昨日NANTAを観ることが出来たので、今日は貞洞劇場の公演を観る予定。昨日と同じ石門をくぐり、中庭の階段を下に降りていくとチケット売り場があったが閉まっていた。どうしようかとキョロキョロしていると、劇場のロビーから係員らしき女性が出てきて「当日券は19:00に売り出します。」と教えてくれた。当日券が出ることを確認できたので、続いてソラボルに向かった。
奥座敷に団体客、壁際に数組の客がいたが、広い店内には少し寂しい。案内されて席に着くと、ハングルのみのメニューが出された。おばちゃんのお薦めなのか、日本人はそれしか頼まないか「プルコギー」と指を差してくれるが、それ以外のメニューが全く分からない。昨日の教訓からガイドブックに載っている肉料理と照会しながら、でも結局プルコギを注文した(^_^;。他にはモツ鍋料理などがあった。
プルコギは網で肉を焼く料理ではなく、ジンギスカン鍋の上に肉や野菜をのせ、鍋の縁でスープと一緒に煮込む料理だった。甘辛い味付けと肉の大きさからして、ご飯に駆けて食べるとほとんど牛丼である。しかし美味い、美味いぞ。途中スープが無くなり肉が焦げてきたので火を細くすると、おばちゃんがやってきて「分かってないわねぇ」という表情を浮かべながら、スープの追加を持ってきた。日本の焼き肉と違って、こまめにひっくり返しながら焼くのがポイント。プルコギの場合はスープが少なくなってきたら遠慮なく追加も頼んで良いのだ。胃が苦しいけど美味い・・・・(少し涙目)。
ジーンズのボタンがはち切れそうなくらい食べて大満足。Shibuも「今日の食事はみんな当たりだ!」とご満悦だ。だが普段の食事量の2倍近く食べていることは確かなので、胃腸が心配である。
メチャメチャうまかったです! |
再び満腹のため呼吸困難になりながら貞洞劇場の階段を下りて、当日券を購入した。チケットはS席W30,000/A席W20,000(前売り/当日券同じ)。既に日本人団体観光客がロビーでチマチョゴリなどの衣装を着て記念写真を撮ったり、おみやげを物色していた。民族衣装のおねえさんに切符を切ってもらい、サービスの緑茶をいただいた。椅子に座って、半分放心状態でお茶を飲むShibuともも。「ドアマンの人ってチューヤンに似てるねぇ」とか言いながら10分くらいボーっとしていると、劇場への誘導が始まった。
チケットに表示された席はなんと前から2列目(^_^;。S席とA席の決め方が謎である。「これじゃ居眠りできないなぁ」とShibuは訳の分からないことを言っている。ステージ脇にはスクリーンが設置され、韓国語・英語・日本語でプログラムの説明を読むことが出来た。 ←場内の写真撮影は禁止だったので、せめてミニパンフで雰囲気をお楽しみ下さい |
以下、このようなプログラムが演奏された。
1.散調合奏
三弦六角という、コムンゴ(フレット板が付いたような琴のような形で、棒で弾いて演奏する)、カヤグム(伽耶琴)、テグン(大岑・竹製の大型の横笛)、ピリ(笛・ダブルリードで篳篥(ひちりき)のような楽器)、アジェン(牙箏・琴のような楽器だが、弓で弾く)、チャング(杖鼓・ばちは菜箸のように細い)等の旋律を中心とした民俗楽器の合奏曲。沖縄民謡のようなゆったりしたテンポは宮廷の優雅さを思わせる。
2.花冠舞
国の祝い事があったり、国賓が来たときに宮中で踊られた。手にアームカバー+1メートルくらいの長い筒状のカラフル布を付け、優美に踊る。日本人が「コリアハウス」と言われて想像しそうな舞踏。
3.サムル(四物)ノリと管弦楽演奏
1.で登場してきた楽器に小金(小型の銅鑼)や龍鼓などが加わり、現代的に再構成された協奏曲。打楽器の荒々しさと弦楽器の優雅さのコントラストが見事。というか打楽器部隊がすでにトランス状態。
4.サルプリ
巫俗儀式の中で「厄を落とす」という意味。厄を払うために踊られた舞を再構成した。真っ白な衣装を纏った女性達がクルクルと円を描いて廻る様は、闇夜に浮かんだ精霊のようだ。
5.パンソリ
一人オペラとも言われるし、日本の講談みたいにも思える。一人の歌い手が一人の伴奏者が叩くブク(太鼓)の調子に合わせてソリ(歌)・アニリ(台詞)・パリム(身振り)を取り混ぜて唄う韓国の民俗音楽を代表する声楽曲。というと高尚そうだが、話す内容は結構くだらないらしい。
6.三鼓舞
顔の高さくらいにつり上げられた3つの太鼓をコの字型に並べ、真ん中に演奏者が立ち、手振りを混ぜながら叩く。昨日のNANTAのクライマックスでも演奏された。元ネタはこれだったのか〜。
7.パングッ(四物ノリ)
長いリボンが付いたサンモという帽子を被り、風物楽器を手にして舞うという変わった内容。3.で出てきた打楽器隊が頭をぐるぐる回してリボンが付かないようにしながら、しかもかなり激しい踊りを踊りながら演奏する。金物や太鼓の激しいリズムとダンスは、NANTAで初めて再構成されたのではなく、ずっと昔から韓国の民俗芸能に根付いていたのだと実感。
舞台の演奏が終わると、演奏者はそのまま客席を通って中庭の方へ行ってしまった。「お客様も一緒に踊りましょう!」というアナウンスが流れ、観客も中庭へ行った。Shibuももはトイレに行ってから中庭に行ったのだが、すでにテンション最高潮の演奏者に引っ張られ、観客達は手を繋いで輪になって踊っていた。きっと本当の韓国のお祭りも演奏者も見物客も一緒になって踊るんだろうな。日本の都市ではあまり見掛けなくなってしまった祭りの一体感を、短い時間だったが体感できた気がする。内容の濃い公演に満足して帰路に就いた。 余談:チュルさんは、韓国人は歌う・踊る・飲む・(あとなんだっけ)が四大好きなものと言っていた。 |
中庭にて。テンション最高潮 |
少し冷たいものが食べたかったので、ホテルの近くのコンビニでアイスとビールを買ってホテルに帰った。とりあえずアイスを食べる。充実の一日の疲れをとろうと風呂に浸かった。
・・・あれ。なんだかお腹が痛い。
チクチク・・・ううう・・うぅぅ・・・いたたたたた、くるしい・・・。胃袋が破けて何か出てきそうだ・・(T_T)。
Shibuが持ってきた正露丸を飲んで、今日は大人しく寝ることにする。ビール:Cass さっぱり目。一番搾りをドライにした感じか。辛い食事に良く合う。
Hite(黒ビール)
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