2014 My Best 30


Album部門:


しぶ
1 Happy Family / Minimal Gods (Japan) (波形7/10)
2 る*しろう / け〜さ〜み〜の〜 (Japan) (波形8/10)
3 SepticFlesh / Titan (Greece) (波形6/10)
4 Animals As Leaders / The Joy of Motion (USA) (波形6/10)
5 Behemoth / The Satanist (Poland) (波形4/10)
6 Boris / Noise (Japan) (波形8/10)
7 Triptykon / Melana Chasmata (Switzerland) (波形4/10)
8 Roby Facchinetti / Ma Che Vita La Mia (Italy) (波形7/10)
9 Mats/Morgan / Schack Tati (Sweden) (波形7/10)
Morgan Agren / Batterie Deluxe (Sweden) (波形7/10)
10 KXM / same (USA) (波形5/10)

11
Vandenberg's MoonKings / MoonKings (Netherlands) (波形9/10)

12
Opeth / Pale Communion (Sweden) (波形9/10)

13
Kenso / 内ナル声ニ回帰セヨ (Japan) (波形6/10)

14
Both Miklos, Palimo Story / Both Miklos Es A Palimo Story (Hungary) (波形6/10)

15
Sunn O))) & Ulver / Terrestrials (USA/Norway) (波形9/10)

16
Lalle Larsson / Until Never (Sweden) (波形7/10)

17
A.C.T / Circus Pandemonium (Sweden) (波形5/10)

18
Death Penalty / same (International) (波形5/10)

19
Galaktik Cancer Squad / Ghost Light (Germany) (波形6/10)

20
Funeral Moth / Dense Fog (Japan) (波形7/10)

寸評
(Happy Family)
 17年ぶりに見事な復活を果たしたHFが昨年度No.1。複雑で独特なノリと豪快なHard Rockが健在で何より嬉しかった。今年はフランスのRiOに出演が決定しているので、存分に暴れて欲しい。永瀬さんのアートワークも見事。
(る*しろう)
 継続的に活動していたが、なんと8年ぶりの3rdである。トリオが出す個性的かつ阿吽の呼吸が見事。フランスのRiOでのパフォーマンスも大絶賛だったようで何より。Liveのみで披露している素敵な曲がまだ他にもたくさんあるので、この勢いでどんどんアルバムをリリースして欲しい。インスト・バンドだったと思っていたが、Vo.パートが多いんだなと今更ながら気付く。勿論、お酒大好きな人も必聴。(^^;
(SepticFlesh)
 オーケストラとの見事なまでの融合。究極の本格派Symohonic Death Metalである。逆にこの域まで達しないとシンフォニック・デスは聴けない身体になってしまった。最近ds.が元Decapitatedの人に交替したらしいが、再来日希望。できればオケ付きで...って無理か。
(Animals As Leaders)
 2012年の衝撃の初来日公演が記憶に新しいAnimals As Leadersの待望の新作。昨年度got-djent.com人気投票で見事にNo.1に輝いたアルバムでもある。しなやかに、時に激しく展開していく楽曲に脳内快感物質出まくり。彼らをトリにしてDjent Fest. in Japan開催希望。
(Behemoth)
 邪悪の極みに達したBehemothの10作目。白血病を克服したNergalは自らの血をジャケットのアートワークに滲ませる程に命を注ぎ込んだ渾身の作品である。ひれ伏すのみ。
(Boris)
 日本語に聞こえないような歌なんだが、一度言葉が入ってくると心にグサッと突き刺さる感じ。過去最高のスケール。良い意味で聴きやすい。
(Triptykon)
 前作ほどの衝撃度は薄いが、暗黒地下音楽の決定盤。H.R. Gigerが遺したジャケ共々渾身の作。
(Roby Facchinetti)
 I PoohのRoby Facchinetti御大のソロ。大シンフォニックで素晴らしいメロディーの洪水。感動の大傑作。
(Mats/Morgan / Morgan Agren)
 Morganの最新ソロとのセットでエントリーとする。持って生まれてきた才能を遺憾なく発揮した作品。アンビエント色が若干出し気味で、もう少しスーパー・ハイな音も欲しいところだったが、これは好みの問題だろう。久々の来日、RiO Japanでの驚愕パフォーマンスは記憶に新しい。
(KXM)
 Kornのdrummer、Ray Luzier、King's Xのbass/vo.、Doug Pinnick、Lynch Mob/ex-DokkenのギタリストGeorge Lynchのトリオ。鳥肌立ってしまうほど安定したリズムセクション、職人達のHard Rock。超絶カッコイイね。
(Vandenberg's MoonKings)
 久々のAdrian Vandenbergの見事な復活作。バックを固めるハツラツとした若手も躍動感があってエネルギーが漲っている。Loud Parkではvo.のステージングの不慣れさ具合にちょっとゲンナリしたけど、今度の単独公演ではどう成長しているのか注目だ。
(Opeth)
 今作で普遍的な音を作り上げた感がある。長年愛聴できそうな逸品。音響も見事。
(Kenso)
 インパクトはそれ程でもないが、聴き込めば聴き込むほど新しい発見があるスルメ的アルバム。清水さんの素晴らしい音楽を吸収し、新たに昇華していく探究の旅はまだまだ続いている。
(Both Miklos, Palimo Story)
 ハンガリーのNapraのギタリストBoth Miklosの奏でる音楽範囲は幅広いので注目だ。基本はトラッドなんだが、超絶系バルカン/ジャズ・ロックに人懐っこい民族音楽&演歌風コブシが絡まるというFarmars Marketが好きな人なら必聴作品。
(Sunn O))) & Ulver)
 Sunn O)))とNorwayのAmbient/Avant-garde、Ulverが4年の歳月をかけて完成させたコラボ作。安らかで荘厳な波動がダークに時に優しく包み込むような音絵巻。
(Lalle Larsson)
 ECMサウンドのような内省的な作品。音は極度に削りながらもLalle Larssonの実力が遺憾なく発揮されたリリカルな作品。
(A.C.T)
 8年ぶりの新作にしてデビュー15周年。久々の復活作であるがA.C.T節も健在。優れた楽曲がぎっしり詰まった逸品である。Moon Safariが日本で売れているんだからA.C.Tにもそろそろブレークしても良いと思うのだが。今度Moon Safariが来日することがあれば、オープニング・アクトとしてA.C.Tも来て欲しい。
(Death Penalty)
 元CathedralのGaz Jenningsが始動させたBand。マニアの心に響き渡るHeavyRockが堪らない。あとヘタウマ極まりないVo.のお姉さんの尖りぶりが見事だね。Live見たいね、これは。
(Galaktik Cancer Squad)
 Geman Progressive Black Metal。中古盤で投げ売りされているのをちょくちょく見かけるのだがBlack Metalマニアが手放すのはよく解る作品である。(笑) 一筋縄ではいかないが物悲しいメロディーが心に残る逸品。500枚限定なのでマニアは今のうちにゲットしておくこと。
(Funeral Moth)
 根詰め具合が甚だしいFuneral Doom。自害のリピート呟きがヤバ過ぎる。

今年行ったBest Tunesも観てみる>>>>




もも
1 Septicflesh / Titan
2 Les Claypool's Duo De Twang / Four Foot Shack
3 Mats/Morgan / Schack Tati
4 Knifeworld / The Unraveling
5 Triptykon / Melana Chasmata



Away / Cities (2013)
Orphaned Land / All is One (2013)

寸評
次点:Sunn O))) & Ulver/ Terrestrials
 気になる新譜は数あれど、「参りました!」とひれ伏してしまう、ずば抜けた作品はあまりなかったかなぁ…。
 そんな中、2014年に聴きまくったアルバムは、Spticfleshの「Titan」でした。このバンドの名前は以前から知っていましたが、きちんと音を聴いたことはありませんでした。2014年の初頭に「The Great Mass」のオマケ映像をしぶに見せられました。かなり真剣にクラシック音楽の導入を図っているバンドだと分かり、興味が湧いて「Communion」を聴きました。そこからドはまりしました。なんですかこのストラヴィンスキーがメタルやってるみたいな音は!?自分は「ロック+クラシック」という方程式は、ダサいと思っている方なのですが、このバンドは本気度が違う。しばらく「Communion」を聴きまくり、ヴァニラ画廊までSeth Siro Antonのイラストを見に行きました(コレはコレで良かったぞ!)。「The Great Mass」は、ちょっとメロウになって、中だるみを感じたのですが、「Titan」は前2作の良いところがミックスされた形だったので、私は非常に満足です。なによりまずギターリフのアーティキュレーション(ギターに使える用語かわからないけど、使っちゃう)が素晴らしい。まるでオーケストラの弦楽器隊が一斉に「ザンッ」と弓を引くような音像。あと通常の音程では割り切れないような、気持ち悪い音が時々入ってくるのが、不穏な感じでとてもよろしい。前年に引き続き、TFK関連でもハードロックでもないバンドを、首位に置くのは戸惑いを覚えますが、好きなんだからしょうがない。
 2位のLes Claypoolのアルバムは、カヴァーおよびセルフカヴァー作品なので、上位に置くのもどうかと思いつつ…でもカッコイイので。全体的にカントリー風なアレンジなのですが、Les様独特のぶっといベースが入ってくると、世界が歪みます。"Stayin' Alive" (Bee Gees)のクールさにメロメロですが、"Jerry was a Race Car Driver"の軽妙なリアレンジも聞き逃せません。大体セルフカヴァーって、オリジナルに敵わないんだけど、コレは全く別の曲に変わっていて面白かったよ。
 3位以下は「なんか良かった」「なんかすごかった」という印象と、聴いた回数で選びました(^_^;)。

 「その他」では去年の作品を2枚選んでいます。Awayのソロアルバムは、彼が世界各国で録音した「街の音」をコラージュした作品。カッチリした曲を期待するとまったく期待はずれだけど、耳や頭が疲れた時に流してボーッとすると気持ちいいです。リリースされた当時、ダウンロード販売で買うのはしらけるし、かといって送料がえらい高い通販でCDを買うのも気が引けて、購入を躊躇していました。しかし3月に、Thrash Dominationで来日したVoivodのライブが、とてもよかったので、勢いで購入しました(笑)。
 Orphaned Landは、来日公演の予習のためにアルバムを聴いたら、一気ハマってしまいました。「プログレ・メタル」の美味しいところを、中東音楽とミックスして、絶妙なバランスで提供してくれるのね。なんで去年聴かなかったのかな(^_^;)?



Live部門:

しぶ

もも

RiO Japan Festival 2014 (11/15,16) 1 RiO Japan Festival 2014 (11/15,16)
Dream Theater (10/20) 2 Voivod (Thrash Domination 2014) (3/15,16)
Extreme Metal Over Japan Vol.3 (11/8) 3 Orphaned Land (Pagan Metal Alliance) (11/26)
マリア観音 (1/30) 4 Spock's Beard (5/10)
Thrash Domination 2014 (3/15,16) 5 John Greaves (11/11)
(RiO Japan)
11/15 (Picchio Dal Pozzo, 高円寺百景,
Richard Pinhas, る*しろう, The Artaud Beats, Boeves)
11/16 : RiO Japan 2014 @ TSUTAYA O-East (Present, Mats/Morgan Band, 空 Sola/Lars Hollmer's Global Home Project, Happy Family, Aranis, ジンタらムータ, 鬼怒無月)

 出演バンドを見ても世界中のマニア垂涎の祭りであった。その中でもPresentのRoger Trigauxのオーラが凄すぎて、一生呪縛が解けないほどのインパクトだった。
(Dream Theater)
 現代におけるProgressive Metalの最高峰に君臨するDTの圧倒的パフォーマンス。Illumination Theoryがナマで聴けたときの感動は忘れられない。
(Extreme Metal Over Japan Vol.3)
(Krisiun, Gorguts, Bloodshot Dawn, Sight of Emptiness, As It Comes, Diminish The Gods)

 オタクの極みであったGorgutsの超絶テクニカルな演奏に卒倒。Krisiumの筋金入りの野獣ぶりに感動。
(マリア観音)
 久々に復活したマリア観音。木幡さんに充分対抗できるメンツが揃った感がある。木幡さんの休み時間が増えたところで時の経過を感じたのも事実。(^^;
(Thrash Domination 2014)
(Exodus/Voivod/Sanctuary/Artillery)
 危険極まりないExodusと初来日よりもこなれていたVoivodが素晴らしかった。このThrash Dominationの後にVoivodのBlackyが脱退してしまったのはミーグリの状態でも何となく納得できたのだが、圧倒的存在感のあったExodusのRob Dukesのまさかの脱退は本当にショックだった。Thrash Domination 2015のExodusのパフォーマンスでメンバー・チェンジが吉
出るか凶と出るか確かめたい。

今年行ったライブ一覧も観てみる>>>>

寸評
(RiO Japan)
 日本で初開催となる、いわゆる「レコメン系」のロックフェス。日本のバンドも多数参加し、世界の尖った音楽が集結。当初はMats/Morganの注目度が高いかと思われましたが、全バンドの演奏が終わってみたら、「ラスボス」Presentのロジェおじさんが全部持っていったという…。暗黒音楽の底知れぬ熱気をこの身で感じた連夜でした。それにしても、日本のアヴァン系バンドのレベルは高い!
(Voivod)
 前回Voivodが登場した時は、別のライブが被っていたので、1日しか観られませんでしたが、今回は2日参加できました。初日は最前真ん中に突っ込み、メガネを壊しました(爆)。2日目はChewey側に立って、余裕を持ってステージを観ることができました。「Target Earth」の曲や、初来日に演奏されなかったマニアックな曲を織り交ぜて、独特の世界観を余すことなく表現したステージだったと思います。特に初日のAwayのドラム!骨太で身体にズンとくる、それでいて一音一音しっかり粒が立っている。この回のThrash Dominationで、ギター1人のバンドはVoivodだけでしたが、Blackyの暴虐的なベースとともに、Awayのドラムも音の厚さに一役買っているんだと実感しました。(ブラちゃん脱退しちゃったけど…)
(Orphaned Land)
 「ペイガン・メタル」フェスという、私にとってはまったくアウェイ環境のフェスでした。Orphaned LandのライブはDVDで観たことがあり、そこから大きく外れることはありませんでしたが、実際その場に来てみると、とても楽しかった!とにかく手拍子!変拍子でも手拍子!みんなで叩けば一体感が生まれるよ!途中、ギタリストの一人が、三味線を演奏するサービス場面もあって、和やかなライブでした。彼らが生きる世界は厳しいんだと思うけれど…。次はフルステージを観たいな。
(Spock's Beard)
 なんとなく聴かず嫌いだったSBでしたが、メンバー達はステージ慣れしてて、観客へのサービス精神旺盛で、すんなりバンドを受け入れることが出来ました。70年代のバンドだけじゃなくて、このクラスの、バリバリ新譜を作ってツアーもこなす、現役プログレバンドが普通に観られる国になって欲しいなぁ。
(John Greaves)
 The Artaud Beatsのライブでソロタイムはあったものの、ソロライブは1998年以来。迷宮的なフレーズと言葉の魔術。そして年輪を感じさせる、色気のある声。歌とピアノだけというシンプルな構成ながら、とても贅沢な時間でした。



music | kew.rhone. | link | travel | profile


BACK