はさらに激しくなっていた。安国駅に急ぎ、地下鉄に乗る。ソウルの地下鉄はどこでも中に入ってからの移動も長く、今は特にとても長く感じられた。

 重い足を引きづって景福宮に着いたならば、またもや工事中(号泣)。正面に見えるはずの勤政殿はテントで覆われ、大型機械が石畳を元気に破壊していた。おそらく来年のワールドカップにあわせて主要な観光スポットの改修をしているのだろう。正面の光化門前では右翼らしき団体が街頭演説をしている。軍歌っぽい曲を流しているのは日本だけではないらしい。一応どこか観覧できる宮殿はないか見回ったがどこも入れそうにない。台風並になってきた雨の中、空腹も疲れもピークに達し、ホテルに戻ることにした。今日はとことんついてない。(,>_<,) ただいま工事中
工事中の景福宮・勤政殿

 ホテルに戻る前に、鐘閣の地下商店街で靴下を買うことにした。雨でびしょびしょに濡れてしまい風邪をひいてしまいそうだ。ミリオレのようなファッションビルには売っていない靴下は、ここのような商店街で山積みになって売られていたりする。値段は1足W1,000(約100円)のような特売品からW5,000のブランド品まで。靴下と洋服の分売関係がとても気になるところだ。
 ホテルに戻る。けっこうお腹がすいていたが近所のファーストフードに行くのも面倒だ。日本から持ち込んできたトマトプリッツをむさぼり食べた。夕方はShibuのメル友、チュルさんと合う約束になっているので、それまでしばらく休憩・・・。雨がやむと良いなぁ。


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 2時間近く休んだので足の疲労もだいぶ取れてきた。ジーンズをドライヤーで乾かし(^_^;)、いよいよチュルさんとご対面だ!今日の地下鉄にはチョコレート売りが乗っていた。なんでもありだなぁ。
 チュルさんとの待ち合わせは弘大入口(ホンデイプク)のファーストフード店の前。弘益大学や美大、専門学校がならぶ学生街で、おしゃれなパン屋さんや学生向けの屋台、ライブスペースや小劇場などが混在する雰囲気は下北沢に近い。ライブハウスが協力して同時多発的にライブを行うイベントをやったりもするらしい(横浜ジャズプロムナード縮小版、かな?)
 待ち合わせ30分前に着いたので、少し何か食べようと、駅近くをウロウロ。屋台みたいな海の家みたいなバラック長屋の一つに入ってみた。マンドゥとティギム(天ぷらみたいな揚物)を頼んだ。Shibuはホットク(お焼きにいろんなあんが入ったもの)を食べたがっていたが、それは置いてなかった。マンドゥに小さい羽虫の死がいが付いてたけど、気にせず虫だけよけて食べる。10分で食べるにはボリュームがあったが、何とか詰め込んだ。二人で食べて空腹を満たすには十分、そしてW3,000という安さ(大根の酢漬け付き)。ブラボーである。

 待ち合わせに少し遅れてしまった。指定の場所に行き、チュルさんの目印であるPink FloydのThe WallのT-シャツを探すと、すぐ見つけられた。チュルさんは私たちの顔を知らなかったので、木村拓哉と藤原紀香の写真でも送っておくかと友人と笑い話をしていたが、チュルさんも私たちがすぐ分かったようだ。My Bloody ValentineとRushのT-シャツなんて着てるカップルなんて普通じゃないからね(笑)。Shibuがチュルさんからメールをもらって約一年(2000年7月22日)。一周年前夜に、異国の地で会えるなんてなかなかドラマティックだ。ぎこちのない英語でお互い挨拶し、早速韓国プログレ界の総本山、Si-Wanの直営店であるMYTHOSに連れて行ってもらうことにした。

Mythosです
ぬいぐるみやクリスマスの飾り付けが可愛い
トリアーデ 勾配のある道をウネウネと歩いていくと、Triade「1998:La Storia Di Sabazio」のイラストが描かれた看板が目を惹くCD屋を見つけた。そここそMYTHOSであった。中の雰囲気はGarden Shedに近いだろうか、明るい店舗だ。CDよりLPの方がメインだった。チュルさんが店員に私たちを紹介してくれた。"Japanese Mania"だって。マニアはShibuだけだい。すでに興奮状態のShibuはチュルさんに「これはいい、これもいい、これはマストだ。でもこれはイマイチだ。」と畳みかけるように話しかけていた。店員も引いてた気がする(^_^;)。

 そんなこんなでShibuは以下のアイテムを購入。
☆AnGwaISa / HyonGiJwon (Si-Wan Records SRMK 0007) '00  韓国のヘナチョコProg. Rock。
☆Korai Orom / same (VTCD PB078) '95
 Cheol氏のお薦め。ハンガリーのオズテン
☆Alas / same (EMI100 859850-2) '76
 プログレ虎の穴できいて気に入ってやっと入手!アルゼンチンのELP。ボーナストラック入り。

 店を出る前に店員さんと一緒に写真を撮ることになった(笑)。店員は「ちょっと待て」といい、洗面所で真剣に髪をセットしていた。店内と店舗前で記念写真をパチリ。

 MYTHOS見学の後はチュルさんが良く行くCD屋に行く。途中、白い薬品?を道路に散布する車両が道路を走っていた。「アレは何だ?」とチュルさんに聞くと、洪水の後なので虫が湧かないよう道路を消毒しているのだそうだ。確かに私たちが韓国に来る一週間前の新聞には、自動車まですっかり水に浸かっている凄まじいソウル市内の光景を載っていた。昨日の国立国楽院に行く途中にもところどころ土嚢が置いてあった。想像以上にすごい洪水被害だったようだ。
 名前を忘れてしまった二件目のCD屋は中古が安くてチュルさんはよく利用しているようだ。プログレコーナーはサイケ色が強かった。銀色・六角形の見たことがないCDがあったので「これはなんですか」と尋ねてみるも、結局一枚も買わず出てきてしまった。我らは失礼なヤツだ(笑)。

 勾配のキツイ住宅街の道をウネウネと10分ほど歩き(山を削って整地したのだろう)、次はライブハウス・サムジスペース(Ssamzie Space)で、なんと韓国のロックでも何枚か紹介しているUuhBoo Project Bandのライブを観戦。(このページで韓国・弘大付近のライブスポットの紹介をしています。)

 実は今回のライブのメインはLee SangEunという女性ヴォーカリストであって、UuhBoo Project Bandは前座の一つだ。Lee SangEunは来日もしていて、日本のFMで曲がかかっていたこともある大メジャーな歌手であるが、自作の曲をライブハウスの小さいスペースで発表することがあるようだ。今日は正にそんな日であり、すでにライブハウスには大勢の客が並び、私たちはライブ会場に繋がる蒸し暑い階段で会場を待つことになった。ファン層は10代から20代前半くらい。2階の入口ではLeeのCD即売会&握手会をやっているらしく、なかなか列が進まない。その間チュルさんはジュース(伝統茶の缶ジュース)を買ってきてくれたり団扇で扇いでくれたり、チケット代をおごってくれたりした。韓国の人はお客さんをもてなすことに面子をかけていると聞いたが、そこまで気を遣われるとこちらも恐縮してしまう(^_^;)。



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出発 NANTA 国立国楽院 貞洞劇場 市内観光 ライブハウス 帰国