Rodler兄弟

 当時は一発屋で消えてしまうと勝手に思っていたペンシルヴァニア出身のRodler兄弟だが、現在に至るまで密かに暗躍しており、しかもどの作品も一定以上のクオリティを誇っているので今手元に発掘できた作品分を簡単に紹介してみたいと思う。
 詳細は下記(Chris RodlerのPrivate CD Saleを見てウケまくろう(^^;):
http://www.pmm-music.net/

Leger de Main


☆The Concept of Our Reality (Progressive Music Management PMM-0100) '95

 突如登場したLeger de Main衝撃の1st。トリオ編成。シンセの調べから女性Vo.が入ってきてコロコロと曲が転調していく"To Live The Truth"に心が躍る。正直女性Vo.のMelissa Blairはそれ程上手いわけではないが、このサウンドにマッチしていて余り気にならない。"Crystal Fortune"の展開も見事だ。今改めてきいてみると自主制作特有のツメの甘さもあるが、ポジティヴ/パワフル/クリアに展開していく曲調はアメリカン・プログレ・ハード・マニアは必聴と思われる。'90s特有の鋭く攻撃的なスタイルで変拍子が多用されるものの真っ直ぐ伸びるサウンドであり、マイナー・レーベルから出た1stとしてはかなりの力作。

☆Second First Impression (Progressive Music Management PMM-0200) '97
 2nd。歌のものよりも演奏重視にシフトしており、明るく真っ直ぐ突き抜ける1stのサウンドが好みだった私は、当時この作品に対しては正直馴染めなかった。ただ、1stが今一歩と捉えるリスナーからすればこちらが良いとの見解もあり興味深い。

☆A Lasting Impression (Progressive Music Management PMM-0102R) '05
 1st + 2ndの2CD仕様、"Crystal Fortune", "Immobile Time"のAcoustic Bonus Track 2曲 + Remixes + Remastered盤。但し、2ndは曲順を大きく替えている上に"Running Interference"が割愛されている。しかし、オリジナル盤は現在では入手困難のため、こちらの盤を薦める。名曲"To Live The Truth"はイントロがアコースティック・ギターから始まる。"Crystal Fortune"は音がより明快になっている。どちらもこのVersionの方が良い。
 蛇足であるが、本CDケースのホルダーはきついためソフトケース等に入れ替える事をお薦めする。私は2ndを取る際にCD割ってしまった。あ〜あ。(;_;) たまたま割る前にiTunesに入れていたため(CDDB登録もやっておいた)曲はきけたので少しは救いだ。iTunesできき比べた結果、1stに比べて2ndはあまり変化はないように感じる。"Silent Monster"では若干Key.が目立つ仕上がり、"Changes with The Day"では若干ベースが目立つ仕上がり。

☆RH Factor / Rodler/Hultberg (Avalon MICY-1081) '98
 1992にDramaというバンドの自主制作テープを元に'96〜'97にリ・レコーディング&リミックスなど行ったマテリアルに未発表曲を加えたロドラー兄弟とKevin Hultbergのプロジェクト作品。Leger de Mainに比べて複雑なリズムを駆使したTechnical Rockである。音質はまずまずで、Vo.がはっきりいって弱すぎるが演奏は壮絶。イケイケでかっこいいぞ。日本盤のみ3曲のボーナス・トラック入り。


The Concept of Our Reality

Second First Impression

A Lasting Impression

☆Andeavor / Once Upon Time (Progressive Music Management PMM-0400) '99

 Chris Rodlerが参加している。シンフォニックよりのサウンド。シンフォニック・ロックについて異様に哀しい程に厳しくなってしまった今、私にとっては怠いサウンドだったので印象に余り残っていない。(^^; マニア向け。

☆Gratto / Anakin Times (Progressive Music Management PMM-0500) '02
 ミニ・アルバムながら9〜16分の大作3曲を収録。バーゲンで良く見かけていたが、これは傑作だと思う。変拍子を交えながら複雑なアンサンブルのキメ、そしてポップなセンスを併せ持った現代に生きるUS Prog.である。Echolynが好きならトライしてみる価値は充分ありだぞ。'02の個人Best 10で8位の「Babblemath / Such Fine Particles of Universe」とともに大胆にもGrattoの「Anakin Tumnus」は10位にランクインさせてしまった程のお気に入りだ。(笑)

☆Mythologic / Standing in Stillness (Progressive Music Management PMM-0600) '03
 まず驚いたのはMelissa Blair→Melissa Rodlerになっていた事だ。Rodler兄弟のどちらと結婚したのだろう?(^^;
 Leger de MainはProgressive Hard Rockだったが、このMythologicはProgressive Metalに若干シフトした。(え?分からないって?特に気にしないでください。(^^;)'70s後期のProgressive Hard Rock愛好家にはウケが悪かったと記憶している。Leger de Mainは基本的にトリオであったが、MythologicはAndeavorのSteve Matusikがギターで参加している。リズムがシャープになると共に2人のギター参加が良い効果を上げている。Leger de Mainの進化系と捉える事が出来ると思う。私は気に入りましたよ。


RH Factor / Rodler/Hultberg


Andeavor / Once Upon Time


Gratto / Anakin Times


Mythologic / Standing in Stillness