Italian Rock Best 10

(体力の限界のため50枚選出は諦めました)

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1 Il Volo / same/Essere o non Essere?
2 Banco Del Mutuo Soccorso / Da Qui Messere Domina la Valle
3 Premiata Forneria Marconi / Photos of Ghosts
4 New Trolls / Atomic System
5 Il Balletto di Bronzo / YS
6 Deus ex Machina / De Republica
7 Opus Avantra / Introspezione
8 La Bottega Dell'arte / Dentro
9 Franco Battiato / L'imboscata
10 Semiramis / Dedicato a Frazz

寸評

(1. Il Volo)
 何度きいても涙が出るほど素晴らしいアルバム。濃すぎるイタロの他面々に圧倒されていたため、初めは随分とあっさりで物足りなかった。しかし、今では周期的に無性にききたくなる作品として愛聴している。多分一生きいていくアルバムだと思う。願わくば圧倒的音質での再発を望む。音がこもり気味なのが唯一残念なのだ。前は2ndの方が好きであったが、今は1stが好みに。個人的嗜好も変わってきていて興味深い。Kingのユーロ・ロックCDコレクションではカップリングだったので、堂々の1位で2枚ともエントリーだ。
(2. Banco Del Mutuo Soccorso)
 初来日、2度目のアコースティックLiveと他の追随を許さない歌と演奏を聴かせてくれたBanco。まだまだ現役というよりも、今が全盛期かもしれない。この作品は'91にチャリティーのために名作中の名作1stと2nd「Darwin!」を再レコーディングし、現代的なアレンジで見事に蘇らせ、特殊ジャケットでリリースされたもの。今はこのアルバムをきくことが多い。
(3. Premiata Forneria Marconi)
 ユーロロックとの最初の出会いはオランダのFocusとこのイタリアのP.F.M.であった。"人生は川のようなもの"をきいたときの衝撃、美しさは想像を絶するほどで、今でも鳥肌立つ。立川直樹氏の解説の「静的なものと動的なものが見事に溶けあった美しさ、ひとつひとつの楽器の響き」という表現はまさにぴったり。この作品でユーロ・ロックへ想いが大きく膨らんでいった。現在ではイタリア語Versionなど他の作品から入って行った方が良いかもしれないが、思い入れの面でもこのアルバムを選出したい。久々にレコードラックからこのLPを取り出してみて思ったが、昔のLP盤は重厚で良いね。
(4. New Trolls)
 「UT」か「N.T. Atomic System」か悩んだ末、Hard Rockマニアとして分裂後の圧倒的なパワーが充満している「Atomic System」を推すことにした。"La Nuova Predica di Padre O'brien"の艶のあるVo.、女性スキャット、唾吹きフルート。"Ho Visto Poi"のしつこい展開とその中で垣間見れる美しい歌声。"Tornare a Credere"の女性コーラス。どれもがイタリアらしい。確かな演奏力に裏打ちされた格好良すぎる展開に継ぐ展開。Progressive Rockマニア、Hard Rocker、両者の必殺盤である。
(5. Il Balletto di Bronzo)
 究極のAvant-garde Heavy Progressive Rock。デジタル・リマスター盤もリリースされたが、元々の音質も最高レベル。奇跡のアルバム。
(6. Deus ex Machina)
 現代に生きる若手のイタリアン・ロックでは最高峰のパワーを誇っている。人間業を超えているため、何かと力業ばかり注目されるが、実は繊細なメロディー・ラインの素晴らしさもきき逃せないところ。'90sの21枚では他の作品を挙げたので、今回はこっちだ。(^^;
(7. Opus Avantra)
 暗黙の了解で皆思っているだろうが、Donella del Monacoはそれ程歌は上手くない。(^^; でもね、この作品の前ではどうでも良くなっちゃうの。最高の瞬間を見事に封じ込めた芸術作品。これぞイタリア。ユーロ・ロック集成での松本氏の表現が実に良く書かれていたので紹介しておきたい。「果実が熟れ仕切った時の、濃厚な甘みを持って朽ち果てていく、その瞬間をとらえたような甘美さが魅力。」
(8. La Bottega Dell'arte)
 イタリアン・カンタウトーレの代表作。イントロから愛くるしくも哀愁たっぷりのイタリアの空気が充満するようなタイトル・トラックの"Dentro"。歌と演奏が程良く溶け合った美しいハーモニーの中、エンディングにかけてバックの演奏がフェードアウトしながらギターの爪弾きが少しずつしんみり入ってくる展開は叙情派シンフォニック・マニアも唸らせる必聴の内容である。甘酸っぱいが、豊かな表現力と確かな演奏が単なる軟弱路線とは一線を画する。'88のマーキー刊「私の愛聴盤」において木下夫妻が読者投稿の代表としてボッテガについて次のように書かれていたのが印象的であった。「とても優しい万年少年のようなボーカル、静かに始まり、暖かく盛り上がって行く。そこには、忘れかけてしまった、遠い日の子供の頃の思い出が、アルバムの中の1枚1枚の写真の様な、なつかしい時がたくさん詰まっているかの様です。」
(9. Franco Battiato)
 絶妙のメロディー。近年の怒濤のリリースも彼の創造力の逞しさを物語っている。バッティアートの作品はそれぞれ味わい深いが、今選ぶとしたらコレ。Ex.Matia BazarのAntonella Ruggieroとのデュエットも息がピッタリ。曲が生き生きしている。簡単に言ってしまうとItalian Popsなのだが、ワールド・ワイドかつ宇宙まで突き抜けるスケールの大きさ。イケてる音とはこういう作品のことを言うのだ。
(10.Semiramis)
 B級だろう?と言われようが構わない。このカッコよさ、Heavyな中でのさらっと見え隠れする叙情性、ズバ抜けた演奏力。そして堂々とした歌声。闇のエナジーとイタリアからしか出てこないアクの強さ。アングラHeavy Rock好事家には分かってもらえるだろう。


おまけ:

もも

1

Il Volo / same/Essere o non Essere? (前半(1st)が好き。何もかも完璧なバランス。リマスター望む!)

2

Banco / Canto Di Primavera (ジワジワと感動がわき上がる名作。)

3

Cervello / Melos (インパクト十分。かっこいいから。)

4

Alan Sorrenti / Aria (インパクト十二分。ジェットコースターのような感情の抑揚。奇作)

5

La 1919 / Jouer.Spielen.To Play(イタリアじゃないかもしれない・・・^_^;)


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