Death

Chuck Schuldinerは2001年12/13に脳腫瘍で亡くなりました。ご冥福を祈ります・・・(T T)

☆Death / Scream Bloody Gore (Century Media 66019-2) '87
 Deathの1st。ゾンビのようなメイクをした内ジャケのメンバーフォトが青臭く、Death MetalのDeathというベタなバンド名と相俟って当時のMetalファンの間ではギャグのような存在と思われていた印象がある。一体誰がその後、Death Metal/Heavy Metalシーンを代表するバンドになると予想としたであろうか。オープニングの"Infernal Death"ではいきなりの「Die! Die!」の連呼で始まるし。今改めてきいてみると演奏は安定しており、地元で叩き上げられていたのが分かる。代表曲は"Zombie Ritual", "Baptized in Blood"。のたうちまくる演奏と引きずるようなVo.で当時のフロリダ・デス・シーンを代表する曲である。プロデュースはMegadethのアルバムを手がけていたRandy Burnsが担当。Scott Burnsと兄弟なのか無関係なのか今更ながら疑問に思ったりして。なお、'99に再発されたこのCDではボーナス・トラックとして"Beyond The Unholy Grave", "Land of No Return", "Open Casket(Live)", "Choke on it (Live)"が収録されている。

☆Death / Leprosy (Century Media 66010-2) '88
 「ハンセン病」と題された2nd。エンジニアとしてScott Burns、スタジオは天下のMorrisound。1stに比べ格段にレベルアップした楽曲で生粋のデス・メタラーの中では彼らの最高傑作と言われている作品である。但し、若干複雑なリフの絡みが垣間見られるが、Ds.がオーソドックスな展開のため、後の作品に見られるような急激なリズムチェンジの応酬はそれ程無いのであしからず。代表曲は"Pull The Plug", "Open Casket", "Choke on it"。これはフロリダ・デスを代表する曲であろう。Chuckの声若いね。

☆Spiritual Healing (CBS/Sony Records CSCS 5256) '90

 次作「Human」で複雑さが増すが、単なるDeath Metalの枠の中では収まりきれないものを発揮し出した日本デヴュー盤3rd。Chuck SchuldinerとJames Murphyとのギターバトルが堪能できる作品。これというキメの曲がないのは確かであるが、変なフレーズをちらつかせながらウネウネとカンタベリー音楽でいうところのとりとめのない曲調がこの作品の狙いであったような気が。巷の評価はそれ程高い印象はない。Ds.がオーソドックスなDeathしているためMetalマニア以外にはお薦めできないのは事実であるが、私はかなりのお気に入りである。Scott BurnsとDeathの共同プロデュースで音質的には「Human」より良いかも。解説は意外な人選の和田誠。結構苦労して書いているのが分かる。そういえば、Death Metal界の渡り鳥James Murphyも脳腫瘍で療養中だったはずである...。

☆Human (R/C Records RC 139238 2) '91
 Chuck Schuldinerとの共同プロデュースとしてScott Burnsがクレジットされている。Morrisound Recording。Technical Death Metalの黎明期を飾る傑作。個人的にはDeathの作品の中でこれが一番のお気に入り。但し、音質は正に森サウンド。(笑)

☆Individual Thought Patterns (Sony Records SRCS 7461) '93
 Chuck Schuldinerとの共同プロデュースとしてScott Burnsがクレジットされている。Morrisound Recording。複雑さは頂点に達し、Death Metal嫌いにも唸らせるほどのクオリティを誇っていた。一般的に彼らの最高傑作と言って良いだろう。音質はグッと向上している。その後の作品はMorrisound Recordingであるが、プロデュースは後継者(スタジオ所有者?)Jim Morrisに譲っている。

☆Death / Symbolic (Roadrunner RR 8957-2) '95
 6th。個人的にはDeathといえば「Human」とこの「Symbolic」を聴く機会が多い。プロデュースはJim Morris、レコーディングはMorrisound。前作よりも各楽器一つ一つの音が明確かつシャープになって更に音質が向上した。緩急を巧みに取り入れた絶妙なリズムチェンジのバトルに感動すること請け合いだ。Chuck SchuldinerとGene Hoglanの鉄壁なコンビが如実に開花している。各曲捨て曲無しの名曲が目白押し。アコースティックギターで締めくくる美しいエンディングに涙。この作品を引っさげて来日。結局1度しか実現しなかったことになってしまった。

☆The Sound of Perseverance (Nuclear Blast 27361 63372) '98
 Deathの最終作。ProduceはJim MorrisとChuck Schuldinerである。ジャケットは過去最高の出来と思うが、曲自体の魅力が近作で見られた輝きは今一歩足りないような気がするのが正直なところ。DVDでも確認できたが、きっとLiveで映える楽曲なのであろう。なお、Judas Priestの"Painkiller"をカヴァーを収録。Ds.はコメディアンを目指すというロック史上初の類希なる理由にてIced Earthを脱退&来日公演を中止に追いやった、現在Metal界で話題騒然中のRichard Christy。


来日公演時チラシ
やっぱ山は迫力あります
(注:Gene Hogran)


来日公演時の新聞告知
Paradise Lostと並んでいるのが
またなんとも・・・


チケットです


話題騒然中の(笑)
Richard Christy
The Sound of Perseverance
のインナーより

☆Control Denied / The Fragile Art of Existence (Nuclear Blast America 番号無し) '99
 結局Chuckの最後のプロジェクトになってしまったControl Deniedのデビュー盤。Shannon Hamm, Richard Christyも参加しているようにこのプロジェクトはほぼDeathのメンバーで固められている。Scott Burnsのプロデュース作ではなくJim Morrisであるが特別に載せることにした。Deathは複雑な展開を軸に妙なフレーズの連発していくのに対してControl DeniedはChuckにとってはオーソドックスなリフを主体としたHMである。Deathでは滅多に見られないコーラス・パートを導入しているところも注目である。"What if...?"は名曲。アート・ワークは「The Sound of Perseverance」同様Travis Smith。凄腕ベーシストとして名を馳せているSteve DiGiorgioとRichard Christyは後にIced Earthの「Horror Show」にも参加することになる。なお、2ndも未リリースながら確か制作されていたはず。

 右のカードはControl Deniedのプロジェクト後、Chuck Schuldinerが重い病気に見舞われてしまったので、励ましのメールを出したところ、一時期回復した時期にわざわざ返事をしてくれたもの。

☆Live in L.A. (Nuclear Blast NB 555-2 : DVD) '01
☆Live in Eindhoven '98 (Nuclear Blast NB 680-2 : DVD) '01

 Chuckの治療費を援助するために急遽リリースされた作品。願いが叶わなかったことが非常に残念で哀しい。これらDVDは元々リリースする目的で収録されたものではないためカメラ・ワーク、照明などに多々問題があるが、素のままのDeathのLiveを堪能できる。貴重な記録として後世へ語り継がれるべきものといって良いだろう。
 「Live in L.A.」は'98の「The Sound of Perseverance Tour」時のもの。小規模会場ではあるが、代表曲を網羅した集大成的なLiveである。勿論、高度な演奏力にも注目。"Spirit Crusher"の激走TuneはLive映えして凄くかっこいい。"Trapped in a Corner"辺りからヒート・アップ。ChuckとShannon Hammの息のあった的確なギタープレイに(スネアの音質に問題有りだが)超絶Richard ChristyのDs.が被さり、音色に気を配ったテクニカル・プレイを連発するScott Clendeninのプレイが光る。特にスタジオ盤では流してきいてしまった"Flesh and The Power it Holds"はLiveで本領を発揮する音でギターとベースの絶妙なハーモニーは必聴だ。演奏をロクにきいていないただ暴れるだけのお馬鹿な小僧もいるのが非常にうざったいがDeathマニアは必見であろう。なお、DeathのLiveは来日公演でもそうだったがメンバーの動きはそれ程大きくなく、Show的な要素は皆無。曲と曲のブレイクが長いためこの辺は賛否両論分かれるところであるが、音だけの真剣勝負であることは確か。
 一方「Live in Eindhoven '98」はオランダのDynamo Open Air Fes.でのLive。開放的で歓迎ムードが高い会場でメンバーもやり易い雰囲気があるが、Ds.のプレイに映像と音とにズレが生じている時があり少々残念。体力の限界が知れないRichardのDs.姿を味わえるのは貴重であるが。但し、ベースのプレイは堪能できる。ここでも"Flesh and The Power it Holds"の名演は光る。アルバムより数段良い出来だ。

☆Burning Inside / The Eve of The Entities (Still Dead Productions SDP CD-99104) '99
おまけとしてBurning Insideを採りあげる。Gene Hogranの後釜として充分な技量を誇ったDs.のRichard Christyのプロジェクトの1st。テクニカルでブルータルな曲調であるが、予算の関係かポコポコしたDs.とスカスカの音質は戴けず、素材はいいのに非常に勿体ない作品になってしまっている。なお、最近2ndがリリースされた。

Death / Live in Eindhoven '98




Burning Inside
/ The Eve of The Entities


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