くむーる&ぬむるすレイクサイド旅行記



(5日目)
8月16日
続きです

Caution!
これからRUSHのライブに行く予定で、ネタバレがいやな人は続きを読まないように!


 観客席が8割方埋まってきた頃、定時より数分早く「3バカトリオ」のファンファーレが流れてきた。

「Hello !!」

 舞台のセットは14日と同じく乾燥機が置かれただけのシンプルなセット。ただ、サイドスクリーンはNashvilleほど大きいものではなく、どでかいTVが置かれていただけな感じ。オープニングナンバーはこれまた14日と同じく"Tom Sawyer"だった。しかしHoustonの観客の歓声のすごいこと!みんな待ってたんだよね。モールス信号をヒントにした、お馴染みのキーボードフレーズをエアキーボードで決める観客が数多くいた。何だか不思議な光景だ。
 大歓声の中"Distant Early Warning"に移行したが、何かの操作用マシンがイカレてしまったらしく、近くのスタッフブースがパニックになっていた(^_^;)。幸いステージには影響がなかったようだ。
 "Earthshine"では14日よりベースとドラムがクリアに聞こえた。"YYZ"で再びエアドラム小僧大量発生。私はドラムをちゃんと叩いたことはないのだけど、「あんな風に叩けたら気持ちいいだろうなぁ」と思わせるお手本のようなプレイだ。なによりNeilのドラムにキレが戻っていたのが嬉しい。
 Houstonの客はアグレッシブな曲が好き。とりわけ一人、妙なノリ方をしたおじさんが周りの注目を集めていた。彼がどの拍や楽器に合わせて暴れているのか、誰も理解できなかった。そして"The Pass"や"Bravado"のような曲ではとっとと座る。
 セットリストは基本的に14日と変わらないが、若干の変更があった。"Vital Signs"がなんと"Freewill"に変わっていたのだ!!これはしぶもも的に大ヒット。ブリブリしたベースソロもさることながら、20年前ほどには至らないまでも、高音も歌い上げていたGeddyの喉にも脱帽。だって、「Show of Hands」の頃よりは明らかに声が出てるもの!本当に今回のGeddyのVo.は素晴らしい。
 しぶももが違う意味で注目していたのは、Alexの後頭部(-_-;)。Nashvilleのライブで、スクリーンに映ったAlexの頭を見て目を疑った。・・・・カッパ(*1)・・・?いや、照明のせいかもしれない。もとよりスクリーンさえ殆ど見えなかった状態だったので、確信が持てなかった。で、今日確認しようと注目していたのだ。しか〜し後頭部がなかなか映らない(爆)。Geddyの方はあらゆるアングルから映されているのに・・・(^_^;)。

 "Natural Sience"(感動は、初体験には勝てないなぁ・・・良かったですが)の後、休憩には入った。しぶはまたDTのTシャツのおかげで隣の男性に話しかけられていた。実はこの日、Dallas近郊でDream Theaterのライブがあったのだ。DTを着てわざわざRushを観に来た変わり者は目立っているんだろう。
 しぶももはのどが渇いていたので水を求めて座席を離れた。ようやくビール売り場にたどり着いたが激混み。Nashvilleより収容人数が多いのに、店やスペースが足りてないのだ。運転があるので、しぶは水を買いたかったのだが、どこも長蛇の列でらちが明かず、結局諦めて席に戻ってしまった。ももはビールの売店に潜り込むことが出来たが、店員と客が話し込んでいてなかなか前に進まない。ついには聞き覚えのあるSEが流れ始めた。あぁぁぁ"One Little Victory"が始まっちゃうぅ〜(;_;)。やっと私の番が来たのでバス・ペールを注文。しかもお釣りを間違えられる(怒)。抗議する時間も惜しく、客席へダッシュした。うわ〜ん、もう炎が上がって演奏が始まってるじゃん(T_T)。

 今から考えると、Nashvilleより休憩時間が短かったような気がする。そして、炎の量も増えてる気が(^_^;)。火柱の数が倍になっていて、指定席最後部の私たちの所まで熱気が襲ってきた。Houstonの観客を沸かせるには十分すぎる演出だ。14日より低音がスッキリ聞こえ、Niel Peartのドラミングも絶好調だった。観客の盛り上がりで、バンドのテンションもますます上がる。次の"Driven"では、途中でギターを交換するほどの盛り上がりよう。弦が切れたのかな?このハプニングでちょっと盛り下がってしまったのが残念だった。
 ふと、横のスタッフブースをみると、上を覆っていたビニールが完全に剥がされていた。空には月。雨の心配はもうないみたいだ。
 "Ceilling Unlimited"の代わりに"Ghost Rider"が演奏された。スクリーンはNeilが乗っていたようなバイクを中心にした旅のイメージ。観客は座り始めていたが(^_^;)、ももの前の縦列は熱心な人が多かったらしく、何故か座る人が居ない。おかげで観にくかったよぅ。そして"Secret Touch"。新譜からの曲のせいか、観客はまだ座りっぱなしだった。しかしギターソロ後のアンサンブルのテンションに引っ張られるようにみんな立ち上がり始めた!だってかっこいいもんなー。ノれなきゃウソだよ。今日もハイライトはこの曲だったと思う。
 "Dreamline"では照明がとても美しかった。Nashvilleでは気付かなかったが、曲とのシンクロも見事である。でも野外より屋内で観た方がもっとキレイだろうなぁ。そういえばAlexがはでにイントロ派手にを間違えてたなぁ(^_^;)。
 "The Rhythm Method"はまた一段と盛り上がった。観客のテンションが上がれば、Neilのプレイにも力が入る。かなりのベストプレイに属するソロだったと思う。この人も「衰える」という言葉がふさわしくない、鉄人だ。
 "Resist"を演奏する前に、GeddyがAlexの紹介をして、「一言どうぞ」と振ると、「フンガーフガフガーフンガー」と唸るだけのAlex。こ、このオヤジ(^_^;)。Geddyの声にも艶があり、Nashvilleより観客のウケが良かった感じだった。それとも前フリのおかげ?演奏が終わって、AlexがGeddyの紹介をしようと指を差すと、Geddyがその指を掴んでふざけていた。ラ、ラブリィ〜。
 "Overture"のSEが聞こえてくると、観客は「待ってました!」とばかり総立ちだ。"Freewill"でも感心したGeddyの喉、"The Temples of Syrinx"でも絶好調でフェイクがほとんどなかった。す、すごすぎる。なんかトレーニングでも受けたんだろうか?(でも曲全体の調を下げていたかもしれない)
 呆気にとられたまま"Limelight"に突入。そして"La Villa〜"ではベースソロあたりでAlexが先ほどの続きらしく「フガフガーフンガー」と歌っていた。この人のお茶目ぶりも全開である(^_^;)。また「Brad Pitt」と名乗っていた。うん、この人若いときは美形でしたよ、確かに。今では体格が良くなったけど、イイ感じの老け方をしている。噂ほど太ったとは思わなかったが、その・・・後頭部・・・(爆)。
 そんな妄想にふけっている内に"The Spirit of Radio"。あぁ、もうすぐでライブが終わってしまう・・・。

 アンコールも変わらず"By-Tor"だった。14日はバカアニメに目を奪われてステージを観ていなかったのだが、今日は一応確認できた。AlexとGeddyがじゃれていた。アニメは素なのね(笑)。この頃になると、ノイズなのか、耳鳴りなのか、歓声なのか分からないくらいの盛り上がりだ。"Cygnus X-1"と"Working Man"のヘヴィーなグルーヴに身を委ねながら思う。

   こんな素晴らしいライブバンドがなぜ日本で観れないんだーーーーー!?

 Geddyの声の好き嫌いがあるだろう。小難しいイメージもあるだろう。でも、ただのロックだよ。他のバンドとちょっと違うスパイスを使っているだけだ。最高のライブバンドなのに・・・。アメリカでライブを3回も観た私は幸せ者だ。しかし「なんでアメリカまで来なければ観れないのか」といういらだたしさと悲しさを感じた。

 「See You again, sometime. Bye Bye!!」

 Geddyの一言でライブは終了した。素晴らしいライブだった。月並みな言葉だが、本当にそう表現するしかない。6年の沈黙なんて、この時のための準備期間だったと考えれば吹っ飛んでしまう。ありがとう。

SETLIST:
First Stage
Tom Sawyer
Distant Early Warning
New World Man
Roll The Bones
YYZ
The Pass
Bravado
Big Money
Between Sun & The Moon
Freewill
Natural Science
Second Stage
One Little Victory
Driven
Ghost Rider
Secret Touch
Dreamline
Red Sector A
Leave That Thing Alone
The Rhythm Method
Resist(Acoustic)
Overture〜The Temples of Syrinx
Limelight
La Villa Strangiato
The Spirit of Radio
Encore
By-Tor & The Snow Dog
Cygnus X-1
Working Man

WOODLANDS MITCHELL PAVILION
2005 Lake Robbins Dr.
The Wodlands TX 77380-1136

 席を立ち、Nashvilleでは買わなかった白いTシャツと、雨でヘゲヘゲになったプログラムの替え(^_^;)を買うために売り場に向かう途中、また観客の一人に話しかけられる。

男「そのカバン******?」
しぶ「何?」
もも「Disk Unionは日本のレコードショップだよ」(しぶはUnionのロゴが入ったカバンを持っていた)
男「いやいや、レコーディングしたの?」(カバンの中に録音機材があるの?と訊いていたらしい)
もも「No、残念だけど」
男「OK、わかった」

 内緒である。

 食べ物屋はすべて閉まっていたが、マーチャン売り場はしっかり開いていた。買い物前にトイレへ寄っていたしぶが「みんな吠えてた(^_^;)」と困っていた。私が待っている間も、喋るというよりは叫んでる人が多かったけどね。興奮さめやらぬ、という感じで、誰かが叫ぶと周りの人達も吠え出すらしい。あんたら犬ですか(笑)。
 マーチャン売り場では「並ぶ」という行為をしないので、ちょっと混乱していたが、目的の品は無事ゲット。会場を出るために再びステージ前を通ると、すでにステージは解体されていた。明日はSan Antonioでライブがある。移動のために開演や進行がが早めになっていたようであった。
 ライブの出来や観客の盛り上がりはHoustonの方が上だが、会場の雰囲気や運営はNashvilleのほうが印象が良かった。しかし、通路を機材を載せた荷台に道をふさがれてしまった時、周りにいた人達が「ちょっと待って、人が通るから」と交通整理をしてくれた。こういう親切をスマートにできるアメリカはとても好きだ。

 帰りのドライブではもっぱら「Geddyの歌はスンバラシイ!!」に尽きた。のどが渇いていたが、ガススタンドも閉店していて、結局ホテルの自販機のジュースを飲むしかなかった。しかもしぶが買ってきたのはルートビア・・・(T_T)。

明日は帰国。明日も晴れますように。



(*1)・・・・カッパ・・・?
 
RUSH.COMのNEWSページ、9/16(Lifeson Rush(es) Gibson USA)を見よ・・・(汗)



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入国 Nashville Picnic RUSH !! Rainy Houston RUSH !! 帰国