まだまだいる私達をキュンキュンさせる超絶ドラマー達(極一部)
植村昌弘
1999☆Unbeltipo / Pheasantism (Sistema Inc. KBS-DDCO-1010) '07
今堀恒雄率いるUnbeltipoの最新作。既に名作と断言したい。(^^; しかし、Liveはもっと壮絶だぜよ。骨折するようなブレイク・ビートと強烈な疾走感を同居させたとてつもないDs.。若手超絶ドラマーの最右翼、佐野康夫の素晴らしいプレイが特に"The Tape Eater"という曲に生かされている。
☆植村昌弘 / 1999 (ロコスミュージック ROCOS-0301) '03
か弱い休日サラリーマン姿で一見ミュージシャンらしくない風貌。しかし、内に秘めるドラムへの情熱さはハンパではない。外見とは裏腹の超人と言えば、この植村さんが代表格。「一噌幸弘グループ」「はにわオールスターズ」「渋さ知らズ」「初期Bondage Fruit」、自身のバンド「P.O.N.」、そして既に残念ながら解散してしまったMeshuggah風Brutal Death Metal「Ruk」など輝かしい経歴を持つ。そんな中、やはり植村さんのソロ作品から「1999」を取り敢えずセレクト。"役人#9"がお薦め。
☆Pochakaite Malko / Doppelganger (Arcangelo ARC-1119) '06
Black Sabbath級のHeavyさと超絶な演奏が見事な、今勢いにのっているPochakaite Malkoの最新ミニアルバム。KBBのvln.壷井彰久が加入後は著しい成長を遂げている。中でも民俗音楽激化している立岩潤三氏のds.がますます磨きがかかっている。実際Liveを見た方が良く伝わってくるが、取り敢えずこの最新作をきいてみよう。新アレンジの"Acid Rain"を推薦。
☆Morbid Angel / Heretic (Victor Entertainment VICP-62491〜2) '03
"God of Our Own Divinity"においてNileのKarl Sandersが参加したMorbid Angelの8th。Steve Tuckerが復帰したが現在は既に再脱退。メンバーが安定していないがそんなことをみじんにも感じさせないところは正に帝王君臨といった感じだ。精神的/肉体的に鍛え上げられたPete Sandovalの足技、手数に美しさを感じとる事が出来るあなたは上級者。勿論、この作品では"Drum Check"を推薦。
☆Cryptopsy / And Then You'll Beg (VIctor Entertainment VICP-61184) '00
ビョーキ、ds.オタク化、スポーツ級、前人未踏にチャレンジする鬼神の超絶とくればFlo Mounier以外にいないであろう。(^^; このバンドはVo.が安定しないことで有名であるが、これぐらいではへこたれない精神の強さも感じられる。この作品はしなやかにそして鋭く迫る末恐ろしい名作。"Voice of Unreason"を推薦。
☆Meshuggah / I (Fractured Transmitter Record FTRC 001) '04
Metal界のモンスター、Meshuggahの20分越え1曲のみのミニ・アルバム。この曲と次作「Catch Thirtythree」って実は打ち込みなんだよねー。Tomas Haakeという超絶ドラマーがいながら前代未聞だ。(笑) 曲作りとレコーディングの手法上、生ドラムは使えないというメンバー全員の意見により決定されたものだとか。こんなバンド聞いたことがないね。既に普通のレベルを超えてしまった人達の集団である。Tomas HaakeはBURRN! '05/6号のInterviewでこう語っている。「最高の音楽のために、そして最高の状況のためにやっている。そのために曲作りの仕方が変わったとしても、結果が良ければ総て良い。どうやってそこまで辿り着くかは問題じゃないんだ。肝心なのは、最終的にできあがった作品なんだから。」その結果として物凄い作品ができたのが言うまでもない。なお、次の作品は絶対に生ドラムが入ることも明言している。
☆Strapping Young Lad / City (Sony Records SRCS 8515) '97
Devin Townsendの怒りのプロジェクトS.Y.L.の最高傑作2nd。邦題「歌舞伎町から超鋼鉄重低爆音」。コアな音圧の壁で銃弾爆撃をくらったようなサウンドであるが、不思議とPopで聴きやすいという摩訶不思議な作品。Dark Angel, Deathで名を馳せた山のような風貌Gene Hoglanのプレイが圧巻。体格とは裏腹にバランスの良い細やかな配慮の音がまた魅力的。"All Hail The New Flesh"を推薦。
☆Slayer / Seasons in The Abyss (Nippon Phonogram PHCR 1042) '90
今となっては流石に音色の古さは否めないが、プロデューサーのRick Rubinとの強力タッグでこの傑作を生み出す。この作品を引っ提げての初来日は衝撃的だった。そのLive、アンコール含めて45分で終わっちゃったんだよ。会場出ても外明るかった。(^^; しかし濃密な空間のLiveに大満足。"War Ensemble"を聴いた事がないMetalマニアがいるとすれば、そいつはもぐりだね。
☆Slayer / Diabolus in Musica (Columbia COL 491302 9) '98
Slayerと言えばやっぱりDave Lombardoという人が多いと思うけど、一時脱退していた頃に加入したパワー・ヒッターPaul Bostaphも見逃せない。一部のファンはPaul Bostaphの方が良いのでは?と囁かれていたとかいないとか。Paul Bostaphは他にもForbidden, Testamentに参加で知られているが、私はExtreme The DojoでのExodusでの重量級の足技に感動した。"Perversion of Pain"を推薦。
Decapitated
Nihility
Naked City
Torture Garden☆Vader / Live in Japan (Avalon MICY-1087) '98
真のHeavy Metalとは何か?の回答がここにある。正直Liveで見直したVader、純粋な意味でのテクニカルとは若干異なるが、既に他界したDs.のDocのパワー、吼えるようなPiotr "Peter" WiwczarekのVo.等々何もかも完璧。この日の公演に足を運んだが、笑ってしまうほどの壮絶さだった。"Dark Age"を取り敢えず推薦。
☆Decapitated / Nihility (Earache MOSH 255CD) '01
Vaderに引き続き次々と層の厚さを見せつけているPolandのMetalシーン、その中の代表、新鋭Decapitatedの2nd。VaderのPeterをプロデューサーに迎え1stを録音した当時は全員10代だった。恐ろしい。強烈なDeath MetalとしてMarty Friedmanも敗北を認める程の実力者。(笑) 特にds.のVitekの体力&技量はとんでもなく、逸材と言えよう。"Perfect Dehumanisation (The Answer)"を推薦。
☆Napalm Death / Harmony Corruption (Toy's Factory TFCK-88515) '90
何故に曲が速くなければいけないのか...?別に理由などない。そこがいい。そのGrind Coreの代表Napalm Death、一応音楽らしさが若干(ほんのちょっとだよ)見られた作品。暴走ドラマーMick Harris先輩はワルな皆さんの憧れの的だった。滅茶苦茶なパワーが漲っている"Walls of Confinement"を推薦。
☆Naked City / Torture Garden (Toy's Factory TFCK-88557) '91
Mick Harrisが完全基本無視の無鉄砲さを誇れば、こっちはアヴァンギャルドJazzシーンの猛者達がきちんとした基本を持って?Napalm Deathに対抗した結果がこれ!?(笑) 鬼才John Zorn(sax)、天才Bill Frisell(g)、Fred Frith(b)、Joey Baron(ds) などの超絶演奏隊に山塚アイ(vo.)が暴れるというSMシリーズの第2弾42曲入り「拷問天国」。人間嫌になっちゃう瞬間がココにある。(^^;
☆The Dillinger Escape Plan / Calculating Infinity (Relapse Records RR 6427-2) '99
Naked Cityからの影響を感じさせつつ、久々の衝撃を受けたDEPのフルレンス名作1st。その後のハード・コア・シーンへの影響は計り知れず。しかし、残念ながら現在ds.のChris Pennieが脱退、現在彼はCoheed and Cambriaに加入している模様。"Sugar Coated Sour"を推薦。
☆Candiria / 300 Percent Density (Toy's Factory TFCK-87260) '01
New YorkのBrooklyn出身のJazz/Hip Hop/Metalを融合したユニークな音楽性を誇る4th。夏のMetalの祭典Beast Feastでの衝撃のLiveを目撃して以来、目が離せない存在。正確なリズム感覚を持つds.のKenneth Schalkのプレイは必聴だ。"300 Percent Density"を推薦。最近はメンバーの交通事故など不運続き。嫌なことを払拭する強力な作品を引っ提げて戻ってきて欲しい。
☆Jeff Beck / Live at BB King Blues Club (Sony Music MHCP 784) '03
老いてなお盛んな御大Jeff Beck、'03/Sep./10thのLive。超人Terry Bozzio(ds.)のプレイも素晴らしい。"Scatterbrain", "Nadia"を推薦。他に最近のTerry Bozzioの「Terry Bozzio & Billy Sheehan / Nine Short Films」(Victor Entertainment VICP 62085)も異様な出来でお薦め。
☆Jeff Beck / Official Bootleg USA '06 (Sony Music MHCP 1362) '06
頑固一徹、ギター職人Jeff Beck「Live Beck」第2弾は'06/4のアメリカ・ツアーより。Beckの水を得た魚のような生き生きしたプレイに感動。この時のds.は天才Vinnie Colaiuta。上記'03のTerry Bozzioのプレイと比べてみると興味深いだろう。"Nadia", "Scatterbrain", "Led Boots"を推薦。
☆Rush / Rush in Rio (Victor Entertainment VIBP-20〜21 : DVD) '03
Colosseumの初来日公演でブリティッシュ・ロックの生き証人Jon HisemanのDs.ソロを聴いたとき、Liveで久しくDs.ソロを聴いていなかったなぁと痛感した。Jon Hisemanと並んで魅せるDs.Soloと言えばNeil Peartが筆頭だろう。このDVDは「Vapor Trails World Tour」のファイナル、南米ブラジルでのLiveである。客の盛り上がり方が尋常ではなく客からして超絶だ。(笑) 勿論"O Baterista"を推薦。
☆Captain Beyond / same (Polydor POCP 9100) '72
ちょっと趣向を変えて'70s初頭に目を向けてみる。Deep Purpleの初代Vo.のRod Evans、解散したIron Butterflyのメンバー2人、そしてJohnny Winterで活躍していたBobby Coldwellが結成したこのCaptain Beyondの1st、Rod Evansの存在感が希薄となる程のインパクトを持ったBobby Coldwellの軽快できびきびしたDs.が変拍子の嵐の曲に非常にマッチしている。彼のDs.プレイでは他に元YardbirdsのVo.のKeith Relfが結成したArmageddonでのプレイも魅力だが、取り敢えずこっちにしてみた。"Dancing Madly Backwards (On A Sea of Air)"を推薦。
☆Charles Hayward / Escape from Europe (Locus Solus LSR 001) '96
☆Charles Hayward / Double Agent(s) - Live in Japan Volume 2 (Locus Solus LSR 002) '96
Quiet Sun, This Heatなどを経て現在ソロで活動している短パンが似合う永遠の童顔Charles Hayward。耳毛が凄いだけではなく、シャープな切れ味のds.には定評があり、シンバルのみで歌える希有な人。実際の演奏は真面目なのだか不真面目なのだかよく分からないが、本人は至って真面目なのだろう。(^^; 「Escape from Europe」と「Double Agent(s) - Live in Japan Volume 2」は'96/4の日本公演の模様。「Escape from Europe」は予め用意したカセット・テープを操りながら同時に超絶で鋭利なds.を刻む強烈なインパクトを持った作品。「Double Agent(s) - Live in Japan Volume 2」は日本の日替わりの即興セッション。日本侍?吉田達也、灰野敬二、大友良英との共演(狂宴)を繰り広げる。特に"Neurological Focus Shift"の吉田達也との共演はヤバい。
☆Billy Cobham / Spectrum (eastwest japan AMCY-2856) '73
エレクトリック繋がり。手技・足技・創造性において、世界中のドラマーばかりか、BB&A時代のJeff Beckにまで影響を与えてしまったという歴史的名盤。Deep Purple加入以前の元気なTommy Bolinのギターと、Jan Hammerのキーボードがブイブイいわせているが、主役はやっぱりドラム。「リードドラム」といっても過言ではない。素直にカッコイイ"Quadrant 4"をお薦めしたいが、この「変態さん、いらっしゃい」なページでは"Stratus"のイントロ3分のドラムソロとアウトロを推薦すべきだろう。
☆Tony MacAlpine/Bunny Brunel/Dennis Chambers / CAB (Tone Center TC-40072) '00
フュージョン界ではDennis Chambersを忘れてはいけないね。この人も怪人で特にバスドラは驚異的。私はまだ一度も残念ながら生で見ていないので、いずれは体験したいと思う。
☆Farmers Market / Musikk Fra Hybridene (Kirkelig Kulturverksted FXCD 182) '97
世界最高水準の演奏力を誇りながらおちゃらけバンドとして君臨するFarmers Marketの大傑作2nd。Supersilentのds.でもあるJarle Vespestadの見事な曲芸もとい演奏が繰り広げられている。来日公演も見事で口あんぐり状態だった。俊敏さにおいてはピカイチであろう。"Gankino Horo"がお薦め。
☆Atomic / Boom Boom (Jazzland Recordings 0044003826427) '03
北欧NorwayのFarmers Market同様、有望な若手のJazzとしては、Atomicが素晴らしい。ここのds.、Paal Nilssen-Loveを生で見た瞬間、ちょっと何が起こっているのか分からなかったのも事実。その後再来日、Paal Nilssen-Loveのソロでの来日と活発な動きを見せている。私は今のところ過去に見たDs.の中でも最もせわしないプレイをする超絶ドラマーNo.1として勝手に任命している。(笑) "Hyper"を推薦。
☆Remember Shakti / The Believer (Universal Music 549 044-2) '99
インドネシアのガムランだとかアフリカのまだ見ぬ訳の分からない超絶打楽器奏者(しかもアマチュア)が、この世の中には絶対いると思うけど、取り敢えずプロの世界を見るとして。(笑) そんな中でインドにおいては年齢不詳の童顔?Zakir Hussainのタブラは外せないだろう。(^^; この作品は'99のLive盤でThe Mahavishnu Orchestraを率いたJohn McLaughlin、南インドのパーカッショニストV.SelvaganeshとマンドリンのU.Shrinivas、そしてZakir Hussainと、中途半端にds.かじってしまった人が聴いてしまったら泣いて逃げ出したくなってしまう作品だと思う。世界観が変わってインドに逃避行して一生そこで暮らしてしまう人がいたりして。(^^; "5 in The Morning, 6 in The Afternoon"を推薦。
☆Magma / Mythes et Legendes Volume I (Seventh VD4 : DVD) '05
☆Magma / Mythes et Legendes Volume II (Seventh VD5 : DVD) '05
☆Magma / Mythes et Legendes Volume III (Seventh VD6 : DVD) '05
☆Magma / Mythes et Legendes Volume IV (Seventh VD7 : DVD) '05
Magmaの神話と伝説、第1章〜第4章、'05の仏トリトンでの35周年記念コンサートを収録したDVD。超絶と言うよりも絶倫といった方が適確か?Christian Vanderの煮えたぎる情熱を体感せよ!そして泣け!真夏にMagma聴かなくてどうする!まだ第4弾は発売されていないが、もう殿堂入りなのでデフォルトで挙げておく。(笑)
☆金大煥 / Black Roots (Woongjin Media Corp. WJAC0377) '91
最後はChristian VanderのJohn Coltrane繋がりを受けて韓国のスーパー・スター、1900年代に生き続けた打楽器奏者、両手に6本のスティックを持って叩いたトリプル・スティックの金大煥で締めくくる。あんなに元気で死とは無縁と思われたが、残念ながら他界してしまった。あの負けず嫌いな姿を見られなくなったのは音楽界の大きな損失だ。この作品は'91/12/3rdの録音盤で山下洋輔、梅津和時ら日本を代表するミュージシャンが参加。John Coltraneの"Afro Blue"を推薦。
Remember Shakti
The Believer
おまけ:
「ドラミングはスポーツだ!!」と主張する団体
World's Fastest Drummer (WFD)