3月22日
表参道FAB

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 去年はSamlaで来日したHollmer氏ですが、SOLAとしては一年半ぶりです。
 「すべての国の人達に祝福を」と&"Nationsjazz"で始まりました。そういえば前回のSOLAの公演は9.11の直後だったなぁ・・・。

 選曲はSOLAのアルバムを中心に選曲されており、レコーディングと去年(2002年)の6月にスウェーデンツアーをこなした経験からか、前回の演奏に比べてタイトになっていました。特にこの曲は前回崩壊してたからなぁ(^_^;)。嬉しい驚きです。

 軽快、というよりスピード感溢れる、と言った演奏を終え、間髪入れず"Karusellmusik"。吉田がリズムをかなり揺さぶっていましたが、それでも崩壊することなく、スリリングな仕上がり。LHOで聴かれる厳格な演奏とかなり印象が違いました。"Ljuva Lägen"はSOLAのアルバムから。向島のヴァイオリンの甘美な音色が際だつ曲です。(タイトルは英語にすると"Sweet Situation"かな?)

 Hollmer氏の足踏みで始まった"Trampumpa"、大熊のクラリネットも軽やかに進みます。曲によってHollmer、向島、大熊はピアニカに持ち替えていました。アルバムでは気が付かなかったギターの音も聞けました。そうそう、前回は一部しか参加しなかった伏見が今回はフル参加でしたね。相変わらず味のあるロングトーンを弾いていました。中間部のリズムチェンジからのアンサンブルは切れ味鋭く素晴らしかったです。バンドとしてまとまってきたな、という感じで。

 牧歌的な前半と重厚な後半のコントラストが印象的な"Arioso Nearway"、可愛らしい"Samma Zanzibar"とステージは進み、次は「Andetag」から"Aska"を日本で初披露してくれました!個人的に一番嬉しい選曲でした。ヴァイオリン、チェロを擁するこの編成なら、やらない方がもったいないですもん。クラシカルともロックとも違う、不思議なグルーヴがあるヘヴィーな曲に仕上がっていました。いや〜かっこよかった。

 お馴染み"Eyeliner"を挟んで"Plinga"を演奏したのですが、この時のシンセベースかシーケンサーかなにかの低音がひどい音量で、その音圧故に息をするのが苦しかったです。他の楽器の演奏に集中できなくなり残念でした。(出来は良かったと思うんですが・・・)


Yuriko Mukoujima(vln. etc.)


Wataru Okuma(cl. etc.)

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 休憩時、今の低音は座席位置のせいだ思って、ほぼ会場の真ん中座っていた友人に確認したところ、やはり「低音で気分が悪くなってしまった」と言っていました(^_^;)。音圧凶器(爆)。

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 美しいヴァイオリンの音に導かれて"Arp. Violin"。特にはっきりした山場というものがない曲ですが、ときおり波間から姿をかいま見せる浮遊物のように色々な音が出入りしていて、最後は引き潮のようにスーッと終わります。
 ここで清水がHollmerのキーボードに移動し、Hollmerはアコーディオンを装着します。前回の公演で大好評だった"Växeltango"です。ヴァイオリンとアコーディオンの官能的な調べから、疾走感のあるアンサンブルへの切り返しは、何度聴いても鳥肌ものです。

 引き続き、呑気な雰囲気のイントロから「Utsikter」の"Nåt"へ。吉田氏のドラムを考えると"Växeltango"のようなスピード感がある曲の方がSOLAに向いているように思えますが、この曲みたいな淡々とした曲も悪くないです。"Plinga"ほどではなかったですが、低音が凶器でした(汗)。坂本の回転チェーン奏法で曲を締め、そのまま"AKA session"になだれ込みました。Samlaほど野蛮じゃないけど、LHOやUtsikterほど上品ではないこのバンド、この手のファンキー(?)な曲が一番面白いかもしれません。曲の輪郭はアルバムと変わらないのですが、みんな結構好き勝手な声や音を入れて、ステージのノリは一番良かったように思いました。締めくくりに坂本のFirework play(^_^;)。


 "Continue"でまた低音凶器が(汗)。SOLAのアルバム中でも哀愁漂う旋律がいい味出してる曲で(ヴァイオリンがSlapp Happyぽいところも)好きなんですけど、こういう音だと集中できなくて・・・。次の"Parallell Angostura"。もう「難曲」とは言わせない(笑)息のあった演奏でした。

 叙情的なピアノのイントロの"Novelty"でラストです。ここで坂本はノコギリみたいな物を弓で弾き、テルミンのような音を出していました。「Novelty」という言葉の意味とまるで逆の印象を受ける、優しい、優しい曲。


Kazuto Shimizu(key.)


Hiromichi Sakamoto(cello)


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Tatsuya Yoshida(ds.)


Kei Fushimi(g.)
 暖かいアンコールの拍手に迎えられ、メンバー達がステージに戻ってきました。Hollmerは再びアコーディオンを装着し、"Now"を演奏しました。また向島のヴァイオリンに涙しそうでした。あぁぁなんて美しいんだろう。

 2度目のアンコールは曲を準備していなかったらしく、最初に戻って"Nationsjazz"を演奏しました。一曲目に演奏したものよりノリ・アンサンブルともにテンションが高い演奏で、楽しくライブを締めました。

 初来日の緊張感、2度目のバンド初お披露目の期待感のようなものはなく、淡々とした雰囲気のライブでしたが、演奏は過去最高と言えます。次はもっとインプロなどを挟んで、「SOLAのノリ」みたいなものが聞けるといいな、と思いました。

 開演後、はじめてSOLAを観た友人が「何で椅子があるんだろう?(座って観るライブじゃないでしょう?)楽しかった!」と言っておりました(^_^)。


03/22
SOLA the Global home Project :

1. Nationsjazz
2. Karusellmusik
3. Ljuva Lägen
4. Trampumpa
5. Arioso Nearway
6. Samma Zanzibar
7. Aska
8. Eyeliner
9. Plinga

10. Arp. Violin
11. Växeltango
12. Nåt
13. AKA session
14. Continue
15. Parallell Angostura
16. Novelty

--encore 1--
17. Now
--encore 2--
18. Nationsjazz


Lars Hollmer (key.acco)
蛇足:そういえば、HollmerはオロナミンCを
飲んでませんでしたな


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