サイン会から抜けてきた頃にはもう午前1時をまわっていた。今日のフライトは朝の6時ジャストと、始発並みの早さなので、寝ないでシャワーを浴びたり身支度をした。それにしても向かいの部屋のお喋りがうるさいなぁ。何でドアが半開きなんだよ。
時間をもてあまして1階に降りると、CalProgのスタッフらしき人々がプールサイドでラップトップに保存した昨日のライブの画像を見ながらお喋りをしていた。元気やなー。ATMで少しお金を引き出してから6階へ戻った。3:40、フロントから電話。頼んでいたタクシーが来たらしい。さようならLA。本当に、Hollywoodもディズニーランドも見ずに、CalProgの為だけに来て、帰るよ(爆)。空港まで高速をぶっ飛ばしてきたはいいが、早朝なのでチェックインカウンターが開いていない。LAに到着した日、確か階段を登ったところに手荷物検査所があったよねー、と2人で記憶にある場所へ行ってみるが、「そのチケットはココじゃない、降りて右に行って」と帰されてしまった。言われるままに歩くと、Domesticと書かれた札の前に人が並んでいる。さっきの場所は国際線用の検査所で、これから経由地のDenverへ行く私らは国内線の方に行かなければならなかったのだ。いざそのゲートも開くと「このチケットだったら、そこの機械でチェックインしてちょうだい」とまた入場を断られる。「なんだかわかんねーなー」とブウブウ言いながらその機械のところへ。成田で案内係に勧められたものと同じ物だろう。幸い日本語ガイドがあったのでチェックインは無事にすませチケットを発券し・・・・エラー!?なんだよもぅ。「この番号を係員に知らせてください」と機械の画面に表示された番号を書き取り、中途半端に出てきたチケットを持ってさっきの国内線のゲートへ行ったら、今度は通してくれた。あのー手荷物預けたいんですけどー・・・あれ?ボーディングゲートに着いちゃったよ。大きい荷物じゃないからまぁいいか・・・。小腹が空いたので、Shibuがスターバックスでココアとチョコマフィンを買ってきた。朝からよくそんな甘いモノが食べれるな、旦那よ・・・私はマフィンを半分以上残して、昨日の中華レストランで持ち帰ってきたお菓子と一緒の袋にまとめた。まさかこれが後で役に立つとはこの時点では思わなかった。
Shibuが「今名前を呼ばれたような気がする」と言うのでボーディングゲートのカウンターにいくと、我らのチケットを見て「これはいらないチケットね」といって、別のチケットを発券した。何故エラーが出たのかがサッパリ分からなかったのだが、係員がチケットの片方を破いた時、二人同時にチェックインしようとしていたのがエラーの原因だったと気が付いた。例えるなら、Shibu一人がチェックインマシ−ンを使って、「ももさんとご一緒にチェックインなさいますか?」と訊かれたときに「ハイ」を選択するだけで良かったのだ。トホホ。おかげでDenverまでのフライトは隣の席だが、DenverからTampaのフライトは離ればなれになってしまった。
LAからDenverへのフライトは順調そのもの。DenverからTampaへの乗り換えもスムーズに行けた。途中、持参のプーのぬいぐるみで子供に愛嬌を振りまいたりして、なごみつつTampa行きのボーディングゲートへ。今度はUnitedの関連会社Tedのエアバス機に乗るらしい。レアだ。ボーディングカウンターで一応「一緒の席になりたいんですけど」と問い合わせてみたが、別の便になってしまうとのことで、あきらめた。
私の席は1番前、Shibuは真ん中よりやや後ろ。私の左隣のオバサンは家族へのラブコールに忙しく、右隣のおばあさんは、電話がなかな繋がらないようで困った様子。アメリカの携帯電話の所持率も高いね。日本では首からぶら下げている人をたまに見るが、アメリカでは(特に男性が)横にした形でベルトあたりに引っかける感じで身につけている人が多い。一番前なのでケータリングの持ち込み作業なんかも見学できて、興味深く眺めつつテイクオフを待っていると・・・。
搭乗員の制服ではない、明らかにエンジニア系のおじさんがコックピットで何か作業をしている。ちょっと嫌な予感がした。故障だろうか?しばらくすると「コンピューターのトラブルでフライトが遅れております。20分ほどお待ちください」とのアナウンス。まじかよー(-_-;)。
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1時間・・・お腹が空いたのでLAで残したチョコマフィンを食べ、アテンダントにコーヒーを分けてもらった。アテンダントのお姉さん達も「私たちが慌てたところで仕方がないわ」とやや開き直ってる様子。当然文句を言いに来る親父達もいるわけだが、日本のように怒鳴り散らすような勘違い人間は居なかった。「いつも『あと10分お待ち下さい』だ。また10分か?永遠に10分前だ」と皮肉を言っていたが。 2時間位して「搭乗券の半券をお持ちになって、ゲ−ト外へ出て結構です。お昼や買い物などをしてきてください」と言われてしまった。そんなに深刻なトラブルなの!?左隣のオバサンは有料のケータリングを買って、フィットネス雑誌を読みながら猛然と食べてから外に出ていった。そんなに食べたら痩せないと思う(爆)。私も一度外に出て、水とカメラ用の電池を買ってきた。空いたペットボトルに水を半分ほど入れてShibuに届けに行ったら、寝てた(笑)。さすがだ。そんなShibuもお腹が空いたらしく「何か食べ物ない?」と私の席にやってきた。自分用にフォーチュンクッキー2個を残してShibuに与える。中華のおばちゃんありがとう、まさかこんなところで役に立つとは!機内では暇つぶしのために映画(スペイン語!)が上映され始めた。スペイン語は搭乗客からのリクエストである(^_^;)。 |
ふと右隣を見ると、おばあさんが口紅でメモを書いている。不便だろうと思い、自分のボールペンを貸してあげた。それがきっかけで少しお話をした。息子さんがTampaの空港に迎えに来てくれる予定なのだが、この有様なので何とか連絡を取ろうとしていたらしかった。私も(Tampaにロックコンサートを観に行くと説明するのはめんどくさかったので)「Tampaへ友人に会いに行くところです。約束は明日なんですけど、この状態はひどいですね」と答えた。「Tampaがあなたに楽しい思い出を残してくれることを願うわ」と言ってくれた。なんか優しいおばあさんだな。
結局3時間くらい遅れて離陸。機体が動いたときには拍手が起こった(^_^;)。左のオバサンは「こんなトラブルと2度とゴメンだわ」と呟いていた。私もゴメンである。私を挟んで両隣の人達のお喋りを聴いていると、おばあさんは元先生で、今はリタイアしているが自分の息子も先生をしている、との話だった。たまに私にも話しかけてくれるのだが、私が「英語が苦手なので、長い文章が理解できない」というと、ゆっくりわかりやすく話してくれた。息子さんは韓国で英語を教えている(ガールフレンドもいるらしい)とのことで、アジア系の変な英語もよく理解しているのだろう。ノンネイティヴを意識して話してくれる人は、今回のアメリカ旅行で、後にも先のもこのおばあさんだけだった。仁義なき「Speak English Or Die」な世界だ。
徹夜しているので、そのうち私も眠くなってきた。
離陸後は多少機体が揺れたモノの大したトラブルはなく、無事Tampaに到着できた。むわ〜蒸すなぁ。隣のおばあさんに「good luck」と握手をして別れた。ゲートの近くでShibuが出てくるのを待っていると、おばあさんが「誰かを待ってるの?移動手段はどうするの?」と戻ってきた。わ、大丈夫です!主人を待っているのです!と答えると、安心した様子で帰っていった。ちょっと感激。
空港のHartzのカウンターへ行き、手続きを無事済ませて車に乗り込んだ。Yahoo!のマップによれば空港から6分くらいで着くらしい。スグだね、スグ・・・。
(時速100km/h以上でドライブ中)
あれ?なんか料金所があるんですけど・・・?
(走り始めて10分以上経過)
あれ?また料金所があるんですけど・・・?
(さすがに不安になり始める)
違う、絶対この道は違う!どこかでこの有料道路を降りなければ!!
一般道路に降りてしばらく走ったところにあったショッピングセンターの駐車場に車を停めた。Tampa空港で買った詳細地図と照らし合わせると、まったく見当はずれな方向に走っていることが分かった。今居るところは空港をぐるりとひとまわりして、正反対の場所らしい。じゃぁこの道を戻って、ココを入って・・・・地図の場所にあるのは「Days Inn」??私らが泊まるところは「Best Western」であって「Days Inn」じゃないよね?ていうか、どうしてYahoo! Mapが2種類あるの?とさっきから質問しているのだけど、Shibuも運転するのにイッパイイッパイで聞いてくれない。(<日本ではまったく車の運転しません)
慢性渋滞の日本の道路と違い、100km/h近くでガンガン飛ばすアメリカのドライブは標識や通りを見逃すことが多く、行ったり戻ったりの繰り返し。一方通行や車線による強制カーブも多く、そのうち大雨が降るし日は落ちてくるし。Shibuは「ちょっと苦しくなってきた」とか言うし。こっちだって地図を追いかけるのに必死だよ!
4時間近く迷った後、私らは間違った地図を見て「Days Inn」を目指して走っていたことにやっと気付き、今度こそ正確な地図を引っ張り出して、ゴールを目指す。今いる場所からは遠くないぞ・・・・ようやくプリントアウトした「Best Western」の資料と同じホテルを発見できた!が、このホテルは通りの左側にあり、右側車線(センターゾーンあり)から入ることができないみたい。じゃぁぐるっと回って・・・。
ちょっと・・・
なにをむやみに曲がってるんですか?
また迷った。(T_T)
真っ暗な細い路地で、通りの名前も確認できない。このまま走り続けたって仕方がない。どこかに止まって通りを確認しないと、とせかす私と、下手なところに車を停めたら危険だから、と走り続けるShibu。間違った道を走り続ける方が私は恐いんじゃー!(と心中ぶち切れている)
コンビニのセブンイレブンを発見。駐車場に車を停めてもらったが、通りを確認できそうな標識が近くに見あたらない・・・・中に警官っぽい制服を着た人もいるから大丈夫だろう。 (画像右:命の地図) |
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店員の言うとおりの道を辿ると、さっき曲がれないと思って通り過ぎた道路に出た。でも言うことが正しいなら曲がれるはずだ、と思い切って行ってみると、ちゃんと左折用のセイフティーゾーンがあった。やっと到着できる!!
チェックインを終えてようやく部屋に到着。生涯で初めて、緊張が解けて、全身の力が抜けて倒れるという体験をした。
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