超初心者によるThe Flower Kings 東京公演レポート
1999/03/15,16

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 チケットこそWorld Disqueの(結果的に(笑)先行発売で買ったものの、それまでThe Flower Kingsなど聴いたことなかったんです。Roineのとどまるところを知らない創作意欲に、周りのファンの人が悲鳴を上げてましたので、「いまノリノリのバンドなんだな」という認識だけがありました。そしてやっと現物を聴いたのは公演3日前。こんな不真面目なリスナーを、彼らは吹っ飛ばしてくれました。
 ブロウ1発目はRoineとTomas、Hasse.Fの衣装。Roineはオレンジの上下に、刺繍が入った派手な緑のジャケット。Tomasは金のスパンコールがびっしりの上着。Hasse.Fの金のパンツ。なんて趣味をしてるんでしょうか。地味でまじめな職人を想像していた私はここで一気にくだけてしまいました。

 セットリスト、知りたいでしょうがこの時点で私、曲名すらわからない人だったので、ごめんなさい。教えて欲しいくらいです。うろ覚えで良ければ・・・。

  • 「Sacnning The Greenhouse」の1から5は全部
  • "Garden of Dreames"
  • "Church Of Your Heart"
  • "The Flower Kings"
  • KAIPAの"Inget nytt under solen"のギターソロ部分
  • 「Retropolis」と「Back In The World Of Adventures」からもやったと思います。
  • (追加:EURO-ROCK PRESS#2によると以下のセットリストでした)

    1. Retoroporis
    2. World Of Adventures
    3. Go West Judas
    4. Church Of Your Heart
    5. There Is More To This World
    6. Garden Of Dream
    7. Judas kiss〜Inget Nytt Under Solen
    8. Big Puzzle
    9. The Sounds Of Violence
    10. Three Stories
    11. In The Eyes Of The World
      <Encore>
    12. The Flower Kings〜Stardust We Are
    13. The Magic Cirkus Of Zeb(東京は2日目のみ)

     当日になってRoineが歌う事を初めて知りました(^_^;)。しかもリードVo.だったとは。正直言いますと、バックの演奏の盛り上がりに対して声量が足りないと思いました。語るようにに歌うときは味があっていいんですが。あと、モロWettonしてました。しかしギターは天下一品!天空を突き抜けるようなロングトーンは多くのファンの涙腺を緩くしたでしょう。
     面白い、というかヘンな人だったKey.のTomas。機材を「べりべりえくすぺんしぶ」な費用をかけて持ってきた(追記:高くて持ってこれなかった、が正解) こだわりを持つ凄腕のミュージシャン。その反面、機材の調整やテープの交換(録音をしていた?)の間、日本人にはわかりにくいギャグを言っては滑らせていました。黙っていればかっこいいのになぁ。ちょっと西城秀樹入ってて、弾くときのアクションも堂には入ってました。
     謎な経歴を持つドラマー、Jaime。少々重たい気もしたけど、メタルのドラムにありがちなカンカンした音が嫌いな私には気持ちいい音。スネアの響き線がちゃんと響いてる、て感じ。叩くフレーズもひねりが利いていて、ドラムだけ聴いていても退屈しません。リズム隊の相方、兄とあまり顔が似ていないベースのMichaelは隠れたとこで美味しいフレーズを弾いている裏メロプレイヤーと見た。ツボを心得た演奏が好きです。
     リズム隊が安定してるバンドはいいです。ひねりが利いてるともっといいです。GENESIS本体は大好きだけどGENESISフォロワーがだめという方、旦那はそうですが、個人的にリズム隊がミソなのではと思ってます。

     話がそれました。
     進行としては1曲目に"Retoroporis"で幕を開け、中盤でKAIPAの曲。"In The Eyes Of The World"でいったん終了。「もの足りな〜い!」と思わせるには格好の曲ですね。彼らの曲では一番キャッチーではないでしょうか。アンコールで"The Flower Kings"と涙の"Stardust We Are (pt3)"。
     私はここで一気に花王色に染まったのです。

     Solid Blueなど自分のバンドがあったせいか「Stardust We Are」でやっと正式メンバーになったというHasse.F。ツインギターを弾くギタリストの1人として、曲に彩りを添えるパーカッション担当として、Vo.ハーモニーを支えるシンガーとして彼がバンドのライブに不可欠な存在であることは、ライブを観た人は感じたと思います。時に彼はリードシンガーになって曲のバリエーションを広げます。ヘヴィ・メタリックな曲でリードヴォーカルを取りましたが、RoineよりはパワフルなHasse.Fに向いてると思いました。そして"Stardust We Are"!!!この堂々とした歌いっぷり!アルバムを聴いて、ここまで歌える人とは思いませんでした。"Church Of Your Heart"の中間部もライブではCDの何百倍も熱い歌を披露してました。なぜバンドが彼を取り込もうとしなかったのか理解に苦しむ(シンガーは2人いらない?)けど、それは過ぎたこと。彼はもうここに居るのだから。Vo.にここまで惚れ込んでしまうのはDreamTheaterのJames LaBrie以来だ!

     なぜライブに行くのか?スタジオ盤では味わえない高揚感があるから。
     スタジオ盤でも高揚感は味わえるじゃないか?コレは説明が難しい。本当に理屈でなく体が感じるものだから。「私」が今この場所で、音圧を感じ、鼓膜を揺るがされ、熱気に包まれ、一緒に踊り・・・。この瞬間。この瞬間を彼らと過ごした、その幸運。いくつものタイミングが重なって実現した出会い、喜び。その喜びを祝福してくれたのが"Stardust We Are"だったのです。
     星屑の最高の輝きを観てしまったというところ?それではあとがないな。星屑どころか星そのもの。曲の良さ、演奏の巧みさ、表現者とのマッチングが奇跡的にまで高められた至上テイク。