Gentle Giant
渋谷家の5大英国プログレッシヴ・ロックバンドの中にはEL&P(しぶ)、Genesis(もも)ではなくGentle Giantがエントリーされています。当然でしょう。テクニックや完全無欠のコーラスハーモニーに耳が奪われますが、メロディーの美しさやファッショナブルなアレンジにも注目して下さい。風貌はむさいけど(^_^;)、洗練されたプログレッシヴ・ミュージックってこのことです。
他の大物プログレバンドと違うところは、音が醒めている(仰々しい泣きがない)、Vo.に感情移入がない(むしろ楽器の1つである)、際だったキャラクターが居ない(Derekは実は凄いんです・・・)など、下手なリスナーの思い入れを介入させない職人的なストイックさがある一方、ライブバンドとしては、完璧な演奏をこなしつつも「難しいこと言わないで楽しもうぜ!」という姿勢が見られます(意外にマッチョです)。スタジオ盤を上回るグルーヴ感溢れた演奏は、人を唖然とさせるには十分すぎます。ライブを観られなかった分、日本に於いての人気の低さはしょうがないかなぁ(なんかRushみたいや〜)。
こういうバンドは「映像を見る」のが理解する早道です。が、正規の映像がないのですね(涙)。ライブ音源の発掘は進んでいますが、ついでにBBCのライブの正規ビデオを切望します。
詳細は:Gentle Giant Home Page
☆Gentle Giant (Vertigo 6360 020 : 1st) '70 (Nippon Phonogram PPD-3093 : 日本盤CD) "Giant", "Funny Ways", "Alucard"と冒頭でノックアウト。名曲揃い。 ☆Acquiring The Taste (Vertigo 6360 041 : 2nd) '71 (Vertigo 842 917-2 : アメリカ盤CD) "Pantagruel's Nativity"は良いが、他の曲はごちゃごちゃとしていて混沌としている。取っつきにくいことは確かである。 ☆Three Friends (Vertigo 6360 070 : 3rd) '72 (Line LICD 9.00730 O : ドイツ盤CD) これは別名体育座りジャケ。異なるジャケットもある。最初ブートかと思いました(^_^;)。"Prologue"と"Peel The Paint"がききどころ。オドロオドロしくも美しい音楽。 |
Three Friends |
☆Octopus (Vertigo 6360 080 : 4th) '73
(Nippon Phonogram PPD 3094 : 日本盤CD)
私のGG初体験がこれ。しかしGGとしては最も異色の作品。しかしながら個人的には最高傑作。彼らの美しい部分が最も表現されていると思う。顔はむさいけど。"River"も佳曲であるが、その他の曲は全部大好き!ウィット溢れる英国らしさが満載。
☆In a Glass House (WWA 002 : 5th) '73
(The Road Goes on Forever RGF CD 1001 : 英国盤CD)
"The Runaway"は日本盤LP、「Giant Steps...The First Five Years」というアナログ盤でもイントロ部分が片チャンネルしか音が出ていない謎の曲であったが、The
Road Goes on Forever盤ではきちんとステレオできける。(^_^)この曲はステレオでなければ面白さが半減してしまうのである。スタジオ作では一般的に最高傑作と言われている作品。CDもLP時代に習い特殊ジャケット仕様。"The
Runaway"と"Way of Life"はGGらしさ爆裂の代表曲。
☆The Power & The Glory (WWA 010 : 6th) '74
(The Road Goes on Forever RGF CD 1002 : 英国盤CD)
GGのHard Rock的作品。"Proclamation"は名曲。"So Sincere"の美しさは人智を越えています。アルバム全体の構成もスマート。ももはこの1枚ではまりました。なお、The
Road Goes on Forever盤はボーナス・トラックが入っているのですが、その曲名は"The Power
& The Glory"なのである。(笑)
☆Free Hand (Chrysalis CHR 1093 : 7th) '75
(One Way Records CDL-57338 : アメリカ盤CD)
この作品もGGの代表作であろう。"Just The Same", "On Reflection",
"Free Hand"はあまりにもかっこ良すぎて小便チビリそうになります。 "Free Hand"はロックの古典になっても良いと思います。黙って聴け!
☆In'terview (Chrysalis CHR 1115 : 8th) '76
(Capitol ST-11532 : アメリカ盤LP)
(MSI MSIF 3346 : 日本盤CD)
これも早すぎた作品。ダンサンブルに明るく超絶技巧を駆使した前代未聞のファッショナブルなProgressive Rockを確立した。でもやっぱり風貌はむさいけど。
☆Playing The Fool (Chrysalis CTY 1133 : Live) '76
(Chrysalis 301 281-406 : ドイツ盤LP)
☆The Missing Piece (Chrysalis CHR 1152 : 9th) '77
☆Giant for a Day (Chrysalis CHR 1186 : 10th) '78
(The Road Goes on Forever RGF CD 1008 : 英国盤CD)
GGファンでもこれは悲しくて涙なしにはきけない辛い作品である。全ての作品を網羅してから雨戸を閉め切ってひっそりときいて泣いて欲しい。なんでこうなっちゃったの?という悲劇の作品。(ToT):しぶ
Pop化したと悪評高いアルバムですが、そ〜〜〜〜んなに出来が悪いですか〜〜〜?"Words From
The Wise"いい曲じゃないですか。"Giant for A Day"ピポピポして楽しいじゃないですか。確かに「最初に聴く1枚」としては勧めませんが。:もも
☆Civilian (Chrysalis CHR 1285 : 11th) '80
(The Road Goes on Forever RGF CD 1007 : 英国盤CD)
最終作。開き直った演奏は今きくととても新鮮で良い作品と思う。再評価願いたい作品である。
☆In a Glass House (Belle Antique MAR 00608)
メンバー自身のレーベルからボーナストラック2曲を追加して紙ジャケ+特殊ジャケでリリースされた正に決定盤。特に日本盤は店頭から消えてしまってから久しいが、大阪出張の際「アルケミーミュージックストア」にて奇跡的にあったため思わず入手してしまった。ボーナス曲は'76/Sep./23の"The
Runaway/Experience"でLive盤「Playing The Fool」Tour時のものとドイツMunsterにおける'74/Apr./5の"In
a Glass House"からLiveの収録である。このうち"In a Glass House"は前出のBootleg「Prologue」と同日のテイク。その"In
a Glass House"は音質はあまり芳しくないが長大なギターソロがふんだんにぶち込まれた非常に興味深いダウナー系HRアレンジで思わず手に汗握る。
【35th Anniversary Editionシリーズ】
☆In a Glass House (DRT Entertainment RTE 00351)
'05
前回のボーナス・トラック2曲を追加して紙ジャケ+特殊ジャケでリリースされたブツが決定盤だと思っていたが、35th Anniversary
Editionがリリース。フィルム系の特殊ジャケに音質も素晴らしいとなれば必携である。これを最後の決定盤とさせて欲しい。(^^;
このディスクにはDigitally Remasteredに'76/9/23のドイツのDusseldorfの"Experience"が収録されている。前出の紙ジャケのMC部がカットされているVersionである。
☆The Power and The Glory (DRT Entertainment RTE 00352) '05
Digitally Remastered 35th Anniversary Edition。Bonus Trackとして'74のドイツTVのZDFでの"Proclamation"のLiveと前出の"The
Power and The Glory"を収録。今買うならコレ。但し、ZDFでのVersionは「Giant on
The Box」のDVD盤と同音源。
☆Free Hand (DRT Entertainment RTE 00350) '05
Digitally Remastered 35th Anniversary Edition。音質が著しく良くなっているのでやっぱり買いである。Bonusとして'76/July/3rd.のCalderone
Theater Hempstead, NYでの"Just The Same"を収録。同日のLiveは「In'terview
in Concert」のBootlegで確認することが出来るが、そのBootlegには"Just The Same"は収録されていない。また、Bootlegの会場のクレジットが間違っていたことを発見。(^^;
☆In'terview (DRT Entertainment RTE 00353) '05
☆In'terview (DRT Entertainment RTE 00357) '05
Digitally Remastered 35th Anniversary Edition。やっぱりこれも買いである。
熱心に彼らのサイトをチェックしているマニアは既に知っていることであるが、本当の1stプレス盤(RTE 00353)に収録されている「In'terview
in Concert」のBootlegと同音源"Interview"のテイクはモノラル・テイクだったので回収されたのである。正にジャイアント・エラーだ。現在ではこのRTE
00353は激レアアイテムとなっている。まぁ。元々余り音質は良くないので、ぼーっときいていると気付かないかもしれないが。「In'terview
in Concert」できけるからいいやと思う人もいるだろうし。(^^; 一方2ndプレス盤(RTE 00357)はステレオ盤に修正されたが、スリップケースのジャケットが若干薄く褪せたような色になってしまったのが残念である。また急いで修復したせいなのか、実際のDiscの方はRTE
00353のままになっているのだ。マニアはチェックしてみて。
微妙に色も違います。 1stプレスの方が若干濃いめに色が出ています。 |
品番も確認してね |
☆Playing The Fool (DRT Entertainment RTE 00354) '05
Digitally Remastered 35th Anniversary Edition。やっぱりこれも買いである。
2CD仕様でのリリースで1枚目はEnhanced CDで"Proclamation"の映像入りであるが、DVD「Giant
on The Box」のGerman TV 1974のZDFテイクと同じ物である。
☆The Missing Piece (DRT Entertainment RTE 00356) '05
Digitally Remastered 35th Anniversary Edition。やっぱりこれも...ってもういいか。(^^;
Bonus Trackは'77のCleveland公演から"For Nobody"。
☆Giant for a Day! (DRT Entertainment RTE 00355) '05
Digitally Remastered 35th Anniversary Edition。このDiscはEnhanced
CDで"Words from The Wise"のMusic Videoが収録されている。これはDVD「GG
at The GG」にも収録されている。
カップリング盤
☆Playing The Fool/Civilian (BGO Records BGOCD435 : 英国盤CD)
2CD仕様、Remaster盤。Live盤は凄すぎて、これを読んでまだ未聴の方は死ぬ前までに1度はきいていただきたいと思う。
怒濤のLive盤
☆In Concert (Windsong WIN CD 066 : 英国盤CD)
1978年1月5日のBBC Live。
☆Out Of The Woods (Band of Joy BOJCD018 : 英国盤CD)
☆Totally Out Of The Woods (Belle Antique MAR 00551/2) '00
The BBC Sessions。1970〜'75の録音。1stには収録されなかった、キーボード炸裂"City
Hermit"を収録。スタジオライブなのだが、GGの曲はライブでこそ生きてくるのだと思い知らされる。"Way
Of Life"などもう別の曲である。"On Reflection"の完璧なハーモニー、ブレスに感嘆。入門編としてもイケる1枚。
未収録テイクを足して2CDでリリースされたのが「Totally Out Of The Woods」(上記の表を参照) 。
Disc 1の3〜6は'73 8/28の音源。Disc 1の"Way Of Life"はDisc 2の同曲より全体的にラフな感じでキーボードの音色が若干明るめである。"Free
Hand"のデモは、本当におためし程度の短いテイクですが、え〜と、デモテイク?音は悪いが演奏に手抜きナシ。「Out
Of The Woods」未購入の方は即購入するように!一家に一枚。
Out Of The Woods City Hermit Isn't It Quiet And Cold? Knots The Boys In The Band Organ Bridge The Advent Of Panurge Way Of Life Proclamation Experience Aspirations Cogs In Cogs Just The Same Free Hand On Reflection |
Totally Out Of The Woods |
<Disc Two> Knots Teh Boys In The Band Organ Bridge The Advent Of Panurge Way Of Life Proclamation Experience Aspirations Cogs In Cogs Free Hand-Live Arrangement Demo Just The Same Free Hand On Reflection |
☆The Last Steps (Red Steel Music RMC CD 0205 : 英国盤CD) ☆Endless Life (Voiceprint Japan VPJ 238-9) '02 ☆Prologue (Voiceprint Japan VPJ 250-1) '03 |
Scraping The Barrel Prologue Pretentious |
☆Simon Dupree & The Big Sound
/ Without Reservations (Vivid Sound VFCD-001) 本作はSimon Dupree & The Big Sound の1stにボーナス曲として"Kites"と"Like The Sun,Like The Fire"を収録したもの。 ご存じGGの前身バンドだったアイドルバンド。Simon Dupreeは諸説がありますが、次男Derekの芸名ではないかと思われます。強烈なプライベートビデオマニアのご好意でこの時代の映像を見せてもらいましたが、追っかけのねーちゃんに囲まれて、もみくちゃでした。いや、本当なんじゃて。演奏はいわずもなが。 音はビート系でいいのかな。しかし"Day Time,Night Time"ではPhilがホルンを吹くという、普通のビートバンドとはひと味違うアレンジを見せていました。やはり目玉はメロトロンの音もまばゆい"Kites"でしょう。 ☆Ancient Grease / Women and Children First (Repertoire REP 4359-WP) '70 John Weathersが中心になって結成されたBand。スワンプ・ロック。今時の人達がこれきいたらどんな反応を示すか興味津々である。(^_^; なお、再発にあたり"Freedom TrainのAlternate Take"がボーナスとして追加されている。 ☆The Neutrons / Black Hole Star (Gang Bang0102) '74 CD-R盤。Bootleg? John Weathersが参加している。"Living The World Today"はアップ・テンポでスペーシー&サイケっぽい。"Feel"は一転してフォーク・ロック調、"Mermaid and Chips"は何となく初期Genesisを思い起こさせるような鄙びた感じがGood、"Going to India"はRenaissance/Illusionの雰囲気であるなど、総じてBritish Rock。安定したリズムが心地よい。隠れた良作だと思う。 ☆Big Sleep / Bluebell Wood (Hugo-Montes Production HMP CD-005) '71 この作品にもJohn Weathersが参加。ジャケットがシュールであるが、実に英国らしいサウンドで占められておりいぶし銀のような名作と言って良いだろう。たまにきくと心が洗われるね。 |
Ancient Grease Big Sleep |
Disc One Fonya / Talybont (U.S.A.) Sky Island / In a Glass House (U.S.A.) Advent / Experience/For Nobody (U.S.A.) French TV / Mister Class and Quality?/Three Friends (U.S.A.) Raymond Benson / Think of me with Kindness (U.S.A.) The Works / River (U.S.A.) Strange New Toys / Inside Out (U.S.A.) Page / Aspirations (U.S.A.) Louie Mastro / Cogs in Cogs (U.S.A.) Ivanhoe The Giant / Wreck (Italy) |
Disc Two Advent / BITB Glass Haus / Just The Same (U.S.A.) Dan Barrett / Number One (U.S.A.) Zauber / A Reunion (Italy) Evolution / I'm Turning Around (U.K.) Sven Herman / Peel The Paint (U.S.A.) Algebra / Funny Ways (Italy) The Chocking Smokers Band / Nothing at All (Italy) Louie Mastro / Acquiring The Taste Clarion / Talybont (Italy) |
Giant for a Life |
☆FSB / Non Stop (UBP International
Ltd. UBP-023) '77 ブルガリアの雄エフエスベーの記念すべき1st。時代的にフュージョン色であるものの、キーボードを全面に押し出したテクニカルな演奏が非常に魅力的だ。"Power and The Glory", "Free Hand", "On Reflection"と、なんと3曲Gentle GiantのカヴァーをほぼインストVer.にして収録している。彼らなりのPopで軽快な演奏がGood。しかし激レアのシングル曲"Power and The Glory"をカヴァーしているのは驚き。ブルガリアではGentle Giantはスター的存在だったのか?(^^; |
☆Playing The Foole (TAKRL 1943) '75 1975年のアメリカ・ツアーのもの。アナログ時代の有名なBootleg。メンバー達はこの作品をパクッて?Playing The Foolと題されたLiveをリリース。いい加減な日本語メニュー記述のジャケットが面白い。 ☆Amongst The Darkers (Raid Masters CD 910705 : イタリア盤) Live in Baltimore 1975 ☆Giant Steps Forward (Reel Tapes RTCD002 : イタリア盤) 目覚まし時計がうるさい(笑)Bootleg。 |
Playing The Foole |
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☆Prologue (Highland HL499/500) Live at Munster, Germany 74/Apr/5th + Live at Spectrum, Philadelphia, Pennsylvania 75/Oct/10th 出てくる出てくるGGの発掘音源。フィラデルフィアのLiveは音質がかなり落ちる。但し、"Excerpts from Octopus"のメドレーはとても興味深い。 ☆Artistically Cryme (Highland HL503/504) Live at Olympen - Sparta, Lund, Sweden 76/Sep/19th これも貴重な音源。正規盤Live「Playing The Fool」Tour時のLiveで1公演を多分コンプリートに収録している。2000年の今、こういうのはどこから発掘されてくるのか?いずれにせよ演奏も貴重度も凄い。(^^; |
Prologue |