9月29日
渋谷LA MAMA
(東京追加公演)

続きです。


SAMLA MAMMAS MANNA

Lars Hollmer (key)
SET LIST: 
Folkvisa I Morse (Måltid)
Lyckliga Titanic (Kaka)
(Monitor Improvisation)
Den Äterupplivade Låten
(Måltid)
Satori
(Kaka)
(Long Stupid MC)
Långt Ner i ett Kaninhål
(Klossa Knapitatet)
Frestelsens Cafe (Kaka)
(Improvisation)
Kom Lite Närmare
(Klossa Knapitatet)
Musmjölkningsmaskinen (Klossa Knapitatet)
Ingenting
(Klossa Knapitatet)
Första Ikarien (Kaka)
(Improvisation)
Andra Ikarien
(Kaka)
Tredje Ikarien (Kaka)

(Encore.1)
Five Single Combat
(Family Cracks)
(Encore.2)
Tärningen
(Måltid)


 演歌のSEでメンバーがワラワラと登場。やはりKrantzは甚兵衛を着てきた(^_^;)。Hollmerは紙コップとビニールヒモでつくった即席の糸電話をのヒモをほどきながら「タツヤが昨日電話を会場に忘れてきてしまったんだ。」とのMC。「電話番号は?」「1。(メンバーを差しながら)1、2、3、4だ。覚えやすいだろ。」相変わらずである。
 メンバー紹介の後にインチキオペラチックなインプロに突入した。準備体操というところだろう。ココで馴れておかないと足がつりますから注意。
 "Folkvisa i Morse"の可愛らしいエレピのフレーズでようやく落ち着いた。奇妙なダイナミクスを付けながら曲は進み、そして獣チックな雄叫びコーラス。どうしてそうなるの(^_^;)。
 誰かが謎言語で話し出すと、Krantzを除くメンバー達が謎言語で答える。時折ちゃんとした日本語やスウェーデン語が聞こえ、分かって話しているのか、絶妙なタイミングで「Yes」など相槌が入って、観客に大ウケ。謎言語会議は終わり、次の曲に入ろうしたが、見事に滑る。普通のバンドならこういう場面は致命的なはずなのだが、Samlaは笑って許せてしまう。得なキャラクターだ。"Lyckliga Titanic"は吉田のドラムが走り気味で、自分でもけっつまづきそうになっていた。中間部で情感溢れるHollmerのメロディオンが聴けた。鍵盤ハーモニカは子供の楽器じゃないぜ。
 いつもの曲のつなぎのインプロ途中、Hollmerが「Littel more〜 monitor〜 on the keyboard〜♪」と歌い出した。モニターの音が欲しいだけなのに何故歌う(笑)。そこに「Little more」「Too much Little more」「Enough little more」とCosteが解説。モニターのチェックのためにシンフォロックを演奏しようという話になる。どうしてシンフォ・ロックにこだわるのか?そしてシンフォニック(?)な"Den Äterupplivade Låten"へ。Hollmerがカウントを入れたせいか、今度キレイに曲にはいることが出来た。静的なパートでは、Hollmerの口笛に合わせて吉田が赤天ネタ「歯ブラシ」を使い、スクラッチ音を入れるのが面白かった。(写真左 はみがきヨッシー)


 今一度キーボードモニターを調整した後、スタッフのSさんの誕生日ということで、メンバーからプレゼントとハグ、嫌〜な感じの「Happy Birthday♪」が送られた(写真右)。いい場面なのになんで紙袋を破るの?Hollmerさんよ(^_^;)。
 次の"Satori"はテンポがかなり速めで、やはりキメがいい加減なところがあるが、勢いで聴かせてしまう。ピアノの刻みとドラムが牽引していく曲だなぁ。観客はダンスはしなかったが、ヘドバン気味でノっていた。
 Hollmerがしみじみと「この曲("Satori")が作られたのは・・・1970年・・・32年前・・・Incredible・・・ワ〜オ・・・」と語り出す。「俺達今幾いくつだ?」「(結成されたとき)10才だったよ」「5才だ」〈うそつけ(^_^;)〉「信じられない・・・いつ辞めるんだ?」「墓の中?」「墓場で楽しもうぜ。」「・・・墓場で会おうぜ」(この辺でメンバーも馬鹿馬鹿しくなってきたのか、自分達でウケてる)「よし!短い墓場の歌をやろうぜ!」「ハッ!」ジャン♪「ぐれ〜〜いぶそ〜〜〜んぐ♪」〈あんたらNapalm Deathか?〉
 話題は墓場からルーンストーンへ。彼らの故郷Uppsalaには古代文字が刻まれたルーンストーンという遺跡が沢山ある(これは本当)。昔のヴァイキングを偲んで"Viking Song"を歌う。勿論いい加減。もう全然話がまとまらないので吉田が「バカボン」サンプリングで話を止めた。よくやった(笑)。

 イントロを口三味線で確認しあってLångt Ner i ett Kaninhål"・・・を始めない。Kanin(うさぎ)の話からHollmerが「うさぎのソーセージって作ったことある?」とCosteに聞くと「電話で聞いてみよう」という答える。吉田は「早く始めましょうよ」(笑)。吉田のスネアが入ってようやく始まるかと思ったら、Krantzはのんきにウーロン茶を飲んでいた!このボケには会場大爆笑!一度始めてしまえば、曲のドライブ感は最高。ヨーデルも吉田とHollmerの2本立てで陽気に決めていた。Costeが「曲の最後をもっと感情込めてやろうぜ」と何度も繰り返すので、吉田が「ワイン」のサンプリングで話を止めた。この人がいなかったら、他のメンバーは延々下らない話をし続けるんだろうか(^_^;)。

 気を取り直して"Frestelsens Cafe"。この曲は真面目にかっこよかったなぁ。Hollmerはエレピを弾き倒し、Costeのギターも速弾きが炸裂。鋭い手数を重ねる吉田と、派手さはないがしっかりとボトムを支えるKrantzのリズム隊。スキャットや変な絶叫も織り交ぜて、バンドもノって演奏しているのがよく分かった。演奏中、HollmerがCosteとアイコンタクトをしているシーンも。一応タイミングを確認してるんですね(^_^;)。最後のヘヴィなスローパートで吉田がついに壊れた。「メカニックゥ〜・デストラクティヴゥ〜・コマンドォ〜!」って、それは他のバンドでしょう(汗)。そしてタイガースの「花の首飾り」を歌う吉田。それにHollmerがメロディオンで絶妙な伴奏をつける。続いて「おふくろさん」「小さい秋」。インプロがどんどん泥酔状態へ。気に入った言葉をくどいくらい繰り返す子供のような行動。えぇ40、50過ぎのおっさんがやっているとは思えません。


Lars Krantz (b)

Coste Apetrea (g)


Tatsuya Yoshida (ds)

Lars Hollmer (key)

 ジャガイモの話を挟んで"Kom Lite Närmare〜Musmjölkningsmaskinen"鮮やかなギターワークにしびれる。この曲のソロはこの日の中で一番光っていたように思う。ウ〜ンステキ。突然曲が止まり、足踏みやモノを叩いたりしてパタパタと音を出す。・・・なんで私の頭を叩くんだよ、Coste(-_-;)。「まだ曲終わってないからね」と吉田が言うと、「なんだっけ?」と呆けるHollmer。Costeに教えられて「こうだっけ?」っと弾き出す。本当に忘れたのか、ボケなのか分からない真面目な表情が恐い。全然アンサンブルが合わなくなるとインプロでごまかす人達。「正確に演奏する」意味をぐしゃぐしゃとサンダルで踏みつぶしていく恐ろしいバンドだ。勿論、彼らの演奏力のレベルが高いから許されることなんだろうなぁ。
(写真左:Costeの足元にギターのツマミが落ちていた)

 珍しくMCなしで"Ingenting"。曲調が替わる中間部分まではクールに演奏していたが、あるフレーズの出来が気に入ったのでCosteが「もう一回やろう」と提案。Hollmerも賛成。何度かやって崩れると「ア〜」と落胆。何やってんだ、この人達。
 続いて"Första Ikarien"。ゆる〜〜いスキャットと溌剌としたパートの落差がかなりおかしい。この曲でもエレピとギターの掛け合いがスリリングだった。真面目にかっこいい演奏をしていても、堅苦しい感じがまったくしない。やはり踊り出したくなるようなリズムがあるんだろうなぁ。
 ジャジーなシンバルの刻みからインプロへ。流石というか、やはりというか、真っ当なジャズにはならない。ゆる〜〜〜い変態スキャットからアブナイシャウトへ。そしてにゃーにゃーすきゃっと。こ、この落差はどうなのよ(^_^;)。メンバーも自分達でバカバカしいと思ったのか照れ笑いしていたが、ヤケになってくどく繰り返していた。(写真右:布団叩きとハエ叩きでプレイする吉田)
 "Andra Ikarien"、気合いを入れる「Scream Silently(声を出さないで、顔だけ叫んでる表情をしているHollmerがおかしかった)」を挟んで"Tredje Ikarien"。この辺はギャグに疲れたのか真っ当な演奏が続く。ところどころ各パートが走り気味でもつれるところはあったが、そんなことが気にならないくらいテンションが高い演奏に、観客は釘付けだ。激しい変拍子と切り返しに翻弄される幸せ。プログレファンならずとも、圧倒されたことだろう。


おふくろさん熱唱中

よく身体を左に傾けていた


 演奏を終えて、一度楽屋へ戻るメンバー達。最後にステージを降りたKrantzは「トイレット・・・」呟いて、まったく見当違いの方向へ歩いていく。これは本当に間違えたのだと思うが、どんどんボケに走り、舞台袖の暗幕をまくり上げている。侮れない・・・・。
 再びバンドがステージに戻ってきた。「昨日と殆ど観客が一緒だろう。同じフィーリングがするよ」とメンバーのMC。そうかもしれない(^_^;)。ワンビートのカウントに続いてきたのは"Five Single Combat"!!!キタ−−−−!おそらくライブに来た観客の殆どが一番聴きたかった曲だろう。ギター、ベース、キーボードのユニゾンが奏でるリフがとにかくヘヴィ。メロディよりバッキングが印象的だ。スタジオ盤の完璧さはないが鮮やかな変拍子。テンションの高さがスゴイ、を通り越してヤバイ。20年前に比べても力量やテンションが落ちていないのも素晴らしいことだ。
(この顔、ちょっとヤバイです(笑))

 盛大な拍手で再びアンコール!2ndから"Tärningen"が演奏された。コロコロと展開が変わる曲。スタジオではメロトロンなど使われていたシンフォな(笑)アレンジだったが、Hollmerはほぼエレピっぽい音で弾き通した。おかげでえらいヘヴィなアレンジになっていた。吉田の細かいシンバルワークが面白かった。オリジナル曲にとらわれない吉田のプレイは色んなところで「若い牽引力」として好評だった。最後にメンバー紹介とおじぎ。Hollmerは頭を鍵盤に打ち付けていた。さ、最後までコレかよ・・・(^_^;)。

【余談】
 はるばる広島から来た友人が、Costeにお手製の人形をプレゼントしました。Costeはお礼に、彼とMax Åhman(元Kaipa、Exitのギタリスト)のデュオCDを彼女にプレゼントしていました。レアだなぁ。Costeはかなり嬉しかったご様子。



●LINK(9/29)
TAKE'S HOME PAGE
Labyrinth(閉鎖)
Kate's Hole(閉鎖)

[previous]