12月6日
続きです

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2. Lars Hollmer's日本座村
 JONと握手を交わした後は、休憩も入れず即席編成バンド「日本座村」の登場。これは日本のSamla布教の第一人者である村本氏に敬意を表したバンド名である(多分)。即席といってもメンツは観る人が観ればおいしすぎる編成だろう。私はこの時点で、失礼ながら大熊氏と向島さんは初めてのライブ体験だった。


Pidgin Comboが共演のきっかけとなった
大熊ワタル(Cl)とLars


清水一登(Key)、坂本弘道(Cello)、向島ゆり子(Vl.etc)


大熊ワタル(Cl)、吉田達也(Ds)、Lars Hollmer
位置的に吉田氏が撮れなかった・・・

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"Plinga"の最後に炸裂のグラインダーパフォーマンス!チェロを逆さに持ち、石突きの金属部分にグラインダーを当てて火花を作ります。清水氏が熱そうに逃げてます(笑)
 ライブは時々怪しげなコーラスやインプロを織り交ぜ、殆どMCも無しに進行。演奏された曲はLooping Home Orchestraの「Live1992-1993」からの選曲が半分近い。他には「Andetag」や「Lars Hollmer」という名前で発売されている3 in 2編集盤からチョコチョコと。

 中でも"Karusellmusik"のテンポチェンジ、"Pas Du Valse"(CDでは"Alfa Beta Pas Du Valse"というタイトル)のスピード感溢れるナンバーに手に汗握る。聴いてるだけなら「カッコイ〜」で済むのだが、演奏している場面に立ち会うとえらい難しいことが分かる。Hollmer氏の手癖が全開だそうな。Hollmer氏の身体にしみこんだモノがにじみ出てくるから、変な拍子や突拍子もない音の飛び方・重ね方も曲として聴いている分には不自然ではない。しかし彼以外のミュージシャンがやるには不自然極まりないわけだ。今回個人的にノホホンミュージックの最右翼であったHollmer氏の認識が180度変わってしまった。いわゆる一つのディシプリンなのであった。

 昨日の「謎の楽譜」の正解は"Experiment"。CDで聴いてもなにが実験なんだか分からなかったのだが、なるほど。吉田氏のカウントに併せて、楽譜?の指示通りの音と歌を歌う。机上で作ったのではないだろうか?敢えて自分の癖からハズした拍子をという点で実験だったのだろう。

 可愛くも物悲しい"Harmonium III"でいったんお別れ。そうかぁ、この後出てきて数曲やったら、もしかしたらHollmer氏の音楽を生で聴くことが二度と出来ないかもしれないんだ・・・。

 アンコールの初めは"Inte Quanta"。終わるとステージ上のミュージシャンが「来た来た来た」とつぶやいた。最大の難曲"Parallell Angostura"。LHOのLiveではぴったり息の揃った演奏を聴かせてくれるが、それは綿密なリハーサルがあってのこと。今回共演ミュージシャンは昨日・今日のリハでしか合わせていないのだ。確かに途中怪しくて力でねじ伏せた。でももうなんだかそんなのどうでもいいじゃないって感じ。凄いものを観た。2日間観ていて、正確に演奏できることは大切だが、その場に生まれるエネルギーみたいなモノをHollmer氏は楽しんでるように思えた。

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 「Andetarg」の名曲"Now"で本当の終わり。特に向島さんの美しい音色に鳥肌が立ってしまった。極上のメロディーに最高の演奏家達。素晴らしい出会い。ちょっと泣いた。

 演奏が終わってもすぐに拍手が出ない。壊してしまうには惜しい空間だった。その後の割れんばかりの拍手はスタッフとしても、一人の観客としてもすごく嬉しかった。


Lars Hollmer's日本座村:
12/06
1. Portaletyde
2. Ett Tungt Ok
3. Hoppas Att Det Går
4. Karusellmusik
5. Pas Du Valse
6. Impro - Cirkus - Impro - Cirku II
7. Eyeliner
8. Experiment
9. Plinga
10. Harmonium III
(encore)
11. Inte Quanta
12. Parallell Angostura
13. Now





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