Korean Traditional Music
韓国伝統音楽のテンションの高さには圧倒される。日本のミュージシャンとも交流が深く、今も熱いシーンであると確信する。韓国コーナーが結構煩雑になってきたので、金大煥のLiveに行った事をきっかけに取りあえずページを分けてみた。なお、純粋な意味での伝統音楽は少ないと思われるが、比較的その色が近い物をこちらのコーナーに掲載することにする。
金大煥はこちらに移動しました。
金石出/安淑善はこちらに移動しました。
☆Samulnori / Record of Changes (Rhizome Sketch RZF 1002)
'89
鬼才Bill Laswellのプロデュースによる極寒の'88/Feb./14&15、The Power Station,
NYCでの録音。この録音の前に多くの魂がこもっている俗離山で1ヶ月の山籠もりの後に臨んだものであり、スタジオレコーディングでありながら録り直し、オーバーダブいっさい無しの一発勝負にかけたもの。鬼気迫る演奏とピンと張りつめたような切れ味抜群の緊張感と相俟って素晴らしい録音となっている。実際その場に居合わせていたならばもっと凄まじかっただろうな。
☆Red Sun/Samulnori / same (Amadeo DZ 2433) '89
'89/Apr./3&4のAustriaでの録音。究極のフュージョンとも言える"Spirit Warriors"でまず度肝を抜かれること必至。エラくかっこいいのだ。Jazzと韓国伝統音楽楽器が見事に融合している。
☆Kim DukSoo SamulNori / Nanjang - A New Horizon (Nanjang
Music TE 012-01) '95
サムルノリを現代的な解釈で新たな息吹を感じさせるような意気込みを感じる力作。Red SunのメンバーWolfgang Puschnig,
Linda Sharrock, Rick Iannacone, Jamaaladeen Tacumaとの共演。Wolfgang
PuschnigによるTradをアレンジした"ToKkiIYaGi - Rabbit Story"の韓国伝統音楽とSoul
Jazz的な融合にはかなりイケていると言って良い。Linda Sharrockと安淑善の異種混合Vo.があまりにもモダンで素晴らしい。Rap/レゲエとサムルノリとの相性はあまり良くなかったが(笑)、Wolfgang
PuschnigのSaxの美しい曲、Annette Peacockが韓国の伝統音楽の中で語っているような感じの曲は何か凄すぎる。(^^;
詳細は下記:
http://www.nanjangcultures.com/
☆Kim DukSoo / Samulnori KyolJongPan (Synnara
Music SYNCD-114,115) '96 2枚組。現地では18,000Wonであった。安い。サムルノリは韓国で開催されたオリンピックにより全世界的に知られるようになった。今Samulnoriと言えばKim DukSooとなっているが、もともと農楽であったと記憶している。延々と続く打楽器が祝いを尚一層盛り立てる。首をぐるぐる回しながら踊り、一種の躁&恍惚状態の異様な雰囲気が感じ取れるため生で見た方が迫力があるが、音だけでも充分テンションが高い。とりわけ小太鼓の連打、所謂パーカッションの迫力は一聴の価値有りと断言したい。特に"三途 農楽曲"から始まるDisk2は凄まじい演奏を繰り広げている。 ☆Vangelis / Anthem (Sony Records SICP 102) '02 2002 FIFA World Cup Korea Japanの公式アンセムのシングル盤。ギリシャを代表する音楽家Vangelisの曲に金徳洙(Kim DukSoo)の鼓童が応えるスケールの大きさが魅力。1曲目はオーケストラVer.で2曲目はハウス的な打ち込みリズムが大胆に導入されたシンセVer.である。 |
Vangelis / Anthem |
☆Jakwn Koin / PyomRi ・ OJyoMyon ChoA (Oasis
ORC-1623) '81 かつてカレッジ歌謡Fes.にて優勝したバンド。インスト"ODuMik SeGe - KyonWmag"のファンキーなノリは当時としては斬新だったのかも。"AmMyonSoDo"のHR的なアレンジもなかなかのもの。歌謡Rockだけにとらわれない幅広い音楽性である。勿論演奏も安定している。リーダーのKim SuCheolが参加していたことでも有名。 ☆Kim SuCheol / The Road to HwangChon (Living Sound Productions 番号無し) '94 ☆Kim SuCheol / Best Music for Films (Living Sound Productions 番号無し) '97 ☆Kim SuCheol / Best Music for Films - 02 (Samsung Music SCO-124KSC) '97 そのKim SuCheolのソロ。「The Road to HwangChon」「Best Music for Films(サントラ盤)」は韓国トラッド音楽色が若干強い。「Best Music for Films - 02(サントラ盤)」はインスト中心の爽やかなCrossover/Popsであった。演奏は安心してきける。それぞれジャケットの雰囲気が素晴らしい。 Kim SooChulの詳細は下記: http://www.kimsoochul.com |
Best Music for Films - 02 |
☆大韓民国 国立国学院専属国学演奏団 / 韓国伝統音楽の趣 (Seoul Records
番号無し) '98 日本語のナレーション入りで韓国伝統音楽を紹介しているCD。"吹打", "寿斉天", "短簫独奏(清声曲)", "男唱歌曲(言楽)", "シナウィ", "パンソリ(水宮歌)", "サムルノリ", "民謡(オンヘヤ、臼打令、ジャジン臼打令、豊年歌、農夫歌、ジャジン農夫歌)", "玄琴散調"を収録。"吹打"は沖縄の音楽のようにゆったりとした音楽。完璧な音楽とされる"寿斉天"はまるで雅楽のよう。"サムルノリ"のシンバルのテンションの高さは驚愕である。韓国の音楽を知る上でとてもお勉強になるCDであった。(^^) |
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☆Kim Byoung Duk / Pot Concerto
(Si-Wan Records SRMKC 0001) '94 ☆Duk Project / The Old is Funny (Si-Wan Records SRMKC 0002) '94 ☆Kim Byoung Duk / New Trilogy (Si-Wan Records SRMK 0004) '95 Kim Byoung Dukのソロ&プロジェクト作。1stは韓国伝統音楽をベースにしたアンビエントでThird Ear Band風、2ndがテクニカルなBlues RockのCream風、3rdはインターナショナルを意識した変拍子Jazz Rock。作品ごとの音楽性の繋がりのなさがヘンで何がなんだか分からない凄まじさ。最初は3rdを大推薦したい。これは大穴でっせ。参加メンバーに合わせた?音楽性を追求する、Kim Byoung Dukおっさん(写真だと単なる髭オヤジにしか見えん(^^;)の凄みが伝わってくる。なお、1stはあのバンコの壺&フンカムンカ(笑)を思い起こさせるような特殊デジパック仕様。 詳細は下記: http://myhome.naver.com/dukpro/ |
The Old is Funny |
New Trilogy |
黄秉冀(Hwang ByeongGi) |
☆Kayagum Masterpieces Vol.1 (C&L Music
CNLR 2K06-2) '93 カヤグム(朝鮮半島の琴)奏者の黄秉冀。この人も優れものである。日本よりアメリカやヨーロッパで広く知られているらしい。'60sに本国韓国より先にアメリカで作品がリリースされていたそうである。本作品は純粋に近い伝統音楽である。 ☆Kayagum Masterpieces Vol.3 (C&L Music CNLR 2K08-2) '93 「Vol.1」を正統派とするならばこの作品は常道を逸脱している。"MiGung/迷宮/The Labyrinth"はAphrodite's Childの"∞/無限大"と双璧をなす曲で、Cha HongShinの声がはっきり言ってコワい。凄まじすぎて発禁物かもしれない。(^^; これは一人でカーテン閉め切った上で堪能していただきたい。 詳細は下記: http://bkh.bestmusician.co.kr/index.html |
Vol.1 |
Vol.3 |
姜泰煥(Kang TaeHwan) |
☆姜泰煥 + I.S.O. Live at 麻布十番deluxe on April/14/'01 韓国フリージャズ界で個性的な活動をしているアルト・サックス奏者ということで訳も分からず行ってしまった。この日は一楽儀光(per.)、松原幸子(sampler)、大友良英 (turntables, CD player, g.)の音響派ユニットI.S.O.との共演。金大煥のLiveは客が20人程度だったのでそういった感じだろうと思っていたが、この日は軽く50人以上は集まっていたような気がする。客層は普段行くLiveと様子が違ってアート系な人達(意味不明)が集まっていたようだ。しかし、初めて行ったこの麻布十番にあるdeluxeという場所は本当に分かり辛く、地図持参でも迷った。(^^; 会場も倉庫に近く、椅子?も脚を取っ払った大きな机のようなもので、土台が東京Aleビールの段ボールというアヴァンギャルドな展開。(笑) Liveは2部構成で行われた。前半は姜泰煥のパトカーが往来するような音を交えながら瞑想的なFreeインプロ。後半は姜泰煥の得意とする循環奏法を駆使した延々持続プレイに息をのんだ。しかしこのおっさんは胡座をかいたままの独創的な演奏であった。結局立つことはなかった。共演のI.S.O.側と言えば一楽氏のこれ以上減らす物はないという楽器構成?やノイズ用レコードを取っ替え引っ替えてノイズを出す過程を楽しんでいた大友氏(やはりレコード代えるとノイズの印象も変わるのかなぁ。オレは違い判らなかったが。(^^;)と音響派マニアにとっては満足のいく内容であったと思われる。 I.S.O.の詳細は下記: Improvised Music from Japan ☆姜泰煥/一楽儀光/内橋和久 / Clearness (最高レコード PSYCHO-0103-4) '00 上記Liveでついでに買ってきたCD-R2枚組。Disc 1は姜泰煥/一楽儀光の防府印度洋での'99/11/23のLive。Disc 2は姜泰煥/内橋和久の神戸BIG APPLE('99/11/25)と広島OTIS('99/11/24)のLive。シリアル・ナンバー付き300枚限定。DVD用のケースに入っていた。サックスであるにもかかわらず韓国の伝統を感じるような独創的な演奏で個性的な日本のミュージシャンとマッチしているような気がした。金大煥は勝手気ままに演奏するタイプだがこの姜泰煥は相手の演奏に沿った上で独自な展開を図るミュージシャンのような気がする。しかし、家できくよりも実際にLiveを見た方が良いという印象だ。EURO-ROCK PRESS Vol.7にReviewが掲載されているので詳細はそちらを参照願いたい。 |
Clearness |
☆姜泰煥 / Korean Free Jazz - Live Improvisation (Ponycanyon
Korea PCLD 00002) '88 ☆姜泰煥/Miyeon/Jechun Park / Improvised Memories (Good International
Co. GOOD 3069) '03 |
'03/Apr./6 我孫子相島芸術文化村での姜泰煥、八木美知依のLive 素晴らしい内容でした! |