今週の0点

☆Dragon / Horde of Gog (Metal Master MRT 116 : LP) 1st '89 Poland
      Fallen Angel (Under One Flag CDFLAG 48 : CD) 2nd '90
      Scream of Death (Under One Flag FLAG 58 : LP) 3rd '91


拝啓、愛しのドラゴン様


Horde of Gog


Fallen Angel


Scream of Death

 Polandと言えば、現在はVaderが有名であるが、10年前にいろいろな意味で悪名を轟かせていたのはこのDragonである。BURRN!誌に迷作2ndが散々けなされたあげく、一般常識の中ではゴミ同然と言われ続けていた。しかし、我が心の師匠古田賢氏が1991年のMarquee 036の「脱境界線構想特集」にて救いの手をさしのべ、マニア達の共感を生んだことは未だに語り草になっている。あくまでC級と断っておきながらも「ヴォーカル、リズム、ギターが軟体動物みたくのたうちまわる様は正に圧巻の一言。演奏するの難しいよ、きっと。ハットフィールズのデス・メタル版か。」という迷レヴューで思わず膝を叩いた自分がそこにいた。ハットフィールズをご存じないMetalマニアに簡単に説明しておくと、これはカンタベリー・ミュージック・シーンが生み出した最強のバンドHatfield and The Northの事である。
 古田氏のその後のフォローは、現時点で最終作と思われる3rdに於いても続き、またしても「数あるC級デス・メタル勢の中でも群を抜いてクサレていたDRAGONの、誰も期待していなかった2枚目(←3枚目なんすけども
トホホ)。ヤケを起こしているとしか思えない不条理なフレーズとリズムの連なりには増々磨きがかかり、セコい機材のハンデも吹き飛ばすインパクト。ここまでクサレれば表彰状モンです。」という名レヴューを残した。流石である。
 ちなみに1stの「Horde of Gog」は「Horda Goga」の英語Version。裏ジャケを見るとSodom, Metallica, SlayerのTシャツを着た普通のTharsh Metal兄さんのあどけない姿をさらしており、一体誰が2nd以降の腐れ具合を予想したであろうか。しかも段々と容姿が汚くなり、表情も死んだ魚の目のようにドロンとして生気が無くなっていくのである。


ドロ〜〜〜ン

 彼らのサウンドははっきり言って究極のAvant-garde Death。ギターは一瞬幻聴のようにRobert Fripp風にきこえてきたりするし、どうやって音合わせをしているのだろうかと思うような不思議な音の組み合わせ。違った意味でのTechnical Deathと言って良いだろう....。このように危うくも儚いサウンドで占められており、好き者にはたまらない必殺の作品になっている。なお、全作品Producerは数々の迷作を世に送り出してきたTomasz Dziubinskiでこれ以上は無いと言われる強力タッグ。今きいてみると結構理解しやすいサウンドに思え...オレって結構成長したのかなぁ。(多分違う)あ、勿論初心者は手を出しちゃダメよ。というか、今このDragon見つけるの結構大変かもしれない。
 いやぁ、大好きなDragon故、熱く語ってしまった。(笑)