Coroner

スイス産Technical Thrash Metal Trio

参考記事:
BURRN! 1993/9月号
Marquee '90/034号、'91/036号

☆Punishment for Decadence/No More Color (ビクター VICP 50) '90
 私の大大大好きなスイスのTechnical Thrash Metal Trioの'89の傑作中の傑作3rd「No More Color」にScott Burnsがミックスで参加、レコーディングも天下のMorrisoundだったことを今更ながら発見!(^^; 懺悔を兼ねてCoronerの小特集をする。

 この盤は'88の2nd「Punishment for Decadence」とのカップリング盤。
 「Punishment for Decadence」のジャケットはロダンの「地獄の門」。この作品はまさに「地獄の門」のイメージ通りの作品で暗い。やかましくも隙間を埋め尽くす息苦しさとリフの応酬、そして"Arc_Lite"のインスト等々クラシカルな展開がたまらない。Jimi Hendrixの高速"Purple Haze"のカヴァー収録。確かドイツ盤は著作権の問題があったのか分からないがジャケットが異なる。
 「No More Color」はThrash Metal界に燦然と輝く傑作。まず最初にきくならこれだろうね。ベイ・エリア系Thrashの明るさと正反対の欧州の暗さと重厚さの調和が素晴らしく、今きいても興奮する。Coronerの魅力の一つとして挙げるならば、隙間さえあれば音をぶち込む根性と、この種の音楽性では意外な様式美的展開が調和したときの快感にあると私は見る。トドメの"Last Entertainment"で鳥肌立たない人はMetalから足を洗った方が身のためだ。(^^;

☆R.I.P. (Noise N 0075 : LP)
(Noise N 0075-2 : CD) '87

 驚愕の1st。スイス出身でしかもトリオだったというのもマニアの心を掴んだ。複雑にユニゾン&絡みを入れつつ疾走していくThrash Metalである。曲の出来のムラもあるが今後に非常に期待が持てる作品だった。とにかくリフが細かい。お薦めは"Reborn Through Hate", "Fried Alive"。なお、"Spiral Dream"はデモ時にゲスト参加していたCeltic FrostのT.G.Warriorが作詞としてクレジットされている。最近Thrash Metal Legend Series第30弾として解説付き直輸入盤としてCD再発されていた。

☆Mental Vortex (Noise 0-3612-44836-2) '91
 問題作と言われている本作4thであるが、実は彼らの作品で最も好きな作品なのでした。何せ'90sの21枚に入っていますから。この引きこもりの音の塊はハマったら抜け出せない程の中毒性。再評価願いたい作品。深いよ。"I Want You"はThe Beatlesのカヴァー。なおミックスはMorrisoundで行われている。

☆Grin (Noise N 0210-2) '93
 元々Marquis Marky(Ds.)がファンだったDAFやKraftwerkの影響を素直に出した作品。従ってMetalマニアよりもメカニカル系ジャーマン・ロック・マニア向けの作品。私は結構気に入っていたが、この頃からファンが離れ始めていったのも事実。10年以上経った今こそ再評価の時であると思う。とても人間業とは思えないマシーン化したDs.。ここまで閉じた音は興味深い。"Internal Conflicts"の何とカッコイイ事よ。彼らはモダン・ヘヴィネスの先を行っていたね。
 BURRN!1993/9月号にCoronerのブレインMarquis MarkyのInterviewが記載されている。今読み返してみても非常に興味深い内容。音楽性や表現する世界について共感を思えるバンドはVoiVod, Einsturzende Neubauntenだそうだ。Death, Obituary, Young Godsも好きだと明言していて面白い。
 2nd以降のジャケットで統一している帯のような物は、まさに日本盤の帯からヒントを得たものらしい。ただ、この「Grin」のジャケット、バリ製の操り人形をCGで手を加えたらしいがあまり良い印象はないなぁ。

☆Coroner (Noise N 0212-2) '95
 新曲を含むベスト。強烈なキャラクターを放つRon Royceが引退してしまった今、Coronerの歴史はこれにて閉じたと言っていいだろう。Marquis Markyはその後Apollyon Sunなどの活動へ移行、Tommy T.Baronは現在は既に脱退しているがKreatorへ。才能のあるバンドだったので非常に残念。


☆Die by My Hand (Noise N 0138-6) '89

 クリア・ビニールのプロモMaxiシングル。B面は"Tunnel of Pain"収録。




☆V.A. / Doomsday News 2 (Noise International FW 44451) '89
 Watchtowerなど収録されているTechnical Thrash強力オムニバス盤。Coronerは"Hate, Fire, Blood"を収録。

☆V.A. / Doomsday News III - Thrashing East Live - (ビクター VICP-8032) '90
 ベルリンの壁崩壊後、'90/Mar./4thに東ベルリンのWerner-Seelenbinder-Halleで行われた歴史的Liveの模様を収録。出演はKreator, Tankard, SabbatそしてCoroner。Coronerは"D.O.A.", "Absorbed", "Read My Scars"を収録している。完璧な演奏力に脱帽。

☆No Return / Psychological Torment (Wotre Music Distribution WMD 772089) '90

 プロデュースがMarquis Marky。No Returnについてはここを参照。

☆Clockwork / Clock Work (番号無し) '95
 Tommyが参加していたプロジェクト。シリアルNo.入り特殊ジャケ仕様。このプロジェクトはMekong Delta(祝!再始動)などで知られるPeter Haasのプロジェクトだったようである。参加の理由は今となっては定かでないが、Coronerのベスト盤で一部Peter Haasが参加しているのが関係しているような気がする。Clock Workはその後見かけないためこの一作で無くなった物と思われる。リフが特徴的な変なModern Heavy Metal。かっこいいぞ。見つけたら即ゲットする事。
詳細は下記:
http://www.peterhaas.ch/

☆Apollyon Sun / God Leaves (Mayan Records MYNCD 1) '98
 Coronerの後Marquis Marky(Marky Edelmann)とCeltic FrostのThomas Gabriel Fischerが立ち上げたプロジェクトのミニ・アルバム。後期Coronerの音楽性を推し進めていったようなマシーン化した病的で不穏な世界を描き出している。マニア向けかもしれないが、一聴の価値有り。ハマる音かも。

☆Apollyon Sun / Sub (A Never Records NR 4521) '00
 凶悪なインダストリアル系ミュージック。カルトだ。その後も活動中らしいがWebにはMarkyの姿が見えない...。
詳細は下記:
http://www.apollyonsun.com/


Clockwork / same


Apollyon Sun / God Leaves


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