The Flower Kings

働き者のメンバーが揃っていて、ファンは大変です。
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Tomas Bodin


☆An Ordinary Night In My Ordinary Life (MARQUEE MAR-96307) '96
 キーボーディスト、Toma Bodinの初のソロ作品。The Flower Kingsでも聴かれる清々しいキーボードワークが詰まっております。Roineの「Hydrophonia」と一緒にどうぞ。

☆Pin-up Guru (MARQUEE MAR-02768) '02
 何気に手のかかったデジパック盤。メンバーはTomas, Jonas, Zoltan。前作よりも楽しめました。耳慣れた音("Sodium Regale")があったのと、おそらく、Tomas本人がEL&Pを引き合いに出しているあたり、もう少しロック寄りになったのがツボかと。個人的にはこの人のピアノがすごく好きなので、5、8、が印象に残りました。7.もひたすら不気味に作ろうとして、イマイチなりきれない感じが面白い。「フワッ」っとした開放感を感じさせるメリハリというのがこの人らしいかな。ベースが潰れて聞こえる音質が残念。あと、観音像の頭部に自分の顔を貼り付けるのもやめた方がいいかと。

☆Sonic Boulevard (MARQUEE MAR 03842) '03
 前作のBodin Trio(Tomas, Jonas, Zoltan)を中心に、TFKからはRoine、Hasse B、Ulfが参加、加えてJJ Marsh (Glenn HughesSpellbound)がギターパートの8割を弾くというUppsalaファミリー万歳な編成(笑)。Anders Janssonという、これまたUppsala出身のヴォーカリストを「楽器」として採用してる辺りが新機軸。
 制作中から「アンビエント」と言われていましたが、実際聴いてみると「アンビエント?」な作品。リラックスして聴ける音楽には間違いありませんけど、ジャンルを特定するには難しいくらいに色んな要素がミックスされています。全体的に人なつっこいメロディ、ポジティヴな雰囲気。時々"Garden of Dreams"のモチーフが出てきますね。
 "The Hero From Cloud City"のイントロを飾る、鋭いギターの音はRoineじゃなくてJJのプレイ。ダマされた人を数人知っている(笑)。"Walkabout"のscat/soloなど、色んな技を持ってるギタリストだなーとあらためて感心。Roineは"The Prayer"と"The Happy Frog"の2曲しか弾いていませんが、特に後者ではウネウネしたギターが、独特な存在感を持っています。
 とまぁ、キーボーディストのソロアルバムにしてはギターの方が印象強いんですけど(^_^;)、ドドーンと派手なシンセソロより、後ろでセンスのいい音でバックを支えてくれるKey.プレイヤーの方に惹かれる私は、今作品が一番馴染みやすかったです。

☆Swedish Family / Vintage Prog (Helicon House CD001) '04
 架空のバンドSwedish Familyの架空のベスト盤リマスター&ボーナストラック付、という設定。ミュージシャンの名前もインチキ。好きだな〜こういうノリ。
 スウェーデンの"Progg Rock"というのはいわゆる「プログレ」とちょっと違っていて、民謡を取り入れたミクスチャーミュージックであり、政治思想(左翼寄り)を表明し、スウェーデン語で歌うことが特徴だったらしい。(このレポート参照(ス語))サンプルで聞いた時は、インチキ設定の割にはいつものBodin節じゃん、と思ったけど、アルバムで聞いてみたら、ちゃんと70年代スウェーデンの音をしていた。このアルバムに左翼思想は入ってないだろうが、60年代末〜70年代のサイケな雰囲気は感じられるし、いつものTFK年長組(Tomas, Roine, Hasse B, Ulf)の演奏なので安心して聞いていられる。KebnekaiseやMaide In Sweden辺りが好きな人にお勧め。個人的に物足りないのは、破天荒な展開や野獣チックな雄叫びがないことだろうか(^_^;)。

☆I Am (MARQUEE MAR 051049) '05
 Tomas渾身のソロ作品。今後しばらく彼の代表作になるだろう。
 「魂はどこから巡ってくるのか」「私とは何か」、そして少し自伝的側面を持った歌詞らしい。私の英語力では「M」でちょっと混乱してしまった。彼はスウェーデン人だから、アイデアを英語にまとめるのは苦労があったと思う。
 音楽の方は、Tomasが持つ豊富なキーボード言語を活かした、壮大なシンフォニック作品となっている。テクニカルで押すのではなく、ピアノをメインとして、シンプルなメロディと豊かな音色のキーボードを丁寧に重ねていて、心地よく聴ける。Pink FloydとDeep PurpleとYes(とTFK)が交代で出てくるような、字面だけ読むと「なんだそりゃ?」な展開を擁してるのだけど、ドラマティックに作用していて面白いと思った。Jonasは相変わらずハズレのない仕事をしてるし("Dance Macabre"のベースリフは変態だね)、新加入のMarcus Liliequistもスピード感あるドラミングが元気でよろしい。
 「Sonic Boulevard」ではスキャットのみの参加だったAnders Janssonが、今回は全面的にVo.を務めている。彼の歌唱には賛否両論があって、個人的にも"Day by Day"の高音が少しきついところだが、歌詞と照らし合わせると、演出なんだろうと思う。"Close the Deal"ではしっかりハイトーンを出しているので、歌えないわけではなさそう。それより"The Tree of Knowledge"のようなミドルレンジが魅力的な声に注目したい。あと"The Angel of Dream"で歌うHelena Schonningの声がとても美しいので、1曲だけの参加はもったいない。"The Awakening"とか"The Tree of Knowledge"、"The Path of Light"のハーモニー要員としてもっと絡められたんじゃないかなぁ。
 TFKは好きだけど、メンバーのソロ作品は何から手を付けたら良いんだろう?と言う人にはオススメ。
 ギターについての感想はこちらで。

☆Cinematograaf (Helicon House HH CD 002) '08
 3曲約52分というプログレな構成、オールインスト。「キーボード・アルバム」というのが今回のコンセプトらしい。時々「トミタ」なんと単語も思い浮かべてしまうようなシンセの音が多く含まれているが、やはりこの人の基本はピアノなんじゃなかろうかと思う。演劇的な場面転換、鐘の音、オルゴール、バレリーナ、そして闇から光へと開放される展開。彼の心象風景がストレートに出た作品。

☆You Are (Helicon House Records HH003) '09
 これまでの彼の作品と比べると異色だ。ある意味意欲作だと思う。Michael Stoltのようなブルージーな声を持ったヴォーカリストを前面に出しているのは、伝えたい言葉があるからだろう。だからこれまでの作品と比べてアレコレ言いたくはないのだけど、何か心地よくない。何がダメなんだろう?とずっと考えていた。
 作品に向き合う前に、私自身、剥がさなくてはいけないフィルターが何枚かあって、それをようやくクリアーできたところで、残った考えは、「もっとシンプルなアレンジが良かったんじゃないか」。半端に「I AM」とか「Sonic Boulevard」の顔が覗く。自身の作品やTFKの曲のフレーズが出てくることは珍しいことではないのだけど、なぜか今回(私には)マイナスに働いている。例えば"Food"、"American Standards"のように、ポップソングみたいににMichaelの歌を前に出し、Tomasもオルガンしか弾かないで、リズムをシンプルにして、ギターから「入魂のギターソロ」みたいのをとっぱらったら、スッキリ聴けそうな気がする。でも、そこまでやったら多分、Tomas Bodinの作品じゃなくなってしまうとも思うけど(^_^;)。全体な収まりの悪さは一応、"Silicone Bilmbo Run"でつじつまを合わせてる感じ。「いい」と思うパートは沢山あるのだけど、何か収まりが悪い感じは、Mr.Childrenの"Gift"の歌詞を読んだときの気持ち悪さと似てる(説明すると長いので書かないけど)。
 あと、この作品を聴いていて思い出したのが、Transatlanticがカヴァーした"In Held in I"。元はProcol Harumの曲だが、私はかのバンドは"A Whiter Shade Of Pale"しか聴いたことがない。このアルバムを作るにあたって、Tomasがインスパイアされたバンドのリストを見ると、10ccとか、自分とは殆ど馴染みのないバンドが並んでいるので、ただ自分はこのアルバムを楽しむボキャボラリーがないだけなのだろう、とも思った。
 いかにも「シンフォ」って感じじゃないアートワークは好きだ。

Jonas Reingold

*Midnight Sunはこちら
オフィシャルサイト:Jonas Reingold.com / Reingold Music(出版会社)
☆Sweden Bass Orchestra (Four Leaf Clover FLC CD 141) '95
 Oscar PetersonやKenny Drewなどと組んだこともある大物ジャズベーシストNiels-Henning Orsted Pedersenを含む、7人のベーシストを集めたユニット。スタンダードジャズのカヴァーやJonasのオリジナルジャズナンバーなど、奇をてらわずに気持ちよく聴けるアルバム。

☆Reingold / Universe (Avalon Promo Cassette) '99
             (Avalon MICY-1118) '99

 Anatholi Bulkin Trioなどいろいろなセッションでも活躍していたMidnight Sunの中核、ベースの巨人Jonas Reingoldが結成したデビュー作。Jonas ReingoldはThe Flower Kingsに参加。また、この「Universe」では器用人Jaime Salazarも参加しているためThe Flower Kingsマニアは要注意アイテムと言ってよいだろう。インナーの写真がすごい・・・ナルシストっぽいです(汗)。
 ReingoldのインタヴューはMETALLION VOL.8に詳しく掲載されている。サウンドからも分かるようにイングヴェイからの影響は大で、Vo.も実力者Goran Edman参加でネオ・クラシカル路線である。


Sweden Bass Orchestra

☆Time Requiem / The Inner Circle of Reality (AVALON MICP-10418) '04
 色んな意味でメタルキーボード界のYngwie(笑)、Richard Andersson率いるネオクラシカルバンドの2nd。JonasとZoltanが参加している。実はネオクラって苦手なのだが、このアルバムは意外に楽しめた。ソロプレイに心惹かれるものは殆どないのだけど、時々ひねりが利いた展開があって、音符をできるだけ沢山詰め込みました的な投げやりなアレンジをしていないので好感が持てる。チラリとDream Theaterぽかったりもして。それにしてもギターの存在が薄い…案の定ネオクラファンには1stの方が好評のようです。
 ボーナストラックの"Voulez Vous"はABBAのカヴァー。
 詳しくはこちら:http://www.anderssonmusic.com/

☆Karmakanic / Entering the Spectra (Regain Records RR0209-013) '02
 
すまん、実は全然期待してなかったの。こんなにいい作品を作るとは思わなかったよ(偉そう)。Jonasを軸にGoran Edman(vo)、Jaime SalazarのReingold(上記参照)残留組、Roine、Tomas、ZoltanのTFK組と、'98年、'99年とTFKのツアーにTomasの代打として同行したRobert Engstrand(key)、Johan Glossner(g)が参加している。ようするにTFKからはHasse 以外です。
 Reingoldとは違って、ネオクラシカル色は大分減退しシンフォニックな曲も含まれている。2曲目の組曲"Entering the Spectra"はRoineが歌って、殆どTFK状態。リズムの切り替えが面白い、なかなかかっこいい曲だ。もしかして初期TFKファンは本家よりこっちの方が好きかも(^_^;)。個人的には"Cyberdust From Mars"のRoineの歌唱が興味深かった。けっこうワイルドな歌い方もクールではないですか。あと聴き所はGoranの美声ですねぇ。

☆Karmakanic / Wheel of Life (Regain Records RR0404-045) '04
 Regain Recordsは昔Brutal Death Metal中心のレーベルだったと記憶しているし(苦笑)、 殆ど期待していなったため、そのクオリティの高さにビックリしてしまった作品。正直Jonasが手がけた作品中では最高傑作と言って良いだろう。Jonasの子煩悩親バカぶり発揮のAlex Raingoldの声で始まる"Alex in Paradise"のアップテンポの曲調に凄くフィットしているGoran Edman。ウグベ(Yngwie)の幻影を断ち切って良かったね。まるでTransatlanticな"At The Speed of Light"が意外にもハマッているのが愛嬌。うねるベース・ラインとインチキ民族音楽が混じった上に一瞬Mats/Morgan風が炸裂する"Do U Tango?"の異様なアヴァンギャルドぶり最高。近年のKaipa/TFKシンフォニック・マニアへ一押しの"Where The Earth Meets The Sky"のGoran Edmanの声に感涙必至。たおやかな中にRoine Stoltのギターが炸裂する"Wheel of Life"など、文句無しの曲が目白押しだ。う〜む、TFKの新譜「Adam & Eve」よりきき込んでしまったかも...。(しぶ)

☆V.A. / Slottsskogen Goes Progressive (品番なし) '05
 2004年8月21日スウェーデンはGoteborgで行われたプログレ・フェスの様子を収めたDVD。地元のプログレ愛好団体GARFが主催で、Slottsskogenとは会場になった公園の名前。日比谷野外音楽堂みたいな野外ステージだ。出演バンドは出演順に。
(The Gunner's Dream)Pink Floydのカヴァーバンド。"Welcome To the Machine"、"Wish You Were Here"収録。オヤジ声のVo.がナイス。
GazpachoNorwayの若手バンド。3曲収録されていて、最後の曲は"Substitute for Murder"だと思う。Vo.の唱いっぷりがEcholynのRaymond Westonを彷彿させるが、音楽はもっと雰囲気重視で、何ともカテゴライズしがたい。ロックでいいや。
Abramis BramaSpiritual BeggarsとかCathedral辺りと共通するような70年代回帰型HRバンド。Vo.の右手はフック船長みたいなカギ手になっているのだが、本物なのかフェイクなのか不明。そのおかげでタンバリンが叩きにくそうだ(^_^;)。キレの良い演奏とインチキ臭い雰囲気に、キッズも頭振りまくり。オレも気に入った(笑)。ちなみに歌詞はスウェーデン語だった。
(Karmakanic)前のバンドの毒気に当てられたせいか、物凄く品のいいバンドに見える(笑)。メンバーは「Wheel of Life」のジャケに載っているメンバー(Jonas、Zoltan、Goran Edman、Krister Jonsson)と、Lalle Larson(Key)、Rob Palmen (G.etc)の6人がステージに上がっている。収録されているのは"Where the Earth Meets the Sky"、"Is This the End?"、アンコールに"Masterplan Pt.2"。Lalleの華麗な指さばきは圧巻だし、リズム隊の安定感は言わずもがな。そこにKristerがみょ〜なギターを・・・ギターを弾くというより、音を出す器具として扱っているのが面白い。肝心のソロ部分で音が引っ込んでしまっているのが残念。Goranの歌い方は少し苦しげに見えるが、声だけ聞く感じではそうでもない。Jonasのベースの音はスタジオ盤よりライブの方が好きだなぁ。
Trettiariga Krigetスウェーデンのベテランバンド。曲名は全然分からないが5曲収録。Abramis Bramaが「若者が70年代を目指してる」音なら、こっちは70年代から活動してる老舗の音。ブルーズとフォークとHRが混じったような感じで、演奏も安定していてしみじみ聴ける。個人的にChrister Akerbergの奏でるギターが故Piggyを彷彿させるのでビックリしたですよ(順番的には逆だが)。ちっとこれからTrettiariga Krigetをまじめに聴いて来ます。(シュタタタ)

☆Karmakanic / Who's The Boss In The Factory (InsideOut SPV 79922 CD) '08
 一曲目"Send A Message From The Heart"こそ、前作「Wheel of Life」を彷彿させる、明るい開放感のある曲だが、その後は意外とハードな曲が続く。2007年の年末に、Jonasの両親が自動車事故で亡くなったそうで、彼の精神状態が反映された物かもしれない。私(もも)は、4年がかりで作られたこのアルバムを、きっとものすごく作り込まれていて、テクニカルで、息つく隙もない作品になっているだろうと予想していたのだけど、これも良い意味で裏切られた。もちろん演奏の端々に彼らの力量を感じられるものの、もっと曲そのものに重心が移り、そして力が抜けた感じを受けた。しぜん、ヴォーカルがよく楽しめる作品になったと思う。Goranのヴォーカルは、特に"Eternally"が素晴らしい。ダークなPink Floydっぽい"Two Blocks from The Edge"は、Theo Travisのサックスがハマっててかっこいいぜ。JonasとZoltanがいるので、TFKやThe Tangentなどと比較されるのはやむをえないが、今作品でKarmakanicの個性みたいな物が出てきたんじゃないだろうか。空気のように透明で、曲にとけ込んでいるKristerのギターが、実は重要なカギを握っているような気がする。とても端正で素晴らしい作品なのに、表現する言葉がない自分がもどかしいのですよ。

☆Karmakanic / In a Perfect World (InsideOut 0505562) '11

☆Lalle Larsson's Weaveworld / same (Reingold Records RRCD 002) '09

Karmakanicや、Electrocution 250に参加しているスウェーデンのキーボーディスト、Lalle Larsson(「レイル」ではなく「ラレ」)のソロアルバム。Jonas Reingoldがベースを担当し、両者が共同でミックスとプロデュースを行っている。Pochakaite Malkoを思わせるダークでヘヴィなリズム隊に、Jordan Rudessばりの超絶ピアノが絡むコンビネーションがスリリングでドラマティック。"Newborn Awakening"の滑らかなギターメロディもいいね。鍵盤楽器が中心だけれど、他のパートもきちんと聴かせどころが準備されているところが、作品を引き締めていると思う。

The Tangent

☆The Music that Died Alone (Belle Antique / MAR 03843) '03
 海外でも出稼ぎの余念がないTFKファミリー。今度は「North Sea」プロジェクトだ。(意味が分からなかったら世界地図を見よう)
元々は、イギリスのバンドParalell or 90 DegreesのAndy Tillison-Diskdrive(key.)が自身のソロアルバムとして製作を始めたもので、Roineにデモテープが渡ったことで一気に大きなプロジェクトへ。プログレマニアにはDavid Jackson(元VDGG)が参加しているのが目を惹くだろう。TFKからはRoine、Jonas、Zoltanが参加している。
 出てきた音はカンタベリー系とかなり意表を突かれたが、これがまた素敵な出来映え。元々ジャズドラマーであるZoltan本領発揮と言った感じで、キレのあるプレイが堪能できる。"Up-Hill from Here"の溌剌としたRoineのギターが素晴らしい。Po90もTFKも知らなくても、十分楽しめる作品にして2003年の大穴的作品。
 詳しくはこちら:http://thetangent.org/

☆The World We Drive Through (Belle Antique / MAR-4958) '04

☆Pyramids and Stars - Germany 2004 (Progjam 001) '05
 
6/1よりThe Tangentのオフィシャルサイトで販売される限定1,000枚のライブ盤。2004年はドイツ、Aschaffenburgでのライブをオーディエンス録音とサウンドボード録音の音源をミックスして制作したらしい。しぶは「あんまり音質良くない」と言っていたが、私はキレイキレイした音よりは良いと思った。
 メンバーはAndy Tillison(Keys,Vo)、Roine Stolt (G,Vo) 、Sam Baine (Piano, Keys)、Jonas Reingold (B)、Zoltan Csorsz (Ds)。現在バンドからRoineとZoltanが脱退しているので、貴重なライブ音源だ。
 上を見ての通り(^_^;)2ndはあまり聞き込んでおらず、感想さえ書いていないのだけど、ライブで1曲ずつ聴いていくと、良さがジワジワと伝わってきたような気がする。"The World that We Drive Through"の展開など、なかなか感動的ではないか。意外とAndyのVo.が安定しているのには驚いた。1st収録の"In Darknest Dreams"では音程外してるとこもあるのだけど、私はそんなところにロックを感じてしまい、むしろ好印象。ロックだぜ!(by 内核の波) インスト隊の演奏は当然タイトで、流暢なSamのピアノに、いつものRoine節ギターがむせび、Jonasのベースは時折テクニカルなフレーズを織り交ぜながら的確に土台を固めている。今回、私は特にZoltanの繊細なシンバルワークに耳を奪われた。中でも"The Canterbury Sequence"のプレイはカッコイイね!David Jackson (Sax,Fl)の不参加を嘆く人もいるかもしれないが、私はあまり気にならなかった。最後のEL&Pのカヴァー"Lucky Man"は米国大統領選に再選したBush氏に捧げたそーです(笑)。
 7曲で77分の時間の長さを感じさせない、小気味よいライブ盤。

☆A Place in The Queue (Belle Antique / MAR061110-11) '06
 Andyのソロプロジェクトが発端なのだから、彼さえいればThe Tangentは継続可能だ。でもRoine、Zoltanの穴を埋めるのは難しいだろうと思っていた。しかし人材斡旋の名手(^_^;)、Jonasの活躍により、KarmakanicのメンバーであるKrister Jonsson(G.)と、Midnight SunやTFKでJonasとリズム隊を組んでいたJaime Salazar(Ds.)を投入し、無事3rdが制作された。
 日頃からAndyはプログレへの敬意を表明していて、インナーではYesの「Tales from Topographic Oceans」をとりあげ、曲にはYesやEL&P、クラシック・プログレを彷彿させるフレーズを散りばめたアレンジを施している。1stほどカンタベリーの香りは強くない。Roineという個性的なプレイヤーに隠れてしまったAndyの洒落っ気が表面に出た感じで、往年のプログレファンに優しい音作りと言えよう。個人的には、攻撃的なインスト重視ではなく穏やかな歌中心に曲が作られているところ、多彩なヴィンテージキーボード・サウンドは、EP&Pの「Trilogy」を思い出させた(Andyの歌いまわしがたまにGreg Lakeに似てる)。忘れられた退役軍人を歌った大曲"In Earnest"がオープニングにしてハイライト。歌と連動したドラマティックな展開が楽しめるので、歌詞カードを読みながら聴くことをお薦めする。続いて「プログレ」な9分台前後の曲が続く。そんな中、"The Sun In My Eyes"は「もしかしてJonasってばTFKでベース弾いてるより楽しい?」と邪推させるナイスなダンス・チューン。EL&Pだって「Are You Ready Eddy?」って脳天気に歌ってたよね(笑)。アルバム全体としては「Queue(列)」と言う単語がキーワード。
 ボーナスディスクは6曲入りで、紅一点Sam Baine(P, Key)のヴォーカルをフューチャーした"Promises Were Made"、バラード"The First Day at School"、グルーヴィーで唸るサックスが印象的な"Forsaken Cathedrals"、"The Sun In My Eyes"のExtended Mix(笑)、ドイツでのライブなど、内容はいろいろ。

☆V.A. / A Tribute to Captain Beyond - Thousand Days of Yesterdays (Record Heaven RHCD19) '99
収録曲:
Pentagram / Dancing Medly Backwards
Rise and Shine / Armworth
Standarte / Myopic Void
Lotus w/ Brian Robertson / Mesmerization Eclipse
The Flower Kings / Raging River of Fear
The Quill / Thousand Days of Yesterdays (Intro)
The Quill / Frozen Over
Five Fifteen w/ Nik Turner / Thousand Days of Yesterdays (Time Since Come and Gone)
Locomotive Breath / I Can't Feel Nothing (Part I)
Zello / As The Moon Speaks (To The Waves of The Sea)
Zello / Astral Lady
Zello / As The Moon Speaks (Return)
Locomotive Breath / I Can't Feel Nothing (Part II)

Bonus Tracks:

Orchid Leaves / Starglow Energy
ZoomlenZ w/ Willie Daffen / Sweet Dreams
Qoph / Dansar Galet Bakat (Dancing Medly Backwards with Swedish Lyrics)
Abramis Brama / Fortrollande Formorkelse (Mesmerization Eclipse with Swedish Lyrics)

 全体的なノリは意外にも粘っこい印象でした。個人的には軽快でカラッとした変拍子ノリがCaptain Beyondの好きな部分なので、この面があまりクローズアップされておらず、少し残念でした。しかしながらThe Flower Kingsの"Raging River of Fear"は印象がかなり違い、ゆったりとしたシンフォニックにまとめて実に彼ららしいカヴァー。まるで別の曲にきこえたところは流石と思いました。
Captain Beyondのホームページは下記:
Japan Site:
http://www005.upp.so-net.ne.jp/c_beyond_jp/
USA Site:
http://www.sit.wisc.edu/~rpmeehan/myopicvoid.html
Europe Site:
http://tinpan.fortunecity.com/aprilskies/65/


☆V.A. / After the Storm "A Benefit Album for the Suvivors of Hurricane Katrina" (NEARFEST RECORDSNFR0007)
 詳しくはEcholynページへ。


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