アナログとデジタルの狭間で

Screaming

クスン In Digital

 '80s後半から音楽もDigitralへ移行し'90s以降は完全にCDが中心の世の中になった。大部分の方はCDになって手軽に高音質になり、更に当時盛んに唱われていた永年説に踊らされ、華麗なジャケットに目をつぶりつつLPを売りCDへ乗り換えて安心していた。
 しかし、はっきり言ってLPよりもCDの方が寿命は短い。せいぜいCDの寿命は20年持てば良いと思っている。更に詰め込みが尋常ではないDVDは10年持てばたいしたモンだと思っている。確かにLPは再生すればする程音質は劣化する。音質が劣化するまで聴く作品ははっきり言って稀と思うし、普通の耳の持ち主ならば、盤を大切に扱っていればそうそう気になる程度の物ではない。片面20分で一休みできるのもいいしね。CDの寿命等に関してマニアの方々といろいろ話す機会があったが、結局のところアナログが一番長持ちすることで意見が一致。ではCD音源はどうすれば良いかというと一番確実な方法は一度Digitalデータになっているのだから寿命になりそうな頃合いを図って別媒体にコピーするというもの。この調査結果から改めてアナログは偉大であった事を知った。
 多分このHPをご覧になっている殆どの方が数千枚のCDを所有していると思うが、あなたならどうする?結構作りが荒い南米や東欧関係のCDは大丈夫か?フロンティア精神の人達は受難の時を迎えるのか...。これから掲載するCDはマニア公認の哀れな作品達である。


テイチク・ブリティッシュ・プログレ・クラシックス
〜 '89/8/21発売の初回プレスは全て白濁だった編 〜

☆Kestrel / same (Teichiku Records 22DN-62) '75
 まずこれを挙げなければ気が済まない。(^^;
 世界初CD化で発売されてすぐ入手した。Kestrel唯一のアルバム。ギターのDave BlockがSpiders from Marsに参加したため1年足らずの活動に終止符を打った'70sのBritish Rock幻の名作。The Beatles級の優れたPopフィーリングで珠玉のメロディー。捨て曲1曲も無し。今仮に新譜として出してもヒット・チャートにランク・インしてもおかしくない。Prog.マニアな貴方にはエンディングの
"August Carol"の怒濤のメロトロンをきいて拳を高らかに挙げながら涙して欲しい。
 が。'95/7某日いつものようにCD Playerに入れてみたもののまったく再生せず。CDのカウントも0のまま。えぇ?と思って信号面を見て愕然。全面に渡って白い膜が!真ん中の穴の僅かな隙間より汚れが浸透していた。急遽CDクリニカで洗浄しても取れず。結局、この白濁現象の対応策として再生前に
台所用ヤシの実洗剤で洗うことが効果的であるとの結論が出た。勿論、今でも再生の前には洗剤が欠かせないことはいうまでもない。
 独自調査の結果、テイチク・ブリティッシュ・プログレ・クラシックスの初回プレスは全滅、当時メーカに掛け合っていれば新品と交換可能であった。セカンド・プレスからは改善。手持ちのCDを見れば初回プレスか否かが明快に分かるのだ。
 テイチクはよっぽどこの件に関して反省したのか懺悔の意味で?この英国シリーズの再発をした。Kestrelの例で挙げれば22DN-62のセカンド・プレス後、更に税込み価格¥1,800の廉価盤TECX-18855をリリース。
 しかし、Kestrelの怒濤の再発攻撃はこれで終わらなかった。その後輸入盤にてリマスターCDがリリース。負けじと今度は再発レーベルCastleが握った版権を利用しVictorが20bit K2 Mastaring紙ジャケット仕様でリリース(VICP-61402)。
 
ここまでくれば永遠の音源として存在するだろう。
僕のせいじゃない

まみれてます
白濁CD・・・ご愁傷様でした

☆Fruupp / 当世仮面舞踏会 (Teichiku Records 22DN-68) '75
 アイルランド出身。最終作である本作はIan McDonaldプロデュースの詩情溢れる美しいファンタジーの世界を見事に表現した傑作。日の出前の早朝にきくと最高である。徹夜明けの仕事の時にきいてみてはいかが?

☆Jonesy / Keeping Up... (Teichiku Records 22DN-67) '73
 リリカルなサウンドがBritish Rockマニアの熱狂的な支持を得ている。特に"Sunset and Evening Star"が白眉。

☆Comus / First Utterance (Teichiku Records 22DN-69) '71
 病的な精神性が魅力であるが、今きくと結構普通のフォークロックである。あまり過度な期待はしない方がベター。ジャケットが秀逸。

☆The Quiet World / The Road (Teichiku Records 22DN-71) '70
 元GenesisのSteve Hackettの初録音盤として知られている本作は人生をテーマにしたトータル・アルバム。コンポーザー、アレンジャー含めての8人組であり、クラシカルで大胆なオーケストラが導入されている。発表年が'70ということを考えると実験的で個性的だったことが分かる。ジャケット通りの音。



Fruupp

Jonesy

Comus

The Quiet World

Museaもヤバイかも...
☆Laurent Thibault / 忘却の幻夢界 (Belle Antique MAR 95179 / Musea FGBG 4054.AR) '78
 久々にきこうとしたらCD読み込みエラー。取り出してみたらカビが。Magmaの初期ベーシスト/プロデューサーであったLaurent Thibault唯一の作品。邦題の如く目の前に情景が浮かび上がるような創造的な世界が広がる傑作。アンリ・ルソーのジャケットも美しい。Magma苦手の人でもきいて戴きたい。但し出来れば買う前に検盤してね。

Bootlegじゃどうにもできません
☆P.F.M. / Live in London 1976 (Brust 001)
 これはBootlegなのでどうしようもない。初回プレスは全滅。幸い私が持っていたBootlegはセカンド・プレス以降のようなので問題はなかった。


Laurent Thibault

P.F.M.