くむーる&ぬむるすレイクサイド旅行記



(3日目)
8月14日
曇り、時々晴れ、ところによりにわか雨、のち大雨

Caution!
これからRUSHのライブに行く予定で、ネタバレがいやな人は続きを読まないように!

Hello Hello Hello〜♪ Hello!!
 お馴染み「3バカトリオ」のテーマ曲に導かれて始まった一曲目は"Tom Sawyer"!全員総立ち!うわぁぁステージが見えない!
ステージには3枚大きいスクリーンが張られており、そこにステージやイメージCGが投射されるのだが、ソレさえ見えない(T_T)。何とか覗き見ると、シワは増えたが相変わらずピョンピョンはねるGeddy、コミカルなジェスチャーで観客を沸かせるAlex、神妙な表情で力強いリズムを叩き出すNeil。また彼らを生で見れるなんて・・・お帰りなさい!!
 "Distant Early Warning"、"New World Man"と懐かしい曲が続く。"Roll The Bones"のラップパートの骸骨アニメは健在だった。洒落てるんだよね。ここでMC。「新しいアルバムから」とのGeddyの紹介で演奏されたのは"Earthshine"だ。ベースの音が迫ってくる。CDで聴いているときはスッと流してしまう曲なのだが、ライブで聴くと音圧の迫力が加わり、違う魅力が引き出される。ただただ気持ちいい。この曲のサビ前、Geddyのハミングのパートでは、スクリーンにメンバーの様子がストップモーションで映し出されていたのがかっこよかった。
 そして"YYZ"。観客のヴォルテージがさらに揚がる。観客の約3割はエアドラム小僧に変身していた(笑)。すこしNeilのドラムがすっぽ抜けたような感じだったのが気になった。

AmSouthのフリーペーパー
ヨレヨレなのは雨に濡れたせいです。

 再びMC。「好きな曲だ」と紹介された"The Pass"。今回のステージではいかにもCG的な映像が多い中、これだけはプロモビデオから引用された映像のように思う。メッセージは重いが、素敵な曲だ。続けて"Bravado"。Alexのギターが美しい。空と火の鳥のイメージと相まって、天にも昇りそうな・・・。終盤はジャムっぽく締めた。Rushってあまりジャムをするイメージがない(作曲時はわからないけど)し、そのイメージ通りというか、あまり曲の主題から離れないジャムだった。次に"Big Money"、MCをはさんで"Between Sun & The Moon"だ。この曲をライブでやるとネットで知ってビックリした。好きな曲ではあるが、とてもシングルやライブで取り上げられる曲だと思わなかったからだ。CDで聴く小気味の良い感じと違い、レイドバックしたようなマッタリとした仕上がりになった。宇宙人顔をした観音のCGのせいかもしれない(笑)。
 これまた懐かしい"Vital Signs"。正直あまり好きな曲ではない(爆)。そして"Natural Science"。前回のツアーで復活したのを知って、「借金してでも行けば良かった」と後悔していたのだが、今またライブで再現してくれるなんてもう感涙以外に何もない。この曲に関してはももは冷静になれない。鳥肌が立った。呆然と立ちつくし、音を全身で受け止めるのみ・・・。


Billさんのバンド、Dead Air RadioのCD

↓その時もらったチラシ

 ここで20分間の休憩に入った。しぶがトイレに行っている間、ももは再びビールを購入。先ほどの店より値段が高いなぁ、と思ったら、量も多かった。ピッチャーで飲んでいる気分(^_^;)。変わった仕組みの手洗い場で水浸しになってしぶが帰ってきた。席に戻ろうと歩いていると、長髪のにーちゃんに声を掛けられた。

にーちゃん:「Dream Theaterのファン?」
しぶ:(DTのTシャツを着ていたのだ)「そうだよ」
にーちゃん:「俺達、DTみたいなバンドをやってるんだ。週末ライブがあるから来てくれよ。」(と、チラシを渡す)
しぶ:「僕ら旅行者なんだ。明日Houstonに移動しなければいけない」
にーちゃん:「オー、ソレは残念だ。俺の名前はBillだ。これは俺達のCDだ。聴いてくれ」(とCDを渡す)
しぶ:「サンキュー。僕らHPを持っていて、DTについて書いてるよ」(と名刺を渡す)
にーちゃん:「それはクールだ。見てみるよ。」

 CDがCDを呼ぶ好例として(笑)。
ちなみにその中身、DTタイプマニアのしぶが認める(笑)かっこいいプログレメタルのようです。

Dead Air RadioのHP:
http://www.deadairradio.com

 会場では妙なSEが流れていた。なにか怪物の呼吸音みたいな。すると、スクリーンにワイバーンのCGが映し出された。スクリーンの中で大暴れして、観客に向かって火を噴いた!そしてステージが火の海に!そんなメチャ派手なオープニングで始まった"One Little Victory"。Neilの小気味いいスネア、Geddyの太いベースがグルーヴを生み出す。観客の心を鷲掴みだ。

 間髪入れず"Driven"。Primusの「Antipop」のジャケットに描かれているような、フリーキーなキャラクターがバイクレースをするCGアニメをバックに、ステージでもスリリングな演奏が展開される。艶やかなGeddyのベースの音(この人の出す音は、何というか、色っぽいっす)、劈くようなAlexのチョーキングが観客を更にあおる。いや〜痺れました。短いベースソロに入るタイミングとCGがピッタリ合っていて感心した。
 次の"Ceiling Unlimited"ではNeilのドラムが2,3小節くらいスカッと抜けてしまった箇所があり、余り調子が良くなさそうだなぁ、と感じたのだが、次の"Secret Touch"では爆発的なパワーを見せてくれた。実際、ギターソロ後のアンサンブルは素晴らしく、この日の一番のハイライトと断言。新曲にもかかわらず、多くの観客がこの曲にはノックアウトされ、凄い盛り上がりを見せた。ももは頭振りっぱなし(笑)。
 "Dreamline"、Alexが歌のハーモニーを付ける。この曲にかかわらず、Alexはいろんな曲で以前より歌うようになってはいたが、あまりちゃんと聞こえなかった(^^;。しかしいい曲だなぁ。
 "Red Sector A"ではNeilのドラムが回転。エレドラムを観客側に見せるためだ。この可動ドラムを10年以上続けているって、ある意味凄い。Tommy Leeだって、ドラムを回したり天井につり上げたりしたけど、一時的な演出だったし。頑固一徹というか。スクリーンには真っ赤な色の中に人形達がウラウラ踊っている(というか体操している)変なCGだった。"Leave That Thing Alone"ではギターの高音の音色が綺麗だった。CDで聴く分には、やはりあまり面白くないのだが(爆)、ライブで聴くとノせられてしまう。
 そして名物、"The Rhythm Method"、ドラムソロ!"Ceiling 〜"での不調が嘘みたいだ。いきなりスネアロールから始まり、エレドラムパートを挟み、再びお馴染みのスネアパターンへ。最後の方ではビッグバンドのサンプリングを使い、(映像もそれに合わせた、昔のヴォードヴィルっぽいものを使用)観客を大いにわかせた。もう30年近くも使っているパターンから新しい試みまで、まさにNeil Peart史を語るドラムソロだった。Neilのここ数年の不幸を考えずにはいられない。でもセンチメンタルな感情を抜かしても、今彼がここにいて、私たちの前で魔法のようなドラムを聴かせてくれたこの時間を素直に感謝したい。
 ステージが暗転して、GeddyとAlexがアコースティックギターを持って出てきた。この間Neilはお休み。ショートコントをやって(笑・何を言ってたかよくわからんですけど、観客が受けてたんで)、短めにアレンジされた"Resist"歌った。この曲は大好きだけれど、前ツアーのアレンジの方が好きだなぁ。座り出す観客が多数いた。"The Pass"などおとなしめな曲の時に座る人は多かった。
 「ヒュ〜〜〜〜ン・・・・・」
 SEが流れ、スクリーンにはレッドスターが。これは「2112」だ!座って休憩していた観客も即座に反応した。リフに合わせて観客も声を上げる。さすがの大歓声。前回はほぼアルバムの再現をして話題になったが、今回は"Overture"〜"The Temples of Syrinx"のみ。Geddyの歌が絶好調で驚いた。ヴォーカリストとしてのGeddyってたまにしか話題にならないけど、極端なハイトーン以外はとても安定したVo.だ。好き嫌いはともかく、もっと評価されても良いと思う。しかし怖いくらい歳取らない声だなー。
 続いて"Limelight"。今回残念ながら"Closer to the Heart"がセットに組まれていなかったのだが、代わりにこの曲がRushのアンセムなんだろうな。日本と違いほとんど騒ぎっぱなしのアメリカ観客も、この曲は特に歌っていた。
 「2112」あたりから遂に降り出した雨にも負けず続ける"La Villa Strangiato"。Alexのコメディアンぶりが発揮された。怪しい謎の歌と、メンバー紹介。自分のことを「オレはBrad Pittだ!」っていったぞこのオヤジ(^_^;。この曲ではAlexのロングトーンに反応してエアギター小僧が大量発生。かなり酔い気味の観客が居て笑ってしまった。でも本当に素敵な音。"The Spirit of Radio"で盛大に盛り上がって、第2部が終了した。

 雨がかなり降ってきた。芝生席の人はかなり悲惨である。しぶももの席も屋根がないので人のことは言ってられないくらいズブ濡れである。ももはレインコートを着ていたが余り意味をなさなかった。"La Villa"あたりで隣のグループは途中で帰ってしまったし。でもこの人達、おしゃべりがウルサイし、ずっとタバコ吸っていてウザかったし、お陰でステージが見やすくなったから、ももにとってはとてもラッキーだった(?)。

 アンコールに迎えられてメンバーがステージに戻ってきた。ステージには3台の洗濯乾燥機が置かれていて、ライブ中ずっと回っていた。その中から服を取り出し、GeddyとAlexは観客に投げていた。「着替えちょ−だーい!」(切実)

 最近Dream Theaterがカヴァーしてるので「飽きた」とか不遜なことをしぶが言っている"By-Tor & The Snow Dog"。この曲は生で聴いてみたかったのだ。ある意味この曲も今日のハイライトと言ってしまってもいいかも、というCGの凄さ(バカさ)。マッチョ(プログラムや彼らのHP、RUSH.COMに伏線アリ)対決するGeddyとAlexが力んでポーズをするあまり爆発してしまったり、犬になってはしゃぐ二人をNeil(手にはもちろん本)が横目で見ているシーンや、Geddy型ロボットとAlex型ロボットのアホダンス対決。なぜ「対決」なのか、ファンなら分かるよね?これも二人とも爆発して、最後にNeil型ロボットが二人の頭部を踏みつぶすという、ブラックなオチが付く。もーバカ!CGに目が釘付けで、ステージの方は覚えてない(爆)。このキャラのマーチャンダイズ、作ればいいのに〜。ロボットのフィギュアが欲しい。
 大笑いした後はヘヴィな"Cygnus X-1"。ブラックホールをイメージさせる不吉なイメージに導かれ、ベースのリフが入る。先ほどのコミカルなステージが嘘のような重苦しさ。この振れの大きさは、器の大きさの証と言っても良いだろうか。そんじょそこらのメタルバンドよりよっぽどヘヴィな音圧。そのまま歌に入らず"Working Man"に雪崩れ込んだ。この曲もけっこう歌っている人がいてちょっと意外だった。

 大声援に送られメンバーは退場・・・・。やっぱり彼らはライブバンドだった・・・。

 と、余韻に浸ることを大雨が許さない。観客達は早々と席を立ち駐車場へ急ぐ。我らも自動車へ急いだ。不安だった帰り道(しかも雨!)は下見のお陰でトラブルなくホテルへたどり着くことが出来た。

 もう12時近くだったが、お腹がすいていたのでホテルに一旦戻り、濡れた服を着替えてからデニーズへ行った。店内にはRushのTシャツを着た人達がいた。きっと会場で語り尽くせなかった感動を語っているんだ。今日はキャシーさん(仮名)がテーブル担当。「最近変わったお客が来るわよ、一皿しか頼まないんだから」と噂になっているのか分からないが、なんか不自然なくらいニコニコして対応してくる。レシートに「Thank You!」と絵を描いてくれるし。うーん、なんだろう(^_^;? コーヒーとサンドウィッチでお腹を満たした。

 長いようで短い一日、ライブだった。雨に降られてしまってプログラムはヘナヘナになってしまったけど、これもきっと大切な思い出になるだろう。明日はテキサス州Houstonへ移動だ。お休みなさい。


SETLIST:
First Stage
Tom Sawyer
Distant Early Warning
New World Man
Roll The Bones
YYZ
The Pass
Bravado
Big Money
Between Sun & The Moon
Vital Signs
Natural Science
Second Stage
One Little Victory
Driven
Ceiling Unlimited
Secret Touch
Dreamline
Red Sector A
Leave That Thing Alone
The Rhythm Method
Resist(Acoustic)
Overture〜The Temples of Syrinx
Limelight
La Villa Strangiato
The Spirit of Radio
Encore
By-Tor & The Snow Dog
Cygnus X-1
Working Man

AMSOUTH AMPHITHEATRE
3839 Murfreesboro Rd. Antioch TN 37013-2215

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入国 Nashville Picnic RUSH !! Rainy Houston RUSH !! 帰国