9月25日
心斎橋クアトロ
(大阪公演)



 心斎橋クアトロは今回椅子が並べられて、客の入りもそれで困らない程度。客層もプログレ・ファンというよりいかにもオタッキーな印象(^^;)。

 前座の赤天は、津山さんの吉田さんの天然なノリがそれなりに良かった。いろんなものにピック・アップつけて、エフェクトも掛けて、時にはギター伴奏もつける。結構、音だけ聞けば何をやってるのかわからん感じのも。ハサミ2つでチョキチョキとポリリズムはいかにもライヒの手拍子ミニマルだし、カメラのシャッター音のインダストリアルな響きは、ギター伴奏で宗教ちっくなサイケになる。吉田が、テンポに合ったシャッター・スピードの調整が高度なんだとボケれば、津山が、テンポに合わせてギター弾くのが難しいんだと更にボケる。弾けよそのくらい(^^;)。歯ブラシにエフェクト掛けて、歯磨きしながら同時にエフェクターをいじるという高度な技を見せる吉田に対し、ドラムンベース的なバック・トラックに乗せてギター伴奏する津山、これもなかなか合っていて良かった。極めつけはトンカチとノコギリで演奏される「太陽と戦慄II」。ギーコギーコギコギコと5拍子で演奏さるそれはさすがに面白かった(^^;)。一曲だけサムラのラーシュ・ホルメルがゲストでフリーなキーボード演奏で加わったのは何をしてる時だっけ?忘れました。

 しかし、この時点でもPAは最悪でハウりまくってたが、メインのサムラで全然改善されてなかったのはマジギレしそうになった。音が団子状態もいいとこで、4拍子か5拍子かわからんくらい。要はバスドラとキーボードの左手以外わからん。ギター・ソロなんてあってもなくても同じ。誰かが2小節ズレてても全然わからんだろうという劣悪な状態。サウンド・チェックしたのか? 本当に。中盤からは幾分ましになって聞けるバランスになったけどね。

 演奏内容が、それを上回るクレイジーなもんで(笑)客はついていくだけで精一杯というか(^^;)。拍手なんていつしたらいいんだ状態。ラーシュのMCを吉田が通訳しようとするのだが、別にどっちも英語堪能なわけじゃないからすぐ詰まる、というか、ラーシュがしゃべり終わって吉田が通訳しようとしたらもう曲が始まるなんてあたり前(笑)。しかも、わざとやってるというか、全員その場のアドリブで進行してるんである、どう見ても(^^;)。メンバーも困る吉田を楽しんでるし、吉田もそれを知ってて突っ込み役を引き受けているんだ。メンバーが何か言う、吉田は通訳以前に聞き取れない?面倒くさいので日本語で返事をする、当然更に混乱する(^^;)。曲がブレイクの処でそのまま止まって問答になったり、イントロやエンディングをやり直したりは当り前(^^;)。客は今、曲のどこをやってるのかわからなくなる。吉田が日本語で「もういっかい!」メンバーが「MOIKKAI!?」吉田「ONE MORE TIME!」メンバー「Oh Oh.One More MOIKKAI!」他にも前触れもなく始まるメンバー全員のボイス・パフォーマンスの最中で吉田がラーシュに耳打ちすると、ラーシュが突然「MOKARIMAKKA」とか言い出す。
Ah−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
Ha−−−−−−−−−−−−−−−
oowa−−−−−−−−−−−−−−−−MOKARIMAKKA.
Dhooooooooooowa--------------------------------MOKARIMAKKA
AAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaBOTIBOTIDENNA

こんなかんじ。
そして、話がこじれた時の最終兵器として、密談用にステージに、糸電話がセットされていて、ラーシュと吉田で「ハーロゥーー」「はぃ?」などとやりだす。傍目には全然通じてないように聞こえるんだが、なぜか通じてるようで(^^;)。別のメンバーがスウェディッシュ・テレフォーン!とか言うてる。

 で、曲順表がない上にスウェーデン語で曲紹介しても吉田がわからない。揉めた(^^;)末、だったら吉田がカウント取れと。
どうやって? というわけで、途中から、次の曲に行く度にこんな感じでした。ラーシュがイントロを口で歌う。「パッパラッパッパ〜」吉田が叩いてみる、タッタカッタッタっ、違う「パッパラッパッパ〜」、え〜とタッタカタッタッ・・・。いつ始まるんだと言う客の不安を他所に、ラーシュ「パッパ・イズ・デリケート」吉田「パッパ?」ラーシュ「イエス、パッパ」
吉田「マーママーマーマー」
ラーシュ「マーマーマママ・・・サムラ・マンマス・マンナァァァァァ」
ラーシュ「(英語で)皆さんの中にパッパ、ファーザー? はおいでますか?」
(何人か手が挙がる)
「OH.パッパ・イズ・デリケート、イヤー?」(観客苦笑(^^;))
「(英語で)今日はパッパの皆さんの為に特別にこの曲を演奏しましょう」

 などと言ってるが口から出任せに決まっとる(^^;)。全くとんでもないライブでした。しかし前述したように、とちゅうからはある程度ソロも聞き取れるようになったし、アンコールの怒涛の演奏による「家庭のひびわれ」も良かったし。貴重なものを見せてもらったと言えるでしょう。メンバー皆50代で吉田だけ40代。よーやるよなー(^^;)。そうそう、ライブ中でもサンプリングされてましたが、開演前のBGMは森進一だったことも書いておきます。


(zeitさん、転載許可ありがとうございます)