9月24日
プログレッシヴ・ロック解体新書


なんかうごめいています


●●●


サウンドチェック中のHollmerさん。真剣そのもの

 今日は吉祥寺のStar Pines Cafeでのライブ。PRR主催「プログレッシヴロック解体新書」にPochakaite Malkoとと共にHollmer氏は出演した。
 前回の煩雑なセッティングを教訓にしてかHollmer氏の楽器はキーボードのみ。一応メロディオンを持ってきていたが使用しなかったし、最初からアコーディオン演奏はナシのようだ。それにしても舞台前面にキーボードがずらりと並んでいるのは圧巻である。中央にスペースが空いており、マイクスタンド2本が置かれている。なんだろう?それはすぐに明らかとなった。今日のゲストが歌う場所だったのだ。いや〜これは・・・・・・バカ?(期待大)

 TLGではステージ上のモニターの調子がかなり悪かったようで、演奏に苦労していたらしい。いままでモニターというのは何をモニターしているのか知らなかった。スタッフのえむさんに教えてもらったことには、ステージ上では周りの音はもとより、自分の音も周りに相殺されて殆ど聞こえないそうだ。指揮者が居るようなステージならともかく、モニターやアンプから聞こえる音は周りの楽器と自分を合わせるためには重要なのだな。(勿論、自身の目で注意を払うことや集中力でもって乗り切ることも大切。)サウンドチェックとは、私はスピ−カーから観客の方に出る音だけをチェックしているのかと思っていた。Hollmer氏もモニターを気にしていたようで何か注文していたが、スタッフが慌ただしく動いている会場の中で、それは届いたのだろうか?


 他の出演バンドがチェックしている間に、村本さんが持参してくれた「Hollmer史」本を見せて貰う。1969年、Samlaが1stアルバムを出した頃から1995年頃までの新聞や雑誌の切り抜きのコピーを丁寧に綴じたもの。Hollmer氏の友人、Pelle Engman(「Andetag」のジャケを描いた人)が作った貴重なものだそうな。まだCosteが加入していない1st時代の貴重なライブショットや80年代的におすましファッションをしているVon Zamla、すごい男前に映っているのに、次のページではジャック・ニコルソンのような怖い顔で映っているHollmer氏。見たことのないショットが沢山。記事はスカンジナヴィアを中心に英語、アイスランド語(?)にまで及び、解読するのは大変そうだ。想像以上に北欧圏では有名な人なんだなぁ。

村本さんお土産のもみじ饅頭を訝しげに開けるHollmerさん。→


●●●

 そろそろ会場のスタッフがテーブルセッティングを始めるようなので、私は外に出た。いつもライブ会場で出会う友人達とおしゃべりしていると、サウンドチェック後、姿を消していたHollmer氏が戻ってきた。アロハシャツを買いに行ってたとか。ははは。しかし喉の痛みをとても気にしていて、「今日は歌えない」と言ってるくらいだから相当辛いんだろう。のどスプレーも買ったようだ。頼むよヘルプ、ハンサム兄弟。


←ピアニカチェック中。使わなかったけど


●●●
 今回の客入れは混乱していた。私はDisk Unionで整理番号入りのチケットを購入していた。しかしStar Pines Cafe(以下スタパ)で購入した人のチケットには整理番号はなかった。「来た順で並んでください」と店員に言われたそうだ。へっ???

 いざ店員が会場脇の道路に出てきて「来た順で並んでくださ〜い」と言ったときには唖然。聞いてないよー!整理番号が遅かった人には福音だが、真面目に朝早く店に行って買ったんだぞ、なんだよー!・・・・・と訴えた人が多かったのか、やはり整理番号順に変更。スタパで発行されたチケットの人は一番ではないが、優先的に入れるようになった。想像だが、整理番号を振ったのはスタパではない、店かプロモーターの方で、客入れについての連絡が行き届いてなかったのだろう。ドキドキしちゃったよ、もう。
 ようやく店に入ろうと地下への階段を下りたところでもPRR側とスタパ側でかみ合っていなくて、少し混乱(怒)。


●●●

1.Head Pop Up
 初見。キーボード×2、ギター、ベース、ドラムの5人編成。キーボードの二人は楽器の持ち替えをする。サウンドチェックの時は「ちょっと変わった雰囲気を持っているバンド」という印象を持った。本番では唯一の女性メンバーが黄緑色のローブに着替えていてアヤシサ倍増。しかし終始安定した律儀な演奏。PRRの方では「ジャズロック」と紹介していたけど、個人的には「王道プログレ風味をとりいれつつ、ベタにならないハードプログレ」。ギターだけフュージョンがかってる感じ。曲によって「そして!」と合いの手が入ったり、男声のファルセットヴォイスが入ったりで色々意表をついてくる。6曲目は中だるみも感じられたが、おねーさんのハジケ具合に目が釘付けだった。わ、脇腹の辺りがほつれてますよ(^_^;)。なかなか好印象。
(追加:2002.8.29)
 マントについてですが、これはモロッコの防寒コートで、脱がなくても中に着ている服のポケットからお金などが取り出せるよう、元からスリットが入っているものだそうです。ほつれではありませんでした。真柳さん、ご指摘ありがとうございます。

●●●


勝井裕二(vln)高良久美子(per)大坪寛彦(b)
鬼怒無月(g)岡部洋一(per)
2.Bondage Fruit
 久々。最後に見たのは一昨年の11月頃だった気がする。3rdと4thの間あたりから、ブルーズ色の強いインプロが増えてきたので個人的に辛く、彼らのライブから遠ざかっていた。だってCreamとかLed Zeppelinのインプロって面白いと思ったことないんだもん。旦那のShibu曰く「あれはストーナーだから」だと。わかるようなわからないような。

 相変わらず脱力した鬼怒&勝井のMCから開始。「今日やる曲が入っていますCDは、向こうで売っています。」とセールスが中心。ギターを弾かせたら天下一品なのになぁ<鬼怒氏。逆に上手いMCをされても寂しい気もする。
 鬼のようなカッティングギターが聴ける1.も凄かったが、「6枚目に入る予定」(5枚目がまだ出てませんけど〜?)の曲3.もまた面白い曲だった。TVゲームの発射音みたいなギターの音がどんどん変容して"Recit"のようなメロディーになり、一気に祭囃子のようにリズミックなパートのなだれ込む。かなり久々に聞いた5.も文句なしのかっこよさ。

 前出のHead Pop Upはオリジナリティがあっても「日本のバンド」というカラーが染みついているように感じたが、Bondage Fruitは国籍やジャンルをなぎ倒すテンションの高さがある。2年ぶりに惚れ直してしまった。隣に座っていたおねーさん(ボンフルファンの友人に連行され、初めて彼らを観たらしい)が「すごーいかっこよかったー!!」と感激していたのも印象深かった。

09/24
Bondage Fruit

1. Storm Bird Storm Dreamer
2. Prayer
3. Piston No.1
4. 影絵が消える(kagee ga Kieru)
5. 金属の胎児 (Kinzoku no Taiji)


[previous] [next]