Grotesque (Sweden)

☆Grotesque / Incntation (Dolores Records DOL 004) '90
 変拍子を取り入れた北欧Death Metalの祖的存在。暗黒闇のHeavy Rock。正に当時の衝撃作であった。当時この45回転ミニLPを入手するためマニアはいろんな手を尽くしていたようである。DoomパートとBrutalなパートを織り交ぜた黎明期の北欧アンダーグラウンドDeathシーンの頂点に位置した作品。なお、最近CDで再発された。

Tomas Lindberg - Bass and Vocals
Alf Svensson - Guitars, Bass and Keyboards
Kristian Wahlin - Guitars and Keyboards
Tomas Eriksson - Session Drummer
Alf Plays All Bass on This Recording
Except "Submit to Death", "Blood Runs from The Altar" Bass by David Nuctemeron




☆Liers in Wait / Spiritually Uncontrolled Art (Dolores Records DOL 007) '92
 Ex.GrotesqueのKristian Wahlinが中心になり結成したLiers in Waitのデヴュー・ミニ・アルバム。プロデュースは数々の北欧Deathを手がけていくことになるTomas Skogsbergで、レコーディング場所はこれまた数々の北欧Death Metal Bandが名作を排出していったSunlight Studioである。ゲスト・ヴォーカルとしてTherionのChristofer Johnssonが参加。トリオ編成ながら当時の北欧Brutal Technical Death Metalの最先端を行っていたサウンドとしてマニアの心を捉えた逸品。なお、Kristian WahlinはCeremonial OathのTomas JohanssonとともにDecollationにも参加している。DecollationについてはOsmoseレーベル特集の項を参照。
Therion, Crystal Age



☆Crystal Age / Far Beyond Divine Horizons (IRS CD 989.506/VIC-2) '95
 Liers in WaitのベースであったHans Nilssonが参加。こちらもBrutalな作品であるがLiers in Waitよりもメジャーよりの作品である。(?)
 Brutalなリズムの中から突如メロディアスなギターが被ってくるため当時メロディック・デスが盛り上がりつつあった時代背景を感じさせる。5つのセクションに分けられたトータル作品。なお、リード・ギター&ヴォーカルのOscar DronjakはEx.Ceremonial Oathである。Ceremonial OathについてはTiamatの項を参照。

Therion

☆Of Darkness (Deaf Records DEAF 6CD) '92
 その昔、Power Rock Todayでザリオン(多分The Rionと政則氏は勘違いしたのだろう(^^;)と言われながら真っ黒のミニLPの中からひでぇメタルとして紹介されたが、結局入手せずに終わってしまった。残念。この作品は記念すべき1stである。DoomyなDeath MetalでどっぷりとC級。しかも醜い音質である。(笑) 但し、プロデュースはTomas Skogsberg、録音はSunlight Studioと北欧Death必須条件を満たしている。

☆Beyond Sanctorum (Active Records CDATV23) '92
 2nd。音質は若干(ほんと若干)向上してステップ・アップ。実質この作品から本格的なChristore Johnssonの北欧Symphonic Death Metalが始まった。"Symphony of The Dead"におけるKey.と女性Vo.の使用とブラスト・ビートの交錯、オペラティックな女性Vo.を効果的に挿入した"Paths"が以後北欧Symphonic Deathシーンの基礎となり計り知れない影響力を与えた。
 なお、CDでは"Tyrants of The Damned"のBonus Trackあり。その他Cover IllustrationはEx.GrotesqueのKristian Wahlinであった。

☆Symphony Masses Ho Drakon Ho Megas (Megarock Records MRR 002) '93
 変な世界を確立した3rd。初期の傑作と言って良いだろう。べたっとした軽い音質がいかにもといった感じであるが、この作品は是非とも変態癖マニアは抑えておくべきアルバムだ。個人的にはTherionといえばこれが一押しである。この作品もCover IllustrationはEx.GrotesqueのKristian Wahlin。

☆The Beauty in Black (Nuclear Blast NB 125-2) '94
 4thに先駆けてリリースされたミニアルバム。Berlinで録音された。いきなりのオペラ的なシンフォニック曲"Arrival of The Darkest Queen"の幕開けはショッキングであった。タイトル曲はBURRN!誌'95/10のChristofer JohnssonのInterviewによると前作「Symphony Masses Ho Drakon Ho Megas」のために書かれたものであったがコマーシャル的すぎるのとオペラ・シンガーを雇うだけの予算がなかったため今回に持ち越した形になったと語っている。今作では予算がとれたため実現した模様だ。(^^; 音質も以前に比べると格段と向上したため最大限の効果を上げていると思う。メジャーへの第一歩として評価は高い。一方Death MetalマニアはTherionに見切り始めていたことも事実である。"The Beauty in Black", "Evocation of Vovin"のソプラノVo.を担当しているのがClaudia Maria Mokri。あのCeltic Frostの名作「Into The Pandemonium」のゲストVo.で参加していた人物である。なお、TherionはCeltic Frostの「To Mega Therion」から拝借したとChristofer Johnssonが語っている。
Celtic Frost

☆ Lepaca Klifoth (Nuclear Blast NB 127-2) '95
 4th。「Lepaca Klifoth」はヘブライ語で「闇の意識、自然、宇宙への扉を開く」という意味だそうだ。Claudia Maria Mokriはミニアルバムに収録されていた曲と"Black"に参加している。なお、この作品にはChristofer Johnssonが敬愛するCeltic Frostのカヴァー"Sorrows of The Moon"が収録されている。


☆Carbonized / Disharmonization (Foundation 2000 FDN 2006) '93
 2nd。TherionのChristofer Johnsson、Ex.Entombed、Therionにも参加したLars Rosenberg、後にTherionに参加したPiotr Waerzeniukと今から思えば結果的にTherionの別プロジェクトと言って良いだろう。但し音楽性はTherionのようなシンフォニック性は薄く、ポジパン&New WaveにDeath的アプローチを取り入れていた妙なサウンドである。プロデュースはTomas Skogsberg、レコーディングはSunlight Studioにて行われ、クレジットによると3日で録音されている。


☆Celtic Frost / Into The Pandemonium (Noise International N 0065 : 原盤) '87
                       (Vap 35184-25 : 日本盤) '87

 Celtic Frostと言えばこの作品であろう。日本ではこの作品がデヴュー作。メラメラとした暗黒さがBoschのジャケットと相乗効果を上げている中期の傑作。プリミティヴなテクニックでありながらも妙な音をふんだんに盛り込んだ超個性的でアヴァンギャルドな雰囲気。この作品には並々ならぬオーラがある。ポジ・パンのThrash Metal版か?後にTherionに参加することになるClaudia Maria MokriのVo.も素晴らしい。この突如変貌の裏にはDs.のReed St.Markによる影響が大きい。というのもMETALLION Vol.3の彼のInterviewにおいてこの作品の指揮、部外の人にアレンジを手がけて貰った譜面説明などは全てReed St.Markであったことが語られているからだ。


☆At The Gates / Terminal Spirit Disease (Peaceville VILE 47 CD) '94
GrotesqueのTomas LindbergとAlf Svenssonらによって結成された北欧メロディック・デスの先駆け的存在。この3rdではAlfはLetteringで協力しているが既に脱退している。安定した演奏が繰り広げられており、当時は随分と話題になった名作。時折入ってくる哀しげなアコースティック・ギターとYlva WahlstedtのViolinの侘び寂びの世界は見事である。ラスト3曲は何故か客入りが寂しい(^^; Liveを収録している。なお、At The Gatesは4thをリリースし喧嘩別れにて解散。
The Crown, In Flames



☆The Crown / Crowned in Terror (Victor Special Sampler CDS-1267) '02
 新作にTomas Lindbergを迎えたThe Crownの「Crowned in Terror」('02/4/24)のアルバムに先駆けて日本のレコード会社が企画したスペシャル・サンプラー。予算が限られているMetalマニアにとっては大変ありがたい。Arch EnemyのLive時に会場で配られていたようであるが、Disk unionでも置いてあったため今のところ我が家に2枚ある。(笑) 平均点は充分クリアしているものの残念ながら突出した曲は無かった。もう少し重厚な音作りでも良かったかも...。



☆In Flames / Lunar Strain (Wrong Again Records WAR 003) '94
 メロディック・デスの傑作。"Behind Space"は当時の北欧メロデスの名曲として輸入盤マニアの間では話題沸騰だった。またTradのアレンジも大胆に導入され、Kebnekajseの2ndでも有名なSwedish Trad曲"Hargalaten"。この曲のViolinはAt The Gatesでもゲスト参加していたYlva Wahlstedtであり、Goodなアレンジである。Dark TranquillityのMikael StanneがゲストVo.としても参加している。但し、'99のChildren of Bodom/Synergy/In Flamesのカップリング来日公演では個人的には人気の高さに伴うような実力が感じられず、しかも肝心なフレーズがサンプリングだったので落胆した記憶がある。北欧でありがちなLiveに不慣れであることが暴露された。
Dark Tranquillity

Dark Tranquillity

☆Trail of Life Dacayed (Guttural Records 番号無し) '92
 彼らのデヴュー作でメキシコのGuttural Recordsからの1,000枚限定7inch EP。メロディック・デス・メタル黎明期にリアルタイムでたまたま入手できたが今となっては入手は残念ながらかなり困難であろう。Dark TranquillityはIn Flamesと関係が深く、Michael StanneがギターとBacking Vo.で、一時的にIn Flamesに在籍していたAnders Jivarp(Ds.)がいる。収録曲はSide A : Midwinter (Intro) 〜 Beyond Enlightenment、Side B : Void of Tranquillity。音質は言うまでもないが劣悪。勢い一発的なサウンドであるため、Dark Tranquillityのカルト・マニアだけにしかお薦めできない資料的作品。
☆Skydancer (Spinefarm Records SPI 16CD) '93
 記念すべき1st。リズム隊が少々弱いがIron MaidenをDeath Metalよりにしたサウンドが当時では大きな話題となり、In Flamesとともに北欧メロデス・シーンの先駆けとなった作品である。注目曲は"Crimson Winds"、トラッド風味の曲に女性Vo.のAnna-Kajsa Avehallの重なり具合が実にいい"A Bolt of Blazing Gold"であろうか。

☆Of Chaos and Eternal Night (Spinefarm Records SPI 23CD) '95
 日本盤1stにボーナスとして収録されたミニ・アルバム。大分リズム隊が安定してきて成長していることが分かる作品だ。"Away, Delight, Away"のギター・メロディーはまるでIron Maidenである。

☆The Gallery (Osmose Productions OPCDL 033) '96
 Osmoseへ移籍しての2nd。10inch大きさの特殊パッケージでもリリースされ、それには"Sacred Reich"と"Bringer of Torture"のBonus Tracksが入っている。この作品からMichael StanneがVo.になった。タイトル曲"The Gallery", "...Of Melancholy Burning"がききどころか。Cover IllustrationはKristian Wahlin。

☆Projector (Toy's Factory TFCK-87186) '99
 Osmose ProductionsからCentury Mediaへ移籍後第1弾の4th。日本盤は初回限定スペシャル・パッケージとステッカーが封入されていた。Mikael Stanneがスクリーム決別宣言したことでマニアの間では論議を醸し出したことでも有名。結局次作で優柔不断だったことが判明したが。(^^; 北欧独特の哀愁を醸し出している"There in"、女性Vo.を効果的に演出している"Undo Control"は雰囲気抜群。また、作品全体がクリーンなイメージに覆われた大人の味わいが感じられるものであり、新たなファンへの開拓として成功していると思う。私は'99の来日公演を見に行ったが、残念ながら同じような曲調が並んでいたため中だるみが感じられLive慣れしていないことが印象に残っている。作品自体のクオリティにLiveが追いついていないのは事実であり、この辺がこれから大きく飛躍するかどうかがの鍵を握っているような気がする。
 なお、この作品から参加しているKey.のMartin BrandstormはTiamatの'02/3の欧州Tourに参加した模様。Dark Tranquillityよりも合っているかも?(^^;



☆Luciferion / Demonication (Listenable Records POSH 007) '94
 Dark Tranquillityの「Projector」制作後ベースとして参加したMichael Nichlassonが当時ギターとして在籍していたLuciferionの1st。Michael Nichlassonはあと2ヶ月したらミュージシャン稼業から足を洗うつもりのところでDark Tranquillityから参加誘いがあったらしい。世の中どう転ぶのか分からないところが面白い。実はMickeはLuciferionの他にもいろいろなBandにヘルプなどをしており一時的にLiers in Waitにも参加していたようである。
 Luciferionは高速Brutal Death Metalであるが時折メロディアスな展開をするため一般的なHMでもギリギリきける範囲であろう。(^^; 私は当時この切れ味抜群のDeath Thrash的な音が気に入り、きき込んでいた記憶がある。今きくと音が軽いけどね。



☆Diabolique / Butterflies (Necropolis Records NR044) '00
 PercussionにてJaime Salazarが参加しているのでTFK絡みのコーナーに入れるべきであるが、ももが拒否したのでこちらに特別に追加掲載とする。(笑) Kristian Wahlinがg.&Vo.&Key.&ジャケットと大活躍しているDiabolicのミニ・アルバム。Gothic / New Waveよりのサウンド。"Losing You"なんかきいているとRideを思い出してしまったりして。ジャケット同様美しい音であるが、淡々としてBGMに流れてしまうような音なので、もう少し緩急が欲しい気がする。その点を除けばクオリティは高いよ。