9月28日
表参道FAB
(東京公演)

続きです


SAMLA MAMMAS MANNA

Coste Apetrea (g)
SET LIST:
Långt Ner i ett Kaninhål
(Klossa Knapitatet)
(MC)
Kom Lite Närmare
(Klossa Knapitatet)
Musmjölkningsmaskinen
(Klossa Knapitatet)
Potato Song
Ingenting
(Klossa Knapitatet)
(MC)
Första Ikarien (Ikarien Part 1)
(Kaka)
(MC)
Den Arterupplivade Låten
(Måltid)
Mamma Improvisation
Satori
(Kaka)
(MC)
Bakabon Improvisation
(MC)
Folkvisa i Morse
(Måltid)
Frestelesens Cafe
(Kaka)
(MC Intoroduction)
Andra Ikarien (Ikarien Part 2)
(Kaka)
(Japanese Power Drink time)
Tredje Ikarien (Ikarien Part 3)
(Kaka)

(Encore)
Dundrets Fröjder
(Måltid)

数小節しかやらなかった曲が2曲くらいあります。
間違いがあったらご指摘下さい




 メンバーが登場し、Hollmerの「あぱらぱらぱらーぴっぱらべらぱぱー」のインチキMCと吉田氏の通訳で始まった。さ、最初からこれかよ(^_^;)。続いてお気に入りの「Japanese Power Drink」元気溌剌!オロナミンCを紹介しつつ、挨拶がわりのインプロが炸裂!可愛らしいピアノのフレーズとグジャラグジャラなノイズが交互に来る。メロディオンの哀愁フレーズ、ニャーニャースキャット、よく分からない言語の叫び合いの後に"Långt ner i ett Kaninhål"!軽やかなキーボードとギター、疾走感溢れるドラム。そして、ちっともじっとしていない人達。やりたいと思ったら原曲と関係なくアドリブしちゃうし、唸るし、ハモるし。それでも演奏のテンションが下がらないのがスゴイ!
 ステージに渡る、怪しい糸。糸電話であーる(写真右)。「良いモバイルフォンだぜ」「バッテリーいらないぜ」「ステレオだぜ(それは違うと吉田氏に突っ込まれる)」そして糸電話を支えていたマイクスタンドにギターやメロディオンをこすりつけて会話しようとしているCosteとHollmer(^_^;)。どこまで本気なんだ、この親父達は。Hollmerの「昨日は京都を観光した」というMCで吉田氏がまとめようとすると、Costeが「日本人の英語は素晴らしい。なんて頭のいい人達なんだ!」という挑戦的なMCを炸裂。それを受けてHollmerは「世界で一番頭がいい人達だ。俺達はスウェーデンの馬鹿者だ」と追い打ち。
そしてなぜか突然オロナミン・セレモニーが始まった。本来はロイヤルゼリー入りを使うらしいが今日は特売品で。メンバーがステージの前方に座り、HollmerがみんなにオロナミンCを配ってから正座し直して、瓶を3度回し(^_^;)、乾杯。一気に飲むと元気が出たのかいきなりインプロを始め、最後にHollmerはゲップしやがった〜〜〜〜〜〜〜(-_-;;;。
(写真左:日本式オロナミンCの飲み方)

 ネズミ牛乳(?)の話を延々としてから"Musmjölkningsmaskinen"へとなだれ込む。演奏も怪しい雄叫びも絶好調。さっきまでただの下品なオヤジだったHollmerは楽器を弾き出すと途端にかっこよくなるなぁ。首を左右に振りながら黙々とベースを弾いているKrantzも印象的だ。スタジオ盤より手数が多いドラムに痺れる。ギターから直にアンプに繋ぐという、今時珍しいくらいシンプルなセットなのに、太い音を奏でるCosteも素晴らしい。最後はカウントが会わなくて崩れてしまった。そのままなし崩しにインプロ、そしてまたテーマに戻って・・・と思ったら、またMCで腰を折られる。「まだ曲終わってないんですけど」という吉田氏のツッコミを無視してHollmerはしゃべり続ける。呆れてドラムの調整をしているところに、突然「訳してくれ」と振られて慌てる吉田氏。MCも気が抜けないのか、このバンドは。
 変なスキャットで始まる"Potato Song(勝手に付けた)。殺人トマトも逃げ出す酔っぱらい具合。Frank Zappa「Freak Out」の第4面的というか。
 そしてクールに"Ingenting"のピアノリフが。中間部まで比較的フツーに演奏していたが、ブレイクが入った途端、ディスカッションが始まる。タイミングの話から、「続ける」の話、「話し出したら止まらないんだ」の話。分かってるんじゃん(^_^;)。話がグジャグジャになったところで"Första Ikarien"。あれ?前の曲、終わってないと思ったんですけど・・・?


Tatsuya Yoshida (ds,vo)

Lars Hollmer (key,vo)


Coste Apetrea (g,vo)

Lars Krantz (b)


 何故かシンフォ・ロックの話になる。吉田氏がYESのカヴァーソングをやろうというと、なぜか"Sailing"をダミ声で歌い出すHollmer(汗)。「シンフォロックはステージにロウソク立てたり、メロトロン使ったりしてヤダヤダ」「サンダル履いてシンフォやろうぜ」「俺達いつも体温が42度あるから、暑くてサンダルだぜ」(この辺全部意訳)という前フリで、Samlaの曲中一番シンフォだという"Den Årerupplivade Låten"。劇的なイントロや流暢なギターソロはシンフォかもしれないが、シンフォ・ロックにニャーニャー猫声スキャットはいらないだろう。曲が終わった途端「マンマー!!おかーちゃーん!!」とか絶叫するし(^_^;;。ここでついに危険物、森進一「おふくろさん」のサンプリングが炸裂!メンバーは演歌独特のコブシ回しが面白いらしく、真似したりしている。そのまま森昌子もビックリの変なインプロへ突入。もう何が何だか・・・。
(まじめな顔をして、言うことテキトウなHollmer)

 勢いよいピアノのリフに導かれて"Satori"が始まった。この曲はSamlaの中でもかなり好きな曲なので嬉しい。中間部に吉田/Hollmerの濁声の掛け合いを入れて、一気に演奏してくれた。さきほども書いたが、Costeが楽器に付いているヴォリュームやアタッチメントだけで色んな音色を弾きわけるのには感心した。この曲では少々メタリックなリフを刻んでいた。スピード感溢れるピアノのバッキングも見事!
 ビデオスタッフに「ビデオテープを変えてください!」との指示をして、「カメラが止まっている間は俺達も止まろう(意訳)」と言って、本当に動かなくなるメンバーがいたり、Krantzが煙草を吸いに楽屋に下がってしまったり(^_^; オイオイ、赤天が使ったワインのサンプリングで遊んだりして、ステージは一時中断状態。ステージ横で見ていた津山氏も大爆笑。とどめに「バーカボンボンッ♪」(天才バカボンのテーマ)のサンプリングがぁぁぁぁ。赤天で使うのかと思ったら、まさかSamlaで使うとは・・・北欧バカボンの名前は伊達ではない。(注:これは日本人スタッフが勝手に付けたんですけどね)しかしその上に自身のソロ曲"Övergång"っぽいフレーズを絡めて歌うHollmerにも驚いた。反射神経がスゴイ。
 "Tredje Ikarien"をやるって言ってたのに、"Folkvisa i Morse"をしみじみ(?)演奏してから"Frestelesens Cafe"へとなだれ込む。おふざけに飽きたのか、割と真面目な演奏だった。ジャズロックなインプロもかなりかっこいい。うおぉ、Costeのカッティングかっこいー!この曲では早弾きギターソロが炸裂。日頃SamlaはHollmerとBruniussonのプレイばかり聴いているのだけれど、今回の公演でCosteのプレイも注目しなければ、と思った。

 ここでメンバー紹介MC。「Coste Apetrea、ギター、52才」なぜ年齢まで(笑)?「吉田達也、41。Lars Krantz、53才。Lars Hollmer、54才」そして"Andra Ikarien"。途中で演奏が止まってしまった。獣チックな叫び合いとディスカッションが止まらないので、「演奏しましょうよ」と吉田氏がまとめようとすると、Krantzがのどが渇いたのか、ステージの前方にあるオロナミンCを取りに来て、飲み始めてしまった。あまり喋らないけど、時々おいしいボケをする人だ。「一日2本以上飲んではいけない」とHollmer。Japanese Power Drinkが利いたのか、気合いの雄叫び一発、"Tredje Ikarien"。ノリすぎて、ブレイクが決まらない箇所があっても、そこはすぐに軌道修正。エンディングまで転がるように一気に演奏した。調子に乗ると、本当にこのバンドの勢いというにはスゴイ。MCとの馬鹿さ加減との落差もスゴイが、総じてパワフル!この陽性のパワーはみんなを幸せにしてくれる。



Tatsuya Yoshida, Lars Krantz

世界に羽ばたけオロナミンC(笑)


 アンコールの拍手の中、メンバーが戻ってきた。Hollmerに「今までのオーディエンスに中で、もっとも素晴らしい」と言われても、今更信じられるでしょうか(笑)。正直な感想らしいですが、その後Costeが「観客の服も素晴らしいよ、東京の服は違うね(意訳)」と言うから、やっぱり冗談にしか聞こえない。
 エレピのイントロが印象的な"Dundrets Fröjder"の力強いプレイ。変拍子も軽やかに、ニャーニャースキャットを交えながら、楽しいライブはこれでおしまい。どんなにMCを細かくまとめても、演奏を描写しても、この「ライブの力」は伝えきれない。演奏は勿論、MCからメンバーの立ち振る舞いまですべてがエンターテインメント。しかもあまり計算してなさそうなところがまた何とも(笑)。百戦錬磨のミュージシャンの反射神経と底力を見せつけられたステージだった。


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