5月下旬、いつものようにネットサーフィンをしていた。そしてMOONSHINE DREAMER'S WORLD (http://www1.odn.ne.jp/~cam83420/) にてJohn Lawton驚愕の来日告知を見て我が目を疑う。John Lawtonは海外に行かない限り見ることは出来ないと勝手に思いこんでいたので、何かの間違いだろうと思った。信じろと言うのが土台無理な話である。(^^; そうこうする内に来日スタッフの方数名、友人などから次々メールが何故か私の所に立て続けに入ってきて、やっと信じて良いのだろうかと思い始める。
あれよあれよという間にチケット(左画像)と「John Lawton & Steve Dunning / Steppin' it Up」プチ日本盤仕様CDが我が家に届き、本当に来日するんだという実感が高まる。しかもチケット、当日万一会場に来られなかった場合には料金は払わなくても結構という太っ腹企画であったことにも驚いてしまった。
熱心なファンの活動とは言っても宣伝には限界があり、私は結局Webの他にbeatleg Vol.25くらいしかLawtonの来日についての告知掲載を見なかった。もしかして関係者10人、一般ファン30人くらいのこぢんまりとしたLiveになるのではないか?と危惧していた。また7/20のイベントはロクに英語話せないことだし、ちょっと高すぎることもあって敬遠しちゃったし。よって旅費はペイできないだろうと思っていた。それでもLawtonが来るのは観光主目的Richard Sinclair状態(意味不明)かと懐疑的だった事は否めない。後日ノーギャラ、ファンを思っての来日であったことを知り驚いてしまう。
7/20、新宿レコード (http://www.mmjp.or.jp/shinjuku-rec/sjk/) には早速Lawtonの来店写真が掲載された。本当に来日したのか!と実感する。(笑)
で、その写真を見て私は不思議に思う。Lawtonの胸下横2カ所の水濡れ?は一体何なのだろうか?首筋は汗だとしても胸下横2カ所は猛暑のためペットボトルを2つ抱えたときに濡れたのだろう、キリンラガー・ビールを片手にしているフォトもあることだし...。いくら観光を兼ねて来日(動く姿を見ることが出来るだけで万々歳だった私はLive内容はこの時点では正直言ってあまり期待していなかった。m(__)m)したとはいえこの猛暑の中ご苦労な事だと思った。
スタッフからLawton来日直後に7/21はリハ終了後会場を開放するとのことで4時過ぎに行けば写真&サインが貰えるかも?とのメールを頂き当日4時過ぎに恵比寿のGuiltyに向かう。この日も外は尋常じゃない暑さ。LawtonのLiveがなければ決して外に出歩かない時間帯である。団扇を持って行って正解であった。(^^; やっとの思いでGuiltyに到着。Guilty内部はこれが尋常じゃない寒さ。私はこれは暑さに参っているLawton仕様に合わせているに違いないと思った。最初は気持ち良かったものの、そこでも団扇を仰ぎ過ぎたためかちょっと具合が悪くなってしまった(馬鹿)。お陰でドリンク代飲まなかった分、損してしまった。(苦笑)
案の定その時点でのスタッフの他、一般ファンは5人。まぁこんなものだろうと思った。おまけにLawtonはリハの後余りの暑さでシャワーを浴びるために現在Hotelに戻っているとのこと。この時点で私はサインを諦めた。まぁ見られるだけで良いと思っていたのでさほど個人的には気にならずボーーーと開演まで椅子に座っていることにした。開演時間が迫るに連れ、驚いたことに会場に人がどんどん集まってきた。中にはどう見ても50歳をゆうに超えたような人もチラホラと散見する。結局会場はほぼ満杯になった。これには本当に驚くと共に感動してしまった。熱心な人がこの場に集結!期待が高まる中でUriah Heepのカヴァー・バンドSteerforthが登場してLiveが始まった。
まず、"The Magician's Birthday" (Intro SE)からちょっとアマチュアっぽい繋ぎ(失礼)から"Poet's Justice"へという展開からスタート。私は勿論Steerforthは初めて見るし、正直あまり期待もしていなかったが(これまた失礼)実に安定した演奏に感動した。特にDs.の安定度は素晴らしく、後日元スターリンに居たことのある人だったらしく納得した次第。このバンドは女性Vo.でありパワフルで伸びのある声量が特徴であったが気合いが入りすぎているためか正直ちょっと力み&空回り気味であったことは否めない。しかし熱心なファンが集まったカバーバンドとしては一般リスナーがきくのにも充分な内容であったことは確信する。立て続けに"A Year or a Day"を演奏。演奏が終わり徹底的な英語MCで驚く。そんなに日本語って格好悪いかなぁ?予想通り会場に居た人でどれだけ英語を理解できた人がいるか疑問の反応が。私は一応このレベルはOKであったが...。(^^; 次に"Tears in My Eyes"。ちょっとコーラスは恥ずかしかったかな。もっと自信を持ってやったら良かったのにと思った。'70sギターサウンドはGood。煽り立てるDs.はパワフルでVery Good!。■ ■ ■ 空振りに終わった英語MCに引き続き(^^; そしていよいよJohn Lawtonが登場! "Look at Yourself"。56歳とは思えない実に声量とパワフルで良く通るVo.に圧倒!これは凄い。舐めてかかってくるのではないかと思った自分に猛反省。バンドの演奏もLawtonに応える。Lawtonも実はカバーバンドの実力には半分懐疑的だったのかも知れないが、これはどちらも真剣勝負であることがオーディエンス側にも充分に伝わってきた。
そしてSteve Dunningも加わり"Sympathy"!自然と涙が込み上げてくる自分を何とか抑えるので精一杯。しかも何よりLawtonがこんなに歌える状態であったことが非常に嬉しい。Steve Dunningのコーラスも素晴らしい。至福の喜びであった。続いてマニアックな"The Hanging Tree"。前日は"Been Away Too Long" (from The Album 「Firefly」)をやったようで、個人的にはこっちがききたかったがこれは贅沢というものである。しかし歌がすこぶる上手い。生を見ると尚更。Heepの公式Live盤よりもずっと良い印象である。HR界でブルージーでここまで声が通りパワフルなLiveを披露したVo.として記憶しているのはPaul Rodgersか若い系(^^; ではThunderのDanny Bowesくらいであろうか。
続いて"I'm Alive"の軽快なHRナンバー。「Fallen Angel」の中では実に気持ちが良い曲である。Ds.のプレイがここでも光っていた。
次はエナジー・ドリンク(アミノ・サプリ)で補給後"July Morning"。冒頭の歌詞を"Tokyo Evening"に代えての大サービスぶり。個人的にはやらなくても良かったが、それだとHeepファンは納得しないだろう。最もこの曲の最高音域のキーをちょっと下げ気味に歌ったがオリジナルがByronのVo.であるからして、さして問題ではないだろう。(^^; "July Morning"終了後、Lawtonは客席はエアコンが効いていてステージは効いていない、不公平だと言っていたが、満員になっていた状態なのであれだけ寒かった会場もいつの間にヒート・アップしていたので余り変わらなかった気が。しかし、ここで私は新宿レコードでのLawton胸下横2カ所の水濡れ?の謎が氷解した。何と、胸下の窪みと出っ張った腹に挟まれ、そこに汗が溜まっていたのである。これはちょっとショック(爆)。
Steve Dunning & John Lawton |
問題の汗じみ(^^;) |
続いて"The Wizard"。イントロはアコースティック・ギターがベターであったが機材の関係上か実現していなかったのが少し残念。途中客にコーラスを歌わせたのであるが、女の子だけ歌ってというのに野郎が歌ったりしてつくづく英語がダメダメ状態。Lawtonはギャグととらえてくれたのか甚だ疑問だが、日本人のヒヤリングの弱さは滞在中で理解したことと思う。(苦笑) 立て続けに"Stealin'"を演奏し、あっという間にSteerforthとの第1部が終了。実に素晴らしいLiveであった。
興奮が冷めないまま今度は汗だくのグレーのランニング・シャツから白シャツに着替え、コカ・コーラ持参で再登場したLawton。新作「John Lawton & Steve Dunning / Steppin' it Up」を中心に2人だけのアコースティックLiveの幕開けだ。まさかこんなに歌うとは思わなかったので嬉しい誤算であった。Lawtonはハーモニカを吹きながら"Still Payin' My Dues..."。あくまでサポートに完全に徹しているもののSteve Dunningのギターと的確なコーラスが素晴らしい。それからLiveは実にアット・ホームに進んでいく。そして"Feelings"。「Uriah Heep / The Magician's Birthday Party (DVD)」で見られたようにLawtonもアコースティック・ギターを持ちながら感動的なまでに歌い上げる。個人的に今回の「Steppin' it Up」の中においてこの曲の収録は大正解だったと思う。"Tonight"のバラードもLawtonの歌が冴え渡る。余りの上手いVo.に息をのむ。ここでかなりLawtonはリラックスしてきたのかタバコを要求。結局ファンから貰うことに。(^^; そして今作のハイライトの一つ"Firefly / Come Back to Me / Firefly"。情熱的にそして感動的に歌うLawton。自分の涙腺のゆるみを押さえるのがやっと。
続いて今作のために書かれた"Don't Kill The Fire"。初期Heepのような湿った雰囲気がGood。
次は名曲"Wise Man"。コーラスをファンと一緒に歌いLawtonは本当に幸せそうだった。最後はマイクを外し生声で!唱いきった。これには震えが止まらなかった。もうワシ失禁するかと思ったね。
そして、とうとう"Burning Ships"!まさか生でLucifer's Friendの曲をきくことが出来るなんて夢にも思わなかった。実に素晴らしい声に言葉を失ってしまった。もう泣けちゃったよ。
次は「Stepping' it Up」には収録されていなかったので意外な選曲であった"Starlight Angel"。これはバンド形式の方が映えるように思った。
続いて"Shoulder to Cry on"。これは「Stepping' it Up」の中でのもう一つのハイライトと言って良いLawtonの声を生かし切ったSteve Dunning作曲の名曲である。Liveでも素晴らしい演奏と歌であった。実にシビれたねぇ。
再び途中からSteerforthと更に主催者(たーさん)がステージに上がり"Lady in Black"。途中とんでもない日本語の歌をきかされてしまう。Lawtonは日本語を完全に誤解しているかも知れない...。まぁ、必要悪ということで...。(笑)
アンコール前、常に今までひょうきんに振る舞っていたLawtonが突然MCで言葉が詰まる。...Lawtonが泣いていた。私はここでLawtonという人の温かさを感じた。多分どうなるか分からない状態で乗り込んできたに違いないLawton、日本にこんなにファンが居たとは正直来日するまで信じていなかったのだと思う。しかし、ファンの情熱が彼をここまで動かすことになったのである。彼の初来日は今後きっと彼/ファンとも心の支えとなっていくに違いない。エンディング"Easy Livin'" でとうとうLive終了。最高のLiveであった!■ ■ ■ Live終了後、ファンへのサイン/写真会へ。とうとう私の昔からの疑問が解き明かされるかも!?と思ったが撃沈。Lucifer's Friendの質問だったのがまずかったかもしれない。Lucifer's Friendの質問はやはりPeter HechtやPeter Hessleinあたりに聞くのが正解なのだろう。(^^;
ちなみに下記の2点を質問した。Q1. 名作「Banquet」について。何故アメリカ盤(Passport Records)には"Our World is a Rock 'n' Roll Band"が入っていてオリジナル盤(Vertigo)には収録されていないのか?
Q2. 1st〜5thのBest盤「The Devil's Touch」には何故2ndの「...Where The Groupies Killed The Blues」のアルバムからの曲が収録されていないのか?Lawtonの答えは至って簡単。どちらも両手を広げながらのジェスチャーでI don't Know.「The Devil's Touch」のジャケにご丁寧に"I don't Know"付きでサインしてもらった。(^^;
Lawton & Dunningとの一緒の写真にはNetで知り合ったのかLiveで知り合ったのか既に記憶が定かでは無い(^^; 故買屋さんと一緒にLawtonが最も気に入っている作品の一つ「Banquet」の例のアメリカ盤とオリジナル盤をバックに写真を撮らせていただいた。オリジナル盤はコーティングされていたので反射しているのが分かる。(笑)以上、Lawton来日に尽力してくださったスタッフの皆さん、会場に駆けつけた熱心なファンの皆さん、そしてJohn Lawton & Steve Dunning、Iris Lawton本当にありがとう!
最後に演奏曲をまとめてみた。