くむーる&ぬむるす聖地旅行記



1日目)
6月14日


 日暮里から京成スカイライナーに乗り、一路成田へ。今回は初めてUnited Airlines(以下UA)に乗ることになっている。14:15という比較的ゆっくりしたフライト。早めに空港に着いてしまったので昼食を取ることにした。しばらく日本食が食べれないことを想定し、ももは鯛茶漬けを、しぶはトリ釜飯を食べた。まだ時間があるのでデッキに登ると、係員や作業員が昼の休憩中だった。特にソファーに伸びているおじさんは気持ちよさそうに寝ていた。あいにくの雨だが外に出て飛び立つ飛行機を眺める。あれは何処へ行く飛行機かなぁ。

おじさん
ごくろうさまです

 お、順調に韓国からChicago便がやってきたようだ。定刻通りChicagoへGO!・・・だがももは一つ問題を抱えていた。出発の1週間くらい前に突発的に髪の色を抜いてしまったのだ(現在似非キンパツ)。税関はクリアしたが、出国審査はどうなるの・・・?一応文句を言われることなく通れたが、審査官の目がうさんくさそうなモノを見る目だったことは忘れない。

 飛行機の中では特別なことは取り立ててなく時間を過ごす。暇つぶしに買った本は島田荘司の「御手洗パロディ・サイト事件」の上巻。まだ事件が起こったかどうかも分からないところ。はよ下巻が読みたいな。
 飛行機に付き物なのが機内食だ。アメリカの飛行機会社のせいか、食事の量が多い。最初に軽いスナック。次は夕食。夜食のクッキーとカップ麺(ちょっと嬉しい)。朝のスクランブルエッグは日本人が食べる倍の量だったろう。何か一品必ず多くついてくる。やっぱアメリカ人は食べる量が違うなぁ。ビールもアメリカ産。ミラーライトを初めて飲んだが、水ですな。よくよく聞いたらキリンのビールもあったらしい。そちらにすれば良かった。
 今回サイド3列の窓側の座席2席に座っていた。通路側に座っている人が、殆どテーブルを倒してワインを飲んでるか寝ていたため、なかなかトイレに行けなくて困ってしまった。結局その人はChicagoまで席を立つことはなかった。あんたワインを2本空けたのに、どういう体をしているのだ?ある意味驚異だ。

 そんなこんなで予定より40分早くChicagoに到着。勿論初めての場所。乗り継ぎのために一度荷物を取ってから入国審査に望む。次のPhiladelphia行きの便まで1時間ちょっとしか時間がないので結構ハラハラしていた。そう、私の頭は似非キンパツ。何か質問されても多分分からないだろうし、無事に通れるだろうか・・・?しぶが書いた税関用の書類に一カ所間違いがあった他は特に問題も起こらず、では荷物を預けなおそうと税関の出口をうろうろしていると、税関のお姉さんに捕まってしまった(汗)。なんだかわからないが、「何しに来た」とか「アメリカに以前来たことあるか?」「誰かにプレゼントするモノはあるか?」とか色々聞かれ、私たちはしどろもどろ。アメリカにしぶは「初めて」私は「2回目」と答えたが、お互い、大昔に別々に行ったグアムは勘定に入っていなかった。パスポートも変わってるし、まぁいいか。(いいのか?)
 税関を抜け、UAのカウンターに荷物を預けようとしたが、どうやらその横にあるベルトコンベアに乗せるだけでOKらしかった。日本語の説明が貼ってなければ見逃すところだった。時間無いんだからもっとわかりやすくしてよぅ。
 国際線到着の第5ターミナルから国内線の第1ターミナルまではモノレールに乗っていく。まぁChicago/O'Hare空港は一体成田空港が幾つはいるだろうか?とにかく広い。後予定では20分ぐらいで出発時間になってしまうのでこの広さが憎らしく思えてくる。もっとモノレール、真面目に走れー!10分程で第1ターミナルへやっと到着。そこからPhiladelphia便が出るゲートへはまだまだ遠い。
早足で歩きゲートには10分くらい前に着いたが、まだ係員や乗客はゆったりしている。よかった。

 ゲートにあるカウンターでチェックインを済ませ一休み。周りを見れば大柄なアメリカ人が老若男女問わずなにか口にしている。私たちの前に座った家族はハンバーガー(結構大きい)とポップコーン3袋持って座り、ハンバーガーを食べ終わった後もポップコーンを次々と平らげていった。見た感じ普通のお母さんと息子とお姉さんだが、殆ど食べていたのはお姉さんだ。恐るべし。そういえば空港には食べ物屋はいくらでも目に付くが、土産屋は数えるほどしかない。国民性なのか?
 窓の外はいつの間にか暗雲立ちこめ、きた!雷だ!これから飛行機乗るのにやだよぅ(T_T)。案の定搭乗は30分遅れで始まった。やはり私たちの旅は順調に運ばないのね。飛行機に乗り、滑走路へ走り出してもしばらくして止まってしまう。動いては止まり、結局予定より2時間遅れの離陸となった。はぁ〜〜〜。でも以前のFrankfrutに比べればまだマシ・・・。
 飛んでからしばらくは雲が密集して全く下が見えなかったが、東に行くにつれ晴れてきた。海のようなモノが見えるのでアレ?と思ったらなんと湖だった。おそらくErie(エリー)湖だと思われる。それを過ぎると下は小高い丘と激しく蛇行した川、そしてポツポツと点在する家。飛んでも飛んでも陸地。なんにしろ規模が違うんだなぁ。

 飛行機は思ったより揺れずに2時間ほどでPhiladelphiaに到着。ChicagoとPhiladelphiaでは1時間の時差があるため、時計を更に1時間修正。トイレなどを済ませた後SEPTA(Southeastern Pennsylvania Transportation Authority)の列車で中心地に向かうことにした。空港から20分ほどで値段は5ドル。なんと自動販売機がある。しかしこいつが使えない。1ドル札しか受け付けないし、決まった面と方向から紙幣を入れないとすべて弾かれてしまう。日本のファジー(笑)な自販機に馴れた私たちは四苦八苦。シビレを切らして、後ろに並んでいたおじさんが使い方を指導してくれた。まず行き先と枚数をボタンで指定してからお金を入れないとダメらしい。ありがとう、おじさん。
 初めて乗ったアメリカの列車は落書きもなく綺麗だった。乗車員はヨーロッパに比べてフレンドリーで乗客と世間話しながら豪快に笑っていた。窓の外は見慣れない野草と落書き(やっぱりあったか)が目にはいる。そのうち都市部の入口、30th Street駅に到着した。ガイドブックにも載っていた駅でとにかく立派らしい。ヨーロッパのターミナル駅のような壮麗な建物を想像していたのだが、実際はパルテノン神殿のような列柱が並ぶいかつい建物だった。ある意味アメリカらしいが立派には違いない。それにしても駅とは思えない大きさだ(^_^;)。
 しぶももは次のSuburban駅で降りた。ここの駅は鳩が飛び交うなんだか暗い地下駅。柱や、地上の駅正面?入口のファサードはアール・デコを思わせる金の縁取りが効いた直線的なデザイン。ここもアメリカ。見とれるにはあまりにも疲れているので、とりあえずホテルへ直行した。

 Philadelphia1泊を過ごすホテルはThe Wyndham Franklin Plaza Hotelという巨大ホテル。巨大ホテルだけあってサービスが行き届いてなかった(-_-)。まず、フロントに5人くらい待たせているのに横を休憩に食べるであろうファーストフードを抱えた係員が通り過ぎる。キー!人手が少ないのが分からないのかー!後ろのおじさんはかなり苛ついてたぞ。
 20分くらい待たされチェックインが終わり、部屋に向かうために乗ったエレベーター(Otis製)がまた怖い。動きはかなり高速だが停止まで急ブレーキは止めて欲しいぞ。バスルームの鍵は掛からないし、カード式の鍵のデータは壊れてるし、かなり印象悪い。なのになぜかPlay Stationが据え付けられていたりする(有料)。えっ他の部屋の鍵を持ってる人が間違って入ってきたぞ。向こうもビックリだがコッチもビックリだ。というかどうして開くのよ?救いなのは霧にかすんだ街の眺めが美しかったこと。古き良き建物と近代的な高層ビルが混在する街。もう夜の8時をまわっていたのだがうっすらと明るく、その下から浮かび上がる教会のドームや街灯はとても幻想的だった。

(左)近所の教会の裏。かなり大きい。

 ホテルに置いてある地図と手持ちの地図を確認し、チャイナタウンで軽く食事をすることに決めた。基本的にPhiladelphiaは道路が碁盤目状に走っているので、方角さえ間違えなければ適当に歩いていても目的地までたどり着ける。街中はCity Hall(市庁舎)のゴシックと言うよりディズニーの世界のお城のような建物や教会の周りに、銅像やよく分からないオブジェが溢れていた。夕闇と霧のおかげでかなりゴスな雰囲気である。工事中の空き地や陸橋の下など薄暗い場所にビビリながら中華街を目指す。途中で、明日乗る長距離バスのターミナルを発見した。後で料金などを確認しよう。
 中華街も半分は店を閉めていた。残った中でも比較的店内が明るい店を選んで入った。とりあえず軽めにチャーハンと春巻2皿、海鮮粥を注文。しかし私たちはここが日本ではないことを忘れていた。厨房から店員がまかない料理を持ってテーブルに着くのを見てちょっとヤバイと思った。あの量は・・・あのカレー皿のようなモノに山盛りのご飯と肉はなに?もしかしてあの量くらいチャーハンが来てしまうのか?・・・果たしてそうであった。海鮮粥は量的には普通だったがご飯のつぶつぶが見事に残ってなく、具がゴロゴロ入ってまるでシチューのよう。春巻ときたら春巻きじゃないわよ、ピロシキじゃないの?というくらい厚みがある。例えるなら、カプリチョーザで一人がスパゲティーとピザとサラダを頼んでしまったような感覚である。あ〜やってしまった。くくくくるしい・・・。

 泣きが入りつつ何とかチャーハンは3/4位片付け、しぶが勘定を済ませお店を出ようとしたとき、チップを要求されてしまった。チップのこと、未だよく分からない・・・。

 中華街の近くに黒山の人だかりがあった。文字通り黒い服に身を固めた若者の集団だ。どうやらそこはライブ会場の前で、これから始まるライブを待っているらしい。服装からするとゴシック系か?ロック好き好きな私たちは何のライブをやっているかチラシを見回すが、なんだかは分からなかった。だが「Motorhead」と輝く文字を発見。その下はNashville Pussy!なななんて美味しいカップリング!でもそのライブは6/25だった。残念。一応デジカメでチラシを取っておく。

(左)そのチラシ

 長距離バス、Greyhound Busのターミナルに寄る。ガタイのいい黒人達がたむろしててちょっと怖い。カウンター近くに置いてあった時刻表には私たちが向かうAllentown行きの路線は乗っていなかった。ホントに出てるのか?モニターの時刻表にもそれらしい行き先のバスは出ていない様子。もしかして、と事務所のようなところへはいると、長距離用の時刻表が揃っていた。良かった、ちゃんと出てるんだ。料金などの確認をしようと思いカウンターのおばさんに尋ねると、一応答えてはくれたが「あんたの言ってること分からないね、明日また来な!」みたいな態度をとられとてもむかつく。チケット買うわけでもないのに並んでいると迷惑、と言うことなのだろうか?確かに乗るのは明日だけどさ、それにしても納得できない態度だ・・・。

 久々のアメリカ第1日目は悪い印象を更に悪くして終わった。明日は美術館をまわってから、フェスティバルの開催地の近く、Allentownへバスで向かう。ちょっと不安。げ、バスルームの壁が壊れてる・・・。



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