9月16日
続きです。


マイクをセッティング中

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 休憩中にはまぞおさんと立ち話。「アメリカがいつ戦争を仕掛けるか」という重い話題に。戦争が始まって、傷つき倒れるのはブッシュでもビンラディンでもない人間なのだ。できるなら開戦だけは避けて欲しい。

 第二部は、前回の公演でも演奏された"Hoppas Att Det Går"で始まった。清水の弾くキーボードの「ボフ」といった感じ音色が、朴訥な曲の感じと相まっていい味を出していた。前回とアレンジが変わっているようだ。

 "Trampumpa"はSOLAの為に書かれた新曲。たまの知久さんから借りた足踏みオルガンがここで登場した。前半は馬が小走りするような軽快さ、後半はHollmer節全開の哀愁のメロディーとフリーキーなソロタイムが好対照。チェロまたまた大暴れ。これはいい曲だなぁ!新譜にますますの期待。

 MCと深呼吸を交えて、気分を落ち着かせたら"Jap Bonus"。「Kaka」日本盤のボーナストラック"M Agejev"の終盤部分をリアレンジしたものだと思う。日本と言うよりは中華風なヴァイオリンのメロディーがとても美しい。伏見はマンドリンとギターを交互に演奏していた。投げやりなタイトルは仮の名だと思いたい。

 "Eyeliner"はHollmerファンならかなりお馴染みな曲。グロッケンが可愛いんだよね、大好き。(感想じゃないな(^_^;)。もう少しゆったり演奏してくれても良かったかなぁ。
 続く"Pas du Valse"はインプロ風のスタート。この曲もかなり速くてHollmer氏自身が「(キーボードの)左手のフレーズが速くて追いつかないんだ」と言っていたほど。途中メロディーがすっぽ抜けたり繰り返しを間違えたり、かなり怪しかった。去年の演奏がキマっていただけに残念だった。
 "Ljuva Lägen"もSOLAの新曲。ピアノだけのオープニングからグロッケンやヴァイオリンが静かに絡む。今までのHollmerの曲にはない不思議なホワンとした雰囲気。一筋縄ではいかない展開があるのは相変わらずだ。ストリングスの音色を想定して作った曲だと勝手に推定する。





 "Samma Zanzibar"は"Eyeliner"に負けないくらい可愛らしいが意外とハイスピードな曲らしく、演奏してる方は大変そう、でも楽しそう。シンバルの刻みが小気味いい。

 Hollmer氏の曲紹介とメンバーの咳込み、吉田のカウントで始める"Experiment"。何度聴いても変な曲(笑)。こう言うのを真面目にやるのがスウェーデン人だと思う。

 総ての世代に捧げる"Nationjazz"はメロディーだけ聞いているとあまりスピードを感じないのだが、大変速いのでちょっと崩壊気味(^_^;)。途中で本当に崩壊して、仕切直したのが「わざと」だったらそれはそれですごいような気がする。わざとですよね?ね?

 "Novelty"は「美しい」というのが安っぽいくらいにメロディーとハーモニーが素晴らしかった。ロマンティックですらある。目を閉じると、どこまで抜けるような青い空。イマジネーションがどこから湧いてくるのか、とてもHollmer氏の風体からは想像できないのである(かなり失礼)。

←ヴァイオリンをはじめ、色々小物が忙しかった向島さん。酒好きのナイスなおねーさん


 去年チェロから火花を散らすグラインダー・パフォーマンスが話題になった"Plinga"、今回はさすがにナシ(聞いた話だと、予定はあったらしいです)。デジカメの電池を交換してまで待ちかまえていたのになぁ(笑)。

 "Samma Zanzibar"を夏に例えると"Plinga"と次の"Arp. Violin"は冬の曲だろう。ヴァイオリンのサンプリングで始まり、ギターのヘヴィなフレーズとヴァイオリンの美しい音が絡む重厚な曲。その上にのるメロディオンの旋律がいかにも物悲しい。今回の来日記念限定CD「Autokomp a(nd) More」にも収録されていた曲だが、ライブで聴く方が魅力的だ。

"Nationaljazz"で歩き出すHollmerさん
号令は顔で分かる→


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 Hollmer氏のメンバー紹介の後、いったん全員舞台から引っ込む。伏見「ホタル」になってましたけど。わはは。

 アンコールがかかると、舞台後方のカーテンからなかなか出れないHollmer氏がモコモコしながら登場。「"Inte Quanta"のinteはnotの意味でNot Quantaだ」と説明していたけど、Quantaって何?舞曲?私の聞き間違い?(追記:キューバの有名な曲らしいです)
 さて曲を始めようにも清水がいない。「Kazuto has disappeared」と言われてしまう。清水は何かを探していたようで、遅れて登場してきた。

 サクッと演奏して、次は"Now"。この曲は前回よりやや抑えめのアレンジ。本来ここで再びクライマックスが来ていい曲なのだが、主旋律のパートが落ちてしまっていたり、数え間違えがあったりして、浸りきれなかった。正確なのが第一!とは言わないけど、アルバムを体に染みついてしまうほど聞き込んでいると「他はいいけどここだけは決めて欲しい!」ポイントがあって、そこがちゃんと聴けないと気持ちが収まらない。好きな曲だけに残念その2だった。だからといって今日のバンドの技量が足りなかったとは思わない。相変わらずヴァイオリンの音色は泣けるほど美しかったし、ドラムの刻みはタイトでクールだった。なんというか、呼吸とか流れとか、そういうモノが合わない日だったのかもしれない。
(個人的な感想です。「なんだよ、良かったじゃないか!」と思っていた方、気分を害したらごめんなさい。)

 最後に、去年も挑戦した難曲"Parallell Angostura"がやって来た。14日のリハーサルでもかなり練習していたので、さすがに去年よりタイトな演奏でホッとした。アルバムで聴いた時は流していたのに、ライブで聴くと力強さにグっと惹きつけられてしまう。ミュージシャンの息づかいが感じられるライブならではのこと。

 何度か「うん?」と思った場面があったが、舞台上のミュージシャンがとても楽しそうに演奏していること、新曲の出来が想像を遙かに超えて良かったことが何よりの収穫だった。これからレコーディングを控えている彼らなので、他の曲はあまり練習できなかったのかもしれない。SOLAはまだ生まれたばかりのバンド。Hollmer氏の旧曲もいいけどSOLAの未来の曲をもっとより多く聴けるよう、活躍を期待する。


やっぱり椅子に邪魔された(泣)。
手がビヨーンと面白く撮れたんだけど

09/16
Lars Hollmer:
(第二部)
1. Hoppas Att Det Går
2. Trampumpa(新曲)
3. Jap Bonus
4. Eyeliner
5. Pas du Valse
6. Ljuva Lägen(新曲)
7. Samma Zanzibar
8. Experiment
9. Nationsjazz
10. Novelty
11. Plinga
12. Arp. Violin

--アンコール--
13. Inte Quanta
14. Now
15. Parallell Angostura



お疲れさまでした



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