4月17日
グリソム・ギャング

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 よ、読売ランド前?小田急線は何度か利用したことがあるけど、降りたことないぞ。しかも会場はシネマ・バー?あまりにも突然の来日公演決定&意外な会場設定におののきながら、予約メールを送った。

 当日の昼間に用事があり、残念ながら夕方の部のみの観賞となった。プリントアウトした地図を元に、不安になりながら歩いていくと、一昔前のスナックのような建物を発見。あれが会場のグリソム・ギャングか。(クリムゾン・ギャングじゃないよー)しかし入口が二つある。片方はすでに人がいっぱいなので、もう片方の扉を開けたら…セッティング中だった(汗)。すいません。
 受付となっているバー部分に入っていくと、すでに見知った顔が数人ビールなどを飲みながらくつろいでいた。Larsとも軽く挨拶しつつ、私も駆けつけ一杯のビールをいただく。ウマー。

 そうこうしているうちに、セッティングが終わり、今回の会場となる隣のシネマスペースへ、整理番号順に移動開始。

 実はホームシネマ設備に毛が生えたような所だと想像していたのだけれども、スクリーンがあり、しっかりとした椅子も付いていて、本当に小さな映画館であった。これではたしかに「限定25名」しか入らないなぁと納得。ステージにはアコーディオン2台と振るタイプのパーカッション数個(向島)とメロディオン(Lars)とアンプ数台。今回シンセ類はまったく使用しないようだ。私は最後尾の角側(入口のすぐ横)の席でカメラの準備をしながら開演を待った。



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 横の扉(引き戸だった)を開けて、向島さんとLarsが「オエオエオ〜エイヨ〜エイオ〜♪」と謎のヨーデルもどきを延々と歌い続けながら入場。ステージでLarsはいそいそと靴と靴下を脱いでいる。アイ〜アイアイ〜アイ〜アイ〜ホイヤホイ〜♪

 向島:「早くやろ〜」
 Lars:「アイ〜」


 絶妙(笑)

Simfågeldans
 向島さんはヴァイオリンをピック弾きで伴奏にまわり、Larsがお馴染みの軽やかなメロディを弾く。途中、メロディオンやヴァイオリンのソロを混ぜたり曲は進んでいくが、曲が終わった・・・と思ったら、また演奏し出す、という駆け引きを何度か繰り返す。にらみ合って呼吸を計っている二人の構図が面白かった。結局ヨレヨレになった演奏の中、向島さんが「助けて〜。もーできない(笑)」と呟いて、なし崩しに次の曲へ。


Ska vi ga^?


Franska Valsen
 前回(2003年10月) の公演と同様、客席を歩き回ろうとしていたが、会場は狭くて通路は一本しかない。通路を何度か往復した後、扉を開けて会場を退場、外で演奏を続けるという暴挙に出た。たまたま通りかかった人は驚いただろうなぁ。(笑)一フレーズ弾くごとにイタズラを仕掛けるLars.。もしかして酔っぱらってますか?(笑)向島さんが「We have to close the door」と言って扉を閉めに行ったり、ステージ脇の道具置き場に攻め込んだりして、漫才のようなやり取り。

(MC)
Larsが喋っている間に救急車のサイレンが聞こえた。合わせて「ピーポーピーポー」とヴァイオリンとアコーディオンで合わせる(笑)。

Pompen
 これは「Vanderma:ssa」に収録されている曲。本邦初演奏じゃないかな?向島さんはアコーディオンに持ち替えた。呪術的な和音の上を跳ねる音達に、指が絡まりそうなメロディ。ライブで聴くとずいぶん雰囲気が違うものだ。

Moro
 新曲その1。「Utsikter」に入っていそうな、のどかで爽やかな雰囲気の曲。向島のヴァイオリンの音色も美しく冴える。目を閉じて聴き入ってしまった。この二人の演奏って、音楽が「○倍」じゃなくて「○乗」に魅力的になるんだよね。

(MC)
 ここで向島さんの服にトラブル。袖を止めていた両面テープ(…マジックテープじゃなくて?(笑))が外れてしまったらしい。Larsは「袖まくればいいじゃん」と言って、次の曲に入ろうとするが、向島さんは楽器や小道具の持ち替えに「激しく忙しい」とあわてていた。

Viandra
新曲その2。アップテンポなルーマニアの舞曲のような曲(←当てずっぽう)。激しいテンポチェンジするし、調も変わる。Larsは唸りながら熱演。

Augustins Thema
 「Utsikter」のトップを飾る名曲。ちょっと速めのテンポで演奏された。時々ロングトーンで一呼吸をおき、間合いを探り合うのが面白かったが、もう少し丁寧に演奏して欲しかったかな。


迫り来るHollmer氏


袖が…

Nåt
 オリジナルとは大分アレンジが違い、重厚なアコーディオンの伴奏と即興的なフレーズやスキャット(&鼻歌)を入れていた。途中ちょっと演奏の呼吸が合わなくなった箇所もあったが、そこは臨機応変に対応していた。

Tama-Chan Snoa
 DuoのミニCDに収録されている可愛らしい曲。転がる様なメロディに胸躍る。情感豊かな中間部にほろり・・・としていたら、またしても救急車のサイレンが(笑)。それに合わせてせてギーコーギーコー♪と即興を入れてしまう二人。こういう反射神経がたまらない。

(MC)
 Lars:「あの音は救急車?警察?」
と向島さんに質問していた。あまり頻繁に通るから気になったのだろう。

Höstvisa
 数少ない歌入りの曲。途中メロディオンの哀愁漂うメロディとヴァイオリンが良く合っていた。タンギングの技も細かい。同じリード楽器のハーモニカで、しみじみ吹いてみたい。

Boeves Psalm
 Larsのテーマソングといっても良いくらいにお馴染みの曲。Uppsalaで見たGamla Uppsalaの青い空に緑の小山、羊や牛たち。散歩するおばちゃん。そんな光景がピッタリの曲。

Dron
 これもLarsのライブでは定番。向島さんは鈴などを振りながら、声のハーモニーもつける。ディレイを聴かせた(時々ヒステリックな)ヴァイオリンと重厚なアコーディオンの音色の対比が神秘的な気持ちにさせる。

(MC) Lars:「Holiday tune」

Portaletyde
 Larsの造語なんだろうか、単語の意味分からん。親しみ易いメロディを支える和音が、風の流れを感じさせるように思えた。目をつむると、遊園地でメリーゴーランドに乗っているような気分だ。


今回も裸足


アコ&メロディオン同時演奏

(MC)
向島:「女の人の自転車の歌って、言ってるんですけど、何度聞いてもウソつかれてるような気がするんです〜」
(2003年10月のDuo公演参照)と次の曲を紹介。

Utflykt Med Damcykel
 拍子もハーモニーも一筋ではいかない曲だ。中間部のインプロ部分が毎回聴き所になっている。おお、今回もテンション高いヴァイオリンが・・・・と思ったら止まっちゃったよ(笑)。スウェーデンの婦人用自転車は乗りこなすのが難しそうですな。その後テンションの高い煽り合いが続いた。「駆け引き」というより、完全に「遊んでる」のがいい加減なようですごい。

Inte Quanta
 曲に入る前にLarsが「Not! Not! Not Quanta! Never! No! 」と主張。踊れないQuantaということを力一杯アピールしていた。

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Encore 1 / Hajar du Idealfamiljen?
 Lars「この曲はG」。さっきからいちいち曲のコードを宣言するのは何故ですか?
この曲は「理想的な家族」について歌ってるらしいのだが、Larsがパパ、ママ、息子、娘の役割をちゃんと声色を変えて歌うのがおかしいかった。

Encore 2nd / Sväng Bättre
 向島さんが「いつもやろうかどうか迷うんですけど」と言いつつ、結局演奏されたスピードチューン。しかしあまりスピードに乗りすぎてLars脱落してしまった。向島さん「一人にしないで〜」と寂しげな旋律を奏でる。Larsは「何て難しい曲なんだ!」と言い訳をして仕切直し。観客席から自然と手拍子が起こるが、途中のテンポチェンジにはプログレファンも脱落。思いついたらやらずにいらないLarsの戯れに、結局なし崩しな感じで終わる(汗)。






アリガトーゴザイマシター

 今まで見たLarsのライブの中では一番ラフな演奏だった。もう少しシットリと聴きたい曲もあったのだが、そこはLarsと向島さんのキャラで何となく「それもありかな」と思えてしまう。少数限定のライブとあって、アットホームな雰囲気のライブだった。


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04/17
Lars Hollmer & Yuriko Mukoujima Duo :
夕方の部
1. Simfågeldans
2. Franska Valsen
3. Pompen
4 .Moro (new)
5. Viandra (new)
6. Augustins Thema
7. Nåt
8. Tama-Chan Snoa
9. Höstvisa
10. Boeves Psalm
11. Dron
12. Portaletyde
13. Utflykt Med Damcykel
14. Inte Quanta

--encore 1--
15. Hajar du Idealfamiljen?

--encore 2--
16. Sväng Bättre


Yuriko (vln) & Lars (Acc)


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