Echolyn

 ペンシルヴァニア州West Point出身。
 1980年代後半、Brett Kull(G.Vo.)、Raymond Weston(Vo)、Paul Ramsey(Dr.Per)はカヴァーバンドNarcissusのメンバーだったが、1988年カヴァー曲を演奏するのに飽きてバンドは解散。その一年後、KullとRamsyはChristpher Buzby(Key.Back Vo.)を加えオリジナルなProgressive Musicを目指すべくEcholynを結成した。Westonもすぐに加わり、1990年には1stアルバム「echolyn」の録音を始めた。ベースはThomas Hyattに決まるまでKullとWeston、Jesse Reyesという人物が演奏していた。1stアルバムは個人レーベル(Kullの身内が経営)Bridge Recordsからリリースされたがすぐに売り切れてしまう。今や$100以上の値を付けるコレクターズアイテムとなっている(笑)。
 1992年、バンドは「Suffocating The Bloom」を発表。今や90年代のProg Rockを代表する作品となっている。Echolynのトレードマーク、タイトな二重、三重のコーラスハーモニーや対位法(*)を用いた楽曲に磨きが掛かり、幼年期の純粋さと理想の喪失を題材にした25分を越える組曲"Suite For Everyman"が収録されている。1993年の春にはアンプラグドもの4曲入りのminiCD「...and every blossom」を自主制作でリリースした。
(*対位法:単一の曲として演奏できるように2つ以上の旋律を主旋律に組み合わせる作曲法)

 「Suffocating The Bloom」はメジャーレーベルSony/Epic Recordsの注目を集め、1993年の夏に、Sony/550 Musicから彼らの3枚目のフルレンスアルバムをリリースする契約をする。この時期Echolynは広範囲でライブを行い、フィラデルフィア地区ではソールドアウトのギグを行う。1994年、ロスアンゼルスのProgfestにも出演した。
 1994年の春EcholynはナッシュビルSonyから出すアルバムを録音した。メジャーになることはEcholynの音楽的野望を堕落させることはなかった。「As The World」は妥協のないProgressive Rock作品だ。アルバムは1995年の5月にリリースされ、Prog Rockファンから多大な喝采を浴びた。人々はProg Rockが広くメインストリームに受け入れられる良いチャンスだと言ったが、腹立たしいことにSonyは、Echolynの音楽的躍動を新しいリスナーに届ける最良の手段であるツアーのサポートを断わった。バンドは1995年の9月、レーベルのサポートを受けることなく、ノースキャロライナ州のProg Dayのヘッドライナーに収まった。程なく彼らはSonyからドロップされた。HyattとBuzbyはバンドを去り、250回以上のギグと4作品を残してEcholynは終わりを迎えたかに思えた。「死後」の録音を余すことなく収録した「When The Sweet Turns Sour」が1996年SynPhonicとCyclops(欧)からリリースされた。このCDは4枚目のフルアルバムのための4曲、デモトラック、Genesisのカヴァー、そして1995年のライブが納められている。

 Echolynのメンバーはその後も活発に音楽活動を続ける。KullとRamsey、WestonはStillを結成し、1996年ハードロック調の曲作りに焦点を絞った「Always Almost」をリリースした。Always Almostに名前を変えたトリオは1997年に「God Pounds His Nails」をリリースし、プログレハードな楽曲の中にGentle Giantの素晴らしいカヴァーが収録されている。どちらもジョージア州を基点とするPleasant Green Recordsによって録音された。KullとRamseyはまた、メジャーなフォークロックバンド、Grey Eye Glancesのレコーディングとツアーに同行している。
 Buzbyは彼の弟、John(Dr)とヴォーカリストLaura Martin、Scott McGill(G)、Chris Eike(B)共にFinneus Gaugeを結成。Finneus Gaugeはプログレがかった複雑なJazz/Fusionのアルバム「More Once More」(1997)と「One Inch Of The Fall」(1999)の2枚をリリースし、世界的に多大な喝采を浴びた。Keyboard Magazineでは「More Once More」を「1997年の5枚」にピックアップし、一方Guitar WorldではFinneus Gaugeを「1998年優秀Progressive Rock(Underground部門)ベスト10のひとつ」と評価した。

 2000年の春、Echolynのメンバーは4年ぶりに10の新曲を集めた新作「Cowboy Poems Free」と共に戻ってきた。オリジナルのメンバー、Buzby、Kull、RamseyとWeston(ベースも兼任)に加え、ドラム/パーカッション担当のJordan Perlsonというラインナップ。Echolynは音楽的実験の必要性と、音楽的活動の場に再復帰には絶好の機会だという確信を持っている。11年の歴史とともに、Echolynは2000年にもユニークなAvant/Rockスタイルでオリジナルな音楽をはっきりと示し続けている。

NEARfest 2000のパンフレットから直訳、意訳、抜粋しました
日本語になってないところもありますが、そう大きな間違えもないと思います(汗)
ちなみにアメリカ人も間違えてましたが「えちょりん」ではなく「エコーリン」です

 詳しくは下記:
http://www.echolyn.com/

☆echolyn (Bridge)'91
 長いSEから始まって、なんだかまとまりがないが変なシンフォニックだなぁ。断片と断片の「つなぎ」がまだ未完成。しかし後半の曲でかなり持ちかえす。"Until It Rains"がなかなか良い。不思議でファンキーなミクスチャーロック。Rushの"Caress Of Steel"的作品とでも言っておきましょう。

☆Suffocating The Bloom (Bridge)'92
             (Velveteen VR2007-2) '01
 名盤。聴いたのがあと1年早ければ「90年代の21枚」トップ5に入っていた(笑)。
 まず何に耳が行ったかというと歌詞の美しさだ。勿論聞き取りできるほど私の耳はよろしくないので、はっきりと唄われる単語しか分からない(その後歌詞を確認)。"Dreaming of a White Chrismas"とか"Cherry Blossom outside My Window"なんてかわいらしい言葉を豪快なアメリカンテイストの音に乗せているのが面白かった。タイトルからしてひと味違う。「花の苦しみ」とは?子供の頃に抱く世界への憧れや理想がだんだん失われていく様だ。1曲目"21"は大人と認められる年齢を意味する。
 コーラスハーモニーにGentle Giantの影響を見つけるのは容易いが、楽曲だけを取り出すと「○○系」という表現ができない。アメリカのトレードマーク、LAの抜ける青空もテキサスの土埃も見えない。NEARfestの会場は彼らのホームタウンWest Pointにも割と近い場所(車で1時間弱)にあり、川が多く流れ、緑が豊かな場所だった。そんな環境にはぐくまれた音楽は、アメリカ的な力強さの中にもしっとりとした感触があるのも特徴といえるかもしれない。
 一応シンフォ系と言われているがそれでは括りきれない瞬発力があるし、とてもポップだったり前衛的だったりの分裂症気味なアレンジが、ついていけない人を出すかもしれない。しかしそれだけの表情を崩壊させることなくプレイしきる技術の高さは感服してしまう。中でもベースの巧さは尋常じゃない。後半28分にも及ぶ組曲"A Suite For The Everyman"は息もつかせぬ構成と演奏力で聴かされてしまう。分解しても1曲としての完成度が劣らないのが驚異。
 私にとってのもう一つの魅力はRaymond Westonの艶のある声。豪快な歌いっぷりもいいぞ。

 さて自主レーベルからの再発CD。一度CDが焼き上がってから欠陥が見つかり「こんなんじゃ出荷できん」ともう一度CDを焼き直したという事情があり、申し込んでから手元に来るまで3ヶ月も掛かってしまった。それでもまだミスがあって、"Reaping The Harvest"の途中でいきなりレベルがガクッと変わるところがある。困ったものだ(^_^;)。彼らのオフィシャルページ(上記参考)でダウンロードのサービスを行っている。2ndプレスは修復されて出荷される模様。とにかく好きなだけ聴けるのが嬉しいのぉぉ。


再発のジャケット

サイン入りCD

☆...and every blossom (Bridge?)'93
 4曲入りアンプラグドアルバム。ジャケットはかなりショボイ(^_^;)。
 ピアノを大々的にフーチャーし、官能的な世界を展開。無駄をそぎ落とした演奏に歌がとても映える。もはやシンフォニックという言葉はどうでもよろしい。3曲目は上質なJazzバラード。当時どれだけのアイデアが彼らの頭の中に収まっていたのか、恐ろしい気がする。

☆As The World sampler (Epic ESK 6612) '94
 「As The World」のプロモ盤。"As The World"と"My Dear Wormwood"を収録。

バラ園
Saffocating The Bloom

ワクワクお花ランド
...and every bloom


As The World Sampler

☆As The World (Sony 550 Music BK 57623)'95
 メジャーのSonyからリリースされた唯一の作品。前作と比べるとずいぶんリリカルな雰囲気が強く、演奏自体はパワフルこの上ない。Gentle Giant的なコーラスや、不条理な展開の曲や美しいアコースティックな曲も健在だ。特に前半6曲の流れは素晴らしい。"The Cheese Stands Alone"や"My Dear Wormwood"は観客に大人気。
 しかし似たような曲が多く、「ヤマ!谷!ヤマ!谷!」と起伏が激しい分、ヤマばかり印象に残って、トータルとして印象に残らない。一曲一曲分けて聴いていくと「おお、こういう曲だったのか。いいじゃない」と納得するんだけど。後半は聞き慣れてくるとジワジワ感動が湧いてくる。「とにかくドラマティックな音が好き!」な人は「Suffocating」よりこっちの方が合うかもしれません。
 個人的にこのアルバムの何が不満なのかと考えたら、Vo.が丸くなった印象を受け、ソロで力強く歌い上げるパートが少なくなったことだった(^_^;)。
 なお、日本盤の解説は何故か伊藤政則氏。

☆As The World (Velveteen VR 00011) '05
 再発+ライブDVD。CDの感想は上記参照。旧譜の干し首よりは数段ましですが、ジャケは写真を使うんじゃなくて、インナーのイラストを使った方が可愛くて良かったと思うのですが如何でしょう?
 DVDは1995年3月4日、ミシガン州Detroit、The Ritzでのライブを収録。ちょうど「As The World」制作時期と同じ頃のライブを選んだっていうのは偉いぞ。

1.Uncle
2.A Short Essay
3.My Dear Wormwood
4.Here I Am
5.21
6.The Cheese Stands Alone
7.As The World
8.Interview Ray & Brett

 もし貴方が「ProgFest '94」をみて「このバンド、ライブはいまいちだなぁ」と思ったらこのDVDを見てもらいたい。私は「ProgDay '95」のイメージが強いので、テンポが大きく揺れるバンドだと思っていたのだけど、ここで聴ける演奏は非常にタイトで、テンポも一定している。変な拍子のハードロックと言えるほど演奏は熱い。ある意味、絶頂期の演奏といえるだろう。それにしてもRay Westonの華のなさだ。私が警官だったら彼に職務質問しちゃうね(笑)。しかし歌の方はかなり良く通る声で歌い(吠え)まくって、ヴォーカルハーモニーの美しさも聴いてて爽快である。
 インタビューは「As The World」についてとかソニーと契約してどうとかって話だと思う。(推定)


As The World (old)


As The World (New)


As The World (inner)

☆When The Sweet Turnd Sour (CYCLOPS CYCL 036) '96
                 (Belle Antique MAR96267:国内盤) '96
 「As The World」の未収録曲(2曲)や1995年のProg Dayの後に作曲されたもの(3曲)、Genesisのカヴァー"Where The Sour Turns To Sweet"とライブなど9曲を収録した「遺作」。アルバムタイトルはそのGenesisの曲のもじりだが、万感の思いが込められてることだろう。スリーブのコメントには怒りさえ感じる。"As The World"のライブはかなり熱い。
 ちなみに国内盤はスリーブの写真が替わり、歌詞はちゃんと活字で打たれている。
☆Cowboy Poems Free (Velveteen VR2006/2)'00
 
復活第一作。曲によってはAlways Almost色がかなり強いが、ダイナミックな音はやはりEcholynだ。男のロマン溢れる"Wild In My Eyes"な世界が広がる。例えば今まで7分だった曲が4分で簡潔に仕上がったという感じで、Echolynならではのタイトな演奏の上に、楽曲が分かりやすくなった点は広くセールスポイントになると思う。良い意味でラフさも出てきた。"Human Lottery"の中間部のコーラスは短いながら相変わらず難易度D技を決めてくれる。インストゥルメンタル面で以前の複雑さが影を潜めたのは、ベースが専任から兼任になったことも原因だと思われる。
 以前からストリングスやパーカッションなどバンド以外の音を積極的に入れていたが、このアルバムではパーカッション担当を二人に増やしてしまった。スピード感あるドラムのビートに、コンガのアタックがのってくるのを想像してください。それだけで拳を握ってしまうあなた、即買いだ。そして実は、アメリカの若い憂鬱を背負ったBen Folds Fiveなんかも好きなあなたにも勧めたい。

☆Cowboy Poems Free (Velveteen ?) 08: Remaster
 
音だけではなく、紙ジャケやブックレットなど総とっかえで再登場。すいません。Vo.が引っ込んでしまい、私はあまり好きな音じゃないです。コレクター向けかも。

Cowboy Poems Free

☆Mei (Velveteen VR2009) '02
 
いや〜新譜が出るとは思いませんでした。うれしい誤算。1曲約50分一本勝負。
 Vo.を全面に出したミックスと、ゆったりとした曲調は「Cowboy」よりはStill/Always Almost かミニアルバム「...and every blossom」を彷彿させる。あるいは「As the World」から体力を差し引いた感じというか(笑)。
 個人的には「Cowboy」の溌剌とした曲が好みなんですが、メランコリックな雰囲気もEcholynらしさだと思っているので、コレもありかと思います。オルガンが多用されたヴィンテージロックに仕上がっています。同じようなテーマを繰り返す中でも、時々GGばりのコーラスが入ったり、ダンサンブルな打ち込みが挿入されたり、と遊び心も忘れていません。私はRaymond Westonの声のファンなので、(下品一歩手前の)艶っぽい歌い方が堪能できる点で、今作は◎。
 ただ、次作も同じ路線だったら「ちょっとやだなー」と思ったのも事実。しぶは「Genesisみたいで俺が好きなEcholynじゃない」といっております。参考にどうぞ。

☆A Little Nonsense : Now and Then (Velveteen Records 品番無し?) '02
 1st(Disc 1)、ミニアルバム「...and every blossom」と「When The Sweet Turnd Sour」(Disc2)、未発表曲やライブテイク、既発曲の再録を集めたもの(Disc 3)をまとめた3枚組。入手がきわめて困難だった「...and every blossom」が収録されているのが嬉しいところ。隠しトラック有。
 Disc 3の未発表曲"The Edge of Wonder"は1989年頃の作品で、ベースをJesse Reyesなる人物が担当。1999年にスタジオライブ録音された「Cowboy」からの3曲(デモとして録られたものかもね)。特に"Texas Dust"の演奏が熱い。ロックだぜ。
New Versionとされた"As the World"のイントロや"Saffocating The Bloom"はライブに則したアコースティックなアレンジで、コレもまた味わい深い。1stからは"Carpe Diem"、"Shades"が再録されている。パワフル!

☆The End Is Beautiful (Velveteen VR2010) '05
 ついにヨーロッパツアーも実現させた、それいけ再結成Echolyn第3弾。本格的にTom Hyatt(B.)が復帰し、プレオーダー恒例「メンバー達のサイン」にも参加。他に特典としてDVD-Rも付いていた。"Make Me Sway"の、なんてこともないスタジオ風景を編集したプロモビデオ。
 イントロはとても生っぽいスネアのビートから始まり、元気のいいロックサウンドが戻ってきた。「Mei」のようなメロウなコーラスワークもあるし、ところどころに挿入されるブラスアレンジも楽しい。Chris Buzbyのアレンジ力は昔から抜群なんだけど、ここのところ「歌」を活かすような方向になって、それが明快になった作品だと思う。トリッキーなアレンジは"Misery, Not Memory"でちょっと聴くことができるが、インスト隊だけで暴走することはない。個人的に印象的だったのはタイトルトラックの"The End Is Beautiful"の妙な枯れ具合。音はけっして静かなわけではないんだけど、しんみりしてくるのは不思議だ。もう「GGみたいな」という形容詞はいらないだろう。
 くどいくらい言うが、Raymond Westonの朗々とした歌いっぷりが気持ちいい(笑)。他のProg系のヴォーカリストにはない(HR系とも違う)荒々しさがあって好きだ。で、ソフトなBrett Kullの声が時々挟まれるとホッとしたりして。このコンビのハーモニーは絶妙だ。


☆V.A. / Progfest '94 (musea FGBG 4154) '95
 
Sebastian Hardieの復活で話題になった1994年のProgfestのオムニバス。Echolynは4曲収録されている。

☆V.A. / ProgDay '95 (Video)
 1995年9月3日に行われたProgDayのオムニバスビデオ。KullとWestonの風貌がまるでPanteraであり、WestonのTシャツに穴が空いていたりして(^_^;)男臭さ爆発。このライブの2ヶ月ぐらい後でEcholynは活動停止してしまうのだが、それを頭に入れて観ると"Memoirs From Between"は涙なしではいられない。その他、
Disciplineの白塗りVo.のパフォーマンスが怪しくてたまらない。Bon Lozagaはスペーシー系。収録曲は以下:
Cloud Nine
/The Stash
Timothy Pure
/The Aberration
/Privileges
/Festival!
Discipline
/Diminished
/Cant IV(Limbo)
/Homegrown
Bon Lozaga
/Sonic Abandon
Mastermind
/Child Of Technology
/All The Kings' Horses
/Tiger,Tiger
Echolyn
/Bearing Down
/Mr.Oxy Moron
/Twelve's Enough
/Uncle
/Where The Sour Turns To Sweet
/Memoirs From Between

☆Stars & Gardens (Velveteen 4: 2DVD) '04
 Disc12003年5月25日、ペンシルヴァニア州Sellersville、Sellersville Theaterでのライブを収録したDVD。Per.のJordan Perlsonの代わりにTom Hyatt (b.)が出戻り、パーカッションも兼任している。この人の復帰は実に嬉しい。
 
このライブではテンポが比較的ゆっくり目に安定している。"A Little Nonsense"辺りはもっと弾けててもよかったかも。Raymond Westonの声量が以前より少し落ちた気がするが、Brett Kullとのヴォーカルハーモニーは相変わらず絶品。緻密なアレンジを支えるPaul Ramseyのドラムも小気味よく気持ちいい。そして、なんといっても管弦奏者を招いての"Mei"の完全演奏が目玉だろう。か細いフルートの音をしっかりと聞ける、良いバランスの録音だと思う。
 映像のエフェクトの多さに少し辟易してしまった。しかし元々このバンドは(メンバー本人達以外の)ヴィジュアルにはこだわりがあるようなので、「きっと予算があったらこんなフィルムを廻しながら演奏したいんだろうな」、と思いながら観賞すると優しい気持ちになれる(笑)。"Never the Same"はプロモ仕立てで、一応演技っぽいことをしているのが微笑ましい。
 Disc 2は殆どインタビューらしい。したがって未見(^_^;)。

DVDについての情報はこちら:http:www.starsandgardens.com


 2000年6月16日に行われたライブの様子はこちら。(戻る際はブラウザの[Back]を使ってください)


☆V.A. / Progfest '94 (musea FGBG 4154.AR:2枚組) '95
 
Sebastian Hardieの復活で話題になった1994年のProgfestのオムニバス。Echolynは3曲収録されている。
Rayの歌は荒くて調子よくなさそうだ。Keyが全体を引っ張っている感じ。大穴はGiraffeかな。丁寧な演奏に好印象。Anekdotenの演奏はゲストのトランペットが曲を盛り上げている。
収録曲は以下:
Disc 1:
Halloween
Outsider/Suburb/What's In
Kalaban
Mutants Over Miami/Eyes Of a Seer/Hotash Day
Anglagard
Hostsejd(Rite of Fall)/Episode / Echoes
Echolyn /The Cheese stands Alone/A Little Nonsense
Disc 2:
Echolyn
Here I am
Anekdoten
Muscle Beach Benediction/Wheel/Mars
Giraffe
Fly On a Windsheld(Broasway Melody Of 1994)/The Colony of Slippermen(A Visit to The Doktor)/The Musical Box
Minimum Vital
Les Mondes de Miranda/La Source/L'invitation
Sebastian Hardie
Glories Shall Be Released/Journey Through Our Dream/Everything is Real

☆V.A. / ProgDay '95 (PROGLODITE RECORDS PDAY 001/002:2枚組)
 腐るほど金をもてあましていたら、税金対策にこんなフェスを開いてみたい。1995年9月3日に行われたプログレ祭りを収録したライブCD。ビデオと音の印象が違くて、Vo.が引っ込み気味でDr.がクリアに聞こえる。なぜかMastermindは収録されていない。Disciplineのヴォーカリストはインパクトあるなー。
 Echolynは6曲を収録。上のProgfestと違って、Vo.の荒々しさが力強く感じられて良いと思う。テンポがすごい揺れるが(^_^;)曲にダイナミクスを付ける意味で有効。スタジオ盤を聞き慣れている人はちょっと違和感があるかもしれない。"
Memoirs from Between"は主催者のPeter Renfroと婚約者のDebbieがリクエストしたアンコール。泣ける。
 収録曲は以下:
Disc 1:
Ozone Quartet(Formerly Cloud Nine)
Stash/World of Difference
Timothy Pure
Channels/The Aberration/Through the Fountain's Eye/When Vices Collide/The Occupants/Festival
Discipline
Circuitry/Canto IV(Limbo)/Homegrown
Disc 2:
Discipline
Systems/When the Walls are Down
Bon Lozaga
Sonic Abandon
Echolyn
Bearing Down- Mr.Oxy Moron - Twelve's Enough/Uncle/My Dear Wormwood - 21/The Cheese Stands Alone/Suffocating the Bloom/Memoirs from Between


☆V.A. / After the Storm "A Benefit Album for the Suvivors of Hurricane Katrina" (NEARFEST RECORDSNFR0007)
 2005年、アメリカ南部を襲い甚大な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」の被災者へのベネフィットアルバム。主催がNeafestであることから、同フェストの出演者の名前が多く見られる。Echolynはこのアルバムのために書き下ろした新曲でオープニングを飾っており、その他Neal Morse、The Flower Kings、IQ、Anglagard等々、クラシックロックとはまた違うプログレ・カタログとしても上等のサンプル。参加バンドは以下。
Disc 1:
1.
Echolyn /15 Days
Previously unreleased, specially written for this benefit CD
2.Happy the Man / Ibby It Is (Live)
Previously unreleased, recorded live at ProgDay 2005
3.FM / Random Harvest
Previously unreleased on CD
4.Camel / After All These Years
5.Mike Keneally / Time Table
Previously unreleased
6.Spock's Beard / Shining Star (Live)
Previously unreleased, recorded live in 2003
7.IQ / Chemical Rain
Previously unreleased
8.Kraan / Silver Buildings
Previously unreleased
9.Mostly Autumn / Ghost in Dreamland
10.IZZ / My River Flows
11.Nektar / Phazed by the Storm
12.Sean Malone / Grace (Live)
Previously unreleased, recorded live at NEARfest 2004
Disc 2:
1
.Kansas / Song for America
2.The Flower Kings / A King's Prayer (2005 Remix)
3.Woodenhead / Buzz Beat" (Live)
Previously unreleased, recorded live at Tipitina's in New Orleans, 1995
4.Djam Karet / The Shattering Sky
Previously unreleased
5.Neal Morse / Sleeping Jesus (Live) 5:18
Previously unreleased, recorded live in Whittier, CA, November 2003
6.The Muffins / Essay R (Remix)
Previously unreleased
7.Caravan / Love Song with Flute
Previously unreleased, recorded live at The Bloomsbury Theatre, 2003
8.Anglagard / Ganglat fran Knapptibble
Originally released as a bonus single in Ptolemaic Terrascope No.5, 1994
Also available on remastered version of "Hybris" (2000/2003)
9.Little Atlas / On and On
10.Arjen Anthony Lucassen / Pools of Sorrow/Not Over You
Previously unreleased
11.California Guitar Trio / Zundoko Bushi (Live)
Previously unreleased, recorded live at Johnny D's in Boston, 2005
12.Pendragon / Sou' by Sou'west

詳しくはこちら:http://afterthestorm.nearfestrecords.com/

Still / Always Almost

☆Still / Always Almost (Pleasant Green Records PLGR001) '96
 メンバーはBrett Kull(G.Vo.)、Paul Ramsey(Dr.Per.)、Ray Weston(B.Vo.)のトリオ。アメリカで購入。
 一度好きになったミュージシャンに対しては、かなり寛大になる私でもこれは驚いた。う〜んなんだこれは。少々オルタナがかったモゴモゴダークなロックになってるではないか。あんたらQueensrycheか。いや"Purge"はちょっと変だ。リズムのキレやバラードの繊細さにかつての面影を残しているものの、複雑怪奇な楽曲を期待するとがっかりくるかも。Echolynを求めなければさっぱり聴けます。ミックスのせいか、Vo.のパワフルさがガツンと来ないのが残念です。しかし最後の曲ってば・・・(^_^;)カントリー?
☆Always Almost / God Pounds His Nails (Pleasant Green Records PLGR002) '97
 同じくアメリカで購入。前作と同じ方向性のアルバムだが、ダークさが若干薄れ、メランコリックな雰囲気が漂う一方、元気な曲も聴けて嬉しい。ドラムの出しゃばり具合が素敵。2曲目"Tread On"のエンディングのコーラスは若干"宮殿"してて微笑ましい。"Bitter"のジャジーで摩訶不思議な雰囲気は新機軸。"5 Door"は現在のEcholynにかなり近いタイプの曲だ。やはり前作と似た感想だが、Vo.のハーモニーを楽しみたいのにクリアに聞こえないのが残念。あるいは狙った?
Gentle Giantのカヴァー"Aspirations"は自宅のスタジオでライブ録音された音源。バランスは良くないがほぼ完コピ、それ以上。選曲が憎いっす。やっぱりファンだったのか。

God Pounds His Nails

 2作ともバリバリのプログレファンより、普通の(?)アメリカンロックが好きな人にお勧めしたいです。「Cowboy Poems Free」のメロウな部分が気に入ってる人にもぜひ。

☆V.A. / Various Sampler 3 (Cyclops CYCL/046) '
 英国のProg Rockレーベルのサンプラー。Stillは"Loveless"を提供。
収録曲は以下:
Abbfinoosty / When The Sun Explodes
Anekdoten / Book Of Hours (LIVE)
Cross / Heavenly
Fruitcake / Lost My Way
Lands End / Breathing Deep
Mastermind / Miles To Go Before I Sleep
Mentaur / Chasing Time
Sinkadus / Manuel
Sphere / Again
Still (ex Echolyn) / Loveless
Vulgar Unicorn / Too Many Secrets

詳細はこちら:(重い上にところどころ工事中)
http://online.to/alwaysalmost/

他、アルバムは所有していませんが、Grey Eye GlancesというバンドにBrettとPaulが参加しています。
The Official Grey Eye Glances Web Site:http://www.greyeyeglances.com/index.html

Finneus Gauge

☆More Once More (Train RecORDS TR79601) '97
 
1曲目"More Wants More"で倒れました。思わずガッツポーズ!脳血管切れちゃうハイテンションJazzロック!コーラスワークはEcholyn譲り。複雑なアンサンブルの上に踊るポップなヴォーカル、それはなんとなくNational HealthのAmanda Parsonsを思い出させる(でもスキャットじゃないよ)。"Customer Survice"にいたってはカンタベリーの香りさえ漂う。ギターは少々Holdsworth かぶれ。HR/HMも嗜む人はEcholynより少々メタリックなこっちの方が取っつきやすいかも。
 関係ないけど、NEARfestの発起人の一人、Chad Hutchinsonはずいぶんこのバンドの世話をしてやってますね(^_^;)。

☆One Inch Of The Fall (Train RecORDS TR79603) '99
 オープニング"Open Ap The Lines"の変態ハーモニーにニヤリ。剛球一直線の1stに比べしっとりと聴かせるパートが増え、曲にバラエティーが出てきた。しかしヘッドフォンで聴いてもらいたいのですが、もう隙間を埋めずにはられないって感じでバックでワサワサやってるんですよ。これが楽しい。"Golden Pretzel"の偏屈ぶりもGood!

☆V.A. / Various Sampler 4 (Cyclops CYCL/090:2枚組)
 
英国のProg Rockレーベルのサンプラー。Disc 1でFinneus Gaugeは1stの曲"Press The Flesh"を提供。
収録曲は以下:
Disk 1:
Rob Andrews / Sunlight On Leaves
Citizen Cain / Liquid Kings
Finneus Guage / Press The Flesh
Flamborough Head /Schoolyard Fantasy
Fruitcake / On The Edge
Haze / For Whom
Jump / Where Silver Calls
Bjorn Lynne / Shapechanger
Guy Manning/
Post Mortem (a) 3 Score Years and 10 (b) In My Life
Mostly Autumn / The Night Sky
Disk 2:
Mostly Autumn / Pieces of Love
Parallel or 90 Degrees / Encapsulated
Pineapple Thief / Private Paradise
Salem Hill / When
Sinkadus / Positivharalen
Sphere / Shrimp SNG
Transience / Desert Falls 2
Twelfth Night / The Ceiling Speaks
Von Daniken / Extract from: Electrik Fish Music
Vulgar Unicorn /
More Money Than I Know What To Do With
Kopecky / Bartholomew's Kite

☆Scott McGill's Hand Farm / Ripe (The Laser's Edge LE1031) '99
 Finneus Guageのギタリストの別プロジェクト。思った通りHoldsworth色が強いインストアルバム。流して聴くには気持ちいいかも。
 詳しくは下記:
http://www.ghostland.com/handfarm

☆The Dark Aether Project / Feed The Silence (DAP2) '99
 Laser's Edgeのネット通販で購入。日本の店頭で見たことありません(^_^;)。5曲+1曲ボーナストラックのミニアルバム。
 ギターの音色やスティック奏者がいることを考えると、80年代King Crimsonを目指してるのでしょうか。しかしそこまで達者なプレイヤーではありません。キレのないドラムの上に眠気を誘うフリップもどきのフレーズが延々続きます。Raymond WestonがVo.で2曲参加。正直言って彼が参加していなければ一生聴かなかったアルバムです(^_^;)。
 詳しくは下記:
http://www.darkaethernet/

☆Land of Chocolate / Unikorn on The Cob (Slipt Disc Records SDR12400-2) '01
 現在はJohn Buzby以外のメンバーは総入れ替えしているが、Finneus Gauge(上記参照)で一躍有名となったJohn Buzby、「Cowboy Poems Free」 に参加したJordan Perlsonがこの作品に参加している。
 出だしの軽快に流れるような変拍子"Musical Findings"から惹かれるがJohn BuzbyのVo.は正直今一歩であるのと、Echolynのような素晴らしいコーラス・ワークが無いため作品としてのインパクトは弱いと感じる。演奏だけを注目するとかなりいいのだが...残念である。次作に期待したい。
 なお、Brett Kullは共同プロデュース、"Broken Records"でスチール・ギターで参加。

☆Land of Chocolate / Regaining The Feel (Slipt Disc Records SDR12401-2) '04
 2nd。1stに比べると格段の成長が伺えて嬉しい。前回の課題であったVo.もEcholyn級ではないが、なかなかきかせることが出来るレベルまで行ったと考えて良いだろう。ただ、欲を言えばこの手の音はもっとダイナミックな音質でききたい。作品全体は表面的な印象はくぐもった暗さがあるが、実際はアメリカらしいからっとしたテクニカルな疾走無しのJazz Rockである。(意味不明(^^;)
 詳細は下記:
http://www.landofchocolate.net/

☆Sense / Out of Range (Ipso Facto Records IF 2011) '04
 カナダのSenseの2nd。EcholynのBrett Kullが"Nothing Left for You"にてゲスト参加しており、このアルバムのハイライトとも言えるユニークな曲に貢献している。その他Glass HammerのFred Schendelが"Nightmare"にてオルガンでゲスト参加している。
 素朴なタッチの曲調とメロトロンが効果的に入っているのが興味深いが、Ds.があまりに普通のプレイなので作品全体のインパクトは薄いのことは確か。また、Genesis系 & レイドバック・シンフォが×の人はきかない方が得策。
 詳細は下記:
http://www.sensemusik.com/


Regaining The Feel


Sense / Out of Range


☆Brett Kull / Orange-ish Blue (Velveteen VR2008)'02
 ギタリストBrettのソロ。EcholynからはPaulとChris、Jordan Perlson、Grey Eye GlancesからキーボーディストDwayne Klesselが参加。そしてMolly Deckerという女性歌手も迎えられている。全体的に後期Beatlesを思い起こさせるような、アコースティック楽器中心のゆったりとした曲が並んでいるが、「...and every blossom」の作風が好きならばすぐに馴染めると思う。懐かしいような、甘酸っぱいような、繊細で優しい歌を堪能しよう。

☆Brett Kull / The Last of the Curlews (Velveteen ?)'08
 2ndソロ。前作と同じくPaul Ramsey (ds.)とMolly Decker、新たにJacque Varsalona(「Cowboy Poems Free」リマスター盤のパッケージデザインをやった人)が参加している。殆どの楽器はBrettが自ら演奏したようだ。基本的に前作と同じ路線だと思うが、ビート感がより前に出てきている。Beatles色は後退し、リヴァーブが深くかかったギターの音が時々空間を支配して、サイケ色を強めている。そのせいか、音の奥行きが増したように思える。哀愁度も増してるね。前作のような「カワイイ」感じはないけれど、前作や「CPF」以降のEcholynが気に入っている人なら楽しめると思う。
 関係ないが、
CDBabyでのジャンルは「Pop:New Romantic」となっている。わかるようなわかんないような。
 詳細は下記:
http://www.brettkull.com/

☆Ray Waston / This Is My Halo (Notsewgood Music 0001) '03
 Ray、Brett、Paulの3人で録音されたRayのソロ。6曲目でハモンドを弾いているJoe StoutAlways Almost 「God Pounds His Nails」のミキシング担当と同一人物のようだ。Brettのソロ同様、Rayの穏やかな歌が中心になった作品ではあるが、各曲の統一感はあまりなくゴツゴツした感触が強い。時々Bjorkっぽいアレンジや歌い回し("Lonesome Secrets"のイントロが特に)なんかもある。"81702"では「声だけ美青年」っぷりが楽しめる(^_^;)。Echolynの中では激情的な表現が彼の要素だと思っていたのだけど、このアルバムを聴くと、ダークな雰囲気はあるけれど、あの絶唱はバンドの共同作業の中で生まれて来た表現なのだと気づかされる。
 詳細は下記:
http://www.rayweston.com/ (linkのラインナップが笑えるんですけど)