2011 My Best 20


Album部門:


しぶ
1 Dream Theater / A Dramatic Turn of Events
2 Amogh Symphony / The Quantum Hack Code
3 Saviour Machine / Legend III:II
4 Fuseboxx / Animated
5 Mastodon / The Hunter
6 Stella Lee Jones / A Floating Place
7 Rudra / Brahmavidya: Immortal I
8 Opeth / Heritage
9 The Answer / Revival
10 Von Hertzen Brothers / Stars Aligned

11
Le Orme / La Via Della Seta

12
Oranssi Pazuzu / Kosmonument

13
Leaves' Eyes / Meredead

14
Steve Hackett / Beyond The Shrouded Horizon

15
Lou Reed & Metallica / Lulu

16
Pain of Salvation / Road Salt Two

17
Electric Asturias / Fractals

18
Arkan / Salam

19
Karmakanic / In A Perfect World

20
Altar of Plagues / Mammal

寸評

 段々個人の好みの許容範囲が拡大してきて10枚に絞れなくなってきた。これは単に以前に比べて冒険をしなくなったのと、好みの音源だけを集めるようになったからだと思う。また、歴史的なアルバムがリリースされるような事が無かったのかと、寂しい思いもあったりして。そんな訳で今年は20枚。

(Dream Theater)
 1位はやっぱりDream Theaterだなぁ。去年一番聴いたアルバムだし。Mike Portonoyが衝撃の脱退しても素晴らしいアルバムをリリースしてくれた事に、まずは拍手を送りたいね。ほんと感動的な作品。しかし良く持ちこたえた。そして分かったこと。Mike Portonoyが思っているほどDream TheaterはMike PortonoyのBandではなかった事かな。あと次作は「俺にプロデュースをやらせてくれっ!」てメンバーを説き伏せるほどの熱意を持ったプロデューサーの登場を切に望む。嫌な思い出あるかもしれないが、一度外部の人間を入れて心機一転っていうのも良いと思う。(Dream Theaterが好きな実力のあるプロデューサーだよ、勿論)
(Amogh Symphony)
 インドのマルチ・プレイヤーのVishal J.Singhによるインスト・ポスト・プログレメタル・プロジェクトのAmogh Symphony。本当は2010年作品だが、いいや。(^^; 共演のドラマー、Jim Richmanの驚異的なプレイ等々、昨年度最大級のインパクトだった。ある意味Metalなジャンルの中での究極のミクスチャー音楽かも知れない。はっきり言って世界水準を軽く凌駕している。
(Saviour Machine)
 欧州でカルト的人気を持つ宗教Band、Saviour Machineの10年間コンセプトを温め続けて、ついにリリースした最終章Legend IIIのPart II。聴き終える頃にはぐったりと倒れかかってしまうほどの濃厚さ。ところどころCrimsonのエピタフ・フレーズがリフレインされたりするが、これがあたかも必然性を持っているかのような説得力。とにかく聴いて平伏してみて。(ちなみに私は勧誘員ではありません。)
(Fuseboxx)
 フィリピンのFuseboxx。この未完成のサウンドがこんなに上位でいいのか、まず自分が疑問に思ってしまった。(笑) でもね、私はこのひたむきさ、純粋さ、情熱さがヒシヒシと伝わってくるサウンドにノックアウトだったのよ。完全に'90s初期のDream Theaterをお手本としているのはイントロ聴いた瞬間分かってしまったのだが、最後まで一気に聴かせる説得力が私の心を鷲づかみ。(笑)。あぁ、gig見てぇなぁ。(^^;
(Mastodon)
 病み上がり&船酔いのような具合悪さが逆に心地良い?壮大なサイケデリック音楽を表現したMastodon。いやぁ〜エエねぇ〜って感じで酔っ払ってしまう。(^^;
(Stella Lee Jones)
 2011年末に待望の1stをリリースしたStella Lee Jones。Flat122の曲と重なるのもあるけれど、更に洗練され昇華された姿を聴くことが出来る。力作。gigも素晴らしいよ。機会があれば是非。
(Rudra)
 シンガポールのVedic Metal、Rudra。前作辺りからアジアのMetalシーンから頭2つぐらい飛び出していたが、この野蛮な尖り具合にはますます拍車がかかっている。Metalにはハングリーさが重要だと言う事が良く分かる作品だ。
(Opeth)
 古くて新しいOpeth。一般的に大胆に路線を変えたアルバムと言われているが、私にとっては自然な流れで特に驚くに値しなかったというのが正直なところ。Per Wibergの脱退の方がびっくりだったなぁ。
(The Answer)
 ほんと、聴いていると元気が出てくる音だ。特にvo.の爆発力が素晴らしい。来日公演行けそうにないのが非常に残念...。
(Von Hertzren Brothers)
 やっと聴くことが出来たVon Hertzren Brothers。Popだけど何気に凝っているところがツボ。過去に来日しているんだよなぁ。いつかは見たいなぁ。
(Le Orme)
 シルクロードをテーマにしたコンセプト作。確かにメタモルフォシオルメかもしれないけれど、良いものは良い。Le Orme名義で無くても良かったけれど。(^^; 来日公演、諸事情により行けなさそうなのが残念。
(Oranssi Pazuzu)
 年末に入手したOranssi Pazuzuの2nd。基本路線は全く変わっていないが、異形な音楽の決定盤であることは確信した。何だか良く分からないが、凄いことは分かる。(笑)
(Leaves' Eyes)
 正直ココまでハマるとは思わなかった。この辺の女性vo.って殆ど同じなんだよなぁと高を括っていたが、想像以上の引き出しと表現力の多彩さに気付いた。バックがAtrocityというのも大きいかな。マニアはMike OldfieldのCover、"To France"にも注目。
(Steve Hackett)
 新作。心が洗われるような美しい音楽。まだまだ健在どころか、今が黄金期だったりして。
(Lou Reed&Metallica)
 Lou ReedとMetallicaの火花散るような共演作。一発で気に入った。入魂の作だ。
(Pain of Salvation)
 Road Salt完結編。Danielのワンマン・バンドの様相が強くなってメンバーがどんどん脱退/入れ替えを繰り返して全くまとまりがないものの、ますます孤高度が高まった気がする。後はリスナーがどこまでついて行けるかにかかっている。(^^;
(Electric Asturias)
 個人的にLiveで既に断片など聴いてしまっているので新鮮さは薄いのだが、待望のアルバムであることは間違い無し。
(Arkan)
 フランスのArkan。最初Orphaned Landの単なるフォロワーと思っていたのだが、アルジェリア/モロッコ/ギリシャからの移民混合のバンドだと聞き改めて納得した次第。これは本物。
(Karmakanic)
 インパクトといった点では殆ど無いが、素直に"Turn It Up"は凄くイイでしょ。
(Altar of Plagues)
 アイルランドのAltar of Plagues。ポストブラックメタルやらシューゲイザー系などはナヨナヨしているBandが多くてつまらん。(笑) そういった点ではこのAltar of Plaguesの芯がしっかり&どっしり、そして突如暗く爆走するサウンドには説得力があった。

今年のBest Tunesも観てみる>>>>





もも
1 Primus / Green Naugahyde
2 Lou Reed & Metallica / Lulu
3 Dream Theater / A Dramatic Turn of Events
4 Mastodon / The Hunter
5 Pain of Salvation / Road Salt Two

寸評
次点:Lalle Larsson / Seven Deadly pieces
 個人的には、interestingなアルバムはかなりリリースされたけど、masterpieceなアルバムはなかったという印象。上のリストも便宜上順位が付いているけど、ほぼ互角と思っていただければ。
 それでも、11年ぶりにスタジオアルバムをリリースしたPrimusは、やはり強烈でした。私は彼らのライブ音源は買っていないんですけど、Lesのソロアルバムで聴ける音とはそう遠くないと思い、初めは「ふ〜ん…」って感じで冷静に聴いていましたが、そのうち「やっぱりかっこいいじゃん!」と嵌っているという状況。豪快なベースにヘナヘナなギター、ソリッドなドラムに変態Vo.という、まったく他では類を見ない(絶)妙なバランスのアンサンブルは唯一無二。
 恐らく今年のビックリ大賞は「Lulu」だな。Lou Reedの呪文のような歌(?)と、Metallicaのギターリフの格好良さが、緊張感漂う不穏な情景をとてもよく描写していると思う。素直に感心したです。
 Dream Theaterは、目新しい要素はないけれど、「Octavarium」以降このバンドから遠ざかっていた私に、なにか希望を抱かせてくれる瞬間が多々ありました。James LaBrieが歌いやすいVo.ラインを気持ちよく歌っていることと、Mike Portnoyのカンカンしたドラムがないのが安心して聴ける要素か(^_^;)?しかし"Bridges in the Sky"のホーミーみたいなヴォーカリゼーションとヒューマンヴォイスのサンプリングは、TFK「The Rainmaker」の"Sword of God"のイントロに「インスパイア」されたみたいで、ちょっと萎えたです。曲本編は良いのになぁ。
 Mastodonは、「Blood Mountain」に比べると変態度は下がってきたけど、ギターリフを中心にした明快な曲構成は聴いていて爽快。時々サイケだけど。あと、ドラムの手数の多さが個人的にツボなんです。歌のヘタウマさ加減はLee Dorrianと良い勝負(笑)。
 POSは、ずいぶんストレートにロックしてきたなぁ、と思う反面、根詰めすぎた結果こんな音になってしまったというような、どこか屈折した空気を感じさせる。オリジナルメンバーがDaniel Gildenlowしか居なくなってしまった今、どこへ行こうとしてるんだろう?

 次点のLalle Larssonのは、2008年にリリースされたDVD作品。制作に約10年もかかり、曲に合わせて制作された詩や絵画を掲載したブックレットも同封された力作。チェンバー系プログレファンにも是非聞いて欲しい、キテレツモダン・ミュージック作品。Darkaneファンも要チェックな。他、Oranssi PazuzuとSaviour Machineの新譜。どちらも独特の世界を持ったバンドで、「なんかすげー」と唸ってしまった。



Live部門:


しぶ

もも
Morbid Angel (9/26) 1 Morbid Angel (9/26)
Flairck (10/1) 2 Fomalhaut (8/20)
イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル
秋の陣 - 夢のまた夢
(11/6)
3 Ihsahn (12/5)
Kenso (12/4) 4 Cathedral(4/20)
Zletovsko, Pochakaite Malko (2/6) 5 Farmers Market (9/5)
 1位はMorbid Angel。聴き手に有無を言わせぬ圧倒的パフォーマンス。美しくも神々しいオーラを感じた。
 2位はFlairckのStar Pine's Cafe公演。最前かぶりつきで見たというのもあるけれど、見事なアンサンブルに感動。Marius Predaのテクニックにも度肝を抜かれた。
 3位のイタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァルの3日目。Osannaのオーケストラとの共演によるMilano Calibro 9。夢叶う!更に、生き生きとしたパフォーマンスを見せてくれたPremiata Forneria Marconiのオーケストラとの共演。本当に素晴らしいコンサートだった。イタリア人の気合いの入り具合が伝わってきたね。2012春の陣も楽しみ!
 4位は2年ぶりのKenso。正直2009年のgig見てそろそろ潮時かなぁと思っていた自分に恥じたい。いろいろあるかもしれないが、最後まで見守っていきたいね。ホント温かいコンサートだったよ。
 5位は昨年の暗黒HeavyなモノとしてダントツだったZletovsko/Pochakaite Malko。重低音の素晴らしさを実感。(笑)

 2011年は東日本大震災と原発の影響で公演が中止/延期と激動の年だった。来日組に絞ると、特に震災直後に来日可能か分からない状況下でのU.K.、Cathedral、Latte e Mieleの敢行には感謝したい。あと、コンサートには行かなかったがMr. Big、Jane Birkinの勇気ある行動にも感激した。


今年行ったライブ一覧観てみる>>>>

寸評
 今年は、行った数はそう多くないながらも、なかなか良質なライブが多かった。私が普段好んで聴いているバンドではなく、「あんまり知らないけど面白そうだから行ってみよう」というバンドばかりだというところが、良いのか悪いのかって感じだけど(^_^;)。
 10年、いや5年前、自分がMorbid Angelのライブに行くなんて考えもしなかっただろう。実はTim Yeung目当てだったのだけれど、フロントマンのDavid Vincentのカリズマティックなオーラに参った。もちろん演奏も圧倒的で、Heavy Metalというジャンルにおける、ひとつの究極形を見せつけられた。首がもげるかと思った。
 Fomalhautは日本のバンド。今まで観てきた彼らのライブの中で、演奏とライブ会場の雰囲気が最高によかった。"羊と葡萄"はあまりに美しくて、涙出たよ。
 Ihsahnは、彼が登場する予定だったフェスが、震災その他モロモロの影響で中止になり、「もう見る機会はないだろう」と諦めていたので、嬉しい来日だった。想像以上にしっかりしたVo.と、Leprousの好サポートで再現される「After」の曲に感激。Emperorの曲も良かったと思う。
 さよならツアーで来日してくれたCathedral。Shibuも書いてるけど、あの状況下で来日してくれたことがまず泣けた。Lee様のお腹はどんどん大きくなっていったけど、独特なパフォーマンスは健在で、これがもう観られないと思うとちと寂しい。
 Farmers Marketは、相変わらずふざけているのか真剣なのかわからない奇人、Stian Carstensenが観客を翻弄するライブ。あらためて「なんなのこの変態?」と感心した。



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