VOIVOD


Piggy (Denis D'Amour)
Sep.24.1959 - Aug. 26 2005
R.I.P.

カナダ・ケベック州Jonquiere出身の異彩メタルバンド。

甦ったKorgull。人間の闇を冷たいまでに見つめる実験者達。

 自分の為にも「VOIVOD」ストーリーを整理してみよう。
 VOIVODはAWAYことMichel Langevinが「子供の頃よく書いていた生き物で、ポスト原子核の吸血鬼のようなもの」と語っている。そのインタビューでは「ドラキュラと一緒にいる戦士の名前で、元々は『王子』という意味なんだ」と続けている。後に発行されたアートブック「Worlds Away」では、彼が13,4歳の頃に読んだ小説「Bob Morane: Le Talisman Des Voivodes」(Henri Vernes/著)や、ドラキュラの話に影響を受け、彼自身のVOIVODを創りだした、と書かれている。VOIVODはアルバムごとに成長し、姿を変えていく。
 
 
War And Pain 」ではVOIVODは中世の伝説の戦士で、永い眠りを人間達の無謀な兵器(特に核)実験や戦争によって妨げられ、20世紀に甦ってしまう。それは大量死の恐怖であり、無知な行いに対しての反抗声明である。

 「RRROOOAAARRR」はVOIVODの一人「Korgull」の殺人狂劇である。1stに比べ、殺人願望や暴力、闘争といったネガティヴな要素をグッと凝縮したような音楽と歌詞である。「Korgull」という狂戦士は、戦争を廃絶することができない人類の鏡として見ることができる。

 「Killing Technology」で、VOIVODは宇宙に飛び、しょーもない人類を抑圧しようとする。「抑圧」と「歯止めが利かないこと」の愚かさを中心に歌詞はかかれている。宇宙の中に取り残される恐怖をえがいた"Forgotten In Space"、竜巻の驚異を歌った"Tornado"、チェルノブイリ原発事故を題材にした"Overreaction"など、前作まで見られなかった視点も見られる。優れたテクノロジーに翻弄され、破滅していく者達を描いた"Killing Technology"は白眉。

 「Dimension Hatross 」ではVOIVODは次元移動をする。より良い土地を求め、「Chaos Mongers」は別の天体にたどり着いた。しかしそこの待っていたのは結局「支配する/される」の構図だけだった。良い人格とはコントロールされた人格。まるでRUSHの「2112」のような世界だが、「自我」の確立と言うよりは死守にと言った方がいいだろう。はじめ、本能のみで動き回っていたVOIVODが徐々に人格や自我を持ってきたのが面白い。

 「Nothingface」は、この頃なぜか色んな雑誌でインタビューが読めたので、そこから引用する。
 『Notheingfaceでは、VOIVODは自分の人格を眺めてみて、生き残るには弱すぎると思い、それを殺してしまう。新しく、強い人格に造り直すが、しばらくして新しい方は全て偽物だと分かるんだ。そして、最初の物を取り戻そうとするが見つからず、やがてかれのもともとも人格は大きな機械によって閉め出されていたことが分かるのさ。(後略)』(by AWAY)
 自分を演じる自分、自分でない自分、他人が見る自分、理想の自分、そこに本当の自分が入る余地はない。テクノロジーが進み、スピードは墜ちることを知らないのに、人の魂は一向に変化していないのだ。そんな仮面を付けて生きている人間が大多数だと思う。ある挫折に直面したとき、もう本当の自分を取り戻せない自分が白い箱の隅でうずくまっている。
 その後VOIVODはカタレプシーに陥り、再び永い眠りについたという。
 ちなみに形容詞がもろサイバーパンクしていてほほえましい(^_^;。

 「Angel Rat」はVOIVODストーリーと別れを告げ、普遍的なイマジネーションにカラフルな色彩を添えるような、サイケデリックHRに仕上がっている。VOIVODというバンド自身が個性を確立した時期と見てもいいか?

 「The Outer Limits」は昔のSFへのオマージュ。 ・・・で終わらせてもいいのだが、大曲"Jack Luminous"はVOIVODストーリーの番外編と言ってしまおう。Planet Mogothに眠るVOIVODの一人が、もはや自分たちの分身である人類に、エイリアン、X-D大統領のTVによる洗脳と侵略を警告するが、人類は彼の言うことに耳を傾けない。(同じ'93年に出版された、サイバーパンクSFの元祖ウィリアム・ギブスンの小説「ヴァーチャル・ライト」にTV伝導師ファロンという男が出てくるが、『「ニューロマンサー」のサントラをやりたい』と言っていたAWAYのこと、キャラクターを拝借した可能性もある。)情報と流行、プロパガンダに頭を犯された人類は結局X-D大統領に身を委ね、自己を放棄する道を取ってしまう。VOIVODは失意とかすかな期待を胸に地球を離れていく。
 VOIVODの安息の地はここにもなかった。このアルバムでさえレコード会社の理解を得られず、一部の熱狂的なファンと多少の好き者にしか好意的に迎え入れられなかった現実と重なって、Snakeは脱退してしまう。

 「Negatron」は陰電子。鏡の向こうの世界。 
VOIVODはもう人類にどうかしようとはしない。観察するだけだ。"Meteor"や"Bio-TV"は"Jack Luminous"の続編と言っていいだろう。問題の無視。コントロールと抑圧。操作。人が摂取「しなければならない」情報は加速度を付けて増大する。それを選択する意志など介入する隙などない。選択肢はあらかじめ決められている。AかBか。AかBを選んだのは自分だ、というだろうがAとBを選んだのはあなたではない。
 「自己の意志」の喪失にさえ気づかない現代人を観察し続ける。あるいは眠り続けるVOIVODの悪夢か。

 狂気の戦士VOIVODが甦った!AWAYの設定では「彼が眠ってる間にMogothの住人達は最終兵器を徒に作り出しては濫用していた。彼はそれを止めるために眠りから覚めた」という。「Mogoth」という土地は2ndの"Horror"の歌詞に出てくる地獄のような場所である。最近の説では「現在、VOIVODはMogothという天体を司る守護神だ」と言われている。
 
一昔前の「核戦争」の恐怖は冷戦終了によって収まったに見えるが、まだ核兵器が消滅したわけではない。自然破壊、大気汚染、飢饉、民族紛争、人間が作り出したにもかかわらず手に負えなくなってしまった化学物質。事態は好転などしていなかった。
 Mogothはかくして死にゆく星となった。4千万年後に火星に衝突し、消えゆく運命にある火星第一衛星、フォボスにちなんで付けられたアルバムタイトル「Phobos」。人々の脳はワイヤード。生きる骸。プログラムされた理性と本能のみで生きる人間は、果たして理想の土地へ行けたのか?私はこの作品をVOIVODの黙示録じゃないかと思っている。
 「観察する」行為が加わることによって、少しでも事態の進行が変更させられないかと、VOIVODは静かに待っている。


 2005年8月26日、ギタリストでバンドのメインソングライターだったDenis "Piggy" D'Amourが大腸ガンのため死去。残されたメンバー達はPiggyの遺志を継いで、ニューアルバムの制作した。彼が昏睡する数時間前まで、PiggyはドラマーのMichel "Away" Langevinに、自分のパソコン内にある音楽ファイルを開くための操作を教えていたそうだ。

 (追記:2008.09.28.)
 2008年9月20・21日開催されたThrash Domination 08で奇跡の来日!!ベーシストにオリジナルメンバーのBlacky、ギタリストにはMartyrのDan Mongrainを迎えた編成。

 詳細は下記:
http://www.myspace.com/voivodband(MySpace)
http://www.voivod.net/(Fansite)
http://www.voivodfan.com/(Fansite:結構気さくな人々)

 AWAYのArt Galley
http://away-voivod.webs.com/

(もも)
参考資料:
BURRN!のVOIVODの記事掲載の各号
METALLION Vol.3
Metal Gear '90 3月号
VOIVODの各アルバムの解説
TERRORIZER '95 NOV.
VOIVON/MAGIE NOIRE 刊
Encyclopaedia Metallum

☆War And Pain (PONY CANYON PCCY-00104) '84
 「おらおら〜〜〜っ!」とばかりに突進する、まごう事なきSlayer直系サウンド。意外とメロディーはキャッチーだったりします。

☆RRROOOAAARRR (COMBAT MX-8103 : LP) '86
           (COMBAT 88561-8103-2 : CD)

 前作より重量・密度共に増した、狂気のアルバム。狂戦士Korgullの爆進が絶好調。しかしユニークなギターリフや、一筋縄ではいかないドラムに、今後の進路の片鱗が見えます。

☆Killing Technology (Vap 35181-25 : LP:国内盤) '87
           (FUTURIST 9086-11045-2 : CD)

 コンセプトメーカーのAWAYことMichel Langevinは小さい頃「錬金術師になりたい」という夢を持っていて、その流れで科学オタクだったことから、ブラックメタルにありがちな歌詞から徐々に科学や最新技術への興味を織り交ぜたものに変化していきました。緩急自在な楽曲、不協和音、当時のスラッシュメタルでここまでの完成度を持ったコンセプトアルバムを作ったのはほんの数バンドでした。
 旧西独盤は名(迷)曲"Cocckroaches"を収録。

☆Dimension Hatross (FUTURIST 9086-11048-2) '88
 「Dimension Hatross」は物理学の用語で「つじつまの合わない場所」と調べましたが、間違っていたらご指摘下さい。ノイジィではありますが、もうスラッシュの枠では括りきれないサウンドです。プログレというよりサイケデリックの要素が入った感じ。"Tribal Convictions"は名曲!!どこ、というよりロックとしてかっこいいA面の構成は完璧。
 旧西独盤はボーナストラック"Batman"を収録。
☆Nothingface (WEA MUSIC WMC5-15) '89
 完全にスラッシュの「ス」の字もない異次元サウンドに変貌。Vo.のSNAKE(Denis Belanger)は吠えることを極力抑えて歌っています。ヘタウマと言ってはいけない、雰囲気があると言ってくれ(^_^;。いわゆる「プログレメタル」の完全5歩先は行ってました。Watchtowerを平気で聴ける人なら楽勝でしょう。

☆Astronomy Domine / The Unknown Knows (MCA Records Promo) '89
 当時シングルカットされていた"Astronomy Domine"のラジオエディット(ギターソロをカットしている)とイントロがちょっと短い"The Unknown Knows"を収録したプロモCD。

Promo CD

☆Angel Rat (MECHANIC MRSD-10293) '91
       (MCA VICTOR MVCM-106) '91

 Geddy Leeがアドバイスを送ったという話は本当かどうか、今となっては謎。でもTerry Brownがプロデューサー。コンセプトを廃した小曲集ですが、空間を歪ませるような音像は「Hemispheres」期のRush直系。ジャケットと共にどんよりとした地味な作品だけど、私はこれが一番好きです。こんなにイマジネーションを掻き立てるクールな音はない。
 このアルバムを最後にBlacky(Jean-Yves Theriault)が脱退(というか、すでにゲスト扱い)。

☆The Best Of VOIVOD (FUTURIST FD 1014) '92
 あきらかに契約消化のベスト盤。FUTURISTが勝手に出したんではないだろうか?(想像)

☆The Outer Limits (MCA MVCM-391) '93
 90年代屈指の傑作!ファンタジーさえ感じさせる歌詞、洗練された楽曲、楽しい3Dジャケット(笑)、どこをとっても完璧なアルバム。"We Are Not Alone"の、まるで宇宙人が、某金融会社のCMのように「よってく?」「いいねぇ!」と言いながら地球に降り立ってくるかのような気軽さが大好きだ。
これが話題にならない日本のHR/HMの環境に私は心底悲しくなった。

☆Negatron (CANYON INTERNATIONAL PCCY-00833) '95
      (MAUSOLEUM 71278-60019-2) '95 エンハンスドCD
 
「Nothigface」発売時にひっくり返った人も多かったと思いますが、私はこちらのアルバムの方が衝撃が大きかったです。前作までのプログレ路線が好きだったので「何を今更、こんなモダン・ヘヴィな音を?」と思ったのが正直な意見でした。しかしどこを切ってもVOIVODと分かる音色を保っているのはさすが。コンセプトは先祖返りどころかしっかり前進しています。"D.N.A"が素晴らしい。

☆Phobos (HYPNOTIC HYPSD 1057) '97
       (TEICHIKU TECW-25715) '98
 
前作の路線をさらに突き詰めた作品。「Dimension Hatross」期の、無機質なスラッシュが好きな人にもお勧め。元MetellicaのJason Newstedとの共作の"M-BODY"がもっともストレートな曲。前々からやりたいと公言していた「21世紀の精神異常者」のカヴァーもやらかす(^_^;)。Radio Edit VersionとはEricのVo.にエフェクトが掛かっていないだけで、Editと言いながら元のヴァージョンより3秒長いです。画像は1998年に発売された国内盤。今となってはこっちがレアかも。

☆Kronik (HYPNOTIC HYP-1065) '98
 
リミックス&ベルリンでのライブと未発表曲を納めた企画盤?リミックスがすっげーかっこいい。テクノやハウスなど全然分からない私が言うのだから相当かっこいいぞ、多分。スリーブのAWAYのイラストも相当やまいだれです。

☆Voivod Lives (CENTURY MEDIA 77282-2) '00
 
待望のライブ盤!1996年の音源で11曲中6曲が「Negatron」のもの。3人にも関わらず非常に厚く重い音がのし掛かってきます。要するにやかましい(笑)。Ericの咆哮も絶好調。Snake在籍期の曲も頑張ってますが"Tribal Convictions"だけはさすがに違和感を感じました。Eric加入後、やはり音づくりを変えてるんだなと実感。しかしまだ見ぬライブバンドとしての魅力が凝縮されています。観たいぞ〜このやろ〜。
 CDケースは珍しく写真中心の構成ですが、地味に自己主張するAWAYの絵日記もいい味だしてます。
 Venomのカヴァー"In League With Satan"収録。


Phobos
いつものやつ
Lives

☆Voivod (Chophouse records / Surfdog records 44015-2) '03
 元Metallica, EchobrainのJason Newstedがついに正式加入し、Snake (Denis Belanger)が復活した期待の新作!・・・のはずが、肩透かしを喰らった気分です。異次元度が足りないというか、どこかVOIVODっぽくない。楽曲的には、「The Outer Limits」からメンバーチェンジがなければ、こういう方向に進むことは分かってはいました。が、(私にとって)VOIVODサウンドの中心はせわしないギターリフとシャンシャンうるさいドラムであって、ヴォーカルではない。SNAKEはメロディで勝負するタイプのヴォーカリストではないのに、フツーに歌わせて、前面に出すミックス(これってハヤリなの?)がとても不自然な感じ。それにアリーナを意識したようなグルーブ重視なテンポがなぁ。いやでも、彼らももう結成して約20年、勝負時だよなぁ・・・。こんな感じで眉間にしわを寄せながら聞き続けていると、"Invisible Planet"で「これだよこれ!」って曲がやっと出てきました。(ちなみにリーダートラックの"We Carry On"は嫌いじゃないッス)
 このアルバムでVOIVODを初めて聴く人は前半の方が取っつきやすいかもしれません。しつこいマニアは後半を楽しもう。

☆War and Pain (Metal Blade 3984-14491-2 : 3-Disc Box Set) '04
 最近、ロイヤル・ユーザーにターゲットを絞ったリリースが目立つMetal BladeからVOIVODの1st(リマスター)と初期レア・マテリアル集のBoxがリリースされた。リマスター盤は音質が若干向上しているが元々の音質が良くないのでそれなりと思った方が良い。注目はVideo Clipなど収録した貴重極まりないBonus Discだろう。残念ながらMac OS X対応ではなかったためOS 9で見たが、とても興味深い内容。その他ちょっと前にカセット音源をコピーしたBootlegが出回った「Anachronism」から"Condemned to The Gallows", "Blower", "Voivod"の3曲の抜粋?、Metal Massacre 5用に準備していたと思われるMetal Massacre 5 Sessionsからのカセット音源「To The Death」、Live Demo December 1984のカセット音源「Morgoth Invasion」が収録されている。

☆Katorz (Victor Entertainment VICP-63447:国内盤) '06
     (Nuclear Blast NB 1654-2:欧州盤) '06

 Piggyが亡くなってから約1年。まずはこの作品を完成させたメンバー達の熱意と忍耐に感謝したい。音楽の中でPIGGYに再び生命を与えてくれたのだから!
 前作「Voivod」でストレ−トなサウンドを提示されて戸惑った人は、今作でも少し戸惑うかもしれない。基本的には前作の延長上にあり、スラッシュ時代のスピードチューンを望んではいけない。しかし異次元を感じさせるオーラは断然こちらの方が上。「Nothing Face」以降(Eric在籍時の作品を含めて)のサウンドをよりヘヴィに突き詰めている。楽曲はシンプルながらアイデアが光っていて、単なる過去の模倣に陥っていない。曲の間に挿入されているアコースティックギターは、PIGGYが闘病中に録音されたものだそうで、今までのVOIVODのイメージからはかけ離れている分、新鮮だ。"Silly Clones"の妙な躁状態や"No Angel"のやけっぱちなハミングがいい感じ。個人的には嘲笑的な雰囲気溢れるヴォーカルとソリッドなリズムが冴える"Polaroids"がお気に入り。
 SNAKEの歌詞は社会を冷たく突き放し、怒り、嘆いている。そして閉塞感と不条理につきまとわれた世界を、PIGGYの異様なコードが赤黒く彩っていく。VOIVODが誕生した頃から、人間の社会は一つでも好転したものはあっただろうか?ラストのもの悲しい爪弾きは、地上を見放してPlanet Morgothへ還る天使の嘆きか、一筋の希望か。


Katorz

☆Infini (Victor Entertainment VICP-64672:国内盤) '09
 前作に続き、PIGGYが遺したデモを元に制作された作品。Burrn!誌に掲載されたAWAYインタビューによると、ギターをベースにしたレコーディングはとても難しかったそうだが、2作目ともなると慣れてきたのか、バンドの一体感が良くなっている印象。そして「Dimension Hatross」や「Nothingface」あたりのトゲトゲしさやドライブ感とか、初期の頃の、やかましいながらもキャッチーなアレンジも聴くことが出来る。大胆な変拍子やスピードチューンはなくても、感情を抑えたシニカルな雰囲気漂うSNAKEの歌唱(なのになぜか色っぽいよ)や、PIGGYの唯一無二とも言えるギターのコードワークはリスナーを異次元へ誘い込むのに十分すぎる。"Earthache"のイントロを聴いたとき、マジ震えが来ましたぜ。「円熟」というにふさわしい最終作。そう、PIGGYのデモ音源を元にしたアルバム制作というのは終了してしまう。しかしDan Mongrainを含めた新編成や、歴代ベーシストを含んだ次の活動など、まだまだ「伝説」にしてしまうには惜しい、期待と可能性を秘めた集団であることも忘れてはいけない。
 国内盤、社名や品番などを、ジャケット・アートに合わせたフォントにしているのがいいね。(笑)

☆HARD & HEAVY Thrash metal Speed Special
 LAメタル末期の80年代後半から、スラッシュメタルも出尽くした90年代前半まで発売されていたビデオマガジン。「Dimention Hatross」期のVOIVODのインタビューを収録。ビデオクリップ"Psycho Bacuum"と"Traival Convictions"が少しづつ挿入されている。後者のビデオはメチャかっこいいんですよ〜〜〜!
 ポップになったCeltic Frostの開き直った貴重な映像も見られる(^_^;)。

☆HARD & HEAVY Vol.6
 同上。「Nothingface」を発売した頃のインタビューが聞ける。9次元の正方体って何よ???

☆D-V-O-D-1 (MVD MUSIC VIDEO) '05
 VOIVOD初のDVD映像作品。とりあえず画質は悪い(笑)。
 構成はPVを集めた「Videos」、1986-91年までのライブ映像を集めた「Live」、PV等のメイキングシーンを収めた「Footage」と写真やデモ音源などおまけを集めた「Extras」の4部構成。
 まず「Videos」。1stアルバムの"Voivod"からPV(と言ってもライブ映像の寄せ集めだけど)を作っていたあたり、初期から映像に強い関心があったことが分かる。そして"Tribal Convictions"の音と画像が本当に一体となったPVや、AWAYイラストが結構ラブリーな"Revenous Medicine"、他のバンドでは作り得ない意味不明な映像が散りばめられた"Psychic Vacuum"といった怪作品を生むことになったのだろう。一番まともな"Astronomy Domine"は、曲に負けない摩訶不思議なPVに仕上がっている。いずれも何度見ても味わい深い。
 そして「Live」。一度は"Tribal Convictions"で暴れたかったなぁ、と本気で思う。演奏はタイトだし、SNAKEのパフォーマンスは他のメタルヴォーカリストとちょっと違うアクションがあり、なかなか面白い。あと"Freedoom"が意外といい。やっぱりPIGGYのギターを生で体験したかった…。「Footage」では演技派SNAKEが楽しめる。
 タイトルに「1」と打たれているとおり続編があり、Eric Forrestが在籍していた時期の「2」、Snakeが戻りJason Newstedが加入した時期の「3」が予定されている。とにかくファンは黙って買え。そして笑え。
 ところで再生すると、頼みもしないのにランダム再生になってしまうのはウチだけか?


☆Worlds Away - Voivod And The Art of Michel Langevin (ISBN: 978-1-4276-3788-8) '09
 ドラマーのAWAYことMichel Langevinのアートワークと、バンドのメンバー達が歴史を語るインタビューを織り交ぜて構成された豪華装丁本(限定3000冊)。数多くのバンドやミュージシャンのバイオ本を手がけているMartin Popoffによる取材。不気味でトゲトゲして、しかしどことなく愛嬌があるイラスト満載。一体どういう脳みそをしているのか。(買う方もどうかしてるけどな(爆))。英語なので、内容は拾い読みしかしていませんが、バンドの成り立ちと共に、イラストを描く手法の変遷やインスピレーションなどの話を読むことができて、実に興味深い。ファンを自称する物なら、持つべきアイテム。
 「VOIVOD」という名前が、AWAYの創作ではないことが分かったので、トップの文章を訂正しました。
購入はここから:http://shop.VOIVODBOOK.COM



☆2008年9月20日 Thrash Domination 08 at 川崎Club Citta (Testament / Voivod / Forbidden)
もものレポートShibuのレポート(それぞれ貼られている写真が異なります)

☆Metal Massacre V (Metal Blade 3984-14045-2) '84
 
スラッシャーはよけて通れないMetal Bladeのコンピレーションアルバム。VOIVODは"Condemned To The Gallows"を提供。アルバム未収録曲なのでそれなりに貴重なんですが、SNAKEが全然歌えてなくて超笑える。どんなバンドでも初めがあるんです(汗)。お友達に借りて聴いて下さい。
収録バンドはOmen/VOIVOD/Attacker/Future Tense/Overkill/Fates Warning/Metal Church/Lethyl Synn/Final Warning/Hellhammer/Mace/Jesters Of Destiny

☆The Best Of Metal Massacre (Victor Enternational VICP-60420) '98

 日本企画盤。上記のコンピレーションシリーズの、さらに美味しいとこ取りのBest盤。ただし権利の関係でMetallicaやSlayerは含まれていません。よくVOIVODが選ばれたものだ(大汗)。目玉は故Clif Burton在籍時のTraumaでしょう。

☆THE BEST OF METAL BLADE vol.1 (METAL BLADE MBR1061) '86

 Slayer、Celtic Frost、Fates Warning、Trouble、その他を収録。VOIVODは1stから"Blower"を提供。

☆Visible Wind/Emergence (SOCAN MZ-7001) '94
               (PONY CANYON PCCY-00671) '94?

 ケベック仲間のシンフォニック・バンド。この作品のプロデューサーを元VOIVODのBLACKY(Jean-Yves Theriault)が務めています。VOIVODのような音を期待すると完全に裏切られますが、穏やかだけではない、ひねりの利いたシンフォニック・アルバムに仕上がっています。The Flower Kings好きな方、結構イケますよ。
 因みに彼らの2ndアルバムのサンクスリストでもBlackyの名前が見られます。

☆Heaven's Cry/Food For Thought Substitute (TEICHIKU TECW-25323) '96
 「The Outer Limits」でベースを弾いていたPierre St-Jeanがギターとヴォーカルを担当しているテクニカルなHMバンド。メロディアスなハードプログレが好きな人に推薦。

☆Heaven's Cry / Primal Power Addicyion (DVS Records DVS5007) '02
 カナダはモントリオールのバンド、Heaven's Cry6年ぶりのアルバム。嫌味なくテクニカルでメロディアス。ヴォーカルハーモニーもなかなか凝っている。アレンジも丁寧で、いい曲を書くバンドです。時々Piggy風の不協和音ギターが聞こえてきたり。私は少しEcholynに近い叙情性を感じるのだけど、気のせいかもしれない(^_^;)。
詳しくはこちら:http://www.heavenscry.com/

☆V.A. / Converd In Metal 15 Rock & Heavy Metal Classics (Deadline CLP 0917-2) '00
 
かなり謎なアルバム。どうもここのレーベル、トリビュート物ばっかり出してるみたいで、その上にトリビュートのコンピレーションアルバムを作りやがったようです。下の曲表を見てもらえば分かりますが、80年代のHR/HM界の大物揃いです(今は何する人ぞ?って方も・・・)。9.は泣けるなぁ(^_^;)。VOIVODはVenomの"In League With Satan"を提供しています。
 うちのあるのは限定盤で「Glam Goldmine」というこれまた謎なおまけCDがついています。Iggy PopとかNew York DollsとかSigue Sigue Sputnikとか入ってます。こちらはカヴァー集にあらず。カルフォ〜ルニアな人達が考えることは分からん。

 【曲順/曲名/オリジナルプレイヤー(カヴァープレイヤー)(Mix)】
1.Falling in Love / Scorpions (Marq Torien & George Lynch)
2.Welcome to The Jungle / Guns & Roses (Kevin Dubrow)(Interface Mix)
3.Rag Doll /Aerosmith (Ted Nugent)
4.Unchained /Van Halen (Jack Russell & Dweezil Zappa)(KMFDM Mix)
5.Still in The Night / Whitesnake (Steve Grimmett)
6.I Want You to Want Me / Cheap Trick (Jani Lane)(Mission UK Mix)
7.Rock Brigade / Def Leppard (Joe Leste)
8.No More Mr.Nice Guy /Alice Cooper (Roger Daltrey & Slash)
9.Iron Maiden / Iron Maiden (Paul Dianno)
10.Tie Your Mother Down / Queen (Lemmy & ted Nugent)(Die Krupps Mix)
11.Walk All Over You / AC/DC (Dee Snider & Scott Ian)(Synical Mix)
12.Misty Mountain Hop / Led Zeppelin (Taime Downe)(Sigue Sigue Sputnik Mix)
13.Live Wire / Motley Crue (Steve Summers)(Die Krupps Mix)
14.In League With Satan / Venom (VOIVOD)
15.Creeping Death / Metallica (Physical Attraction)(Filter Section Mix)

☆E-Force / Evil Forces (Season of Mist SOM 079) '03
 「Negatron」「Phobos」期のVo.&B.だったEric Forrestが参加。音の感触こそは現代風だが、80年代のスラッシュに馴染んだ世代なら楽しめる音だろう。EricのVo.は時々Snakeの若い頃の歌い方に似ることもあって、初期VOIVODを彷彿させたりするが、それほど複雑/変態的な音ではない。

☆Probot / same (Southern Lord SUNN30.5 : 7inch EP) '04
 Ex. Nirvana、Foo Fighters、最近ではQueens of The Stone Ageの3rd「Songs for The Deaf」にも参加していたDave Grohlがリスペクトするアンダーグラウンド・シーンの猛者が集結したプロジェクトProbotの先行シングル666枚限定盤。Awayフォントが冴えまくる。Side AはVenomのCronosが参加した"Centuries of Sin"。下品さが際だっている。(^^; Side BはSt. Vitus, The Obsessed, Spirit Caravan, Place of SkullsのScott "Wino" Weinrichが参加した"The Emerald Law"。これが凄まじく激カッコイイTuneでマニア必聴だ。
 見開きEPではないため中に描かれている絵が隙間からしか見られないのは企画検討不足と言っていいだろう。(^^; 蛇足であるが、Power Rock Todayの番組内で伊藤政則氏がジャケットを担当したのはSnakeとおっしゃっていたがAwayですからね、アルバムで歌っているのはSnakeですが、そこんとこヨロシク哀愁。(^^;
 アルバムは2004/3/24にBMGより国内盤が出る予定。これは珍しく発売後すぐ新譜でゲット予定。
 詳細は下記:
http://www.probotmusic.com
http://www.southernlord.com

☆Probot / same (BMGファンハウス BVCP 21369) '04
 Dave Grohlというだけで、こんなマニアックなアルバムがメジャーなCD屋で平積みになっていたのが痛快だった。Dave Grohlは正しいお金の使い方を知っている。自身のライナーも必読だ。正直そんなにメタル・マニアだと思わなかったので驚いた。
 Lemmyの"Shake Your Blood"のロケンローはワル&下品でよろし。Leeの"Ice Cold Man"はCathedralの1st〜2ndの流れを汲む曲で個人的にヒット。Snakeの"Dictatosaurus"は普通の出来かなぁ。TroubleのEric Wagnerの"My Tortured Soul"は美しい哀愁のメロディーがリピートしたくなる程クセになる素晴らしい曲だ。

☆Aut'Chose / Chansons D'epouvante (Disque Artic ART CD 494) '05
 モントリオール出身のサイケバンド。主な活動は70年代で、このアルバムは2005年にPIGGYとAWAYが参加してレコーディングされたもの。サイトやCDの解説は全部フランス語なので詳細不明。どうもこのバンドのベーシストVincent Peakeが一時期VOIVODに在籍してたらしいので、その繋がりで参加したと思われる。(時期的には2002年、Snakeが戻りJasonicが加入する前の短期間)
 音楽的には、私はHawkwindを思い浮かべたんだけど、ShibuはAngeだと言う。メタルするEtron Fou Leloublanとも言えなくもない(強引)。みょ〜に明るいロケンローの上に、あくの強いオヤジがフランス語で始終まくし立ててるという感じ。PIGGYの変態コードとサイケの相性はとても良い。しかし二人ともサポートに徹しているのでVOIVOD的サウンドは求めないこと。ベスト盤的なアルバムっぽいので、曲のクォリティは高いと思う。
 ちなみにこのインナースリーブでもAWAYアートが幅を利かせている。AWAYフォントをインストールしたい。
 詳細は下記:(やっぱりフランス語)
http://www.lucienfrancoeur.com/

☆Project: Failing Flesh / The Conjoined (Burning Star Records BSRCD018) '07
 Ex.VOIVOD、E-ForceのEric Forrestが在籍するProject: Failing Fleshの2ndデジパック盤。モダン・エクストリーム・スラッシュ・メタルの力作である。取り敢えずタイトル・トラックの"The Conjoined"のジャンクなトランペットのアヴァンギャルドさが良い。このトランペット奏者、Fletch Wileyという人はJazz界でソロ作品をリリースしているようである。
 詳細は下記:
http://www.projectfailingflesh.com/


E-Force / Evil Forces


Probot(7inch)


Aut'Chose / Chansons D'epouvante


Project: Failing Flesh / The Conjoined

☆Kosmos / same (The End Records TER085) "07
 
Michel "Away" Langevinと、Aut'Chose(上記参照)のベーシストVincent Peakefが参加している、新しいサイケロックバンド。Aut'Choseのヴォーカルも1曲ゲスト参加。そのAut'Choseよりも更に突き抜けた、ジャーマンサイケ/コスミックな音になっている。New York Gongの"Much Too Old"のカヴァーあり。唯一ハードロックな"Messe Noire"のハモンドオルガンと、たまに入るツーバスが嬉しい(^_^;)。ちなみに"this record is dedicated to Piggy with all our love"という一文が添えられている。
 詳細は下記:
http://www.myspace.com/kosmostheband(MySpace)



 以下思いっきり違法物ばかりです。良い子は観てはいけません。

☆VOIVOD LIVE '87 (56min)
 「Killing Technology」期のライブ。音、割れてます。
Killing Technology
Overreaction
Ravenous Medicine
Tornado
Korgull The Exterminator
Ripping Headaches
Warrious Of Ice
Live For Violence
Order Of The Blackguards
Voivod
Bat Man


☆VOIVOD ATZMOOS '87 (50min)
 視聴覚室の舞台のようなステージでアングラ臭プンプンなビデオ。SNAKEの顔面パフォーマンスが見物。
Killing Technology
Overreaction
Ravenous Medicine
Tornado
Korgull The Exterminator
Ripping Headaches
Warriors Of Ice
Live For Violence
Tribal Convictions
Cockroaches
To The Death!
Voivod


☆VOI VOD KARAMAZOO '90 (57min)
 「Nothing Face」期のライブ。
The Unknown Knows
Nothingface
Traival Convictions
X-Ray Mirror
Tornado
Pre-Ignition
Missing Sequences
Brain Scan
Into My Hypercube
Astronomy Domine
Inner Combustion


☆VOI VOD MONTREAL '93 (32min)
 「The Outer Limits」期のライブ。カメラ安定せず(^_^;)。
Fix My Heart
The Unknown Knows
The Lost Machine
Tribal Convictions
Astronomy Domine
Warriors Of Ice

☆Anachronism '83 (Devil Metal Records)
 一体どこから引っ張り出してきたのか、1983年6月25日のVOI VOD初ライブを収録(らしい)。昔懐かしいブート臭が漂う悪音質。最初期のライブだけあってカヴァーが多い。しかもマニア。中のメンバーショットの、BLACKYはまだ半ハゲではない。
Voivod
Black Metal (Venom)
Struck My Lightning (Tank)
Eye of the Storm (Sweet Savage)
Angel Dust (Venom)
Ace of Spades(Motorhead)
Witching Hour (Venom)
Chainsaw (Raven)
Condemned To The Gallows
Rapid Fire (Judas Priest)
Heart of Stone (Motorhead)
Leave me in Hell (Venom)
Treason (A II Z)
Killing Time (Sweet Savage)
Stay Clean (Motorhead)
Welcome to Hell (Venom)
Blower
Steeler (Judas Priest)
Gunslinger (Budgie)
Stone Dead Forever (Motorhead)
Voivod
Anomalies