2010 My Best 15


Album部門:


しぶ
1 Orphaned Land / The Never Ending Way of ORwarriOR
2 Triptykon / Eparistera Daimones
3 Pain of Salvation / Road Salt One
4 Ange / Le Bois Travaille, Meme Le Dimanche
5 Coheed and Cambria / Year of The Black Rainbow
6 Mar De Grises / Streams Inwards
7 Era / 忘れられた舟
8 Hasse Froberg & Musical Companion / Future Past
9 Fear Factory / Mechanize
10 Ihsahn / After

11
Gazpacho / Missa Atropos

12
Mekong Delta / Wanderer on The Edge of Time

13
Peter Gabriel / Scratch My Back

14
Moon Safari / Lover's End

15
Deathspell Omega / Paracletus

寸評
 2010年の作品は飛び抜けた作品に出会うことは無かったかも知れないが、例年よりも素晴らしい作品が多くリリースされたと思う。従って10枚に絞りきれずに15枚とした。
(Orphaned Land)

 アクの強さでは2ndの「El Norra Alila」の方がずっと上だけど、良い意味でのメジャー化したサウンドで説得力のあるドラマティックな傑作に仕上がっている。Mixを担当したSteven Wilsonの功績も大きいと思う。匂い立つようなサウンドが素晴らしい。
(Triptykon)
 暗黒Metalの決定盤。Celtic Frostを超えたと言っても過言ではない。
(Pain of Salvation)
 正にミュージカルのような作品。プログレ・メタルという枠では収まりきれないほどの器の大きさを感じる。会心の大傑作。
(Ange)
 Angeは今が全盛期ですよ。
(Coheed and Cambria)
 クセになるような中毒性。オタク音楽の極み。Liveも素晴らしかった。
(Mar De Grises)
 壮大なスケールを兼ね備えたチリのPsychedelic Doom Metal。大穴でっせ、ダンナ。
(Era)
 緊張感と清涼感が同居する楽曲群。全曲が素晴らしいが、"Trade Wind"には特に感動した。実はまだEraを生で見るチャンスに恵まれていないで、いつかはこの目で見たい。
(Hasse Froberg & Musical Companion)
 とても暖かいkey.とHasseのvo.が絶妙。懐かしくも現代的な曲でクオリティもすこぶる高い。聴いていると希望が湧いてくると言うか元気になる。
(Fear Factory)
 中毒性は2010年度最高峰。"Metallic Division"〜"Final Exit"の流れには完全ヤラれた。
(Ihsahn)
 モロPink Floydのフレーズが出てきたりして、これこそ現代のProgressive Metalと言って良いのでは?官能的な作品。来日公演楽しみ。
(Gazpacho)
 Norwayのギリシャ神のアトロポスに捧げるミサというコンセプトらしい。音の描写が素晴らしく、情景が浮かぶような内容。vo.の説得力はSteve Hogarth級。これは凄い。
(Mekong Delta)
 意外にも活動が継続化しているMekong Delta、これは異色作かも。妙なテンションの力み過ぎが彼らの魅力でもあったけれど、今作は、まるでちょっと前のPain of Salvationのような雰囲気。今までMekong Deltaが苦手だった人にも再チャレンジして欲しい。
(Peter Gabriel)
 自分の曲として完全に消化され、聴けば聴くほど心に染みてくる作品。激シブ&感動です。
(Moon Safari)
 切ない甘さのシンフォニック。Popでテクニック重視派には敬遠されるだろうけれど、いいものはイイ。青春系シンフォニック。(笑)
(Deathspell Omega)
 聴けば一発でDeathspell Omegaと分かるオリジナリティ。やはり異様デス。



もも
1 Hasse Froberg and Musical Companion/ Future Past
2 Ihsahn / After
3 Rush / Caravan (single)
4 Maria Kalaniemi / Vilda Rosor
5 ---

寸評
次点:Pain of Salvation / Road Salt
Orphand Land / The Never Ending Way of ORwarriOR
 
昔のアルバムを除けば、殆ど上位3枚ばかり聴いていた2010年でした。
 HFMCはもう何年も何年も渇望していたアルバムで、聴いた瞬間から1位に決定!…じゃないんです、実は。思い入れはもちろん史上最高位なんですが、ベストアルバムを選ぶ時は迷いました。私はEmperorは全然聴いてなくて、Ihsahnの作品も初めてでしたが、「After」はとてもタイトな演奏と、重厚なギターリフと、落としどころが分かっているアレンジにツボ突かれまくりでした。Opethほど懐古的じゃないのもいいです。HFMCが出るまでは「コレが今年のベストなのかなぁ」と思いながら聴いていました。なので、今年の「私の大好きなアルバム」Bright SideがHFMCで、Dark SideがIhsahnなのだろう、と思います。
 Rushの「Caravan」は当初ダウンロード販売だけと言われていたシングル(2曲)で、アルバムと言ってはまったく物足りませんけど、あまりに漲るRushらしさにリピートが止まりませんでした。さっさとTime Machineツアー終わらないかなー。
 Maria Kalaniemiの作品は、Hollmerの曲が2曲含まれたアルバムで、素朴な旋律とMariaの透き通るような声にホッとします。シンプルなもの程ごまかしが利かないから、本物じゃないと感動できないと思うのよね。
 戻ってHFMCですけど、プログレを超えたところで評価します。これはHasseの音楽人生をロックさせ続けてきた影響と経験に正面から向き合って、彼自身が紡ぎ出した心からのメロディ。TFKで歌う彼の歌に少しでも感銘を覚えたならば、迷わず聴いて欲しいです。


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Live部門:

しぶ

もも

Claudio Baglioni(11/4) 1 Hasse Froberg and Musical Companion (10/27)
Hermeto Pascoal e Grupo (6/27) 2 Doro (10/08)
Summer Sonic 2010 (8/8) 3 High Voltage Festival 2010 (7/24,25)
High Voltage Festival 2010 (7/24,25) 4 Craudio Bagrioni (11/04)
Steve Hackett with Full Electric Band (8/20) 5 Maria Kalaniemi (09/23)
(Claudio Baglioni)
 FazioliのPianoとアコースティック・ギターと歌。あるのはこれだけ。圧倒的歌唱力と体力の限界が感じられない2時間超えコンサート、凄すぎる内容で卒倒。感動して泣けてくるコンサートとはこういうのを言うのだろう。オーディエンスの自然な大合唱も感動もの。マダム・キラーBaglioniの完璧な歌声にしびれた。場所もイタリア文化会館で最高のシチュエーション。イタリアを満喫した。
(Hermeto Pascoal e Grupo)
 天然系天才仙人は何考えているか分からないけれど、前回2004年来日は一体何だったのかと思えるような内容の素晴らしさ。Band編成だったのが良かったんだろうなぁ。これだったら全公演制覇したかったぞ。終電時間無視の長丁場Gig。後で分かった事だが、最後のアンコール見逃した事に気付いた。これには泣いた。
(Summer Sonic 2010)
 Liveで鍛え上げられたしっかりとしたステージのSupe、初来日のBigelf(但し、内容自体はHigh Voltage Fes.の方に軍配)、前回の小さい会場でのGigでもめげずに再来日を果たし、素晴らしいステージを披露したCoheed and Cambria、骨折しているとは全く知らなかったプロ根性なMichael Monroe、素直に楽しかったSlash、そして、まさかの誰も想定していなかったMike PortnoyのDream Theater最後ステージ…"The Count of Tuscany"のあまりの美しさに感動したのに…。今改めて考えてみるととても感慨深いFesだったなぁ...。
(High Voltage Festival 2010)
 入場もいい加減、スタッフ間の連携ゼロ、タイムテーブルはいい加減で出演バンド順が間違ったまま何の訂正や告知が無いまま、ふつーに進行していくという運営側は最悪というか完全英国仕様。カルチャーショックを味わうには最適のFes。しかし、サマソニ、Loud Park、そしてこのFes.と1年で3つの異なるBandで見るとは思わなかったMike Portnoy、そしてまさか急死するとは全く予想もしていなかったGary Moore…出演バンドは垂涎モノだった。また天気が良かったのが幸いだった。
(Steve Hackett with Full Electric Band)
 High Voltage FestivalではPAトラブルで可哀想な状況だったが、チッタ公演は完璧な内容の圧倒的で素晴らしいステージだった。完全現役ですよ。

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寸評
(HFMC)
 Uppsalaまで行ったんだから、極上じゃなくちゃ困るよ(笑)。後から考えると、良くも悪くも荒っぽいライブだったかもしれないけど、メンバー達はライブ慣れしているので、お馴染みのバンドを楽しむように楽しめました。「Future Past」は思った通りライブ映えするね。そしてこのバンド、絶対ライブバンド。
(Doro)
 ほんの少しだけ関わりを持ったDoroの来日ライブでした。無視することも出来たけれど、これは本当に行って良かった!メタルならではの格好良さとか、ライブの一体感を久しぶりに味わいました。Doro Peschは本当に超Cool、超タフ、超プロでした。
(High Voltage Festival 2010)
 日本でもあまりフェス参戦はしないけど、HVFの仕切りの悪さには頭を抱えました(^_^;)。でもTransatlanticの圧倒的なステージを初め、クラシック・ロックの底力を体感できたイベントでした。完全大穴はForeigner。Kelly Hansenの歌唱がヤバイくらい素晴らしかった。しかししかし、まさかこれが最初で最後のGary Mooreになろうとは…ご冥福をお祈りいたします。
(Craudio Bagrioni)
 渋谷家の「観るとグッタリするDVD」第一位は、Transatlanticを抜いてBagrioniのLiveなのだ。そんなわけで、半分ネタで行ったようなライブでしたが、本物の力量と存在感に打ちのめされて帰ってきました。曲なんか殆ど知らないのに涙出ちゃったよ。
(Maria Kalaniemi)
 Accordion Tribeのメンバーだもの、観に行かなくちゃ!Hollmerさんは、ライブでは力業でねじ伏せるような演奏だったけれど、Mariaは繊細でテクニカルでしたね。古代から時間を超えて流れてきたような、冷涼な北欧の空気を満喫しました。



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