旧・ユーゴスラヴィアのロック
ユーゴ問題に取り組んでみました。
悲劇のユーゴ。内戦でメタメタ状態であるが、そのようなところでも素晴らしい音楽が存在している。極僅かであるが我が国にも紹介された作品はそれぞれ味わい深い作品が満載であった。まだ解明されている部分が少ないが、Blues/Hard RockをベースにProgressive Rockやイタリアン・カンタウトーレ的などこか陰のある叙情的サウンドを奏でるBijelo Dugmeを初め、多くの優れた作品が埋もれていると考えられる。まだIndexi, Yu Grupaなど主要な作品は残念ながら未聴であるが、これまで耳にした作品を紹介してみようと思う。
バルカン音楽紹介の決定版Web音頭。正直な解説に好感が持てます。
http://www.ondo.net参考文献:
Garden Shed List Vol.20,21,26,29,50
☆Bijero Dugme / Bitanga i Princeza" (Croatia
Records CD 860041 5 02604 0) '79 5th。とにかくラストを飾る"Sve ce to Mila Moja Prekriti Ruzmarin", "Snjegovi i Sas"が素晴らしい。厳かに始まって情熱的なVo.が炸裂する!往年のイタリアン・ロックを彷彿させる。 ☆Bijelo Dugme / Sanjao Sam Nocas da te Nemam (Croatia Records CD D 5053675) '84 旧ユーゴを代表するBijelo Dugme、'74〜'83のバラード集ベスト盤。ベストでありながらマニアの間ではこれが最高傑作と言われているものでもある。(^_^; "Sanjao Sam Nocas da te Nemam"は陰りのある出だしから少しずつ盛り上がっていく叙情的ナンバーでしみじみとくる。全体的に暗くて陰のイメージがある。ブルージーな曲なんかもあって全体的にはバラエティーな印象を持つ。 |
Sanjao Sam Nocas da te Nemam |
「Drugi Nacin, Svijet po Kojem Gazim」は2 on 1作品。'75の作品は彼らの1stで軽快なブルース・ロックを基調としたハード・ロックである。いきなり"Opet..."はZeppelin/Heepのような叫びでびっくりするが、ここのVocalistはメジャー級の歌のうまさである。フルートもいい味を出している。全般的にBritish
Hard Rockの影響が大きい。Zeppelin/Heep/Purple/Tullにイタリアン・ロックをミックスした感じと言えばある程度は想像していただけるであろう。Heep風陰りのあるしっとりとした"Na
Mom Dlanu"は名曲。フルートの叙情さが素晴らしく表現されている"Lile su Kise"も必聴。その後メンバーチェンジをした際にバンドをNepocinと改名してリリースしたのが「Svijet
po Kojem Gazim」である。こちらはどちらかというとシンフォニックの名作と言われているが、やはりCreamのようなBlues
Hard Rockや印象的なフルートがJethro Tullを思い起こさせる。 上が2 in 1のもの |
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1 Misha Calvin / Evolution |
2 Pro Arte / Kiseli Bonboni こんなので買う人いるの? ジャケットその1 |
3 Toma Beric / Oya Noya... こんなので買う人いるの? ジャケットその2 |
4 Vlako Stefanovski / Trio |
☆Zlatko Manojlovic / Jednoj Zeni (King K22P616)
'86 邦題は「女神(ビーナス)の誕生」。ズラトコ・マノイロヴィッチはユーゴを代表するアーティストでFlash, Dah, Gordiなどのグループを率いてヨーロッパ各地で活躍していたらしい。私も彼の名前だけはインパクトもあることから聞いてはいた。この作品はGordi解散後のソロ活動の中にリリースされたもので、正直言って巷の評判はあまりよろしくない。しかし、"Volim vas Zauvek(誓いの船出)"のソフトな歌声なんかイタリアン・カンタウトーレ・ファンには一度きいてみても損はないと思う。"Jednoj Zeni(女神の誕生)"、"Niked NecU Biti Tvoj(素敵な悪魔)"はまるでGary Mooreのちょっぴりブルージーさを抜いた感じのしっとりとした曲調であり一聴の価値有り。 |
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